あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

LVP

2015-04-22 16:35:24 | Weblog
先日はなかなか長かった、久々に8時間、、、。ただ、最近は手術中もMBT履いているためか、8時間たって手術してても、以前のように首や肩が凝ったりということがない。MBTすばらしい。
ちなみに手術は虚血心で3枝CTO、MR,TR,左室瘤というパターンで、LVGやってなかったので、左室はポンプのっけてscarあるならということで、MRのtethering hightは14mmとかなりのもんで、弁輪形成のみでは再発必須のパターンということで、左室切るなら乳頭筋よせれるのでMVP、左室切らないなら、自己心膜パッチするか、潔くMVRの予定でスタート。
若齢なので頑張って両側内胸+SVG採取、3年目にポンプオンさせてと、そこまでですでに2時間越え、ひょー。
ポンプ載せたらやはり後壁から心尖部、前壁とscarでしたので、潔く左室切開しましたら、血栓だらけで、、、危なかったのね。
前後の乳頭筋の間まで切り込んでベースで乳頭筋を寄せてと、、型通りfontanしてパッチして左室閉鎖ですが、この場合はなんていうのだろう、後壁、心尖部、前壁までかかってるけど、いわゆる心尖部が中心なのでDorかな。
あとはMAPとTAP、バイパス3本加えて終了でしたが、さすがにこの方は術前にカテ室でIABP入れてから入室しました。
術後はCOもまずまずでIABPも離脱して何より。

左室切るのはこれで、まだ3回目程度ですが、やはり怖いものです。
指導の先生からは兎に角、縮めすぎないことって言われます。
計測とかはしてませんが、OMIなのでscarのラインを目安にすればいいのですが、ギリギリまで攻めてしまうと、そんなつもりなくても縮まり過ぎてLOS抜け出せなくなる可能性あり。
10数年前、大学で研修してた頃も見たことあるな、Dorで縮めすぎてIABP半年ぐらい入ってたひと。何人かいたけどよく覚えてる。

僧帽弁は乳頭筋のベースを寄せたけど、やはりポンプ離脱時のエコーでは後尖が完全に立ってしまっていて、理屈上は乳頭筋を前尖リング方向に引っ張るべきだったのかと思いますが、ちょっと怖いですね、ちぎれたりしたらね。虚血が改善して良い方にリモデリングしてくれることを祈りますが。
術後は不整脈に注意ですね、虚血の低心機能では不整脈で足をすくわれた症例がありますので、最近では注諸なく予防的にアミオダロン使ってます。