彼の未来

　ここ数日、近所の人や叔母やいとこ達がアリエスに会いにやってきた。インターホンにも電話にも全く反応しないが、我が家で未知の来客に会った回数が少ないので、できるだけ多くの人に来て頂いている。アリエスはうまくお迎えできたらたくさんほめてもらえる。これまでそれぞれにかわいがってもらい、手ずからにエサをもらうことができた。これからもたくさんの人に協力を仰ぎ続けようと思う。
　アリエスは大型犬であって、顎の力も強いし勇敢だ。私達家族が、いろいろ手を尽くして調べた方法で彼と暮らし始めて1週間。毎日恐ろしいスピードで栄養も知識も吸収していく彼を見ていると、ここで人間社会への適応のさせ方を間違えるわけにはいかないと切実に感じる。パピークラスやしつけ教室に通うという以前からの計画を実行に移そうと思い立った。我が家の問題点や危険な点を指摘して頂くために、尊敬するY先生に個人レッスンをお願いすることにした。これは私自分の側の訓練というべきだろう。自分がアリエスへの愛情表現の仕方を間違えないように、学んでいきたいと思っている。彼がのびやかに育つことと人への安全性の高さが必ず両立するのだと、信じてやっていく。ちょうど1週間前、羽田でアリエスに会えた時の緊張と喜びを、これからもずっと忘れないでいよう。