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アートネタなど日々のあれこれ

夏のめぐろ能と狂言

2021-09-06 00:42:37 | 舞台
「夏のめぐろ能と狂言」を見てきました。

能と狂言…もう何年も見ていなかったのですが、とあるところからご招待をいただき、息子と二人で行ってまいりました。息子にとっては日本の伝統芸能は初めての体験です。今どきの小学生男子はいったいどんな反応を示すことやら…。

プログラムは「仕舞」「狂言」「能」の順でした。仕舞の演目は「巴」「井筒」「融」。「巴」は長刀を持って舞う勇壮な演目。巴御前のことは息子も知っていました。幽玄な「井筒」、渋めな「融」と続くのですが、ふと隣を見ると息子は早くも寝落ち…いくらなんでも早すぎです。続く狂言の演目は「鍋八撥」。人間国宝の野村万作翁がシテの浅鍋売、息子の萬斎氏が目代、孫の裕基氏が鞨鼓売りを務めます。お話はといえば、目代が市を立てるにあたり、一番乗りしたものを市の代表として免税することになったのですが、一番の座を巡って鞨鼓売と浅鍋売が熾烈な(?)バトルを繰り広げるというものです。途中、跳んだり跳ねたり、はたまた側転したりというアクションシーンもありますが、御年九十歳の万作翁も果敢にアクションに挑みます(さすがに側転はしていませんでしたが…)。親子孫の共演だけあって、息の合った演技でしたが、とりわけとぼけた風情の万作翁のたたずまいが何ともチャーミングでした。寝入っていた息子を途中で起こし、あらすじを教えてやると、どうやら話の筋が飲み込めたようで、時々笑いながら、身を乗り出すようにして見ていました。ようやく目覚めたようです…。最後は能。演目は「羽衣」。あの羽衣伝説の能で、天女のシテが桃色の衣を持って優美に舞います。まぁ綺麗…と思いながら眺めていたら、隣の息子は途中でどうやら飽きはじめたようで、まだ?と聞いてきます。終演予定時刻になっても序破急の急に入っている感じがしないので、どうなっているのだろう…と思っていたら、約二十分押しで終わりました。終わってから息子に今日はどうだった?と聞いてみると、狂言は面白かったけど…という返答。まあ小学生男子なんてそんなもんですかね…。

そんなわけでひさびさに能と狂言を堪能してまいりました。思えば息子がまだまだ小さかった頃、アートを解する雅なお子ちゃまに育てよう、と志を立てたものですが、歳月が流れるにつれ、すっかり忘れ去っておりました。いまだ雅なお子ちゃまにはほど遠いわが息子ですが、まあ今回は、狂言は面白いと思ってくれただけでもよしとしましょう…。

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