あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

誕生日プレゼント

2006-01-27 16:15:29 | Weblog
今日は33歳の誕生日、それを知ってか知らずか医局長からの誕生日プレゼントは、当直だった。しかも院内ではなく、市の休日夜間診療所というもので夜間外来を11時までやって、それ以降は基本的に寝当直なんだけど、なんかかなしい。
いま、インフルエンザはやりまくってるし、、、。

四尖弁

2006-01-27 00:26:44 | 術者、勉強になった症例
今日のオペは再々手術のAVR
もともと5歳のときASDを閉じて、15歳でARで生体弁置換、子供を生めるようにとのことで再手術覚悟で生体弁を入れたものの、わずか6年で劣化、ガチガチのAS、圧格差160で欠神発作を繰り返し今回手術となった。

とりあえず、ポンプ乗るまで前立ちさせてもらい、右側の癒着の剥離を少しやらせてもらった、基本的に電気メスで落としていく方法を教えていただいたが、術者の先生はハサミでさささっと癒着を剥離していき、その様子はあたかもクーパーで腸管の癒着をはいでいく姿に似ており、消化器のオペを思い出した。
予想通り弁輪小さく、19Rギリギリだったので弁輪拡大して、スープラで17のリージェントを植え込んだ。
人工弁の再手術のポイントは、開胸して癒着を丁寧に剥がしていくこと、ポンプの脱血、送血の部位をどうするかということ、それから、弁の取り方にあるかと。
うちのボスの弁の取り方は、まず弁輪と弁をとめている糸の間でカフを切っていき、カフの布の外側は残してとりあえず弁だけ取りのぞいて、そのあと、残ったカフの布切れや糸を取り除くという方法である。
弁輪拡大は初めて見たので良い経験となった、レフトとノンの交連部でM弁に向かって切開していくという、いわゆるマニューギアンのラインであるが切開は弁輪まででとめていたので、ニックスの切開に近いのか?
あれ、よくわかってないなー。
まあ、取り合えずこれでワンサイズは大きくなると、切った部分は豚心膜でパッチするのだが、かなり大きめのパッチを当てないと弁輪拡大にならないらしい、教科書に書いてあるような船状の形じゃだめだと、どかっと楕円形のパッチをつけていたが、それでもようやくワンサイズである。
やってること自体はそんなのに難しくはなさそうであるが、パッチをつけるとどうしても大動脈が変形するのでうまく形を整えるのがポイントかもしれない。

もともとは四尖弁とのことだが、四尖弁は結構珍しい奇形で若年でARを発症してしまう。実は2年目のとき胸部外科の関東甲信越地方会で初めて症例発表したのが四尖弁だった。今ではどういう内容だったかさっぱり覚えていない。
当時は何もわかってなかった、というか生の大動脈弁自体肉眼で見たことなかったと思う。先輩の作ってくれた原稿をまさに棒読みしていただけだった。それなのに、弁輪の糸をかけるのに工夫を要したなどとコメントしていたきがする。ところでなんで工夫を要したんだろう、今考えてもわかんねー、成長なしか。