上海阿姐のgooブログ

FC2ブログ「全民娯楽時代の到来~上海からアジア娯楽日記」の続きのブログです。

中国タレントリアリティ・ショー「披荆斩棘~Call Me By Fire」シーズン4~大活躍のMIYAVIとAKIRA

2024年08月08日 | エンタメの日記
8月2日から中国湖南衛視(マンゴーTV)の人気バラエティ番組「披荆斩棘」(Call Me By Fire)のシーズン4が始まりました。
番組名である「披荆斩棘」は「厳しいいばらの道を切り拓く」という意味の中国四文字熟語(成語)で、過去に一定の成功を収めた男性芸能人が、中年と呼ばれる年齢に入ったいま再ブレイクを目指して奮闘するというテーマのリアリティ・ショーです。
中国湖南衛視(MangoTV/マンゴーテレビ)が巨額の予算を投じて制作する人気番組で、毎年女性版(「乘风破浪的姐姐」(荒波の中を進むお姉さん))と男性版(「披荆斩棘的哥哥」(厳しいいばらの道を切り拓くお兄さん)が交互に作られており、男性版は今回でシーズン4となります。

この番組に挑戦する「お兄さん」として、日本のアーティストMIYAVIとEXILEのAKIRAが参加しています。
8月2日(金)に本放送が始まりましたが、第1回目は参加者34名を17名の「お兄さん組」と17名の「弟組」に振り分けて、パフォーマンスバトルを行うというものでした。
MIYAVIとAKIRAは「お兄さん組」に振り分けられ、二人でギター+ダンスのパフォーマンスを披露しましたが、このパフォーマンスが絶賛されています。
二人の熟練したパフォーマンス、男らしいかっこよさは最近の若い男性タレントにはないもので、完成度の高いプロならではの舞台は高く評価されました。


番組公式Youtubeチャンネル (英語字幕付き)


ロックギタリストであるMIYAVIは2000年代から積極的に上海で音楽活動をしていました。
新天地ARKでライブを行ったり、上海のメディアにもよく登場しており、活動の拠点を上海に置いていた時期もあるのではと思います。その当時から中国語を熱心に勉強しており、今回の番組でもきれいな発音の中国語を話し、視聴者を驚かせています。そのうえ英語も流暢なので、「英語も中国語もできる超ハイスペックなギタリスト」として、好印象を与えています。
日本の番組に出演してもMIYAVIが英語や中国語を披露するシーンはあまりないので、このような海外の番組に出演することは、普段は表に出てこない魅力が発揮できるまたとないチャンスといえます。
 

もう一人の日本人参加者はEXILE AKIRAです。
AKIRAが2019年に「台湾一の美女」リン・チーリンと電撃結婚したというニュースは中華圏を震撼させました。
リン・チーリン(林志玲)は中華圏でものすごく有名な女性タレントです。身長175㎝でスタイル抜群、清楚で華やかな顔立ちの美人で、両親は成功した企業家で家は裕福、高校からカナダに留学してトロント大学を卒業し西洋美術と経済学の二つの学位を取得したという肩書の持ち主です。
モデルとしてスカウトされて芸能界入りし、CMモデル、司会、女優へと活動の幅を広げていきました。
女優として演技の評判は全般的によくありませんでしたが、「101回目のプロポーズ」の中国映画版(101次求婚)のヒロインなど、清楚で知的な役柄は美貌がふんだんに発揮され大スクリーンに相応しい女優さんだったと思います。
1974年生まれのリン・チーリンは40代に入っても変わらぬ美貌でしたが、なかなか結婚しませんでした。
20代の頃は「花より男子」の台湾版ドラマ「流星花園」で道明寺司役を演じたイケメン俳優ジェリー・イェン(言承旭)と恋人関係にあると言われており、それがイメージとして浸透していました。

ジェリー・イェンは本当にかっこいいタレントでした。
「花より男子」を最初にドラマ化したのは実は台湾で、「流星花園」はドラマとして非常に面白く、ドラマのヒットと同時にF4を演じた俳優たちも大人気になりました。
台湾F4は日本でもファンミーティングなど対面イベントを積極的に行っており、本人と対面したことがあるファンはかなり存在します。
イベント参加経験のあるファンの誰もが、「実物のジェリーは本当にかっこいい」と口を揃えて言いました。
画面の中だけでなく、現実でも本当にかっこいい人で、リン・チーリンの恋人としてルックス面ではこれ以上の条件の人はいないだろうと思われていました。
2004年に発売されたジェリー・イェン(言承旭)のソロCD「第一次」。中華圏でのF4フィーバーがやや落ち着いてきた頃、ソロの歌手としてリリースしたCD(阿姐コレクション)。
 

しかし、リン・チーリンは結局ジェリー・イェンと破局し、その後は企業家や資産家子息などとのゴシップもありましたが結婚には至りませんでした。
そのうちにリン・チーリンの年齢も上がっていきましたが、リン・チーリンと結婚したいと思うお金持ちの男性はいくらでもいると思われていました。ただし、リン・チーリンの結婚相手として「つり合いが取れる」かというと、男性側にとって相当ハードルが高いです。タレントしてのリン・チーリンは、独身を貫くことで支持者が増えるようなタイプでもなく、一体誰がリン・チーリンをお嫁さんにすれば皆がハッピーになれるのだろうか、と気を揉ませていました。

そんな中、2019年、リン・チーリンは45歳の誕生日を前にして、7歳年下のAKIRAとの結婚を発表しました。まさに電撃結婚です。
中国本土では、一部の日本エンタメ好きを除くと、「EXILE」というグループのことはそれほど知られておらず、EXILE AKIRAは「リン・チーリンと電撃結婚した日本の芸能人」として認識されています。なお、中国本土ではAKIRAではなく本名の「黒澤良平」として表記されることが多いです。

今回の番組でも、「リン・チーリンの日本人旦那」として他の参加者から好奇の目で見られる場面もありますが、AKIRAは大らかに笑顔で受け答えており、「懐が深い」「誠実そう」「大人の男らしくてかっこいい」と好意的にリアクションされています。
 

AKIRAとリン・チーリンの結婚はあまりにも突然で、当初はビジネスカップルかと疑った人も少なくなかったと思います。
いまでは結婚から5年が経ち、男の子も生まれて幸せそうな夫婦・家族のショットをときおりSNSで公開しています。

二人の結婚式は台湾で行われ、台湾の伝統と習慣に則った台湾式の結婚式を挙げました。そのときからAKIRAは「花嫁の希望を尊重する理解のある夫」として好意的にみられています。
いま、中国の若い世代は女性権利意識(フェミニズム)が強く、亭主関白は本当に流行りません。婚姻関係において妻をパートナーとして尊重するのが男性の美徳だとされています。映画やドラマでも「シスターフッドもの」が流行っており、そういう風潮です。

コスモポリタン中国版 2020年1月号 リン・チーリン(林志玲)× AKIRA


この種の中国のバラエティ番組に外国人アーティストが招かれることは珍しくありません。
外国人アーティストは、目新しさだけでなく、国際レベルの実力者であることが期待されています。さらに、中国人タレントでは言えないグローバルな視野での発言ができることを番組側は求めていると思います。そういう意味で、MIYAVIとAKIRAは非常に適任です。

「披荆斩棘」はすごくキラキラした番組です。
湖南衛視(マンゴーTV)はエンタメ系の番組制作においてずば抜けた実力を持っています。最先端の撮影・照明機材を大量に投入し、デジタル編集に長けたエンジニアも豊富なので、お金をかければものすごくキラキラした番組を作ることができます。
この種のメジャーなバラエティでは、負の要素が徹底的に排除されており、綿密なシナリオをベースに大量に仕込まれたカメラが捉えるハプニング映像を交えることで、エンタメ性が非常に高いバラエティ番組ができます。
もちろん、こういった作り込まれたバラエティ番組に対して、「ばかばかしい虚構」と一蹴する人も少なくありません。ですが、改めて見てみるとその華やかさに圧倒されずにはいられません。

「披荆斩棘」シーズン4は34名の男性芸能人が参加しています。
ある程度の年齢に達したベテラン芸能人の「お兄さん」が奮闘するというのが番組の趣旨でしたが、シーズン4では20代の参加者も少なくありません。最年少は23歳の慶怜(ケーレン)です。
第1回目は「お兄さん組」と「弟組」に分かれて対戦するという方式が取り入れられました。
「お兄さん組」に振り分けられたのは、李克勤、梁龍、林依輪、杜海涛、徐海喬、李澤鋒、厳屹寛、沈震軒、向佐、袁成傑、蔡旻佑、韋礼安、秦昊、王錚亮、付辛博、MIYAVI(石原貴雅)、AKIRA(黒澤良平)の17名。
「弟組」に振り分けられたのは、胡夏、阿如那、熊梓淇、鳳小岳、焦邁奇、寧桓宇、王一哲、井朧、石凱、尤長靖、高卿塵、李佳琦、朱星傑、符竜飛、早安、慶怜(ケーレン)、黄瀟の17名です。
歌手、俳優、ダンサー、司会者、ラッパー、アイドル、配信者など様々な分野のタレントが参加しています。付辛博、阿如那、慶怜(ケーレン)などの活躍も楽しみです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする