あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

向こうから出てきた。

2015-03-08 13:57:59 | Weblog
先日、熱で入院した縦隔炎の再発疑いの方、正中層は赤くもなく問題ないなーと思っていたら、入院後2日で正中から外れた肋間のところから瘻孔作って膿が出てきました。
正中切開のところは大胸筋で覆っているためか、出てこれず、脇から出てきたという印象。

すぐに全部開けてみましたが、前回の大網入れた上層部かな、ちょうど削った胸骨の間に溜まってた、、、、。
退院して2か月、しならないところで熟してきたのだろう、、、しぶとい。
翌日からすぐにVAC装着、今後どうするか、あとやったことあんのは腹直筋のフラップだが、、、、。
心嚢には到達してないとおもうので、できればこのままVACで逃げ切りたい。
とにかく、培養結果をまつ。


動いた

2015-03-08 13:30:47 | Weblog
先日、脳外の病院から解離の搬送あり、構音障害と右片麻痺で救急搬送になったがCTで解離あり、そのまま当院へ紹介となった方である。
来た時はレベルはくりあであったが、右の完全麻痺、この時すでに発症から4時間半、昼間でしたので無理行ってすぐに準備、内科の先生を前立に一時間半で執刀開始、すぐに20度まで冷やしました。
解離は慢性と急性が入り混じっている90mm近い瘤でして、術前のエコーで左頚動脈は偽腔に押されて血流なし、、、、。
さすがにワーキングスペースはひろいので、ステップワイズなど必要とせず、解離のない遠位側をひっぱり出して吻合、ここで助っ人登場となり内科の先生とバトンタッチ、残りの4か所を順次つないで、左総頚は真腔に吻合で来て血流再開とダメもとでつなぎました。遠位側吻合の外膜を拾い損ねていて、ポンプ降りるころに大出血して、再び下半身循環停止して追加吻合、ちょっと泣きそうになり、内科の先生が前立ちだったというのは言い訳に過ぎず、良く見えていたのに拾い損ねていた、反省です。
さらに血小板が県内になくて、なかなか届かずポンプ離脱後もだらだらとwoozingがつづきまして、血小板の偉大さを痛感、フィブリノーゲン使うかと思い、溶かしてーと言ったら血小板が届いてくれて、やっぱり入れたらすぐに閉胸ステージへ、さすが血小板、なんだかんだで6時間半にて終了。
助っ人も終電ギリギリになってしまい、危なかった。
麻痺の回復は難しいだろうなーと、家族にも厳しいICしてましたが、なんと翌日、目がばっちり覚めたと思ったら右手足 動くではないか。
奇跡ーーーー執刀まで発症から6時間
今回の場合、梗塞というより閉塞だったからね。末梢が詰まったわけでなく、たぶん対側からの血流でいくらか流れてはいたのね。

心臓外科やってて良かったと久々に思った(最近つらいこと多かったから)、すぐに手術室入れてくれたスタッフに感謝です。

また頑張るのである。