「この国のかたち」的こころ

敬愛する司馬遼太郎さんと小沢昭一さんに少しでも近づきたくて、書きなぐってます。

「金」にまつわる出来事について考える

2006年03月05日 23時36分32秒 | 漢字歳時記
 荒川静香さんが大変ですなあ。まだトリノでの演技が終わって一息もついていない感じがしますね。このまま窒息しちゃうんじゃないかと思うくらい毎日テレビに出てますねえ。
 「金」の実感よりもこの騒ぎがいつまで続くのだろうって思っていらっしゃるようなきがします。
 この「金」という言葉の持つ力に翻弄されているのが今の日本であって、荒川さんが出演している「金芽米」なるものが跳ぶように売れているそうです。CM自体は昨年の9月に撮影されて一旦放映されなくなっていたんですが、彼女が金メダルをとってから再映されるようになったそうです。「金」が加わると商品名自体にインパクトはありますから、これは売れますよ。会社としては金メダルと掛け合わせるつもりは毛頭なく、彼女が金メダルをとる、もしくはオリンピックに出ること自体予測不可能でしたから、今回の騒ぎは青天の霹靂だったといってましたね。

 この「金」という字は元々「黄金」を意味するものではなく、中国では金属全般を指し示す言葉でした。さらにさかのぼれば「金」は「青銅」を意味して痛そうです。いわゆる「黄金」を指すようになったのは、中国の戦国時代(紀元前四世紀~前三世紀)になってからといいます。

 

 漢字の成り立ちは鋳型に金属を流し込む様子が描かれていて、レールを流れている液体状の金属と横にできあがった金属の塊が二つほど描かれています。

 ゴールドメダルがいつから優勝選手に渡されるようになったのか分からないんです。近代オリンピックの開かれたATHENS 1896 Olympic Games、ΑΘΗΝΑ 1896)は、1896年4月6日から4月15日まで、ギリシャのアテネで行われた夏季オリンピックである。(ギリシャでは当時ユリウス暦を使用していた。ユリウス暦では3月25日~4月3日に開催)されています。ところがこのオリンピックには金メダルがなかったんですね。財政上の理由で優勝者には銀メダルだったそうです。男子しか出てなかったのにね、今では信じられない話です。
 ちなみに金メダルは、純度92.5%以上の銀製メダルの表面に6g以上の金メッキしたものとオリンピック憲章(規則70 付属細則2-2)に定められています。これは、開催国によって経済的な不利が無いようにとの配慮ですね。アマチュア精神旺盛な頃の規定でしょうね。今の商業主義旺盛な時代には必要ない配慮かもしれません。それからメダルには競技の名前を入れる事になっており、授与される者の名前は入っていません。なくすと誰の課わからなくなってしまう…そんなわけないか。
 デザインは大会によって異なりますが、今回のトリノの意匠はどう思いますか。あのドーナツ型の金メダルです。僕は結構良いなあと思っているんですが、皆さんはどうでしょう?ミスタードーナツが一枚噛んでいるんじゃないかって…それはないでしょお。