あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

時期です

2009-11-23 22:21:05 | Weblog
寒くなりましたので、緊急が多いですね。
今日は当直ですが、昨夜の破裂を終えたとたん、早朝、右のAMIが飛び込んできました。
そして、つい先ほども、また、右のAMIがやってきまして、PCIになりました。
内科の先生も大忙しであります。
内科の先生ともお話していましたが、明らかなAMIのとき、カテーテルまでの間、再開通させるかどうか難しいところであります。
再開通させたとたん、ショックになることもあるからです。
すぐにカテーテルできる状態ならよいですが、遠隔地にいて、転送するときなど、ニトロやヘパリンなど使って再開通させた場合、救急車内で急変などありえるからであり、しかし、少しでも早く再開通させたほうが、心臓にはよいわけで、すぐにカテーテルできる環境ならよいですが、バイト先などの田舎では悩ましいのであります。
また、循環器病院で当直する外科医として、カテーテルへ持っていくかどうかの判断というのも、なかなか悩ましいものであります。
明らか症状や、心電図変化があればいいのですが、心房細動やらブロックやらOMIやら、なかには腎機能の悪い方も結構多くて、なかなか判断に悩むことも多いです。結局、最後は良く話を聞いて、経過と症状で判断することになりますが。

病棟でも急変あり、なんだか、ろくに寝れませんでした。
朝まで平和な当直であることを願います。

さすがにきつい

2009-11-23 18:31:51 | Weblog
昨日は夜に腹部の破裂が来ました。
今週、夜の緊急はこれで3件であります。
もう、おかしくなりそう。
おまけに今日はオペ終わってそのまま当直です、あーーー。

近くの公立病院で、ずーと手術を拒否していて、ようやく決心したらしく来月に手術予定となっていたらしいですが、昨日はそちら、外科医不在でこちらに送られていました。公立の総合病院で外科医不在ってどういうこっちゃ、やはり、公務員だから休日は休みなんか、税金泥棒やないかい。

とはいっても仕方ありません、困ったときはお互い様です。
うちも昨日はスタッフが集まらず、仕方なく少人数で手術突入。
腎動脈にかかる瘤の破裂で、来たときはショック状態、手術室直入で手術となりました。
麻酔かけている間にも、ドンドン腹が膨れてくるので、これまずいと思い、先に左開胸して、下行大動脈を捕まえてからお腹をあけました。
とりあえず、伝家の宝刀、私の右手の感覚を信じて、血腫の中を手探りで腎動脈の上で中枢遮断して、拍動が消え、血圧が上がるのを確認し一安心です。
その後は、末梢側を出して遮断し、ストレートで置換です。
腎動脈はつぶしたくなかったので、少し瘤が残りますが、ここは致し方なし、瘤で縫いこむように腎動脈直下で吻合。
術前の出血が多く、ACTも伸びていたので、ヘパリンは使いませんでした。
下肢の脈も触れ、血栓はできなかったようです。
今回も貼り付けプローべ活躍してくれました。
なんとか、4時間ほどで、手術は終了しましたが、立ち上がるかは、まだわかりません。循環動態はそこそこ安定してますが、もともと片腎でかつ、ショック腎からか無尿、閉腹時に腸管の色もいまひとつで、ガスでパンパンやったし、術野でイレウス管入れようと思ったら入れられなかったし、どうなるか。
でも、今のところ、ベースの低下や腹腔内圧の異常な上昇は無いので、コンパートメントは今のところ起こしてなさそうです。
なんとか、お祈りします。