あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

かなしい、うれしい

2011-10-07 22:28:12 | Weblog
今週はM弁とpararenalAAAの担当をいただきました。
M弁は形成を試みましたが、ボスがいなかったこともあり、部長と二人で時間切れとなり、あえなく弁置換へ、年齢的には問題ないのですが、ショックでした。とはいってもそんなにテキストに書いてある通りに行くほど、甘くはないですね。しばらく落ち込みました、、、。その晩術中のビデオ見て、反省しようと思ったら、そんな時に限って、録画されてなかった。なんで形成できなかったか、原因が分からずじまいなので、次に進めない。原因がわからんと、次も同じケースが来た場合に、同じこと繰り返すだけだから。
そこで、出た結論は、ようするに今は自分では無理ということ。
やはり弁形成は極めた指導者とやらないと、わかってない者同士がいくらやっても駄目ですね。これからは私の担当のときは必ず、ボスに来てもらうことにします。

AAAは本物の腎動脈直下というやつで、腎動脈の上で遮断して、瘤を残さないように腎動脈に針をかけるぐらいのつもりで縫いました。肥満でしたが12cmの小切開で試み、中枢はやはり難渋しましたが、それでも出血がありませんでしたので、すぐに閉めれて150分で終了。
今日は初めてマンニトールを使ってみましたが、それが効いているのか何なのか、術後おしっこがジャージャーです。ただ、マンニトールは反動があるらしいので、注意ですね。電解質が狂わないように追っかけて輸液しなくちゃいけません。
文献では腎動脈に直接リンゲルとか、移植の時の混合液を入れて冷却するという報告がありますが、正直、あんな視野悪いところで、そんなめんどくさいことやってるから、余計時間がかかって悪いサイクルに陥るのではないかと。さくっと30分ぐらいで遮断解除すれば単純遮断でもいいと思うが、、、。こんなこと言ったら、また、怒られてしまうのかな。
もちろん、ほんとに瘤から腎動脈が出てて、若い人で、絶対に瘤は残せず、腎動脈も再建しなくちゃならないときは、時間がかかると思うので、一つのオプションと思われるが、でもやはり、手術はシンプルが一番です。

うれしいニュースは、先ほど、論文の最終校正が来ました。
来月あたりに載ります。
採用されると、うれしいものですね、日本語ですし大した内容ではないですが、やはり自分の育てた子供が日の目をみるみたいで。
同時に、今日、もう一つ書き上げました。とはいっても、これはオリジナルではなく、単なる手技の工夫というやつですが。
これで、現在、3つが投稿中となります。
書きかけがもう2つほど、ありますが、行き詰っててなかなか進みません。
ちょっと休憩して、そろそろ専門医の試験の準備しないとね。今年は落ちれないから。