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FC2ブログ「全民娯楽時代の到来~上海からアジア娯楽日記」の続きのブログです。

「ZERO-G」出身のアイドルたち〜伯远(ボーユエン)、任豪、肖梁宇

2021年06月15日 | エンタメの日記
2016年にこのブログにこういう記事を書いたことがありました。
まるでEXO・・??!中国26人組ボーイズグループ「ZERO-G」デビュー
上記を書いた2016年の時点で「ZERO-G」にはすでに26名のメンバーがいましたが、その後、二期生が加わり、Z班、E班、R班、O班、G班の5つのユニットができました。ZERO-Gの頭文字を取り、Zealチーム、Effortチーム、Realチーム、Originalチーム、Gravityチームというコンセプトで展開されました。二期生としてデビューしたメンバーのひとりに、伯远(ボーユエン)がいます。
伯远(伯遠/ボーユエン)はPRODUCE101系オーディション番組「創造営2021」に出場し、「INTO1」の一員としてグループデビューを果たしました。

伯远(伯遠/ボーユエン/BO YUAN)1993年2月11日 貴州出身 所属事務所:白色系(WHITE MEDIA)2016年7月16日に「ZERO-G」加入


1993年生まれの伯遠は、2016年にZERO-Gとしてデビューした時点ですでに23歳でした。
「創造営2021」の中でも語られていたとおり、アイドルになりたいという夢を持っていたけれど、周囲の賛成を得られず普通の大学に進学する。しかし夢を諦めきれず、大学卒業後に本格的にアイドルの道に進んでいます。

ZERO-Gは二期生を迎え、2017年には「ZERO-G 2.0」を始動させ、アルバムを出したり、音楽イベントに参加したりと積極的に活動しようとしていました。
しかし、中国はアイドルグループが活動する環境が整っておらず、大量のメンバーを育てるのも無理があり、やがてグループとしての活動が停滞していきます。
そして、2018年頃から、めぼしいメンバーをオーディション番組に参加させるという方針に転換していきます。

伯遠(ボーユエン)は、「創造営2021」に出場する前に、別の101系オーディション番組「青春青你1」(Youth With You 1)に参加しています。
「青春青你1」(Youth With You 1)は配信大手iQiyiで2019年1月から4月にかけて放送された番組です。

伯遠はZERO-Gのメンバー2名と一緒に、「白色系」(WHITE MEDIA)所属の練習生として参加しました。

「青春有你」(Youth With You)蒙恩、伯远、卓沅 レベル分けパフォーマンス「一撃即中2 0」2019年1月25日配信

この3名の中で、当初事務所が比較的推していたのはZERO-G発足当初から所属している蒙恩(A-Moon)というメンバーでした。
1回目のレベル分けパフォーマンスで、伯遠ら3名は全員Fランクに振り分けられてしまいます。
その後、伯遠はボーカルなどパフォーマンスの実力を認められて、徐々に注目されていきます。さらに「芸術指導団」という声楽、舞踊などのプロフェッショナルから構成される内部審査員の推薦を受けて、ベスト38まで勝ち残ります。
最終的に、この3名の中で一番先まで勝ち進んだのが伯遠でした。

2021年にWeTV「創造営2021」にほぼ最年長の練習生としてリベンジ参加し、見事デビューを果たしました。

ZERO-Gとしてデビューしたメンバーの中で、事務所「白色系」(WHITE MEDIA)が最も期待していたタレントの一人が任豪(レンハオ)です。
任豪は「創造営2019」に出場して、最終順位9位でデビューを果たし、R1SEのメンバーとして周震南、何洛洛らと活動しています。
任豪(レンハオ/P.O.I)1995年7月17日生まれ 成都出身 身長183㎝ R1SEメンバー(まもなく活動終了)


任豪が登場したときは、俳優の楊洋(ヤンヤン)に似ていると言われていました。正統派の爽やかなルックスでスタイルが良く、パフォーマンスの人気も高く、9位でデビューを果たしました。

ZERO-Gとして大量のアイドルがデビューしましたが、2018年頃からグループとしての活動は形骸化しています。2021年現在、芸能活動をしているのかいなかのかも分からないメンバーがほとんどです。
ZERO-Gは、ビジュアル的には当時中国で圧倒的な人気だったEXO、形態的にはAKB48の影響がみられます。ですが、いま振り返ってみると、NCTのようなことをやろうとしていたのかなと思います。

事務所「白色系」はZERO-Gを展開するにあたり、事務所の規模・運営力ではとてもフォローしきれないほどの人数のアイドルを抱え込み、十分な活動の場を与えられないという問題を抱えていました。脱退を希望するメンバーが相次ぎ、ある法律系のバラエティ番組で「契約内容がタレント側に極めて不利なものとなっており契約解除が非常に困難」と仄めかされたこともあり、批判を浴びました。ただし、中国芸能の環境そのものが、アイドルグループの展開を難しくさせているという背景もあります。

ZERO-Gから脱退し、現在も芸能活動をしているひとりが肖梁宇(シャオ・リャンユー)です。
肖梁宇(シャオ・リャンユー)はZERO-Gの初期メンバーとしてデビューしましたが、比較的早い時期に事務所との解約に成功し、個人の俳優として現在も活動しています。
肖梁宇(シャオ・リャンユー) 1995年1月23日生まれ 甘粛省出身 身長183cm 中央民族大学舞踏学院


ZERO-G所属中から古装ファンタジードラマ「擇天記」(主演は元EXOのルハン)に出演しており、俳優としての素質を買われていました。
現在の所属事務所に移籍してからは、ウェブドラマ「反騙天下」の主役を演じたり、人気小説「盗墓筆記」のスピンオフ作品の実写ドラマ「沙海」「終極筆記」にキャスティングされています。
「終極筆記」では超人気キャラクターである「張起霊」(ジャン・チーリン/小哥)という大役に選ばれました。(物語の設定は全然違いますが、進撃の巨人のリヴァイのようなカリスマ人気のあるキャラです)

「終極筆記」 2020年12月10日放送開始 全36話 配信媒体:iQiyi 


「終極筆記」は小説「盗墓筆記」のドラマ化作品の一つで、歴代の実写化の中で一番ビジュアルがいいと言われています。
主役の呉邪(ウーシエ)を演じたのは曽舜晞。人気のある若手俳優です。


肖梁宇(シャオ・リャンユー)はものすごく写真映りのいい人で、モード系の浮世離れしたメイクが似合い、本人はコスプレも好きなようです。
ダンスで鍛えたしなやかな体に、ミステリアスな眼差しが非現実的な役柄を演じるのに向いています。
本人の性格はやや内向的というか、ファンへのアピールがうまいタイプではなく、これほどの大役に恵まれていながら、いまいち人気に火がつかないという状況でした。演技についても、本来見どころがあるから抜擢されているはずなのに、いまひとつ認められていません。

ところが最近、“素質もあり、チャンスも手にしたのに、ブレイクしきれていないルックスの良い若手俳優・肖梁宇(シャオ・リャンユー)”が社会的に注目を浴びる事件が発生しました。
それは、自称元彼女からリベンジポルノをされたのです。自称元彼女がWeiboに「自分は肖梁宇の元彼女で、嘘をつかれ、裏切られ、精神的DVを受けて別れた」という切り口で、自分と肖梁宇の出会いから別れまでを小説のごとく記した文章を公開し、さらにベッド上での男女の動画を公開したのです。
その動画は二人の顔が明らかには判別できない角度から撮影されています。たとえ彼女であったとしても、動画を撮って流すような行為はハニートラップと責められても反論できないはずです。しかし、その動画は隠し撮り特有の生々しさがあり、どういう関係であろうと、行為があったのは事実と受け止められてしまいます。

リベンジポルノとまでいかなくても、アイドルや練習生が女性側から交際歴を暴露されることはそれほど珍しいことではありません。
とはいえ、女性からのリベンジポルノは男性側の評判を著しく下げるものです。この自称元彼女の執拗な手法、暴露文章に記された出会いの経緯などからみると、純粋な恋人同士の関係とは思えません。そこに業界の闇を感じます。
このトラブルを受けて肖梁宇は一時休養してしまいましたが、肖梁宇が気の毒と同情する声もあります。
肖梁宇は、身長、顔の小ささ、長い手足、鍛えられた上半身など、俳優として通用する恵まれたルックスの持ち主です。表情が豊かとはいえないのは改善を要する点ですが、現実離れした耽美的なメイクがよく似合う人で、肖梁宇の顔が好きという人はかなりいるはずです。うまくいけば、もっと売れる素質のあるタレントだと思うので、このトラブルをチャンスに変えて俳優として飛躍してほしいです。
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「成瀬巳喜男監督映画回顧展」上海で開催中~中国劇場進出する日本映画「ラブレター」再上映

2021年06月02日 | エンタメの日記
5月29日から6月6日まで上海で「成瀬巳喜男監督映画回顧展」が開催されます。「妻よ薔薇のやうに」 「めし」「おかあさん」「女が階段を上る時」「放浪記」「乱れる」「乱れ雲」など7作品が上映されます。



「成瀬巳喜男監督映画回顧展」
企画テーマ:「一人の女性として」(As a woman/作为一个女人)
主催:上海映画博物館(Shanghai Film Museum 通称SFM)
期間:2021年5月29日〜6月6日(上映日は金、土、日のみ)
上映作品:妻よ薔薇のやうに 、めし、おかあさん 、女が階段を上る時 、放浪記、乱れる、乱れ雲
場所:上海大光明電影院(上海市南京西路216号)


表の上から:乱れ雲、めし、妻よ薔薇のやうに 、乱れる、女が階段を上る時 、放浪記、おかあさん の7作品を各2回ずつ上映。


女性映画の名匠・成瀬巳喜男監督の作品の中でも、特に一人の女性の生き様にフォーカスした作品を集めた回顧上映で、上海映画博物館(SFM)の企画です。代表作とされる「浮雲」や文学系の「山の音」「晩菊」などはピックアップされていません。

この回顧上映に合わせて作られたオリジナルのしおり。映画チケットの半券を提示すると無料でもらえます。「放浪記」のしおり。


上映会場の上海大光明電影院は90年以上の歴史を持つクラシックな映画館で、1号スクリーンは1階席と2階席を合わせて1365席もある大きなホールです。いずれの回も700名程度の観客が入っています。客層は20代、30代の女性がメインで、男女比は7対3くらいで女性が多いです。
意外なことに「女が階段を上がるとき」(1960年)と「乱れる」(1964年)の人気が高いです。コメントなどを見ていると若かりし頃の加山雄三がかっこいいという声が目立ちます。

最近、様々な年代の日本映画が中国で上映されています。
5月20日には岩井俊二監督の「ラブレター」が中国全国の劇場で再上演されました。

「ラブレター」岩井俊二監督 主演:中山美穂、豊川悦司 日本公開日:1995年3月25日
中国語タイトル:情书 2021年5月20日再公開
興行収入:約6090万元(約1億円)動員数:約180万人。


チケットアプリ「淘票票」での口コミ評価は8.9。
「ラブレター」はもともと韓国、中華圏での評価が非常に高い作品です。映画の中のノスタルジックな街並みや雪景色に惹かれて、多くのアジア人観光客が小樽を訪れるようになりました。
「5月20日」は"520”という数字の並びの発音が「我愛你」(ウォーアイニー)に似ていることから「恋人の日、愛の日」としてアニバーサリー化しています。「ラブレター」は5月20日に合わせて公開されました。
「自分の気持ちをはっきり人に伝えることができないもどかしさ」は東アジア圏共通の情緒で、2021年に生きる中国の人々の心にもストレートに響くようです。「1995年の映画なのに、服の着こなしなど全然古さを感じない。」というコメントが多いです。

映画興行のビッグデータ分析アプリ「灯塔专业版」によると、「ラブレター」の鑑賞意向があるのは7割が女性で、20~24歳の女性が44.6%と最も高く、70%は最終学歴が大卒。この種のビッグデータはアプリ利用度に依存するため、必ずしも正確とはいえませんが、傾向的データとして参考にはなります。「灯塔专业版」はアリババ傘下のアプリで、チケット販売アプリと連動しています。


5月28日ドラえもん3Dアニメ『STAND BY ME ドラえもん 2』公開。
『STAND BY ME ドラえもん 2』(中国語タイトル:哆啦A梦 伴我同行2)
中国公開:2021年5月28日  日本公開:2020年11月20日 
興行収入:1.73億元(約27億円)※6月2日現在の数字。最終的には2億元台まで伸びると予測されています。
チケットアプリ「淘票票」口コミ評価:8.9


2015年に上映された前作から6年を経て公開された続編(完結編)です。
『STAND BY ME ドラえもん 1』は2015年5月に中国で公開され、5.3億元(約80億円)というスマッシュヒットを記録しました。
2015年当時は日本映画を中国の一般の劇場で公開することはまだ珍しく、手探りの状態の中で予想外のヒットとなりました。『STAND BY ME』のヒットによって、「中国の映画館で日本映画をかけてもそこそこ人が入る」という認識が生まれ、日本映画が中国シネコン市場に進出するきっかけを作り出しました。
その後、2016年に公開された『君の名は』が5.7億元(約88億)、2019年に正規上映された『千と千尋の神隠し』が4.8億元(約74億円)と健闘したものの、6億元(約100億円)の壁を破る日本映画はなかなか出てきません。

4月17日コナン劇場版『名探偵コナン 緋色の弾丸』が日本と同時期に公開。
コロナの影響で1年遅れの公開となったため、日本と同じタイミングで中国劇場公開となりました。

『名探偵コナン 緋色の弾丸』(中国語タイトル:名探侦柯南 绯色的弹丸)
日本公開:2021年4月16日 中国公開:2021年4月17日
興行収入:2.1億元(約33億円)
チケットアプリ「淘票票」口コミ評価:8.0


実をいうと 、中国では「緋色の弾丸」の口コミ評価はあまり良くなかったのですが、興行収入は2億元(約30億円)を突破しました。同時期にめぼしい作品が少なかったこと、「名探偵コナン」というコンテンツが幅広い年代・地域に浸透していることが興行を支えたとみられます。
前作2019年の『名探偵コナン 紺青の拳』が2.3億元で、2018年「ゼロの執行人」が1.27億元なので、ここ数年のコナン劇場版は中国で2億元(約30億円)の興行収入をキープしているといえます。固定ファンが毎年観に行っているものと思われます。
日本国内の「コナン劇場版」の興行収入は60~90億円なので、中国は日本に次ぐ大きな市場ということになります。

無料アプリ「灯塔专业版」はチケット購入アプリと連動しており、映画の興行収入をリアルタイムに照会できます。分刻みの興行収入、観客属性(性別、年齢、都市、好みの傾向など)、コメント評価、宣伝活動の効果などを参照できます。
 

6月11日からは「第24回上海国際映画祭(SIFF)」が例年どおり開催されます。今年も多くの日本映画が上映される予定です。コロナの影響で人が来ることはできなくても、映画のフィルムは世界中に行くことができます。
コメント (2)
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