冬のシアトルは初めてですが、覚悟をして用意してきた手袋や厚手のマフラーや防寒ブーツの出番が全くないほどの暖冬です。と言っても、友人のシアトルっ子たちはまるで名誉挽回をするかのように、口々に言います。
「メイ、こんなのは特別だからね。本当はもっと寒いんだから。」
たとえ暖かい冬でも、お天気はころころと変わります。
一日のうちでも、朝は霧に閉ざされていたのが、昼には雨になって、夕方には見事な夕焼けに町が染まったり、その逆だったり、、、、、
時にはこんな風に部分的に霧に覆われることもあります。
この家のパノラマ窓は、そんな自然の気まぐれを余すことなく見せてくれます。
つい家に閉じこもっていたいぐらいに(笑)。
霧が晴れて、私の部屋のま向こうに広がる風景の
ビルとビルの合間に貨物をたくさん積んだ船が見えました。
黒い船体にくっきりと白い太文字で「NYK LINE」と書かれています。
実はこの船、もう何日もここにいるのです。
エリオット湾の真ん中にです。
NYKと言えば、われらの日本郵船。
日本郵船と言えば、学生時代からの我が親友が今なお働いているところ。
野次馬的好奇心が首をもたげて聞いてみたら
すぐにこんな返事がありました。
「メイ、NYKの船が何日も停泊しているのは、現在米国西岸の港湾がマヒ状態にあるからです。Los Angeles, Long Beach, Seattle, Tacoma, Oakland等の主要港湾は、港湾労働者の組合と雇用者団体で交渉が行われていますが、決着の目途がつかず、輸出輸入のコンテナが大量に港湾に滞留し、大混乱です。このため、コンテナ船も到着しても直ぐには着岸できず、何日も沖待ちを強いられています。この混乱の影響は日本でも既に現れており、マクドナルドでは米国からのポテトが届かないので、フライドポテトの供給に苦労しています。」
インターネットや現地の新聞で、なるべく世界の動きに乗り遅れないようにと目を配っていたつもりでしたが、このアメリカ西海岸の混乱については、なぜか見逃していました。相変わらずの抜け穴です。夫にも言われてしまいましたよ(涙)。
「えっ、知らなかったの?」
気になって早速調べてみましたら、なるほどなるほど、出るわ出るわ、、、、、
「来年の2月まで長引く可能性もあると予測される今回の港湾労使交渉。ファーストフード業界のみならず今後の影響が心配されています。(12月15日)」
「アメリカ西海岸における港湾労使交渉の長期化の影響により、原材料「ポテト」の安定的な調達が難しい状況のなか、少しでも多くのお客様に『マックフライポテト』をお楽しみいただくため、2014年12月17日(水)から一時的にSサイズのみの販売とさせていただいておりました。お客様にはご不便、ご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
現地での港湾労使交渉は継続しておりますが、航空便や東海岸からの船便といった緊急対策による調達等により、ポテトの通常販売が可能となる在庫確保の見通しが立ちました。なお、港湾労使交渉については予断を許さない状況であり、輸入の遅れは続いております。引き続き状況を注視しながら、ポテトの安定的なご提供ができるよう最大限の対応を行って参ります。(12月26日)」
マックポテトは1月5日に販売が再開されたようですが、この労使交渉、いったいいつ決着がついて、今も目の前に停泊しているNYKの船が着岸できる日が来るのでしょうか。
たかがフライドポテトと言えども、その背後には無数の人々の数多の営みがあります。
読んでくださってありがとうございました。
どうぞ良い一日をお過ごしくださいね。
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