あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

内腸骨動脈瘤

2009-12-01 18:33:54 | Weblog
内腸骨動脈の瘤は悩ましいものであります、今、外来で見ているかたですが、両側の内腸骨動脈瘤の方がいまして、6-7cmとかなり拡大を認めてましたので、手術の予定を組むことにしましたが、どこまで、やるか、両側なので、どちらか一方は再建したいところですが、両方とも枝分かれの直前まで瘤化しており、もう、ほんとに骨盤底というやつで、周囲との癒着も強いでしょうし。
1、空置のみ、一番、簡単、しかし破裂の危険は残るし、腸管虚血や臀部破行の可能性も出てくる。
2、枝を結紮、しかし、周囲から行くのはたぶんむり、行くとしたら、切開して瘤内から、でも相当深いし、視野が取れるかどうか。成功すれば破裂の危険はゼロ、でも虚血の可能性は残る。
3、片方は瘤内から枝を閉じて、片方は再建、しかし、ほんとに視野が取れるのかどうか。

理想を言えば、3番がいいのでしょう。
以前、瘤内から閉じに行こうとしましたが、視野が取れず、ひどいことになり、結局、閉じて空置したという、苦い経験があります。
若い方なら、とことんやる必要もあるでしょうが、この方も、もう、とっくに平均余命は超えた方ですので、空置してくるのが、よいかもしれませんが、どうなんでしょう、悩みます。
後はご本人、家族とも良く相談して、ベストな方法を考えたいと思います。

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2 コメント

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Unknown (血管外科医)
2009-12-01 22:53:58
ステントはされていないのですか?
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Unknown (あぽいち)
2009-12-03 22:21:31
血管外科医さん
ご意見ありがとうございます。

ステントグラフトも考えましたが、
内腸骨自体はランディングゾーンがまったくありません。
内腸骨の枝をコイルでつぶして、腹部大動脈から両側外腸骨にY字ステントという手はありますが、腹部大動脈も腎動脈下から30mmぐらいあって、サイズ的に難しいのかと、また、両側内腸骨Aに加えて、IMAもつぶすことになりますので。
これでも、施設によってはやってのけるところもあるのでしょうが、今の当院の技術では無理かと。
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