上海阿姐のgooブログ

FC2ブログ「全民娯楽時代の到来~上海からアジア娯楽日記」の続きのブログです。

ONE OK ROCK Luxury Disease Asia tour 2023~大好評の上海ライブ2days

2023年11月29日 | エンタメの日記
11月25日(土)26日(日)、ONE OK ROCKの上海ライブがメルセデスベンツアリーナで行われました。メルセデスベンツアリーナは約1万5千人収容可能なアリーナホールで多くのメジャーなアーティストがコンサートを開いています。位置付け的にはさいたまスーパーアリーナのような存在です。
ワンオクがこの会場でライブを開くのは3回目です。1回目は2016年の「ONE OK ROCK 2016 Live in 上海」(2016年11月22日)、2回目は2018年の「AMBITIONS Asia Tour」(2028年1月23日)です。
「Luxury Disease Asia tour 2023」は、約3年間のコロナによるブランクを経て開催されたアジアツアーです。


チケットは11月1日11時に現地のチケットアプリで発売されました。発売と同時に2公演完売でした。
【座席表】ONE OK ROCK Luxury Disease Asia tour 2023 上海公演 2023年11月25日(土)、26日(日)上海メルセデスベンツアリーナ
この会場の3階と4階はスポンサー・関係者用の個室席になっており、一応非売席の扱いです。


【チケット価格】アリーナ(1階):1680元(約34,000円)、2階スタンド前方:1280元(約25,000円) 2階スタンド後方:980元(約2万円) 5階スタンド前方:680元(約13,000円) 5階スタンド後方:480元(約1万円)

アリーナ席は1680人民元、円安なので現在のレート(1元約20円)で計算すると約34,000円になります。
中国のコンサートのチケット価格は元々高く、コロナ以降更に上がったので、ワンオクのライブの価格設定が特別高いわけではありません。
ただ、中華系アーティストの多くは公演時間が2時間半くらいあり、30曲近く歌います。

中国では「コンサートの公演時間が短い」といって怒る人が時々います。怒って消費者クレームとして主催者や行政機関に訴える人もいます。
そのため、最近はチケットサイトに公演時間が予め記載されていることがあります。事前に告知しておくことがクレーム対策になるからです。
ワンオク上海ライブは「公演時間:約90分」と記載されていました。実際、過去2回の上海ライブも1時間40分(100分)くらいの長さでした。

ワンオクアジアツアーのセットリストはほぼ共通で、上海は「Wonder」から始まり、「Wheneve you are」で終わり、アンコールが「完全感覚Dreamer」という17曲、90分~100分のライブです。
上海の相場とはいえ、1680元(約34,000円)は安い金額ではありません。コンサートの公演時間が90分だと、値段の割に公演時間が短いといって騒ぐ人が出てくるのでは、と心配でした。
しかし、終わってみればまったくの杞憂で、アリーナ席のお客さんほどライブを絶賛し、いかに満足のいくライブだったかをSNSに投稿しまくっていました。チケット価格が安い5階スタンド席で観た人たちは「アリーナ席、せめて2階スタンドを買うべきだった」と嘆いています。
ワンオクは上海ですごく良い形でファンを獲得していると思います。
上海ライブに来るファンはある程度お金を出せる20代、30代が主流で、ライブを観るために東京、大阪、香港、ソウルなどに遠征する人も多いです。

ライブにはカメラの持ち込みは禁止されていたようですが、スマホでの撮影は実質的に制限はかったようで、本当にたくさんの人が動画をSNSにアップしており、アップされた動画を寄せ集めればライブの最初から最後まで動画が繋がるのではと思うほどです。
私は今回のワンオク上海のライブは観に行っていません。2016年と2018年の上海ライブは行きました。
ですので、ここに書かれている2023年ワンオク上海ライブの情報は、自分で見たものではなく、中国SNSや人から聞いた話をもとにしたものです。

ボーカルのTAKAは英語が流暢で、MCはほとんど英語だったようです。「Stand Out Fit In」の冒頭など一部日本語も話していましたが、どちらかというと英語の方が観客のレスポンスが良いようにみえます。
2016年の上海ライブを観たときは、ファンがどちらかというと日本語を聞きたがっている雰囲気がありましたが、2023年は中国ファンとのコミュニケーションが英語にシフトしたように思われます。

日本のアーティストが上海でライブをやるとき、基本的にあまり込み入ったMCはしません。日本語+簡単な中国語でMCをすることがほとんどです。
ただ、最近上海に来ているアーティストをみると、MCを英語でやる比率が高くなっていると思います。たとえば、ワンオク、MIYAVI(雅)、藤井風、MAN WITH A MISSION(マンウィズ)などです。
もちろん、中国ファンがアーティストと日本語でコミュニケーションすることを強く好む場合もありますが(特にアニソン、声優、アイドル等)、英語でMCができれば、また違った広がりがでてくるのだと思いました。

昔は有名な海外アーティストが上海に来ると、地元の夕刊紙によくニュースとして取り上げられました。その昔、嵐や浜崎あゆみが上海でコンサートをやったときは新聞の1面に記事が載りました。
いまでは紙面媒体やテレビの影響力は限りなく小さくなり、ネット、SNSに支配されています。オンライン化、リアルタイム性が加速し、マスコミや記者を介さずに、アーティストが直接情報発信することが当たり前になりました。
ワンオクもSNSを積極的に活用していると言われますが、今回の上海2Daysライブでは、まさにSNSが効果的に使われました。

今回の上海ライブは初の2Daysで、前回の2018年1月から約4年ぶりです。
ワンオクのライブでは、終演間近にファン有志がサインした旗や横断幕を舞台上のメンバーに渡して、記念撮影をするのが定例になっていました。
2018年1月23日 AMBITIONS Asia Tour上海公演(メルセデスベンツアリーナ)。ファンが用意したツアーカラーに合わせた旗(横断幕)との記念撮影。


ところが、この数年で中国会場側のルールが厳しくなり、「客席の観客が旗を舞台上のアーティストに渡す」という行為がルール違反にあたるとして、1日目でストップがかかりました。
この件に関して、1日目のライブ終了後、TAKAが自身の見解をインスタライブで直接発信したのです。
「英語で話してもいいのだけれど、英語よりも日本語の方がしっかり伝わるから」という理由で日本語で数分にわたって語りました。
さらに自身の発言について、「ワンオクのファンの繋がりはすごいので、自分の言葉を分かる人が中国語にして伝えてほしい」と前置きしました。
TAKAが言ったとおり、インスタライブの発言はファンにより中国語翻訳が付けられ、瞬く間に中国SNSに拡散されました。
ライブ2日目には旗の受取はできないこと、その理由、本人の見解がSNSを通じて、その夜のうちに現地のファンに伝わりました。

SNSは楽しい方面でも活用されており、ライブ終了後にメンバーが中華料理のレストランで上海蟹を食べ、誰が会計するかをじゃんけんで決めるという動画がメンバーのインスタに流れました。
この動画も直ちに中国SNSで拡散されました。いわゆるマスコミによる報道がなくても、上海という空間を共有していると現地のファンが感じることのできる、嬉しいファンサービスです。

この半年間、コロナ渡航規制によりストップしていたライブが怒涛のごとく再開しましたが、中国はまもなく年末モードに入るため、そろそろ一段落するのではと思います。
日本アーティストの上海ライブは軒並み評判が良く、演奏スキルの高さ、ライブ構成、パフォーマンスの成熟度が評価されています。
コロナで停滞していた案件が出尽くした後、新規案件として2024年に中国に出てくるアーティストがどのくらいいるか---また、中国側がそれを受け入れることができるのかは分かりませんが、上陸が期待されている日本アーティストはたくさんいます。
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樋口幸平&増子敦貴上海ファンミーティング(12/10)全席即刻完売~2016年の中国BLドラマ『上癮 -Addicted』の思い出

2023年11月23日 | エンタメの日記
2023年12月10日(日)に上海で俳優・樋口幸平&増子敦貴のファンミーティングが開催されます。
樋口幸平と増子敦貴はともに2000年の生まれの若手俳優で、いずれもスーパー戦隊の出演歴があります。そして今年の夏にBLドラマ『体感予報』の主役を演じました。
2人のファンミーティングのチケットは11月18日(土)19時から中国ローカルアプリ「秀動」で発売されましたが、僅か数秒で完売しました。



正直驚きました。
ファンミーティングは昼と夜の2公演で、内容としては俳優トーク、ファン参加型のクイズ、VIP席特典:グータッチ、3ショット撮影会などと思われます。
3ショット撮影ができるVIP S席は即完売するだろうと思っていましたが、何の特典もつかず、座って観ているだけのB席はそう簡単には売り切れないだろうと思っていました。
甘かったです。
彼らのファンの熱さを完全に見誤っていました。

この売れ行きには主催者側も驚いているのではと思います。
チケットには前売り価格と当日価格が設定されており、前売りは安く設定されていましたが、当日券の出番はなく発売から数秒で完売してしまいました。

BLドラマの影響力は凄まじいとしかいいようがありません。

「体感予報」は今年の8月から10月にかけて放送されたBLドラマです。ドラマが終了したばかりのタイミングで主演コンビを上海に連れてくるというのは相当の企画力です。
このイベントは「ドラマ『体感予報』のファンミーティング」ではありません。
中国のイベント会社LIVE HUNTERが企画するファンミイベントのゲストとして樋口幸平と増子敦貴を2人一緒にお招きしたという形になっています。(イベント主催・制作・企画:LIVE HUNTER x Planning eO)

中国ではかつて、BLドラマのファンミーティングが行われていました。
それは2015年から2016年にかけての話で、その頃中国ではBL実写ドラマが続々とリリースされ、非常にクオリティの高い作品もありました。
その代表は中国BLウェブドラマ『上癮 -Addicted』(2016年1月配信)です。その前年に配信された『逆襲之愛上情敵』(2015年)の頃から原作者である柴鶏蛋の辣腕により「ドラマ+ファンミ」というモデルが編み出され、ファンを熱狂的に楽しませていました。
ほどなくして中国当局によりBLドラマは発禁となり、一連のブームは花火の一瞬の煌めきのように中国エンタメの舞台から消えていきました。

この数年、BLドラマ(ファンタジードラマ)はアジア圏を中止に世界中で制作されており、BLドラマに出れば全世界にファンができると言われるほど強い波及効果があり国際化しています。
いまのブームを作る刺激剤の一つとなったのが、2015年、2016年当時の中国BLドラマだと思います。

樋口幸平&増子敦貴の上海ファンミーティングに来る客層は、おそらく大学生をはじめとする20代の女の子たちです。
いまの大学生の子たちは「上癮 Addicted」が配信された当時のことを知らない人も多いと思います。
中国で「上癮 -Addicted」は配信禁止になり、公にはタイトルを呼ばれることもなくなりました。
しかし「上瘾 -Addicted」の俳優のビジュアルレベルの高さと演技力、低予算ながらも気骨ある映像は多くの人に刺激を与え、その刺激が世界的なBLドラマブームにつながったのだと思うのです。
それが、2023年の12月になって『体感予報』の主演コンビ樋口幸平&増子敦貴が上海ファンミーティングを開くという形で戻ってきてくれたのです。
作品が生み出す刺激が新たな作品につながり、ブームとなって流転していくのだと思います。

イベント会社LIVE HUNTERは、今回の樋口幸平&増子敦貴の上海ファンミーティングに「第一回~我和TA的咖啡厅~」(第1回~私と彼/彼女のカフェ)というタイトルをつけているので、別のゲストを呼んで第2回目のファンミイベントを開くのではと思います。
第2回の開催時期は未定ですが、誰を呼ぶのでしょうか。
今回、これだけチケットが早く売れたことを考えると、若手イケメン俳優にとって中国を含む海外でのファンミーティングはいいビジネスになるかもしれません。

増子敦貴は「小紅書」という中国版インスタと呼ばれるSNS(※実際の機能は全然違います)に個人アカウントを開設しています。
11月7日に最初の投稿があり、11月22日までに2.1万人のフォロワー、4.8万回の「いいね」がついています。
基本的に写真メインですが、多くは中国語で投稿しています。中国人フォロワーからのコメントが非常に多く、ファンミを迎えて一層熱さが増すと思われます。
コメント (4)
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JO1上海ライブ、俳優・樋口幸平&増子敦貴の上海ファンミーティングが12月に開催

2023年11月15日 | エンタメの日記
コロナ規制が収束し、2023年夏頃から上海でも日本アーティストの中国公演が復活しています。コロナで延期されていた公演も含め、続々とライブが開催されています。
10月にはMIYAVIの中国5都市ライブツアー、RADWIMPSの上海ライブがあり、11月にはONE OK ROCKの成都、上海2daysライブが予定されています。
ワンオクが上海でライブをするのは3回目です。今回のアジアツアーでは初の成都公演(11月22日)に加え、11月25日と26日に上海2公演があります。会場の上海メルセデスベンツアリーナは上海万博跡地にある約1万5千人収容可能なホールで、ポジション的に「さいたまアリーナ」に相当する会場です。チケットは11月1日に発売され即完売しました。

他にもたくさんの日本のバンドが中国に来てライブ活動をしています。あらゆるジャンルの日本のバンドが中国に来ています

RADWIMPS、ONE OK ROCKなどはもともと海外に力を入れているメジャーなアーティストで、中国にも相当数のファンがいます。
上海に「来る」というよりは、コロナの3年間を空白を経て「戻ってきた」といったほうがしっくりきます。

そんな中、中国に初めて来る日本アーティストもいます。
12月8月には「JO1」の上海ライブがあります。
JO1 2023 1st アジアツアー「BEYOND THE DARK Limited edition」
2023年12月8日(金)19:30~ 場所:上海国家会展中心 虹館EH(地下鉄2号線:徐泾东)


会場は大型コンベンションセンター(上海国家会展中心)の中にある「虹館」と呼ばれる約8千人収容可能なホールです。


「虹館」はもともと正式なコンサートホールではなく、企業イベントなどにも利用される展示会場付設ホールです。
そのため、音響や舞台装置などの面ではあまり評判のよい会場ではありません。後方列の座席はステージから相当距離があります。また、着席鑑賞を求められることもあります。上海にはこのクラスのキャパの会場が少ないので、海外アーティストの公演ではよく利用されています。



「上海国家会展中心」の通称は「四葉草」(四つ葉のクローバー)で、上からみると四つ葉のクローバーのように見えます。
広大なスペースの展示場で、東西南北が把握しにくく、目的地を見逃して一周ぐるっと回ってしまうことがあります。なお、ネットで「虹館」で検索すると香港の紅磡體育館が検索されるかもしれませんが上海の「虹館」とは別のホールです。


JO1 上海ライブのチケットは11月14日の時点でまだ中国現地で発売されていません。チケットの価格も未定です。
中国のコンサートはチケット発売が遅く、3週間前の発売も珍しくありません。もっとギリギリになることもあります。

JO1は中国では「JK-POP」グループと認識されています。オーディション番組「Produce101 JAPAN」は中国でもそれなりに注目されていましたが、今現在中国にどのくらいJO1のファンがいるのかはよく分かりません。今回上海でライブをすることで、普段ネット上でしか存在を感知できない「中国ファン」の実態が明らかになると思われます。

12月10日(日)には俳優・樋口幸平と増子敦貴の上海ファンミーティングがあります。



会場はライブハウスですが全席指定の着席型ファンミーティングです。椅子を置いた場合、2階を使用するかによって異なりますが、700名程度のキャパなのではと思います。
2023年12月10日14時~、17時~の2回。
VIP S席 980元/1080元(前売り/当日)特典:グータッチ、3ショット撮影会、印刷サイン入りA4ポスター
VIP A席 680元/780元 特典:グータッチ、印刷サイン入りA 4ポスター
B席 480元/580元  (現在のレート:1元=約20円)

会場:万代南梦宫上海文化中心(バンダイナムコ上海文化センター)(旧「浅水湾」) 


「樋口幸平と増子敦貴」といってピンとくる人はどのくらいいるのでしょうか。彼らはBLドラマ「体感予報」の主演コンビです。
二人とも戦隊ヒーロー出身で、「体感予報」に出演する前に、樋口幸平は「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」(2022〜2023)主演、増子敦貴は「機界戦隊ゼンカイジャー」(2021年~2022年)にレギュラーキャストで出演しています。

中国では「ウルトラマン」と「仮面ライダー」は大手動画サイトで正規配信されており、特にウルトラマンは中国の子どもの間でものすごく人気があります。
しかし、「スーパー戦隊シリーズ」は現時点では中国で正規配信されておらず、特撮ファンの間でのみ知られている存在です。
また、近年の中国はBLに対する規制が厳しく、ドラマ「体感予報」も正規放送(配信)されていません。
しかしながら、「体感予報」やドンブラザーズ、ゼンカイジャーを見ている人はかなりいて、相当数のファンが潜伏しているはずです。

中国には「グレートファイアウォール」と呼ばれるネット規制があり、Youtube、Twitter、インスタグラムなど欧米系のウェブサイトにアクセスすることができません(VPNを使えばアクセス可能)。
その代わり、中国独自のネット世界が構築されており、数億人の中国人ネットユーザーが、抖音(TikTokの中国本体)、Weibo、bilibili動画、小紅書などのプラットフォームでファンダムを形成しています。
ネット上で感知される「ファン」が実際のところ何人くらい存在するのか、どのような年齢層のどんな姿をした人たちであるのかは、ライブやイベントをやってみないと確かめることができません。
中国でライブ・イベントを開催するのは勇気のいることだと思いますが、アーティストとファンという関係においても、ファン同士にとっても、ライブがなければお互いの存在をリアルに確認することはできません。ネット依存が強い中国では、ライブはさらに貴重な体験になるはずです。
コメント (4)
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