はるみのちょっとTea-time

日々の暮らしのなかで感じたこと、市民運動のことなどわたしのことばで、つづります。

闇の子供たち/梁石白と映画「闇の子供たち」

2008-08-17 | 読書ナリー
2008年8月17日(日曜日)
朝7時にはもう、ツクツクボウシが鳴きはじめている・・・

夏休みもそろそろ終わろうとしているんだな・・・

灯ろう流しがすんで
ツクツクボウシの声を耳にするころになると
小学生のころの、なにも出来ていなかった
夏休みの宿題のことを思い出してしまう。

1年生だったのか・・・8月31日の夜、
友達に夏休み中のお天気を写させてもらっていたわたし。
たしか絵日記も泣き泣き、描いていたっけ・・・
「毎日、ちゃんとしとらんさけや!!」
親の怒る顔と声をいまでも、鮮明におぼえている。
忘れるはずがない・・・
なんたって、毎年の恒例だったんだから・・・

買ったまま、なかなか読みだせなかった小説を
今日やっと読み終えた・・・
梁石白「闇の子供たち」

阪本順治監督の映画が全国公開中で話題になっている原作だ。
読み切るのにこれほど、つらいと思ったのは久しぶりだ。

梁石白さんの小説はどれも、
重く暗い人間の暗部をえぐりだし、これでもか! 
と心の中にグサリと怒りの刃を
差し込んでくるように感じてしまう。

きっと今わたしは、
センラー(貧困にあえぐタイの山岳地帯から売春宿へ売られてき少女)
のようにうつろな目から、涙を流している・・・
いや、涙さえ出てこないほどの衝撃といったほうが
いいかもしれない・・・

タイランドにあこがれていた。
ケープットに行ってみたいと思っていた。
お気楽に観光旅行のことしか考えていなかった自分が
とても恥ずかしく、情けなかった・・・
心がギシギシと音を立てて、かきむしられている。

敦賀の映画館で上映になるのは、かなり遅いかもしれない。
でも、必ず観ようと思っている。
インターネットでタイを検索しても
「頬笑みの国・タイ」は、いつも美しく
わたしを夢の国へといざなう・・・

実際には、政情も不安定でタクシン元首相が亡命の
ニュースも流れている・・・

ここからは「闇の子供たち」の阪本順治監督の
インタビュー記事
そのあとはタイでの児童虐待(性的)で禁固刑が
決まったカナダ人の記事

http://mainichi.jp/enta/cinema/news/20080814dde012200018000c.html
映画:「闇の子供たち」の阪本順治監督 タイの幼児売買をリアルに描写
 ◇省略せず見せたかった--日本人に返ってくる話
「KT」「亡国のイージス」などの社会派作品から
「魂萌(たまも)え!」「ぼくんち」などホームドラマ調のものまで、
幅広い映画を手がける阪本順治監督。
全国公開中の「闇の子供たち」は、
タイの幼児売買の実態を描いた衝撃作だ。【勝田友巳】

「『魂萌え!』で家庭という狭い世界に奥深く入りこんだので、
次は“外”に出たかった。
韓国との合作『KT』で日本人であることを自覚させられたように、
今回も外国から日本人を見ることが出発点。
この題材を描くことに意義や喜びも感じた」と阪本監督。
梁石日の小説を脚本にする作業に取り掛かったが、
重い内容にたじろぐことになる。

「ぼくにはボランティアの経験も、
世界のために何かをするという発想もなく、
自分がメッセージを放つほど偉い人間なのかと自問自答させられた。
映画の目的はタイの国情の暴露ではなく、日本人や欧米人が
タイの子供たちの人権を踏みにじっている現状を描くこと。
ト書き1行が人を傷つけるのではないか、
自分が本当に撮れるのか、確認しながらの作業だった」

登場人物や出来事を単純な善悪で描き分けず、
当事者の心理に分け入っていく。
タイの貧困と幼児性愛嗜好(しこう)者の存在が絡み合って
児童売買春を成立させ、臓器売買の裏には
移植に望みをかける患者の家族がいる。

「舞台はタイでも、日本人に返ってくる話。
自分を安全な場所には置けない。
簡単に決着させると、複雑さは伝わらない。
単純なハッピーエンドで割り切れる話ではないのだから」。
原作にない結末を加えたのも、そのためだ。

リアルな幼児買春の描写は論議を呼んでいる。
「やりすぎと言われるかもしれないが、
あそこまでやらなかったら、どう伝わったか。
今回のテーマは、現実を目の当たりにしてもらうこと。
省略せずに見せたかった」。
出演したタイの子役には映画の意図を丁寧に説明し、
虚構だということを折に触れて確認するなど、
細心の注意を払ったという。

安寧、平和な日本映画界にはなかった作品。
「タイでの撮影を終えて帰国したとき、
日本の風景がまったく違って見えた。
観客もそうなったらいいなと思う。
行動を強要するつもりはないし、
無力感を覚える人がいるかもしれない。
それも含めて意義があるのではないか」。
とつとつとした口調で、覚悟のほどを語るのである。

毎日新聞 2008年8月14日 東京夕刊

http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2507320/3223011
児童虐待のカナダ人に禁固刑、タイ
2008年08月15日 23:08 発信地:バンコク/タイ
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関連写真 2枚

タイの首都バンコク(Bangkok)の刑事裁判所で児童虐待の罪で
有罪判決を受けたカナダ国籍のクリストファー・ポール・ニール
(Christopher Paul Neil)受刑囚【8月15日 AFP】

児童虐待容疑により国際指名手配され、タイで逮捕・有罪となった
カナダ国籍のクリストファー・ポール・ニール
(Christopher Paul Neil)被告(33)に対し、
タイのバンコク(Bangkok)の刑事裁判所は15日、
禁固3年3月の判決を下した。

同被告は公判中、13歳の少年に対する虐待の事実と有罪を認めていた。
同裁判所は15日、求刑6年6月に対し刑期を半分とした
禁固刑と6万バーツ(約20万円)の罰金支払いを命じた。

また同被告については別の裁判で、
この少年の9歳の弟に対する虐待容疑についても問われているが、
この件に関しては無罪を主張している。

逮捕にあたり、児童福祉団体らからは、これまで児童売春や
その他の犯罪者の潜伏先として悪名高かったタイの当局が、
汚名挽回に本腰を入れ始めた兆候だと歓迎を示していた。
しかし今回の判決に対しては、
児童買春抑止のためにはより厳罰が必要だったとする声が多い。

ニール被告は少年に対し性的暴行を加え、
その様子を撮影した写真約200枚をインターネット上に掲載したかどで、
国際刑事警察機構(International Criminal Police Organization、ICPO)が
デジタル加工された顔写真から手配写真を作成し、
インターネットを通じて公開。
国際指名手配の末、07年10月にタイで逮捕された。(c)AFP/Jutarat Tongpiam
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