「この国のかたち」的こころ

敬愛する司馬遼太郎さんと小沢昭一さんに少しでも近づきたくて、書きなぐってます。

とけいのほん

2008年10月13日 00時11分55秒 | 書評
とけいのほん〈1〉 (幼児絵本シリーズ)
まつい のりこ
福音館書店

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わたくし生涯でいちばん回数多く読んだ本でございます。
何てったって娘が1歳半頃から小学校6年まで200回以上寝る前に読み聞かせた本ですからね。

 とにかく気に入っていました。この絵本をよむと安心して寝てました。時計の見方を教えてくれる本なんですが、まあ時計のみかたなんて1歳半じゃわかりっこないでしょ。でも何度も読んでいるうちに自然と娘も声に出すようになりまして、徐々に解って来るみたいです。子どもの発達段階が解るようで面白いですよ。
 「とけいのほん1」12時とかとか3時とかのちょうどの時間と1時半2時半とかの呼び方。「とけいほん2」では分までの読み方を「光のぼうや」や「おばけのぼうや」がわかりやすく教えてくれます。
 読むときには優しい調子で読んであげてください。きっと本が大好きになります。

僕たちの戦争 森山未来くんに期待しましょう

2006年09月13日 00時15分26秒 | 書評
僕たちの戦争

双葉社

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 父が入院して手術を受けました。この本はICUにいる父の顔を見に行ったらその日の内にICUから看護程度の一段緩いHCUの病室に移ることが決まり、それまで時間を潰さなくてはいけなくなり、コンビニで仕方なく手に取った本でした。僕は歴史小説が好きなものですから、こういう小説はあまり読まないんですが結構面白く読ませて頂きました。

 「設定はちゃちだ。」とは劇中の主人公のセリフにもあります。二人の時代を異にした青年の精神だけがタイムスリップして入れ替わるというものです。そして入れ替わる時代は現代と60年前の昭和19年です。

 入れ替わる現代人は尾島健太(おじまけんた)という高校卒のフリーターで、将来はゲームクリエイターを目指す、大人からは理解できない存在。

 そして昭和19年から現代にスリップするのは石庭吾一(いしばごいち)。若鷲隊という戦闘機乗りになりたくて土浦の予科練で飛行訓練中の身であった。

 文化も国情も価値観も全く違う環境に放り出された同じ顔をした二人の青年がとまどいながらもそれぞれの境遇に順応してゆく姿を描いています。

 尾島健太はやがて特別攻撃隊「回天」(魚雷に人間を乗せる発想で造られた非人道的な攻撃艇)に乗せられることになるのですが…。

 それぞれの順応の仕方が良いですね。

 ということは戦争なんてとんでもない、人なんて殺せないし、国のために死ぬなんてとんでもないと思っているけれど、そういう平和的な価値観なんて実はとんでもなく不安定なもので、僕らはいつだって昭和十九年の日本国民の精神状態になりうる危険性を持っているのではないかと思わせてくれる流れが良いと思います。

 TBSドラマスペシャル僕たちの戦争では森山未来君が二役にチャレンジしますね。とても良い役者さんですね彼は。

 今時若手で主役張れる俳優さんっていうと山田孝之くんか長瀬智也くんぐらいしかいないでしょ。もこみちくんはぽしゃったし。

 脇を上野樹里さんと内山理名さんで固めていますね。上野樹里さんが文子さんやくかと思ってましたが違いましたね。

 とにかく俳優陣だけをみてもしっかりしたドラマになっていそうです。

 ちなみに放映は九月十七日午後九時からです。

ヘルシング 第8巻

2006年08月01日 23時44分02秒 | 書評
HELLSING 8 (8)

少年画報社

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 いやあ佳境ですねえ。

 って言ってもこのマンガ始まってからずっと佳境の繰り返し出来てるんですけどね。
 
 なんと言っても今回からのメインはアンデルセン神父ですなあ、かれが聖遺物管理局(通称マタイ三課)から持ち出した失われたローマの最後の遺物である「聖なる釘」を持ち出すところですな。

 アンデルセンがこの釘を使うときのアーカードの表情がまたたまりませんね。

 そして今回は加筆したのかアーカードがなぜドラキュラになったのかの場面も意味深に描かれていますので見逃せません。

 なんと言ってももう一〇年近く連載してるのにまだ八巻という根気強さが読者に求められるマンガです。

バガボンド 第23巻 マンガの速度について考える

2006年06月25日 22時43分12秒 | 書評
バガボンド 23 (23)

講談社

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 とにかく遅々として進まないね、このマンガは。というよりこの作家の井上雄彦氏のリズムなんだろうね。

 世界観が広すぎるのかな。

 とにかくどのマンガでも端折るということをしないし、一人一人の当時人物に、それが例え次の場面で切られてしまう奴でも充分語らせてから死なせているからね。人物の一人一人が主人公の武蔵や、その敵役に死ぬことで糧を与えていくように仕上がっている。

 それでもまあ毎週連載されてれば、読者もそれなりの根性をもって読み続けていけるのだけれども、途中で中断することが多すぎるので、読者側のテンションが保ちきれないのです。

 吉岡伝七郎との結果はもう掲載してしまっているのに、底に至る経緯を事細かに見せている今の展開は、連載が再開されてやっとこちらのテンションが軌道に乗り始めた感じで、コジローと雪だるまで対決する場面などは、実に良い感じなのだから、このまま進めて頂きたいのです。

エマ終わっちゃいましたねえ ネタバレ注意!

2006年05月28日 23時50分42秒 | 書評
エマ7巻

エンターブレイン

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終わってしまいましたねえ。カミさんなんか読み終わった後、ため息ついてこの後どうなってしまうのだろうって言ってましたので、僕が横からこれで最後なんだよと教えてあげると、「え~!ほんとにいい!」と声上げてましたな。

 それくらい消化しきれていない結末でしたね。

 本屋さんで手に取ったときに、やけに分厚いのでこれが最終巻かなと思ったので僕はそんなに驚かなかったのですが、皆さんはどうでしょう。

 なんと言ったって前回でアメリカに連れ去れたんですから、そう簡単に裁可できないでしょうと思っていたのですが、実にあっさり逢わせましたね。

 どうも人気が落ちて、やや強引に最終回にもっていった節が見られるのですが、間違いでしょうかね。

 もともとメイドでメガネっ娘が主人公ですからキャラクターに無理な行動をさせるわけに行かず、アイデアが底をつき始めたのではないかともいます。

 でーも歴史大河ドラマのごとく、戦争なりなんなりを絡めていけばそれなりに継続できたんじゃないかと思うのですが、それをしなかった所に逆に潔さを感じています。

へうげもの第2巻

2006年05月16日 23時16分57秒 | 書評
へうげもの 2 (2)

講談社

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 戦国武将として信長などに仕えたが、武将としてよりも茶人、陶芸の「織部焼き」を評価し、世に出した人間として歴史に名を残した人が、よもやと思ったがマンガになってしかも2巻目まで出している。

 こんどこそ「モーニング」に連載してるのですが、絵の癖の強さはともかくとして、ストーリー的にも斬新な見方をしている。
 特に光秀の謀反については千利休が絵を描いて秀吉がそれに乗り、光秀を追い込んだ形に仕上げている。

 しかもだ、実際に信長に手を下したのは、光秀の育ちの良さを懸念した秀吉自身が本能寺に密行して決行したことになっている。

 秀吉の出世の糸口が信長専属の忍びだったという説を尊重しての展開だと思うのだが、前後の様子が語られないので少し説明不足の感がある。

 それと信長が現在進行中の「功名が辻」くらい軽くて愚かで、周りが見えていない人物だという面が強調されており、少し残念である。

 主人公は茶道具に目がない男で、風流を解するが、武功のない人物として描かれ、道具を通して人物を価値判断していくという生き方を貫き、迷い、失敗しながらも次第に茶人としての評価をあげていくのである。

 茶道具が政治の場面で重きをなす様子が面白いし、文化財が取り引きや、経済に少なからず影響しただろうことを考慮にいれても良いのかなという姿勢を作ってくれる作品である。
 大笑いするマンガでも登場人物がイケメンで格好いいわけでもないが、人物がある程度スポイルされながらも、底光りする動きを見せてくれるマンガである。

デイアフタートゥモロー カイシデンのレポートより

2006年05月14日 21時51分52秒 | 書評
機動戦士Zガンダム デイアフタートゥモロー カイ・シデンのレポートより (1)

角川書店

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 ガンダムって一体何処まで行くんだろうって思う作品です。

 主人公はカイ・シデンです。

 ガンダムでは完全な脇役でシリーズでは1回だけ主役を務めました。

 ゼータでは反政府的ジャーナリストとして渋めに行動してまして、少しkになる存在なのですが、その辺りにスポットを当ててくれているので、読みたくなってしまいました。

 ゼータに出てくる登場人物と次々に接触して、1年戦争の意味を問い、殺人を犯さざるを得なかった青春に意味を持たせるために理想とかけ離れた歪んだ現状と一匹狼的に挑んでいく姿が描かれています。

 大変シビアですからご注意をお願いします。


臨死!!江古田ちゃん 瀧波ユカリの超絶4コマ

2006年05月13日 23時59分54秒 | 書評
臨死!! 江古田ちゃん 1

講談社

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 今日、娘と映画館に行った帰りに買ってきた本。帰りに電車の中で読もうと思った4コママンガなんだけど、とても読めるような状況の本ではなかった。

 買ったときに気付くべきだった。

 コミックの帯に「この本をうっかり手に取ったあなた、いらっしゃいませ こんにちは 主人公の江古田と申します」というセリフとともに原始人姿の江古田ちゃんが骨付き肉を食っている。

 隣には何故か裸でスカーフの江古田ちゃんが寒風の中花束を持っている。

 このノリは買いでしょう、と思って買ってきたのですが、OLさんにかなり人気がある4コママンガなのだそうです。

 24歳、独身、フリーターの彼女は、練馬区の江古田に住んでいるので江古田ちゃんと呼ばれているそうで、基本的生活習慣として裸で家にいる。洗濯物が増えるのがめんどくさいからなのだそうだ。

 NHKの受信料徴収の時も「今、人様の前に出られる恰好ではありません。」と断ってしまう。

 男性誌のsex特集のテクニック編にいちゃもん付けたり、終電間近に新宿を走ってクラブの黒服の兄ちゃんにバトンリレーの真似されて「気がきくじゃん!」とコメントしてみたり、結構40過ぎには分からないネタも多いのだけれど、ママス&パパスを聞いていて「オールディズ」というバンドが存在しないことに気付いたりと僕らも笑えるネタ満載ですね。

 まあなんと言っても「モーニング」に載っているくらいですから。

 

信長は最初っから凄かったわけじゃない!

2006年02月12日 23時35分33秒 | 書評
信長〈上〉

文藝春秋

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 冒頭は父親信秀の遺言を聞く場面からこの小説は始まる。つまり天下どころか尾張半国の統一も出来ていない時代の信長の苦労が詳細に書き表されている小説である。
 信長の頭の中は理でのみ働くように仕組まれているようで「うつけものお」とか言われながら、自分の家臣を土地持ちの豪族の集合ではなく直属の、農閑期になるとそれぞれの土地に引っ込み、お家安泰のみを思い、危険に敏感すぎて動きがとれない集団をまるっきり変えようとしていた。当時の武士は半農の状態で春になると種まきに秋には収穫にかり出されると言うより、自分が先頭を建っておこなわwなければなりません。

 詳細な検証されたものは一つももらわず。