
石田衣良 著 新潮文庫
出会いは運命だった。17も年下の彼に、こんなにも惹かれてゆく―。孤高の魂を持つ、版画家の咲世子。人生の後半に訪れた素樹との恋は、大人の彼女を、無防備で傷つきやすい少女に変えた。愛しあう歓びと別離の予感が、咲世子の中で激しくせめぎあう。けれども若く美しいライバル、ノアの出現に咲世子は…。一瞬を永遠に変える恋の奇蹟。熱情と抒情に彩られた、最高の恋愛小説。 (「BOOK」データベースより)
人に薦められて手に取った一冊。
恋愛小説をあまり読まなくなっている身にはちょっと情熱的過ぎたかも(^^;
先日読んだ「センセイの鞄」の方が私にはずっと心地よかったな。
咲世子、45歳。版画家としての仕事も順調で、未婚で子供もいないけれど愛人はいてそれなりに生活を楽しんでいるヒロインが、ある日出会った17歳年下の映画監督の卵に運命的な恋をするという物語は、現実の自分の環境とあまりにも違いすぎて共感点が見つからないのに戸惑ってしまう。更に愛人との情熱的なアバンチュールの描写も更年期障害の描写がしばしば登場するのも好きになれなかった。
私には咲世子の愛人である画商の卓治の人柄の方がより親しみを感じてしまう。年下の恋人となる素樹の誠実な純粋さと若さは眩しくはあるけれど、対等な恋の相手としては何だか物足りないのだ。それは作者が咲世子に何度も自重自戒させているせいもあるかもしれない。
素樹の元カノのノアや卓治のストーカーの亜由美のエキセントリックさについても、若さゆえの一途さが、何だか面倒で重く感じてしまうのだ。
版画製作過程を知るのは面白く、作品が眼に浮かぶような描写も良かったのだが、生身な恋愛小説って苦手なんだなぁと気付いてしまった(汗)
でも、自分の才能一つで生きてきたヒロインが、女性としての転機に苦しみながらも新しい自分(作風)を見出していくという筋立て自体は好ましかったです。
出会いは運命だった。17も年下の彼に、こんなにも惹かれてゆく―。孤高の魂を持つ、版画家の咲世子。人生の後半に訪れた素樹との恋は、大人の彼女を、無防備で傷つきやすい少女に変えた。愛しあう歓びと別離の予感が、咲世子の中で激しくせめぎあう。けれども若く美しいライバル、ノアの出現に咲世子は…。一瞬を永遠に変える恋の奇蹟。熱情と抒情に彩られた、最高の恋愛小説。 (「BOOK」データベースより)
人に薦められて手に取った一冊。
恋愛小説をあまり読まなくなっている身にはちょっと情熱的過ぎたかも(^^;
先日読んだ「センセイの鞄」の方が私にはずっと心地よかったな。
咲世子、45歳。版画家としての仕事も順調で、未婚で子供もいないけれど愛人はいてそれなりに生活を楽しんでいるヒロインが、ある日出会った17歳年下の映画監督の卵に運命的な恋をするという物語は、現実の自分の環境とあまりにも違いすぎて共感点が見つからないのに戸惑ってしまう。更に愛人との情熱的なアバンチュールの描写も更年期障害の描写がしばしば登場するのも好きになれなかった。
私には咲世子の愛人である画商の卓治の人柄の方がより親しみを感じてしまう。年下の恋人となる素樹の誠実な純粋さと若さは眩しくはあるけれど、対等な恋の相手としては何だか物足りないのだ。それは作者が咲世子に何度も自重自戒させているせいもあるかもしれない。
素樹の元カノのノアや卓治のストーカーの亜由美のエキセントリックさについても、若さゆえの一途さが、何だか面倒で重く感じてしまうのだ。
版画製作過程を知るのは面白く、作品が眼に浮かぶような描写も良かったのだが、生身な恋愛小説って苦手なんだなぁと気付いてしまった(汗)
でも、自分の才能一つで生きてきたヒロインが、女性としての転機に苦しみながらも新しい自分(作風)を見出していくという筋立て自体は好ましかったです。