あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

うーんスパズム?

2012-07-12 21:06:16 | Weblog
今週は冠動脈外科学会の週ではありますが、貧乏人は学会など行ってる暇はありません、こういう時こそ稼ぎ時であります。
というか、演題がないだけであります。でも冗談でなく、今週は忙しく始まって以来の4例であります。うち2例は準緊急(腹部切迫破裂とUAP)なので仕方ないのですが。

今日はOPCABで、IABP入ってしまっているUAP(ちょこっとAMI)であります。CXsmallでDiagがLADと同等ぐらい大きい症例でしたので、Diagも内胸でつなぎたいなと思いもありますが、準緊急で状態悪いし、LITAのsequentialでいいかなと思い、LITAは根元まできっちり取って、LAD回してU字で余裕で届く長さまで取ったのはよかったが、LADつないでsequentialでDiagにつなごうと思ったら、なんかLITAのflowがしょぼい、、、ん、、、LAD吻合でひっかけたかと思い、プローベを入れてみても、吻合部を超えて抵抗なく通過するし、、、spasmかもしれず、とりあえず冠動脈開けてしまっていたので、つながないことには仕方ないとのことで吻合して、先端を切って確認するもやはり弱い、、、、。
仕方ないので、SVGを右回しから左回しにしてDiagをひっかける作戦に変更です。
DMコントロール不良の方でしたが、#4PD、#4AVともになんか透析患者さんのような血管で、石灰化が強くて、ピンポイントで全面のみ開いているところを探してみるものの、開けても1mm程度で、なかなか余裕というわけにはいきませんでした。冠動脈は良い血管で切開するのが大前提ですが、こういった悪い血管では、その中でも、全面が開いているところを見た目で探すしかありませんので、なかなか渋いのであります。
最後にDiagの再吻合となりましたが、なんと、もうSVGで経由すると決めていたため、LITAをLADとDIagの吻合部の間で離断したら、LITAからびゅーと血が噴き出てきた、、、、。
切り損、、、、タダのspasmだったのね、、、、、しかしちょん切ってまったものは仕方なし。
しぶしぶ、SVGsequentialでDiagを再吻合しました。
そんなこんなで、手術は301分と時間がかかってしまいました。まー、状態の悪い緊急症例で、5本つないだと思えば、許される範囲の時間でしょうか、、ボスならきっと3時間台だろうな、なんて思いつつ、まだまだ修業が足りないのであります。
そいでもまー、無事終わって、帰ってきてIABPもすぐに抜けたので、下手くそな手術におつきあいしてくれた皆さんに感謝であります。

今日のOPCABの方の押し出しにより、明日は一日ずれ込んで、両側のFPです、SVG使うので一人で全部やるとなると時間かかりそうだなー、、、と思ていたところ、足の専門家の方に指導で来ていただけることになりました。あちらこちらで、引っ張り凧の先生ですので、きっといろいろと学ぶことが多いのだと思います。
もう一日頑張ります。


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3 コメント

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Unknown (skt)
2012-07-14 11:48:25
Spasm恐ろしいですね~

ちなみに先生はITAに注入しておられるのはパパベリンかオルプリノンですか?
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Unknown (あぽいち)
2012-07-15 11:34:07
コアテックの薄めたやつを使ってます。そんなに差はないと思っているが、単に無知なだけですが、なんか違いあるのかな。
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Unknown (skt)
2012-07-15 17:38:31
パパベリンは酸性で組織に対して優しくない云々という旨のことをT先生に聞きました。
コアテックの方が高いけど、まあ8-0沢山使うことを思えば安いですよね。
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