「この国のかたち」的こころ

敬愛する司馬遼太郎さんと小沢昭一さんに少しでも近づきたくて、書きなぐってます。

おじさんのいない夜

2006年03月12日 00時08分17秒 | 人々
 藤枝市文化センター裏の居酒屋「松葉」に行ってきました。3月は別れの季節です。今日も泣かれました。人事はいつもどんな事情があったとしても非情なことに変わりなく、僕は1年の中でもこの季節が最も嫌いになりました。
 今日はそんな意味も引っくるめて痛飲してやろうと張り切っていたのですが、自分の不徳といたすところで、集まりがあんまり良くなく、静かな飲み会になりました。
 それはそれとして居酒屋「松葉」は串焼きのおいしい、そしてマグロのカマ焼きを出す店として、しかも安い!という店でした。
 一階は上がりかまちの座敷席とテーブル席とカウンターがあり、二階には座敷があってフスマで仕切られた部屋があったりします。でも時代はそういう店の存在を許さなかったのでしょうか。「松葉」も改装にふみきり、和風モダンを基調とした隠れ家的つくりで、2~4人がいわゆる個室形式で呑める店に変貌していました。 僕達は6人でしたけど一番奥の部屋でした。で、トイレに行くときにざあっと店内を見渡せるというか通り過ぎていくんですけども、いわゆるスーツ来てネクタイはだけて、「なんだ?バカやローが!」とか言ってくだ巻いてるおじさんなんて一人もいないのね。
 みんな若い人達ばかりなんだなこれが、そりゃあ僕は人生の半分以上を生きていますから(多分)若い人が多く感じるのは当たり前なんだけどね。
 で~も、この店にはかつてそういうおじさんが沢山棲息していたはずなのに何処に行っちゃったんだろうって思いました。もちろん僕がいますから、一匹はいるわけで、絶滅したわけではありません。でも絶滅危機種であることには変わりなく、料理の内容があまり変わりないのに、部屋の作りが変わっただけで、というより畳を消すだけで、こんなにもおじさんを駆除できるものかと感心してしまいました。
 くだ負けないよなあ、あんなにせまくちゃ!くだ巻きたいよなあ、畳の上で、でもそれはとても経済的でなく、メインテナンス上、最も効率の悪い床材なんでしょうな畳っていう奴は。

 どこにいけば仲間がいるのか、今度探しに行かなくちゃ。なんだか「みにくいアヒルの子」みたいになってきたぞ。
 って僕はスワンにはなりはせず、せいぜい素椀ぐらいが関の山です。

お後が宜しいようで…