あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

2009-10-30 12:31:24 | Weblog
今日はボスが午前中は関連病院で手術なので、うちの入室は午後からなので、のんびりしています。
先日、珍しいというか、なんと言うか不思議な症例にであいました。
30年ぐらい前に開心術をやっていて、今回はそのまた再手術という事で、行ったのだが、開けてみたら、癒着もルーズで、なんと心臓にメスを入れた形跡がない。
いくら探しても無い、心臓を開けてみたがやはり、欠損孔を閉じた後も無い。
どういうことでしょう、前回の手術した病院から手術記事を取り寄せようとしましたが、病院自体もうなくなっていた。
胸を開けただけで何か、人工心肺でもトラブルがあって、その場で中止したのでしょうか、送血管や脱血管すら入れた形跡がありませんでした。
30年前といえば、開心術といったら、手術室から生きて帰ってこれるのは半分といわれていた時代です。
当時に手術を受けて、最近になり再手術となる方はちらほらいますが、そういった方のお話では、心臓外科の手術前の大部屋では、手術を終えて戻ってくるのは半分しかいなかったので、自分の番が来るのが恐ろしかったなんて話を聞いたことがあります。当時はほんとにそんなものだったのでしょう。
逆に考えると、何もしなかったおかげで、この方は死なずにすんだのかもしれませんね。

無輸血

2009-10-30 00:12:58 | Weblog
今日は私は山奥のバイトです。
朝晩はかなり冷えます、暖房が欠かせません。
病院では私のいない今日も手術が行われたはずです。
今日の手術はあの須磨先生の考えたSAVEです。
左室の縮小手術はピタッと決まれば、あんがいサクッと終わるものであります。
ただ、今日の方は輸血ができない事情の方なので、いつも以上に慎重に行われているはずです。輸血を拒否することに関してはそれぞれ個人の考えがあるでしょうから、別に否定しませんが、それで、心臓の手術をしてくれというのは、、、、、、どうなのでしょうか。複雑な問題なので、これ以上、ここでは個人的な意見は控えておきますが。
こういった方が、時々、当院にいらっしゃいます。
だいたい、他のところでは倫理委員会がどうのこうので、断られてしまうようで。
off-pumpぐらいでしたら、無輸血でがんばれますが、今年になって覚えているだけで、2弁置換やら再手術までありました。
よくまー、無事に終わったものです。
こちらとしては正直、あまり歓迎できるものではありませんがね。
みなさんはどうしているのでしょうかね。