上海阿姐のgooブログ

FC2ブログ「全民娯楽時代の到来~上海からアジア娯楽日記」の続きのブログです。

ベトナム建国記念日(9月2日)のハノイの街~ベトナムポップスとK-POPの影響力

2013年09月08日 | エンタメの日記
先日ベトナムのハノイに行ってきました。ハノイはベトナム(ベトナム社会主義共和国)の首都です。ベトナムの代表表的な都市はハノイとホーチミンですが、北部にあるハノイが首都で、南部にあるホーチミンが経済・商業の中心として発展が進んでいます。ベトナム北部は中国雲南省と広西チワン族自治区と接しており、気候も地形も中国南部と非常によく似ています。上海からは毎日1便直行便があり、3時間足らずで到着します。

最近日系企業の東南アジア投資が話題になっていますが、ハノイの空港から出た途端多くの日系企業の看板が目に入ります。道路沿いにはPanasonic、トヨタ、キャノンなど多くの日系工場・物流センターが並んでいます。

短い滞在でしたが、ベトナム建国記念日と重なりました。
ベトナムの建国記念日は9月2日で、前後の土日と合わせて3連休となりました。今年は建国68周年です。つまり、建国の日は1945年9月2日です。ベトナムの建国の経緯は日本の敗戦と密接な関わりがあります。
私はベトナムの建国記念日はてっきり南北統一の日だと思っていたので驚きました。
建国記念連休と重なったこともあり街は夜遅くまで人通りが多く、路上はバイクやスクーターで溢れかえっています。
■建国記念日(国慶節)を祝う旗。1945.9.2~2013.9.2


■ハノイ旧市街






スクーターには1人で乗っている人の方がむしろ少数で、2人乗りまたは家族4人で乗っている場合もあります。車も増えており、日本車が多いです。ハノイで特に目立つのはトヨタです。一部のタクシー会社は車輌がトヨタ車で統一されていることも、多く感じる原因の一つだと思います。トヨタ以外にもホンダ、三菱、マツダ、日産などの自動車を街中で見かけることができます。日本車に次いで多いのが現代、KIAなどの韓国車です。一般乗用車の日本車と韓国車の割合は6対4くらいで日本が多いと思いますが、バスやトラックなどは韓国のデウが目立ちます。スマホが本格的に普及するのはこれからだとは思いますが、カカオトークの広告があったり、カフェなどはWiFiが繋がるところが多く、一定の割合でスマホユーザーがいることが分ります。街中にはサムスン、LG、SONY、HTCなどのスマホの広告が見られます。

■ハノイ市内 昼間




■世界遺産ハロン湾。「海の桂林」と言われますが、正直中国の桂林の方が壮観です。




上海-ハノイをベトナム航空で往復したのですが、機内の音楽放送にはJ-POPチャンネルとK-POPチャンネルがそれぞれありました。ところがJ-POPチャンネルに入っている曲は半分くらいがK-POP歌手が歌う日本語曲でした。CNBLUEの「まだ愛してる」、D-Liteの「歌うたいのバラッド」、BOYFRIEND、超新星などの日本語曲です。残りの半分をジャニーズ、女性アイドルグループ、ビジュアルバンドが埋めていました。K-POPチャンネルの方は、U-KISS、BEAST、BIGBANG、SHINee、RAINBOW、4Minなどグループアイドルが多いです。

J-POPチャンネルとK-POPチャンネルの音楽放送を交互に聴いていたのですが、映像がない状態で楽曲だけを聞くと、J-POPの方がいいなと思います。理由は単純で、K-POPは歌詞の意味が分らないけれど、J-POPは歌詞の意味が分るからです。KAT-TUNの「face to face」、堂本剛の「LOVE LOVE LOVE」(ドリカムのカバー)などが入っていたのですが、すごいいい曲だわ・・・ジャニーズの曲の歌詞ってやっぱりよくできてるわ・・・などと音量を上げて浸ってしまいました。しかし、これが音声放送ではなく、MVの映像放送であったら多分K-POPの映像に目を奪われたと思います。

ベトナムではK-POPなど韓国芸能が流行っています。CDショップでも韓国アーティストのCDが目立つ場所に並んでおり、韓国企業の進出が多いこともあり、韓国スターの広告も頻繁に目に止まります。ベトナムローカルのポップスはバラードが多く、90年代の香港ポップスの雰囲気に近いのですが、K-POPダンスグループの影響もみられます。但しメイクアップ技術とダンス技術はK-POPに遠く及びませんが・・・。

改めてK-POPのビジュアル戦略というのはすごいなと思いました。
ビジュアルには顔の造型、スタイル、ファッション、メイク、ダンス、ポージング、演技力、CGなど映像技術も含められます。好きか嫌いかは別として、K-POPのトータル的なビジュアル技術は非常に発達しています。
K-POPは海外進出志向が強いですが、韓国語という相対的にいうとマイナーな言語では、どんなに歌が上手くても、ただ普通に歌っているだけでは外国人の興味を引き付けることはできないと分かっていたのではないでしょうか。そこで、言語の壁のないダンス、ファッション、イメージで勝負しようと狙いを定めたのかもしれません。
台湾、マレーシア、タイ、ベトナムなどではエンタメライフの中に韓国芸能が融合しているという意味で、韓国芸能はもはや韓国の枠を超えて「アジア文化」だと思いました。最近K-POPに対する興味は薄れていたのですが、アジアの国を跨いで影響力を持つK-POPからはやはり目が離せないと思うようになりました。

日本でK-POPが流行するずっと前の段階で、K-POPは飽和状態と言われていました。少女時代や2PMが出てきた2009年あたりにはもう、すべてやりつくされた感がありました。更にいうと、今から10年前の2003年前後に発行されたCD(例えば神話の6thアルバム「君の結婚式」)と今の楽曲を比較しても、ミキシング・アレンジが洗練されたものの、劇的に進化したとは思いません。しかし、飽和状態といわれようと、コピーのコピーと叩かれようと、カルチャーとして存続するためには新しいコンテンツを更新し続けていくしかないです。これ以上のブームは起きないかもしれませんが、更新し続ける限り存続していくと思います。

ベトナムローカルのポップス(V-POP)をリリースする芸能事務所、音楽事務所は大量に存在するようです。
ベトナムの音楽サイト「Zing」ではベトナムPOPSのほか、ベトナムで人気のK-POP、J-POP、C-POPのカテゴリもあります。MP3、MVが視聴できます。
ベトナム音楽サイト「Zing」:http://mp3.zing.vn/
このサイトを見るとベトナムポップスの大まかな流行と傾向が分ります。
ベトナムポップスのMVやベトナムドラマの映像を見ていると、芸能として作られた映像よりも日常世界の実在のものの方が遥かにおしゃれで美しいと思います。ローカル芸能の映像・ビジュアル技術はまだまだ発展が待たれます。
ベトナムでもテレビのオーディション番組(リアリティショー)が流行っており、子供のみを対象にしたものもあります。

ハノイに到着して最初の日に入ったカフェはとてもおしゃれな作りで、地元の子、外国人客が入り混じっていました。そこでまたとてもおしゃれな音楽がかかっていたので店員にこれはベトナムの音楽なのか?と尋ねたところ、ベトナムの音楽ではなくフレンチポップスだと言いCDを見せてくれました。「この店ではベトナムポップスはかけない」と言われました。
K-POPと日本ACG(アニメ・漫画・ゲーム)はアジアのどの国でも人気がありますが、ベトナムの場合、ACGよりK-POPの方が影響力が強いように思いました。

V-POP
■女性歌手Bang Di。ビジュアル、ダンスはK-POPグループの影響かと思われます。2011年制作のMVのショット。


■男性デュオ The Men。悲恋ソング中心。香港ポップスのような雰囲気。


■女性歌手 Van Mai Huong すごく歌が上手いです。今回の滞在で知った歌手の中で一番気に入りました。

MV Youtubeリンク:http://www.youtube.com/watch?v=39Z9TSh8crA

■ Cuong Seven Ft. Mr.A「Beautiful Girl」。このMVは韓国YGエンターテイメントの雰囲気にそっくりです。BIGBANGのSOLと2NE1のダラかと思いました・・・。かなりお金をかけて作っているMVです。「FILM NINJA」が1年ほど前に制作。

MV Youtubeリンク:http://www.youtube.com/watch?v=jT-zxjEuJMI

■Ho Ngoc Ha ベトナムでとても有名な女性シンガー。バラードも歌っていますが、ゴージャスなダンスミュージックにも幅を広げています。


ベトナムポップスの傾向としては、基本的には男性歌手も女性歌手もバラードが中心で、悲恋ソングが多いです。90年代の香港POPSの雰囲気に似ています。これに加えて最近K-POPの影響を受けたダンスミュージック、RAPなどの要素も見られますが、主流は伝統的なバラードだと思います。

中国ももうすぐ建国記念連休ですが、上海では野外フェス「上海西岸音楽節」(上海WEST BUND MUSIC FESTIVAL)が3日間に渡り開催され、C-POPとK-POPのアーティストが同じステージに立ちます。
10月1日:EXO-M、蘇打緑(SODAGREEN)←すごいラインナップです。
10月2日:G-Dragon、羅大佑、崔健、張懸
10月3日:五月天(Mayday)他音楽レーベル「相信音楽」の所属アーティスト。(丁当、マジックパワーなど)
場所:上海徐家匯緑地特設ステージ
  

コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 五月天(Mayday)ノアの箱舟... | トップ | 台湾映画「あの頃、君を追い... »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ハノイですか~ ()
2013-09-08 19:17:37
 上海阿姐さんベトナムに行ってらっしゃったんですね。私も二年ほど前にハノイとハロン湾に行きました。K-POPはブームみたいですね。ホテルのTVをつけたら、いきなり一枝梅やってました。ただガイドさんが言うには、「韓国ドラマは流行っているけれど、道を歩けば事故に遭うし、不治の病とか、そんなのばっかり」だそうです
 K-POPはベトナムもターゲットにしているわけですが、正直言って、ベトナムにそこまでの購買力があるのかなと疑問でした。ハノイの街も(人力車みたいなのに乗せられて走りました)賑やかだけれど、何十年か前の日本ぐらいの感じだったし。これから発展していくのでしょうけどね。
 私もK-POPのビジュアル戦略は凄いなと思います。だからCNやFTのようなバンドはこれからどうしていくのかなと思います。まあ彼らはビジュアルも凄いですが、やっぱりダンスするわけではないですし。
 いろいろなところに出かけて活動的な上海阿姐さん 羨ましいです。
返信する
こんにちは (はるみとまこ)
2013-09-09 12:25:51
ハノイに行かれたんですね♪
ベトナムは「シクロ」を見てから、ずっと行きたい国でしたが、未だ行けてません(泣)
いつか行ってみたいです・・・。
10月1日は上海に行きたいです→無理!!!
EXOもウルロン活動が終わり、KとMに分かれて海外ですね(涙)
10月26日.27日のSMタウンで1年以上ぶりに彼らに会えるのが楽しみです(はぁと)
返信する
玲さん (上海阿姐)
2013-09-10 00:07:08
こんにちは~ハノイは一昔前のアモイみたいでしたが、中国よりはおっとりしてるかな・・・?交通は乱れてますがギスギスした雰囲気はないですね。でも、発展中とは言われますが、ハノイは3年くらい前からあんまり変わってないらしいです・・・。ホーチミンの方がハノイより全然都会で発展してるようです。
K-POP単体収益では、アジア圏で利益が上がるのは日本だけかもしれませんね。
ベトナムなどの東南アジア圏では、海賊版も多いし物価水準も安いので、CDやDVDを売っていくら儲けるというモデルは想定していないのでは。
ですが、お金を持っている人は持っているので、高額でもライブチケットを買う人はいそうです。

ベトナムに限らず東南アジアは韓国企業の進出が盛んなので、広告塔としての役割・収益もありますね。
例えばBIGBANGのSUMSUNG Galaxy ALIVE世界ツアーのような・・・。
アジア圏では非許諾コンテンツがファンサブ付で大量にネット上にあふれているので、わざわざタレントが現地で宣伝活動をしなくても、勝手に流行っているという状況がありますね
返信する
はるみとまこさん (上海阿姐)
2013-09-10 00:15:08
こんにちは~10月1日EXO-Mが来るんですよ。ちょうど上海にいません・・・・。別に大して広くない公園の野外ステージだそうですよ。どんな状況になるんでしょうね。10月26日、27日にSMTOWNT東京ですか~2日間もやるんですね・・・・そろそろEXOが本格的に中国で働きはじめそうな気がするんですが・・・市内路線バスの音楽ランキング放送で毎日のようにEXO-Mがちょろっと出てきます
返信する

コメントを投稿

エンタメの日記」カテゴリの最新記事