企業・組織再生現場からの独り言

仕事の中で、覚えていったこと。感じたことなどなどを記していきます。我以外皆我師也。あと、読んでいる本を簡単に紹介。

呉服商と紳士服のオーダーについて

2005年04月26日 | 企業の一般的な話
あるデパートで働く、有名アパレルメーカー社員の人とお話をした。その人は、紳士物スーツのイージーオーダーのコーナーで働いている。その彼の話を聞くに、どうもイージーオーダーの世界は、顧客が減り気味で、なにか抜本策がないか、本気で悩んでいるのだとか。いろいろ話を聞いていると、次のようなことが分かってきた。なお、この百貨店では、フルオーダーをやっていた時代があり、数年前からイージーオーダーに変更になったとのこと
○昔からの固定客の多くは、イージーオーダーに移行して、客ではなくなった
○現在のメインの客は、外商および関係企業、そして一般客。一般客については、40代から50代が多いとのこと

そもそも、イージーオーダーの顧客は、どんな客かというと、多少金銭的に余裕にある人々。そして年齢的にも、20代はあまりいないらしい。恥ずかしながら、自分自身も、エフワンという会社ののれんをくぐったことはあるが、買ったことはない。昔は、平気で、ブランドもののスーツを購入して、8万くらい払っていたのだけれど、実は同じ値段で、イージーオーダーならそこそこの背広が作れるということを知った。エフワンなんかでは、数万円からあるしね。
ファッション雑誌などには、オーダーについていろいろ利点も載っていたりするし、ウェブでもオーダーを受け付けるショッピングサイトが少なからずある。だが、なかなかそっちへむかえなかったのは、行きなれたスーツ屋があったからでもあった。

さて、このイージーオーダーだが、いろいろ話を聞いていて、呉服の業界に似ているなあ、と思ったのだ。
オーダーの紳士服を作る機会は、年に1度から1.5度。着る機会こそ多いけれど、購買の頻度は、呉服と似ている気がする。そして、既製服が安く出回っている一方で、高い背広も、それこそたくさんある。フルオーダーで、いい素材を使用すると50万とか100万とかもするようだ。既製品(プレタ)が1万~2万でスタートして、高級品が数千万するきもの、と比べると、ちょっと上が違うっぽいが、なんとなく商品ランクの構造的に似ていそうな気がする。

また、きものと紳士服では、同じ小売店で買う、というリピート客の比率が、他の商品に比べると高いと考えられる。バーゲンハンターはどちらにもいるだろうし、それはまぁ、比較から外そう。

もっとも違うところを探せばたくさんあるのかもしれないが、呉服屋の社販などで紳士服のイージーオーダーを売っていたりするし、近いものがあるのではないかな?と感じる。そうすると、紳士服の生地の価格は、相当安いのでは???なんて感じるのも(-_-;):

で、話はそれたが、そのイージーオーダーの担当者に、一度、いろいろな試みをやっている呉服店をみてきてはどうか?とお話しした。なにかしら、ヒントになる者があるのではないか?と感じたからだ。彼からのコメントはまだない、だが、きっとなにかを見つけてくれたことだろう。
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