夫が逝って、隣をすーすーと風が通り抜けるように寒かった。
居た人の気配がする家に押しつぶされそうで、家を捨てたかった。
思い出の何もかもを捨て去りたかった。
思い出してしまう品々を目にすることさえ辛かった。
亡くなった夜にかけてきた友の受話器越しの声は気丈を通り過ぎていた。
しっかりとキャリアウーマンで生きてきた人だ。
夫のためにこの春、仕事を辞めたばかり。
泣くことを禁じたりしないだろうか?
泣くだけ泣く。手放しで泣く。
泣いて、泣いて、やがて浮上して私は来た。
1年2年…今思えば尋常な精神状態ではなかった。
多くの友達知人に支えてもらった。
おもいっきり泣く夜は、ここ当分訪れていない。
今朝は、送る日を選んだようにしとしと雨。
ある寡婦友が、たくさんの参列のあった葬儀を振り返って、
この中で悲しいのは自分ひとり
そんな風に思ったと言った。
多くの人ある葬儀の最中、一番かなしいのは間違いなく妻の貴女。
あの時、私は一度死んだ気がした。
あれから…忘れられたか?亡夫は煩い妻を迎えに来ない^^;
濡れると花が浮き上がる傘を選んで散歩してきた。
雨も涙も悪くない。
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居た人の気配がする家に押しつぶされそうで、家を捨てたかった。
思い出の何もかもを捨て去りたかった。
思い出してしまう品々を目にすることさえ辛かった。
亡くなった夜にかけてきた友の受話器越しの声は気丈を通り過ぎていた。
しっかりとキャリアウーマンで生きてきた人だ。
夫のためにこの春、仕事を辞めたばかり。
泣くことを禁じたりしないだろうか?
泣くだけ泣く。手放しで泣く。
泣いて、泣いて、やがて浮上して私は来た。
1年2年…今思えば尋常な精神状態ではなかった。
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おもいっきり泣く夜は、ここ当分訪れていない。
今朝は、送る日を選んだようにしとしと雨。
ある寡婦友が、たくさんの参列のあった葬儀を振り返って、
この中で悲しいのは自分ひとり
そんな風に思ったと言った。
多くの人ある葬儀の最中、一番かなしいのは間違いなく妻の貴女。
あの時、私は一度死んだ気がした。
あれから…忘れられたか?亡夫は煩い妻を迎えに来ない^^;
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