おにぎり2個の里みち歩き 農山漁村の今昔物語

おにぎりを2個持って農村・山村・漁村を歩き、撮り、聞き、調べて紹介。身辺事象もとりあげます。写真・文章等の無断転載禁止

破れビニール帽子と稲わらマントのユウガオ苗

2011年06月08日 02時47分53秒 | 農業

写真1 直線状に定植されたユウガオ
     周りに稲わらを敷かれ、北側に稲わらマントをかけられ、白ビニール破れ帽子を被り晩霜を避ける
     傍らには線虫被害等を予防するネギ



写真2 黒ビニールで襷がけのワラノー。干し稲わらをパゴダ・仏塔状に積み重ねて保存する秋の造作物
     ユウガオなどの栽培に用いる稲わらを保存する


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 栃木県下野市は、同県壬生町や上三川町などと並ぶ干瓢・カンピョウ産地
 干瓢はユウガオの果実・フクベを加工した食材
 近年、当地域のユウガオ栽培面積は中国産干瓢におされて減る
 そのため、ユウガオ栽培に使う稲わらを積み保存するワラノーは少なくなった
 2008年頃のユウガオ・干瓢の状況は次のようである

 まず、下野市のSさん(2008年・70歳)は次のようにご教示
   近頃・2008年頃、中国産の残留農薬問題や国内の栽培面積減少で、干瓢価格はけっこう良い
   しかし、フクベを細紐状にむく道具を処分したので対応できない、栽培できない
  
   フクベをむくには、むく人2名、むいたのを干す人1名、計3名で従事するのが理想
   以前、Sさん宅は本人と妻、父と母の4名がフクベむきに従事
   しかし、父母は亡くなり、子供は農外勤務
   Sさん夫妻には重労働
   最盛期は明け方2時、3時からむき、干す
   当地特有の夕立と競争で出したり、取り込んだり、それは大変だった

 次に、同市のSさん(2008年・80歳)宅の状況
   本人、妻、後継者夫妻(後継者は農外勤務。)の4名でユウガオを栽培し、干瓢を造る
   作付はユウガオ⇒ホウレンソウ⇒ユウガオ⇒ホウレンソウの順に連作
   ユウガオとホウレンソウは水田転作作物
   2011年、妻は亡く、3名でユウガオ栽培(写真1・写真2)、干瓢造り

 注1 ワラノー:干し稲わらをパゴダ・仏塔状に積み重ねて保存する秋の造作物
 執筆・撮影者:有馬洋太郎 撮影年月日:2011年05月05日 撮影地:栃木県下野市
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