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サマー・オブ・ソウル

2021-09-05 11:59:40 | 映画
シネクイントで「サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)」を見てきました。

これも公開を知った時から楽しみにしていた映画です。ウッドストックが開催された1969年、160キロ離れた場所で開催されたハーレム・カルチャラル・フェスティバルのドキュメンタリーです。スティーヴィー・ワンダー、B.B.キング、マヘリア・ジャクソン、スライ、ニーナ・シモン…スターたちが一堂に会するまさに夢のようなステージ。集まった観客は30万人以上とも言われています。フェスの映像はあったものの、黒人主体のイベントということで陽の目をみることはなく、50年もお蔵入りになっていたようです。この映画の監督はなんとクエストラブ。映画監督でもあったのか…(以下、ネタバレします)。

オープニングはスティーヴィー・ワンダーのステージ。スティーヴィー、当時19歳(!)、まだ少年のような雰囲気で初々しいです。ドラムを叩きまくっていましたが、やはりうまい…。B.B.キングは既に大御所の風格。フィフス・ディメンションには長めの尺が割かれていました。マリリン・マックーもかわいかったなぁ…。「輝く星座」誕生のエピソードも紹介されていましたが、本当にドラマのような話ですよね。マヘリア・ジャクソンとステイプル・メイヴィスの共演はもう圧巻…。マヘリアの歌う姿はもはや人間離れしています。神が与えた声。そして、スライ&ファミリー・ストーンも登場、会場は異様な高揚感に包まれます。スライは見た目地味なのに謎のカリスマ性があるのですよね…。白人や女性が混じったバンドは当時としては画期的だったようですが、女性トランぺッターが本当にかっこよかった…。かと思うと、スティーヴィーが再登場。今度は憑かれたようにクラヴィを弾きまくっています。ジャズ系では、マックス・ローチとアビー・リンカーンのコンビも。マックス・ローチというとチャーリー・パーカーとの共演のイメージが強いのですが、活動家的な面もあったのですね。ニーナ・シモンはまさに女王の貫録。実はこんなに激しいパフォーマンスをする人だったとは…。そして締めはスライのあの曲。まさに会場ごと昇天しそうな勢い…。

映画では当時のアメリカの状況にも触れられています。象徴的なのがキング牧師の暗殺とアポロ11号の月面着陸ですが、陰と陽のギャップが大きい、まさに激動の時代でした。そして黒人が「ニグロ」から「ブラック」に変わった時でもありました。時代の激しいうねりの中からとてつもないエネルギーを持った音楽が生まれる、ということを目の当たりにさせられた映画でもありました。当時と状況は違うものの、今もある意味、激動の時代といえるのかもしれず…。

さて、例によって鑑賞後は甘いもの…ということで、この日は西村フルーツパーラーに寄ってまいりました。頼んだのは大好きな桃のパフェ。さすがの美味でございました…。
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