人形町の辻村寿三郎館に行ってきました。
ちいさなショップですが、土曜日の今日は、僕がいる間にもお客さんが来ていました。
ショップを任されているのは、一番弟子であろうと思われる人でした。
でも寿三郎さんはすべてを一人でやってしまう人で、手伝うことはほとんど無く、本人も「弟子はいないよ。」とか言ってるそうです。でも、彼も人形の製作をしていて、寿三郎さんは「もうちょっと背を高くした方が良い」とかアドバイスをくれるそうですし、何より、自分で人形教室とか持ってるわけですから、『弟子がいない』とかいうのはどうかなと思いました。「教室の人は弟子ではなく生徒だ」と言うべきなのでしょうか?まあ不思議な人であるようです。
で、とっても残念なことに、辻村さんを全国区にし、世代を超えたファンを持つことになったNHK人形劇「新八犬伝」のフィルムというのは二話分ぐらいしか残っていないそうで、なんで、そんなことになってしまったかというと、テープに上書きして撮影していたのだという、とんでもない事実があるそうです。以前、僕はこの国の映像芸術に対する、価値観にげんなりしたことを書いたのですが、小津安二郎さんや、黒澤明さんの作品の保管状態が悪くて、真っ暗な映像になってしまったこと書きました。でもデジタルリマスターで、蘇っているので、なんとかホッとしたのですが、作品自体がないのではどうしようもないなあとおもうのです。写真も辻村さん個人が手持ちのカメラで撮影したスナップがあるだけですから、がっかりが度を超しています。
でもまあ、辻村さんはとてもお元気で、このあいだも韓流ドラマにはまってしまい、新しい作品として、韓国王妃さまを作ったそうです。明らかに「イ・サン」でしょうね、という顔をしておられました。
そういう製作意欲がある限り大丈夫なのではないかと思うのです。
で、他の所も行ってきましたが、その話はまた、別の機会に。