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12人の優しい日本人

2020-05-28 21:29:21 | 舞台
「12人の優しい日本人」を見ました。

といっても、もちろんリアルではありません。「12人の優しい日本人を読む会」がyou tubeで配信しているオンライン版です。ありがたいことに、無料で見ることができます(5月末まで)。Zoomを使っているのですが、リアル舞台に匹敵しそうなクオリティで、あらためてプロの役者さんの凄さを思い知らされました。オンラインだと台詞を言っていない時の芝居もよく見えます。首から上だけの芝居にもかかわらず迫真の演技。声の説得力、リモートとは思えないような絶妙な間。終わった時には思わずお家で拍手していました・・・。

この劇は初演から30年経っていますが、今見ても名作です。綺麗に12分割された画面を見ていると、こういう事態になることを予期していたのではないかとすら思えてきます。三谷さん、おそるべし。そして、今見ても古さを感じさせません。いや、時代を感じさせる小ネタは満載なのですが・・・和久井映見、竹脇無我、貴花田、木ノ実ナナ、そして、ジョイナー・・・(笑)。それでも今にも通じる、というか今だからこそ響いてくる内容なのかもしれません。日本人にありがちな「空気を読む」ことの恐ろしさ、一つの断面だけを見て全体を判断してしまうことの怖さ、話し合いを続けることの大切さ・・・。この劇はハッピーエンドで終わりますが、現実はそうなるとは限りません。世の中が混迷の度を増している今日この頃、この劇が教えてくれたことをあらためて肝に銘じておこうと思いました。

ところで、オンライン版では三谷さんが不思議な登場の仕方をしています。役者さんにはあれだけ「しっかりやってよ」とか言っていたにもかかわらず・・・カーネル・サンダースおじさんかと思ってしまいましたよ(笑)。また、三谷さんの舞台を見て腹を抱えて笑える日が来ますように・・・。
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