企業・組織再生現場からの独り言

仕事の中で、覚えていったこと。感じたことなどなどを記していきます。我以外皆我師也。あと、読んでいる本を簡単に紹介。

雑感・・脱「非正社員」

2006年08月26日 | 過去の不満たらたら記事
非正社員化をすすめるだけではなく正社員の教育すら削ってきた企業が多い中、非正社員がどれほど登用されて来るのだろうか?という疑問がまず自分の中で沸き起こった。多くの中小企業では、正社員と言えども、ろくに教育してこなかったし、またマネジメント力のない人が、多く管理業務をしてしまっている。
たぶん、今後、持続的に成長していこうと考えている企業は、外からの即戦力の採用と、芽のある既存正社員への教育やリテンションを目的とした投資を優先的に行うことだろう。否、非正社員に対してであっても教育し、長く働いてもらえるようにいろんな手を打つものだ。
ものごとを一般化して、非正社員を減らせ、正社員にしろというのは危険な感じを受けてしまう。非正社員であっても(それが飲食・サービス業のアルバイトであっても)、正社員よりもよい条件で働き、また意識を持ってスキルアップできる環境にある人は少なくないと思う。人それぞれ、働くことのできる場所、時間などいろんな制約があるから、なにがなんでも正社員化というのはどうか、と感じるのだ。
例えば、都心のマクドナルド(競争率は非常に高いが)では時給1000円以上での募集も普通に存在している。一方、地域や企業規模にもよるが、正社員とて14万円程度ではじまるところも少なくない。そして昇給のスピードはバイトの方が早かったりする。新卒だけではない、役職定年とか言われてある年齢から月給が20万を下回るような例も普通に存在している。
正社員だから、待遇良くて、教育も充実してスキルアップしやすく、人生設計が書きやすい、なんてことは一概には言えない。自分で頑張らないと、ろくに教育すらしてくれない会社、なんてそこらじゅうにあるものだ。まして、アルバイト・パートでも自発的にスキルアップしやすい環境を作り、また報酬面でもしっかりとした制度を整えていっている企業だって存在する。
この記事からすると、危惧しているのは少子化であるようだ。少子化になってしまう原因の一つとして、非正社員だから、という話し。正社員だって、将来設計が描きにくく、子供を持つことに不安になっている、と思う。(もちろん、正社員の中には不安のすくない人も多いだろう。だが、裕福な家でアルバイト生活でもやっていける例だって、地方には少なくない)

結局、正社員かアルバイトか、というよりも企業側がどれほど、人材に投資していこうとするかということが大事では。企業にとってはまた長く一緒に成長していける人を見極められるか、ということの方がよほどの関心事と感じる。

あと、特に1000万円を限度に助成、という話しには疑問を感じた。企業の実態をどれほど見て、どれだけの企業ならばそれを活用してくれそうか、みたいなことを調査したのだろうか?政治が担うべき役割、ってもっと違う気がするのだが・・。


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脱「非正社員」へ支援、高校生に予防策 厚労省予算化 (朝日新聞) - goo ニュース
脱「非正社員」へ支援、高校生に予防策 厚労省予算化
2006年 8月26日 (土) 09:48
 厚生労働省は来年度予算の概算要求でパートの正社員化や年長フリーターの資格取得支援など、脱「非正社員」に向けた事業を並べた。ポスト小泉政権をにらんで「再チャレンジ」などが政策のキーワードとして浮上するなか、非正規雇用から正社員への移行を促す政策へ加速する。ただ、肝心の企業側との間には温度差が大きく、実効性は不透明だ。
 非正社員については、これまで就業形態の多様化としてきた面があり、対応が遅れた。しかし、正社員との賃金などの「格差」が表面化し、将来設計が描けない若者の増加が出生率の低下を招き、少子化を加速させているとの危機感が増大。次期政権に有力視される安倍官房長官が掲げる施策と歩調を合わせ是正に向かう方針が色濃くにじんでいる。
 同省が着目したのが、学卒時に就職氷河期で希望の職に就けず、景気回復した現在も就職が困難なままの年長フリーター対策。25~34歳で97万人(05年)とされる層を対象に、正社員になるための販売士などの資格を取得する「再チャレンジコース」を設け、スキルアップを支援する。
 また企業で実習し、足りない技能を補うため専門学校などで訓練を受け、5カ月以内で正社員につなげる制度を新設する。
 現在1266万人と、雇用者の4人に1人に上るパートについても、正社員化を進める。また一律の時給ではなく、職能評価を反映する正社員並みの賃金制度の普及を図る。地域の中小企業団体が、傘下の企業に対してパート社員の教育訓練や正社員への転換制度などを2年計画で実施する場合、1000万円を上限に助成する。取り逃げを防ぐため、実施企業の割合などをみて、成果に応じて支払う。
 派遣や請負で働く人たちには能力開発を支援する。パソコン操作や販売などの能力を高めるために業種ごとに支援のモデル計画を作成する。
 さらに、受け入れ先になる企業を開拓するため、ハローワークに「キャリアサポーター」を順次配置。求職者向けには正社員限定の企業説明会や面接会を実施したりする。
 「予防策」にも力を入れる。全国の商業高校や工業高校などの1・2年生を対象に、職業意識の向上などを目的に実施してきた「就職ガイダンス」で、正社員とフリーターの賃金や能力開発などの「格差」の実態などを教えるプログラムも盛り込む方針だ。
 ただ、非正社員化を進めてきた企業の姿勢を変えるのは容易ではない。日本経団連のアンケートでは、フリーターを正社員として積極的に採用したい企業は、わずか1.6%と温度差は大きい。連合の高木剛会長は、25日の会見で「再チャレンジと言っているが、実際の企業のマインドとのギャップは大きい」と述べ、企業の意識改革を促すような措置が重要との認識を示した。
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