11月の中旬、数日間ですがソウルに行きました。
11月14日(土)の夜は自由時間ができたので、珍しく中国人の同僚ど二人で夕方から遊びに行きました。
同僚はソウルは初めてだったので、明洞から歩いて市庁を見学して、光化門広場の世宗大王の銅像を見に行こうということになりました。
2015年11月14日はソウル市内中心部でパクウネ政権に抗議する大規模なデモが行われた日でした。
夜になっても街中にデモ隊が溢れており、どこを通ってもデモのグループと鉢合わせました。
パク政権とは関係のないロッテグループに対するデモや、農業問題のデモなども混ざっており、カオスでした。
明洞のロッテデパートを出ると、ロッテグループへの抗議デモにぶつかりました。韓国でメジャーなローソクデモ。

ロッテホテルの前にはテントを張って水を配ってデモを支援しているおばさんたちがいました。
「何を抗議しているんですか?」と話しかけたのですが、言葉が通じなくて、「ロッテは悪い!!」と言っていることしか分かりませんでした。
ですが、私たちにペットボトルのお水とキムパップをくれました。多分余ってたんだと思います。
この後、この水が非常に役に立ちました。キムパップも美味しかったです。
市庁のあたりも旗を持ってデモの服を着たグループがたくさん集まっていました。年配の男性ばかりでした。
私たちは世宗大王の銅像を目指して歩き続けました。
光化門の向こうには大統領官邸(青瓦台)があるので、だんだんデモの人数が多くなり、警察が道路を封鎖していました。人だかりの向こうに警察の放水車が見えます。
「あ、警察が放水始めたな」
と思って、しばらくぼうっと眺めていました。
少しすると、異臭と刺激物を鼻から感じました。催涙剤が放水銃に入っていたようです。
「催涙剤が入っている」という認識がなくても、「何か物質が撒かれたんじゃないか」と気付くほどの刺激が感じ取れます。
ただし、「催涙剤」といっても涙は出ません。異臭がして、鼻や喉に刺激物を感じるので、鼻がむずむずして咳が出ます。周りで咳き込んでいる人も多かったですが、はっと気付くとすでにマスクをつけている人もたくさんいました。
ロッテホテルの前でおばさんにもらった水があって助かりました。
後で知ったのですが、催涙剤はカプシカムという物質が成分になっており、カプシカムはくしゃみや鼻への異物感を引き起こすそうです。
しかし、ゲホゲホと咳している人のすぐ傍で、観光客や一般通行人が普通に歩いています。
この写真は「清渓広場」です。ソウル中心部を流れる「清渓川」の始点でソウル市内でも有数の観光スポットです。

路上では警察の車が催涙剤入りの放水銃を噴射しているのに、その下を流れる清渓川では、ごく普通に多くの観光客がライトアップされたモニュメントを背景に写真を撮り、川にコインを投げ入れています。
その光景はシュールでもあり、ソウルならではの不思議な調和であるようにも感じました。
デモ隊をブロックするための大型バスでの壁の作り方、バスのタイヤパンク防止のカバーなど、素人の目から見ると韓国警察はデモ対応に対するノウハウに長けていると見えますが、ソウル市民は警察の対応に不満を持っているようです。


デモ活動は、放水銃で狙われながら歌に合わせて皆で決まった振り付けで踊ったり、エンタメ的な要素もあります。
大学のブルゾンを着て行動している人たちもいます。
良く似た顔立ちをした親子3人が同じマスクをつけて、じっとデモを見ていました。
参加しているのか、見ているだけなのか。
最後は、デモ参加者がゴミを片付けていました。
機動隊のバスもかなり損壊されていました。けが人や拘束者も多く出たようです。タイヤ部分はガードされていますが、無事だったのでしょうか。


街中のいたるところにデモ参加者が往来していましたが、緊迫状態にあるかというと、必ずしもそうとはいえません。
デモのたびに交通渋滞・交通マヒは起きており、救急車が迅速に出動できないなどの問題はもちろん指摘されています。
ただ、四方がふさがれて立ち往生している車などもありましたが、それほどイラついている様子は見られませんでした。
パク政権に対する批判スローガン。パク政権は権力を行使する資格がないので権力を明け渡せといった意味だそうです。

どうしてデモをやっているのかと尋ねると、大学生の女の子が、「歴史教科書の国定化の問題、労働法改正の問題、セウォル号事故処理の問題、それから他にもたくさんの問題が絡み合っていて、とても複雑」と言っていました。
私たちは大通りで交通整備をしている警官に「世宗大王の銅像を観にいきたいんですけど、どう行ったらいいですか?」と観光地図を指しながら尋ねました。
警官は英語ができませんでした。そこで、路上で一時停車してる運転中の男性に「お前、英語できるか?」と聞いていました。
その大通りは一部封鎖されていたので、運転中の男性は方向転換に困っていたようで、警官に道を尋ねているところでした。大通りでも交通量は非常に少なかったです。
男性: この道をまっすぐ行って右に曲がれば光化門広場に着くよ。
私: でも、警察のバスがバリケード張ってるから通れないですよ。
そういうと、運転中の男性は、警官に向かって何かを尋ね、それから私たちに向かって、
男性: 観光客だって言えば、警察が通してくれるよ。
と言いました。
ほんとかよ・・・と思い、その男性が言うほうに歩いてみましたが、案の定通れませんでした。
バスで完全に遮断しているので、通れるわけがないのです。
しかし、市民の男性も交通整備の警察官も、私たちが外人だと分かっていても、「危ないからデモのほうには近づくな」とは言いませんでした。
ちなみにその男性は、大して寒くもないのにカーヒーターをガンガンに効かせて、シルバーブルーのおしゃれな車を運転しながらタバコを吸っている、バクヘジンに似たイケメンでした。
デモに参加している人、デモをサポートしている人、通行人の韓国人や欧米人、交通警備の警察官など、適当に話しかけてみると、
いずれもフレンドリーでギスギスした雰囲気は案外ありません。
これだけの警察が出動していても、気楽に構えていて、「大丈夫、通れるよ」といった返事ばかりで、「気をつけて」とすら言われません。
状況を正しく把握していないだけかもしれませんが、市民生活においてデモが常態化しているのかもと思いました。
今後デモがさらに大規模化し、警察との衝突により不幸な事故が発生すると、それをきっかけに対立が激化し、「フレンドリー」などとは言っていられなくなるかもしれません。
11月14日は、「10万人規模のパク政権反対デモ」と同時に、久しぶりに雨が止んで清々しい夜を楽しんでいる人が共存していました。
ですが、私は警察のバスで囲われた中で何が起きていたのかは見ていません。
私だけではありません。あのパクヘジン似のお兄さんも、交通整備の警官も、通行人も、実際には見ていないのです。
警察バスで封鎖された壁の向こうでは、警察、市民ともにもっと悲惨で、血が流れるような状況だったのかもしれません。
一度だけ、バスの壁の向こうにいる機動隊員と目が合いました。
機動隊員はすごく若くて、ヘルメットと防毒マスクをしているので目と顔の半分しか見えなかったのですが、女の子かと思うような若さでした。
私と目が合うと、機動隊員は焦ったような緊迫した目をしていました。
11月15日(日)は久しぶりに晴れて、韓国人の友達と遊びに行きました。
地下鉄に乗っていたのですが、すごくきれいな紅葉が見えたので、降りることにしました。
そこは地下鉄4号線のトンジャク(銅雀)駅にある「国立ソウル顕忠院」です。
韓国要人、歴代大統領などのお墓もあるので、名所として訪れることが可能です。
韓国旅行サイト「コネスト」の記事でも紹介されているとおり、「民族の聖地」であるとともに一般人も出入りしやすい墓地公園です。
http://www.konest.com/contents/spot_mise_detail.html?id=3534
写真ではとても表現できないほど紅葉がきれいでした。南山公園や景福宮などもきれいですが、この国立墓地は比べ物にならないほどきれいです。
地下鉄4号線の駅と隣接しており、交通の便も良いです。友達の親戚の何人かもここに埋葬されていると言っていました。
国立墓地としては大田(テジョン)の国立顕忠院のほうが遥かに規模が大きいそうで、最近亡くなった要人は大田のほうに埋葬されているそうです。

天気が良ければソウルの市街地を見渡すことができます。ここから見える一番高いビルは建設中の第2ロッテワールドタワー。


とても広いので全体を回ることはできませんでしたが、入口正面のエリアは墓石の後に刻まれた年代をみると、ベトナム戦争の戦死者墓地が集まっているようです。

友達には久しぶりに会ったので、歩きながらいろいろ話をしました。


韓国初代大統領李承晩(イ・スンマン)の墓地と記念碑もあります。
パク・クネ政権の歴史教科書問題は朴正煕元大統領の評価に絡みますが、もっと遡ると李承晩に対する評価も論点の一つになっているそうです。

夜は日本食を食べました。
エセ昭和なかんじのレトロな日本居酒屋。弘益大学(ホンデ)の近くです。

客層は100%韓国人。メニューは韓国表記のみで店員は誰も日本語をしゃべれませんでした。
大学生や20代の若い社会人のお客さんたちで店内は賑わっていました。
「がんばれ父ちゃん」という日本酒を店員さんから強く勧められました。
「アルコール度が低くて、甘くて飲みやすいからお酒に強くない人や女性にも人気」とのこと。

聞いたことのないお酒だったので、後日「がんばれ父ちゃん」をYahooで検索してみるとこんなニュースが。
新潟県産日本酒「がんばれ父ちゃん」が韓国で人気 2014年11月28日(朝日新聞デジタル)
http://www.asahi.com/articles/ASGC54J5LGC5UOHB01C.html
ニュースは本当だった・・・!
この日本料理屋は、刺身と寿司、魚・貝の鍋料理が中心で、素材の組み合わせや盛り付けが微妙に韓国風になっています。
韓国料理にも刺身や海鮮鍋はメジャーな料理として存在しているので、別にこれ、日本料理として食べなくてもいいんじゃない?
というような料理でしたが、昭和レトロな雰囲気の素朴な居酒屋空間がソウルの若者にウケているようです。
料理は美味しかったですが、値段は安くはありません。「がんばれ父ちゃん」も日本の市販価格と比べると相当高い値段で出されていました。
男性2人で一升瓶の日本酒を注文して、ワインクーラーに一升瓶を冷やして飲んでたり、日曜日なのにスーツで飲んでいる若い男性サラリーマンのグループ、合コンかと思われる6人グループの男女、合コン後の初デートかのような男女2人組は、男性のほうがとにかくニコニコして女性の話を一生懸命聞いている姿が私の席から目に入りました。
以前、11月末にソウルに行ったことがありましたが、そのときは紅葉などまるっきり見えませんでした。
来るのがあと2週間、もしくは10日遅かったら、ソウルの紅葉がきれいだということにずっと気付かなかったのでは。
あと1週間滞在がずれていたら。警察が放つ「催涙剤」は涙が出るというより、咳やくしゃみが出るものだということも知らなかったのでは。
「知らない」ということ自体に気付かずに、時が過ぎていったと思います。
11月14日には確かにソウルで大規模なデモが起きて、何万という人がパクウネ政権への抗議活動に参加していました。そのすぐ隣では、個人の生活を過ごす市民や観光客が大量に共存していました。
どんなときも様々なものが共存しているけれど、何か際立ったものが一つあると、共存しているものの存在が見えにくくなってしまうのかもしれません。
11月14日(土)の夜は自由時間ができたので、珍しく中国人の同僚ど二人で夕方から遊びに行きました。
同僚はソウルは初めてだったので、明洞から歩いて市庁を見学して、光化門広場の世宗大王の銅像を見に行こうということになりました。
2015年11月14日はソウル市内中心部でパクウネ政権に抗議する大規模なデモが行われた日でした。
夜になっても街中にデモ隊が溢れており、どこを通ってもデモのグループと鉢合わせました。
パク政権とは関係のないロッテグループに対するデモや、農業問題のデモなども混ざっており、カオスでした。
明洞のロッテデパートを出ると、ロッテグループへの抗議デモにぶつかりました。韓国でメジャーなローソクデモ。


ロッテホテルの前にはテントを張って水を配ってデモを支援しているおばさんたちがいました。
「何を抗議しているんですか?」と話しかけたのですが、言葉が通じなくて、「ロッテは悪い!!」と言っていることしか分かりませんでした。
ですが、私たちにペットボトルのお水とキムパップをくれました。多分余ってたんだと思います。
この後、この水が非常に役に立ちました。キムパップも美味しかったです。
市庁のあたりも旗を持ってデモの服を着たグループがたくさん集まっていました。年配の男性ばかりでした。
私たちは世宗大王の銅像を目指して歩き続けました。
光化門の向こうには大統領官邸(青瓦台)があるので、だんだんデモの人数が多くなり、警察が道路を封鎖していました。人だかりの向こうに警察の放水車が見えます。
「あ、警察が放水始めたな」
と思って、しばらくぼうっと眺めていました。
少しすると、異臭と刺激物を鼻から感じました。催涙剤が放水銃に入っていたようです。
「催涙剤が入っている」という認識がなくても、「何か物質が撒かれたんじゃないか」と気付くほどの刺激が感じ取れます。
ただし、「催涙剤」といっても涙は出ません。異臭がして、鼻や喉に刺激物を感じるので、鼻がむずむずして咳が出ます。周りで咳き込んでいる人も多かったですが、はっと気付くとすでにマスクをつけている人もたくさんいました。
ロッテホテルの前でおばさんにもらった水があって助かりました。
後で知ったのですが、催涙剤はカプシカムという物質が成分になっており、カプシカムはくしゃみや鼻への異物感を引き起こすそうです。
しかし、ゲホゲホと咳している人のすぐ傍で、観光客や一般通行人が普通に歩いています。
この写真は「清渓広場」です。ソウル中心部を流れる「清渓川」の始点でソウル市内でも有数の観光スポットです。

路上では警察の車が催涙剤入りの放水銃を噴射しているのに、その下を流れる清渓川では、ごく普通に多くの観光客がライトアップされたモニュメントを背景に写真を撮り、川にコインを投げ入れています。
その光景はシュールでもあり、ソウルならではの不思議な調和であるようにも感じました。
デモ隊をブロックするための大型バスでの壁の作り方、バスのタイヤパンク防止のカバーなど、素人の目から見ると韓国警察はデモ対応に対するノウハウに長けていると見えますが、ソウル市民は警察の対応に不満を持っているようです。


デモ活動は、放水銃で狙われながら歌に合わせて皆で決まった振り付けで踊ったり、エンタメ的な要素もあります。
大学のブルゾンを着て行動している人たちもいます。
良く似た顔立ちをした親子3人が同じマスクをつけて、じっとデモを見ていました。
参加しているのか、見ているだけなのか。
最後は、デモ参加者がゴミを片付けていました。
機動隊のバスもかなり損壊されていました。けが人や拘束者も多く出たようです。タイヤ部分はガードされていますが、無事だったのでしょうか。


街中のいたるところにデモ参加者が往来していましたが、緊迫状態にあるかというと、必ずしもそうとはいえません。
デモのたびに交通渋滞・交通マヒは起きており、救急車が迅速に出動できないなどの問題はもちろん指摘されています。
ただ、四方がふさがれて立ち往生している車などもありましたが、それほどイラついている様子は見られませんでした。
パク政権に対する批判スローガン。パク政権は権力を行使する資格がないので権力を明け渡せといった意味だそうです。

どうしてデモをやっているのかと尋ねると、大学生の女の子が、「歴史教科書の国定化の問題、労働法改正の問題、セウォル号事故処理の問題、それから他にもたくさんの問題が絡み合っていて、とても複雑」と言っていました。
私たちは大通りで交通整備をしている警官に「世宗大王の銅像を観にいきたいんですけど、どう行ったらいいですか?」と観光地図を指しながら尋ねました。
警官は英語ができませんでした。そこで、路上で一時停車してる運転中の男性に「お前、英語できるか?」と聞いていました。
その大通りは一部封鎖されていたので、運転中の男性は方向転換に困っていたようで、警官に道を尋ねているところでした。大通りでも交通量は非常に少なかったです。
男性: この道をまっすぐ行って右に曲がれば光化門広場に着くよ。
私: でも、警察のバスがバリケード張ってるから通れないですよ。
そういうと、運転中の男性は、警官に向かって何かを尋ね、それから私たちに向かって、
男性: 観光客だって言えば、警察が通してくれるよ。
と言いました。
ほんとかよ・・・と思い、その男性が言うほうに歩いてみましたが、案の定通れませんでした。
バスで完全に遮断しているので、通れるわけがないのです。
しかし、市民の男性も交通整備の警察官も、私たちが外人だと分かっていても、「危ないからデモのほうには近づくな」とは言いませんでした。
ちなみにその男性は、大して寒くもないのにカーヒーターをガンガンに効かせて、シルバーブルーのおしゃれな車を運転しながらタバコを吸っている、バクヘジンに似たイケメンでした。
デモに参加している人、デモをサポートしている人、通行人の韓国人や欧米人、交通警備の警察官など、適当に話しかけてみると、
いずれもフレンドリーでギスギスした雰囲気は案外ありません。
これだけの警察が出動していても、気楽に構えていて、「大丈夫、通れるよ」といった返事ばかりで、「気をつけて」とすら言われません。
状況を正しく把握していないだけかもしれませんが、市民生活においてデモが常態化しているのかもと思いました。
今後デモがさらに大規模化し、警察との衝突により不幸な事故が発生すると、それをきっかけに対立が激化し、「フレンドリー」などとは言っていられなくなるかもしれません。
11月14日は、「10万人規模のパク政権反対デモ」と同時に、久しぶりに雨が止んで清々しい夜を楽しんでいる人が共存していました。
ですが、私は警察のバスで囲われた中で何が起きていたのかは見ていません。
私だけではありません。あのパクヘジン似のお兄さんも、交通整備の警官も、通行人も、実際には見ていないのです。
警察バスで封鎖された壁の向こうでは、警察、市民ともにもっと悲惨で、血が流れるような状況だったのかもしれません。
一度だけ、バスの壁の向こうにいる機動隊員と目が合いました。
機動隊員はすごく若くて、ヘルメットと防毒マスクをしているので目と顔の半分しか見えなかったのですが、女の子かと思うような若さでした。
私と目が合うと、機動隊員は焦ったような緊迫した目をしていました。
11月15日(日)は久しぶりに晴れて、韓国人の友達と遊びに行きました。
地下鉄に乗っていたのですが、すごくきれいな紅葉が見えたので、降りることにしました。
そこは地下鉄4号線のトンジャク(銅雀)駅にある「国立ソウル顕忠院」です。
韓国要人、歴代大統領などのお墓もあるので、名所として訪れることが可能です。
韓国旅行サイト「コネスト」の記事でも紹介されているとおり、「民族の聖地」であるとともに一般人も出入りしやすい墓地公園です。
http://www.konest.com/contents/spot_mise_detail.html?id=3534
写真ではとても表現できないほど紅葉がきれいでした。南山公園や景福宮などもきれいですが、この国立墓地は比べ物にならないほどきれいです。
地下鉄4号線の駅と隣接しており、交通の便も良いです。友達の親戚の何人かもここに埋葬されていると言っていました。
国立墓地としては大田(テジョン)の国立顕忠院のほうが遥かに規模が大きいそうで、最近亡くなった要人は大田のほうに埋葬されているそうです。

天気が良ければソウルの市街地を見渡すことができます。ここから見える一番高いビルは建設中の第2ロッテワールドタワー。


とても広いので全体を回ることはできませんでしたが、入口正面のエリアは墓石の後に刻まれた年代をみると、ベトナム戦争の戦死者墓地が集まっているようです。


友達には久しぶりに会ったので、歩きながらいろいろ話をしました。


韓国初代大統領李承晩(イ・スンマン)の墓地と記念碑もあります。
パク・クネ政権の歴史教科書問題は朴正煕元大統領の評価に絡みますが、もっと遡ると李承晩に対する評価も論点の一つになっているそうです。

夜は日本食を食べました。
エセ昭和なかんじのレトロな日本居酒屋。弘益大学(ホンデ)の近くです。

客層は100%韓国人。メニューは韓国表記のみで店員は誰も日本語をしゃべれませんでした。
大学生や20代の若い社会人のお客さんたちで店内は賑わっていました。
「がんばれ父ちゃん」という日本酒を店員さんから強く勧められました。
「アルコール度が低くて、甘くて飲みやすいからお酒に強くない人や女性にも人気」とのこと。


聞いたことのないお酒だったので、後日「がんばれ父ちゃん」をYahooで検索してみるとこんなニュースが。
新潟県産日本酒「がんばれ父ちゃん」が韓国で人気 2014年11月28日(朝日新聞デジタル)
http://www.asahi.com/articles/ASGC54J5LGC5UOHB01C.html
ニュースは本当だった・・・!
この日本料理屋は、刺身と寿司、魚・貝の鍋料理が中心で、素材の組み合わせや盛り付けが微妙に韓国風になっています。
韓国料理にも刺身や海鮮鍋はメジャーな料理として存在しているので、別にこれ、日本料理として食べなくてもいいんじゃない?
というような料理でしたが、昭和レトロな雰囲気の素朴な居酒屋空間がソウルの若者にウケているようです。
料理は美味しかったですが、値段は安くはありません。「がんばれ父ちゃん」も日本の市販価格と比べると相当高い値段で出されていました。
男性2人で一升瓶の日本酒を注文して、ワインクーラーに一升瓶を冷やして飲んでたり、日曜日なのにスーツで飲んでいる若い男性サラリーマンのグループ、合コンかと思われる6人グループの男女、合コン後の初デートかのような男女2人組は、男性のほうがとにかくニコニコして女性の話を一生懸命聞いている姿が私の席から目に入りました。
以前、11月末にソウルに行ったことがありましたが、そのときは紅葉などまるっきり見えませんでした。
来るのがあと2週間、もしくは10日遅かったら、ソウルの紅葉がきれいだということにずっと気付かなかったのでは。
あと1週間滞在がずれていたら。警察が放つ「催涙剤」は涙が出るというより、咳やくしゃみが出るものだということも知らなかったのでは。
「知らない」ということ自体に気付かずに、時が過ぎていったと思います。
11月14日には確かにソウルで大規模なデモが起きて、何万という人がパクウネ政権への抗議活動に参加していました。そのすぐ隣では、個人の生活を過ごす市民や観光客が大量に共存していました。
どんなときも様々なものが共存しているけれど、何か際立ったものが一つあると、共存しているものの存在が見えにくくなってしまうのかもしれません。