「この国のかたち」的こころ

敬愛する司馬遼太郎さんと小沢昭一さんに少しでも近づきたくて、書きなぐってます。

劇場版 巨人の星 大リーグボールについて考える

2006年03月30日 22時56分34秒 | 文化論
NHKBS2 BS春休みアニメ特選 ということで、巨人の星劇場版を放映してる。今日のタイトルは「大リーグボール」というやつだ。
 高校野球から巨人の入団テストを経て川上監督率いる巨人軍に入団した星飛馬は、その球質が軽いことから当てれば遠くへ跳ぶという弱点を克服すべく、それを逆手にとって、相手のバットに自らボールを当てに行くという、魔球「大リーグボール1号」を完成させる。

 バットをめがけて投げるために、父親から伝授された魔送球(打者の走塁を邪魔するようにカーブする送球)を立てに変化させて創り出した球である。
 そのためは星選手は打者のバットの動きを完璧に予測するために、禅寺に修行したり、剣道を習ったりする。
 実際の送球より、バットの動きを予想できてしまえば、その時点でチェンジアップでもなんでも使えば、討ち取れそうな気がするがそれは言ってはいけないのでsる。なぜならこの魔球の命名は「大リーグボール1号」であり、日本のプロ野球のみならず、世界に通用するようになることを想定されて作られているからだ。
 しかも、このボールは最初から「1号」となっており、大リーグで勝負するためには、まだ他の球種がつまり魔球が必要であると思われているのだ。

 当時の日本の野球の意識が垣間見える名前ではないだろうか。WBCで日本は「大リーグボール」なしに、むしろ「スモールベースボール」を提唱して世界一になった。
 皮肉な結果となったと言うべきか、巨人の低迷が当然と言える結果なのか、判断はいかようにもできるだろう。

 しかし、変わらぬのは野球を目指す少年の夢であり、その対象が巨人というチームブランドから、野茂、イチロー、松井、といった個人ブランドに移行しているかのように見えたが、WBCでの優勝は「ジャパン」というチームブランドを生み出した分、先行きは明るいかもしれない。