上海阿姐のgooブログ

FC2ブログ「全民娯楽時代の到来~上海からアジア娯楽日記」の続きのブログです。

音楽サイト蝦米・2015年人気投票~TFBOYS vs 元EXO vs BLドラマCPユニット~

2016年01月25日 | エンタメの日記
西暦2016年になりましたが、中国は農暦で新年を迎えるので、いまはちょうど年末・忘年会シーズンです。
忘年会でカラオケに行くこともありますが、2015年を振り返ってみると、「新しいヒット曲」というものが本当に少ない1年でした。

中国ではカラオケニーズは根強く存在します。歌うことが好きな人も多いし、ボーカルオーディション番組(リアリティショー)も相変わらず盛んです。
ボーカルオーディション番組から次々と新しい歌手は出てきます。ですが、新しい曲が出てきません。

「2015年のヒット曲は?」と聞かれても、一曲も挙げられない人がほとんどだと思います。
日本も同じような状況だと思いますが、中国はこの傾向がより顕著です。

そんな中でも、アリババ傘下の音楽サイト「蝦米」xiami.comが「2015年流行音楽投票」という企画をやっています。

■2015年TOPアーティスト(最もポピュラーなアーティスト)



TFBOYS、華晨宇、紫、張傑、那英、陳奕迅がノミネート。

TFBOYS:中国最強のショタグループ過去ログをどうぞ)。

カラオケでTFBOYSを歌う人はすごく多いです。一番メジャーな曲は「青春修練手冊」。カラオケでは皆踊ります。
https://www.youtube.com/watch?v=vSo1dFaFmzQ
TFBOYSの3人も完全に声変わりしてしまいましたが、MVのダンスはすごく上手くなりました。最近は個別の活動も増えています。

華晨宇は、2013年湖南衛視の男性ボーカルオーディション番組「快楽男声」で優勝してデビューしました。

紫(G.E.M)は大陸出身、香港デビューの女性ボーカリスト。やはりテレビの音楽バラエティで人気が出ました。

張傑。中国大陸出身の男性ボーカリスト。元祖オーディション番組出身歌手。

那英(ナーイン)。ベテラン女性ボーカリスト。高い歌唱力を持ち、リアリティショー「中国好声音」の審査員として人気再燃。

陳奕迅(イーソン・チャン)。デビューから約20年のベテラン且つ、中華圏で一、二を争う人気の現役の男性ボーカリスト。精力的にライブを行っており、中国のいたるところのスタジアムでコンサートをやっています。香港出身で大陸で不動の地位を築き、現役で活動を続ける数少ないアーティスト。

■2015年TOP SONGS(最も人気の歌曲)



---------------------------------------------
田馥甄(S.H.E HEBE) 「小幸運」
呉亦凡(元EXO クリス) 「Bad Girl」
那英 「黙」
華晨宇  「蜉蝣」
周深  「玫瑰与小鹿」
TFBOYS 「剰下的盛夏」
---------------------------------------------

2000年代、中華圏で絶大な人気を博した3人組のガールズユニット「S.H.E」。現在はソロで活動しており、HEBEはソロシンガーとして本名の「田馥甄」の名義で活動しています。

元EXOクリス・呉亦凡(ウー・イーファン)。一番最初にEXOを抜けたクリスは、映画俳優、CMタレントとして活躍しています。元EXOの中で一番露出が多いかもしれないです。大手飲料メーカー統一の紅茶のパッケージになっているので、しょっちゅう姿を見ます。映画にもよく出ています。

周深。リアリティショー「中国好声音」に出場して一躍有名に。女性のような柔らかな歌声を持つ男性ボーカリスト。ドラマの主題歌でも知られる。

TFBOYS「剰下的盛夏」2015年の新曲。卒業式をテーマにした悲しい物語の曲。


■2015年トップ新人アーティスト




陳粒(チェン・リー)独立系の女性アーティスト。アコースティック弾き語り系、カラオケ向きの音楽ではない。
黄子韜(元EXO タオ)HIPHOP系のソロ曲「我是大主宰」をリリース。
張芸興(EXO Lay)特にソロの曲を出しているわけではないのですが、バラエティ番組「無限に挑戦」(中国版)で他の出演者と一緒に歌っています。
鹿(元EXO ルハン)出演映画の主題歌などを歌っており、新作MVを見かける機会も多いです。


この人気投票にノミネートされた面々、TFBOYS、紫棋、華晨宇、元EXOなどは、極めて順当な人選です。
また、この音楽サイト(蝦米)は中国国内の独立系アーティストを積極的にプッシュしているので、ややマイナーな実力派をノミネートしています。

しかし、「トップ新人アーティスト」に見慣れない男子ユニット(?)が二組ノミネートされています。

馮建宇&王青
陳秋実&蔡照

この人たちは何者なのだ・・・?

と思って調べてみたら「逆襲之愛上情敵」(※邦訳する場合「逆襲の・恋敵を愛して」というかんじ)というドラマ内のユニットのようです。

日本にはアニメのキャラソンやユニットソングが死ぬほどありますが、ドラマのユニットソングというのは意外と少ないです。

なので、「へえ、珍しい」と思ってドラマを見てみたのですが、このドラマが実写BLドラマでした。
BLドラマというよりは、ゲイ実写ドラマといったほうが正しいです。実際、「blued」というゲイ向けのSNSアプリが協賛になっています。

この「逆襲之愛上情敵」というドラマ、普通に大手動画サイトで配信されてます。配信版とノーカット版の2バージョンがあります。



企画・制作者は恐らく20代の若い女性で、「腐女子としての夢を叶えるため」に自ら資金を集めてこのドラマを制作したとのことです。

つまり、インディーズネットドラマです。

制作者が明かしているとおり低予算で、出演者、制作スタッフともに未経験者を多く起用してるようです。

ところがこのドラマがネット上で思いのほか高いアクセスを集め、ついには、男同士の二組のカップルでユニットソングも出してしまいました。もちろんインディーズで。

ゲイドラマ上のカップルでユニットソングを出したのは、中国では画期的でした。

しかも、ブームに乗って、出演者男4人でファンミーティングを中国各地で行い、熱狂的なファンが集まり会場は阿鼻叫喚。

音楽サイト「蝦米」でも高い再生回数をマークし、元EXOの面々に混じって「トップ新人アーティスト」ノミネートに至ったのです。

中国芸能はカオスです。

音楽、映像、ドラマ、あらゆるジャンルで、ネットを中心に拡散する自主制作による娯楽カルチャーが着実に広がっています。
コメント (16)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする