東京さまよい記

東京をあちこち彷徨う日々を、読書によるこころの彷徨いとともにつづります

汐見坂(日本医科大付属病院北側)

2012年02月15日 | 坂道

汐見坂上 汐見坂上側 汐見坂中腹 汐見坂中腹 前回の夏目漱石旧居跡から引き返し、次を左折し、小路に入る。ちょうど日本医科大学付属病院の北側である。

この小路を東へ進むと、一枚目の写真のように次第に下り坂になる。その先が手摺り付きの小階段で、車止めから下が普通の階段になっている。手摺りは階段下まで続いている。坂下が藪下通りである。

この階段坂は、岡崎、山野に、汐見坂として紹介されているが、横関、石川にはない。

この坂は江戸切絵図にはなく、実測明治地図(明治11年)にものっていない。明治地図(明治四十年)にはあるので、この間にできた坂と思われる。前回紹介のところに漱石が住んでいたころには、たぶんできていたのであろう。

この坂から、そのむかし、他の潮見(汐見)坂と同様に東京湾が見えたことが坂名の由来と思われるが、なにかはっきりしない。

汐見坂中腹 汐見坂中腹 汐見坂下 汐見坂下 この坂は、いつごろからそう呼ばれたのか、その歴史がちょっと不明である。「東京23区の坂道」には、解剖坂として紹介されている。これまた、不思議な坂名であるが、となりの日本医科大学と関係するのであろう。

坂下の藪下通りは団子坂上に向かって緩やかな上りとなる。この通りも汐見坂と云うらしく、同名の坂が続いている。

根津裏門坂は人も車も多いが、坂上を右折してから漱石旧居跡に寄ってこの坂下まで人通りが少なく、静かな散歩が続く。
(続く)

参考文献
横関英一「江戸の坂 東京の坂(全)」(ちくま学芸文庫)
山野勝「江戸の坂 東京・歴史散歩ガイド」(朝日新聞社)
岡崎清記「今昔 東京の坂」(日本交通公社)
石川悌二「江戸東京坂道辞典」(新人物往来社)
「嘉永・慶応 江戸切絵図(尾張屋清七板)」(人文社)
市古夏生 鈴木健一 編「江戸切絵図集 新訂 江戸名所図会 別巻1」(ちくま学芸文庫)
「古地図・現代図で歩く明治大正東京散歩」(人文社)
「江戸から東京へ明治の東京」(人文社)

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