愛の幻滅 (上) (講談社文庫 (た2-38))田辺 聖子講談社このアイテムの詳細を見る |
愛の幻滅 下 (3) (講談社文庫 た 2-39)田辺 聖子講談社このアイテムの詳細を見る |
お決まりの
若いを少し通り越した女性と社会的地位と家庭持った中年オヤジの不倫小説。
自分では欠点だと思っている鼻ぺちゃを『かわいらしい』と誉め讃える
若い男性にない中年の懐の深さに自然に惹かれてゆく。
ややこしい話はなし。
心配事も『目の前の草だけ抜いていたらよろしい』
遠くまで息切れして抜くことはないと
↓同名の小説と同じタイプの鷹揚なところにウンウンと頷ける。
中年ちゃらんぽらん (講談社文庫)田辺 聖子講談社このアイテムの詳細を見る |
やがて、楽しかった二人の時間がマンネリ化して
夢うつつが現実臭くなってきて、題名とおりの『愛の幻滅』。
まぁね~恋熱病。
家庭をこわさず、
若い女性とおいしい時間を持とうと言う虫の良い話が
続くワケはないって事でしょう?
一過性の楽しい時間が幻滅に変わってから、
きっぱり自立し背筋伸ばして前向く女性の姿がすがすがしい終わり方だった。
私的には
『目の前の草だけ抜いていたらよろしい』
が気に入った。
言葉を反芻しつつ
毎日、庭に抜いても抜いても生えてくる雑草をぬいている。
これが結構楽しいのだ。中年のおばさんとしては。