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アートネタなど日々のあれこれ

パッション・フラメンコ

2017-08-22 23:29:05 | 映画
ル・シネマで「パッション・フラメンコ」を見てきました。

現代最高峰のフラメンコ・ダンサーであり、異端児とも呼ばれるサラ・バラスのドキュメンタリーです。この映画では、パコ・デ・ルシア、アントニオ・ガデス、カルメン・アマジャなど、6人のマエストロに捧げた舞台「ボセス・フラメンコ組曲」の準備期間と世界ツアーに密着しています。ちなみにボセス、とは声の意味らしいです。(以下、少々ネタバレ気味です。)

それにしても、格好いい女性でした・・・めっちゃ男前です。踊りも男性的。とりわけ、あの高速ステップ!そして彼女は才能だけではなく、努力を大切にしています。「才能を開花させるのは努力」「努力しないものはさっさと消えてほしい」とまで言っていて、私のような才乏しい上にぐーたらな者には耳が痛い限りです・・・。この舞台のパコ・デ・ルシアのパートのタイトルが「努力」でしたが、鬼のような努力家ぶりに、お二人の共通点を感じました。

常に前向きで自身も努力を惜しまず、メンバーには的確な指示を与え・・・まさに絵に描いたようなリーダー、いやカリスマです。一方、子どものことを話す時にはママの顔に。「この仕事で一番つらいのは子どもを残してくること」とも言っていました。子宮筋腫があったため、医者には子どもができない、と言われていたこともあったそうで、その頃は現実逃避するかのように速い踊りばかり踊っていたとか。今は難病の子どもたちのための活動もしているようです。

そして、「ボセス・フラメンコ組曲」の上演のシーン・・・サラ・バラスの踊りが凄まじく、画面に目が釘付けになってしまいました。この組曲は、マエストロのキャラクターに合わせて、各パートに「努力」「成長」「自由」などのタイトルが付けられていますが、踊りからそのメッセージがひしひしと伝わってくるようです。

あと、この映画にはストーンズのサックスプレイヤー、ティム・ライスも登場。二人のコラボも面白いです。サラはフラメンコとジャズには共通点があって、想定外の境地に辿り着くことがある、というようなことを言っていました。ティムは超絶技巧を忘れるような無我の境地に新しいものが生まれる・・・と。

ところでこの映画、エンドロールが始まっても、席を立たずに見て行ってほしいです。最後の最後に、鳥肌の立つようなシーンがあります。やっぱりこの舞台、生で見たかったなぁ・・・(涙)。
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