2021年10月22日公開 アメリカ=イギリス 107分 G
最新式ロボット型デバイス<Bボット> ―それは、スマホよりハイテクなデジタル機能に加えて、持ち主にピッタリな友達まで見つけてくれる夢のようなデバイス!そんな<Bボット>で誰もが仲間と繋がる世界で、友達のいない少年バーニーの元に届いたのはオンライン接続もできないポンコツボットのロンだった。 出会うはずのなかった1人と1体が‟本当の「友情」“を探すハートウォーミング・アドベンチャーが今、始まる―(公式HPより)
友達が欲しい少年と不良品の最新式ロボットが“本当の友情”を探して繰り広げる冒険を描いた長編アニメーションです。
行きつけのシネコンでは字幕版の上映がなかったので吹替版で鑑賞。平日の初回上映だったせいか観客は私を含めて二人だけで、ほぼ貸し切り状態でした。
Bボットはネット、写真、通話、テレビ、ゲームなどあらゆるデジタル機能を持ち、さらに乗り物にもなる便利なロボット型デバイスです。
バーニーはお母さんが亡くなっていて、お父さんとお祖母さんと暮らしていますが、二人ともかなり個性的な性格(特にばぁちゃんが)おそらくはそういう環境もあって友だちがいないバーニーはBボットを欲しがっています。バーニーのためにクラスの皆を招いて誕生会を開こうとした二人は、初めてバーニーの本当の願いに気付いてBボットを買おうとしますが、人気のため数か月待ちと言われます。困った二人は配送途中に転がってひび割れた商品をこっそり売ってもらい誕生祝として贈ります。だから不良品だったのね
喜んだのも束の間、ロンがオンラインにすら接続できない不良品と分かり、返品しようとしたバーニーですが、途中でいじめっ子のリッチをやっつけるロンを見て気が変わります。本来、Bボットは人間に危害を加えないよう設定されているのだけれど、ロンは「欠陥品」なので設定されてないのね バブル社は彼を廃棄処分しようとしますが、バーニーが助け出します。バーニーは親たちにも内緒でロンを匿い何も知らないロンに“友だちの条件”を説明して学習させていきます。
まだ学校に連れて行くには早いと考えたバーニーはロンを置いて登校しますが、ロンは町に出て「友達」を集めつつ学校に現れ騒動を巻き起こします。リッチがロンのデータを自分のBボットにコピーさせて安全制御装置を解除させたことでBボット同士が合体して巨大ロボットになって暴れる様子が動画で生配信され、バーニーの幼馴染のサヴァンナがウンチのように落とされたことで「ウンチガール」という不名誉な渾名を付けられ傷つきます。良いことより悪いことの方があっという間に広まり、一度流れたものは消えないデジタル社会の落とし穴ですね。ただ、物語の結末では「人の噂も・・」的解決も見られましたが
事態解決のためバブル社がロンを回収に来ますが、バーニーはロンを連れて森に隠れます。アンドリューは子供たちのBボットに搭載されているカメラを起動させ二人を探します。それはプライバシーを侵害する違法行為でもあります。実は純粋に子供たちの友達作りのために開発したバブル社のCEOのマークと違って、アンドリューはBボットで集めたデータを金儲けの道具として利用しようとしていたのね。いかにもあるあるな現実もさりげなく描かれていました。 バッテリー残量が少なくなったロンのため、暗闇の怖さに耐えるバーニーでしたが、喘息の持病が出て倒れてしまった彼をロンが連れ帰ります。ロンは一転、少年を助けたヒーローとして世界中に知られます。
マークが良かれと思って初期化したロンは、バーニーの友達のロンではなくなっていました。元に戻して欲しいと訴えるバーニーのため、本社地下のサーバーに保管されているバックアップデータを取りに向かったお父さん、おばあちゃん。マークも遠隔操作で協力します。マークが協力したのは、ロンとバーニーの関係性こそが自分の望んだ理想形だったからです。
ロンのデータを見つけて元に戻したバーニーですが、カメラに映る他の子供たちの様子が楽しそうではないことに気付きます。(学校での騒動の後、Bボットのプログラムも限定されていたのね。)ロンのプログラムをインストールすれば改善すると考えロンも賛成しますが、それはデータが断片化され、ロンが消えてしまうことでもありました。途中でそれに気付いたバーニーはロンを失いたくなくて止めようとしますが、みんなのBボットを良いものに変えるため、ロンとの別れを決断します。
バーニーはBボットを持っていないけれど、学校では大勢のBボットが彼を慕って集まってきます。幼馴染のリッチやサヴァンナとも友達になりました。(元々6歳の誕生日の騒動が無ければずっと友達だったかもしれないんだけどね)バーニーはロンを失いましたが、代わりに大勢の友人ができたのね
ロンのくるくる変わる表情や、バーニーのために彼なりに一生懸命な姿が愛らしかったです。
映画は友達作りすらデジタル機器任せな現代に警鐘を鳴らしているようにも感じました。