ホワイトシェパード・アリエスの日々 ≪一雲日記≫

いつまでもどこまでも一緒に歩こう!

アリエスと災害

2019-10-13 | 11~12歳
昨晩は暴力的とも感じられるような風雨で、アリエスの体があったらするであろう準備を思い浮かべて過ごしました。まだ川の氾濫の危険が残っているし既に大変な状況に陥っている人々もおられ、早く平常に帰するのを祈るばかりです。

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犬を家族として暮らす人は皆そうだろうが、私達も、アリエスを災害から守り抜くことは常に考えてきた。体が大きく、いざという時は自分で移動してもらわねばならないし、足腰が元気ならいいが、もし立ち上がれない時に起こったらどうするか。人の集まる避難所ではいろいろと難しい可能性もある。救助してもらうようなレベルになれば、連れて行けないなどというとんでもないことが起こり得る。さりとて自分はここに残るとか言い出せば、レスキューしてくれる人を困らせるだろう。大型犬と暮らす友人は以前、そうなったら自己責任で隠れて残ると言っていた。居るのが分かると迷惑をかけるからと。地球はヒトのためだけに整備し使われて、他種の生命が負わされる危険と運命について、システマティックに突き詰められたことは未だない。

いかんともしがたい突発的メガ災害を除くと、やはり普段の想定と準備に尽きる。どこまでいっても人智の及ばぬ想定外はあり得ると思う。その場合は臨機応変、一蓮托生と肚をくくるしかないが、考えつくことのできる厄災でアリエスの人生を損なわぬこと、それは全力で遂行したつもりだ。現代は、過去の時代より入手しやすい情報は大きな武器だ。

たとえばいつも通っていた河原なら、水面から遊ぶ土地までの距離や地形、生えている植物、いるはずの生物、堤防までの高さ、上流のどの辺りにどの程度降雨したらどれくらい遅れて水かさが増すか、ダムの放水があったらいつどうなるか、それらは頭に入れていた。公共のモニタリングシステムの数値をいつも見て自分なりに推移を分析し、自治体やニュースが呼びかけるよりも早いタイミングで、判断を下す練習をする。

そしてその情報に磨きをかけるには、その知識をしまった頭で、実際に調べるのが重要だと思っていた。いざという時を察知して迅速に動くために、自分の目がその距離をどう感じるか、どんな匂いと音なのか、明るければ暗ければ、それが有ったら無かったら。他の生き物の様子、季節の植物。空気と空で、できるだけ気象を予測する。直感と呼ぶ経験値の積み重ねをしておく訓練はとても役に立ったしおもしろくて、アリエスはきっと一瞬で、こんなふうに世界を把握しているのではないかなと思ったりもした。

こちら側の要素も大事だったな。アリエスは何に気を取られるか。気づきにくい危険は何か。頼れる基盤は持っているか。自分が使い物にならない状況の設定。自分のミスの傾向。連絡、移動、次善策。食べる飲む排泄する。日常生活動作を、どうしたら維持してやれるのか。

…とまあ、準備といっても限りない。助けになる道具を揃えて保管し、1ヶ所でなく分けておいたり、離れた避難先を確保したりも重要だった。リスクの内容によっては、父ちゃんとは別行動。どちらかが無事なら、まだなんとかできる確率が上がるかもしれない。

怖い思いをする生物ができるだけ出ないこと、そして何より、取り残される恐怖を誰も味わうことのないよう、祈って止まないのです。