企業・組織再生現場からの独り言

仕事の中で、覚えていったこと。感じたことなどなどを記していきます。我以外皆我師也。あと、読んでいる本を簡単に紹介。

ライブドアvsニッポン放送従業員の声明について

2005年03月04日 | 企業の一般的な話
ライブドア騒動について、多くの人が意見を表明している。私は、企業の改革に携わる立場としては、どちらともつかない様な立場でものをみているのだが、今回の従業員の声明については思うところがあり記しておこうと考えた。その前に、今回の話については・・基本的に、ライブドアの行為は、ルールに則っている以上ライブドア側の方に分があると考えている。ニッポン放送の対応は、市場のルールから見てもおかしい。私情をいくら言っても、上場している以上(いや、上場していなくても)株式会社では50%超の絶対株主の意向には逆らえない。それが当たり前なんだと思う。
その意味では、従業員がいくら声明を出そうが意味がない。絶対株主には経営陣は逆らえないはず。株主はリスクを取ってマネーを供出しているのだから、これに対抗するには資本の論理で戦うしかない。(まぁ、ライブドアが言うような一方的な給与カットのような策が一方的に敷かれてしまうならば、労働者側の権利として戦うことができるのだが、それは先の話に過ぎない)
だが、ライブドアが本気で、ニッポン放送、そしてフジサンケイグループと提携したいというのであれば、従業員を敵に回すのは得策ではない。堀江さんはそんなことはわかっているだろうけれども、やっぱり同グループと付き合う他の企業からすれば、社内でいつ内紛が起きるか?と思われる会社の信用は落ちてしまう。
なぜ、彼がわかっていて、あぁいうことを平気で言うかというと、結局は、従業員は株主が代われば、その仕組みの中で仕事を続けるもんなんだ、ということを彼が確信しているからなんだろう。彼らのグループがこれまで買収してきたようなケースでは、株主が代わったからと言って、事業環境が悪化するようなケースがほとんどなかったから、なおさらそう思うのだと思われる。
今回のケースのように、ニッポン放送のクライアントの一部から、同放送がフジサンケイグループに見放されるようであれば、広告を出さないとまで言われている場合は、だいぶ環境が違うと思うのだが、どうだろうか。ましてや、仮にニッポン放送だけを取得できたとして、ラジオとネットでのメディア戦略で、どこまで収益力の高い企業として存続させていけるのか?と思ってしまう。彼の言葉を借りれば、今のメディアは先がない、わけなんだから。ラジオだけを手に入れても、どうにもならないだろう。
従業員も、下手したら、多くがやめてしまうかもしれない。そんな環境で、事業がまともに継続できるかというと、まず無理だと思える。もっとも、今回の場合は、経営したいというよりは、フジサンケイグループに影響力を与えることが目的だろうから、短期決戦と捉えていれば、さほど問題ないだろう。だが、きちんと事業を継続していくつもりならば、従業員を敵に回すのはだめだと思う。近くにいるように見えても、経営陣と従業員とは距離があるのが通常だ。株主と従業員と言えば、なおさら遠い。そんな関係で、投資前に、直接対話を持つ前から、嫌われてしまってはどうしようも無いと思う。
堀江さんのやり方、資本の論理は確かにわかる。だが、経営って、これまでかれらが買ってきたような企業では、彼ら流のやり方で通用したかもしれないけれど、プライドの高い従業員が多い業界で、かつその経営の仕方を否定するような発言を、公でしていてはうまくは行かないと感じるものだ。


ライブドアの経営参画に反対 ニッポン放送社員が声明 (朝日新聞) - goo ニュース

2005年03月03日(木)
ライブドアの経営参画に反対 ニッポン放送社員が声明
 ニッポン放送の役員を除く238人の社員のうち217人が3日、「社員一同」として「フジサンケイグループに残るという現経営陣の意思に賛同し、ライブドアの経営参画に反対します」とする声明を発表した。ニッポン放送株をめぐる一連の問題で、ほぼ全員に近い社員が意思表示をしたのは初めてだ。
 「社員の人生がかかった声明」と前置きしたうえで、「ライブドア堀江貴文社長の発言には『リスナーに対する愛情』が全く感じられません。ラジオというメディアの経営に参画するというよりは、その資本構造を利用したいだけ」「責任のある放送や正確な報道についても理解しているとは到底思えません」と堀江社長を批判している。
 さらに「ライブドアの傘下に入れば、互いに触発しあいながら発展してきたフジサンケイグループの仲間達をはじめ、永(なが)く応援して下さっているスポンサー各社、協力関係各社の皆様から関係の見直しを余儀なくされることも十分に予想されます」と危機感を表明した。
 司法の場に舞台が移ったことについては「司法の場で適正に判断されて私たちの考えに沿った決定が成され、この混乱が一刻も早く収束することを心より願っております」とした。
 ニッポン放送には労働組合がなく、50年を超える同社の歴史で初めての社員総会を2日午後6時から開き、全会一致で声明の発表を決めたという。
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