上海阿姐のgooブログ

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台湾オーディション番組「原子少年」(ATOM BOYZ)~先輩アイドルとのコラボパフォーマンス

2022年05月28日 | エンタメの日記
現在台湾ではボーイズグループオーディション番組「原子少年」(ATOM BOYZ)が放送されています。コロナ感染拡大により収録を継続できるか心配されていましたが、現時点では中断することなく放送されています。「原子少年」(ATOM BOYZ)にはアイドルを目指す男子総勢80名が参加していますが、いわゆる「PRODUCE 101」系のフォーマットとはルールがかなり異なります。80名の参加者はあらかじめ8つのグループ(太陽系の惑星)に分けられており、グループごとにパフォーマンスを競っています。
過去記事:台湾ボーイズアイドルオーディション番組「原子少年」(ATOM BOYZ)放送スタート

グループごとの初回公演を終え、2回目公演では台湾の先輩アイドルとのコラボパフォーマンスが行われました。
コラボパフォーマンスのゲストとして、2000年代の台湾芸能界で大活躍した先輩アイドルが続々と登場し、C-POPファンには懐かしいステージとなりました。

まず、火星(MARS)とコラボしたのは元Energyの坤達(謝坤達)です。
「Energy」は2002年にデビューした台湾HIP&HOPアイドルグループです。5人組としてデビューし、2009年に活動を休止するまでに通算8枚のアルバムをリリースしました。「原子少年」に審査員として出演している坤達(クンダー)はRAP・ダンス担当で、ソロになってからは俳優、司会者として活動しています。坤達は、40歳になったいまでもアイドルとして通用しそうなルックスです。

火星(MARS)と坤達のコラボパフォーマンス 曲「放手」(2004年発行のEnergy「4EVER」収録曲)


Energyがデビューしたのはかれこれ20年前の話になりますが、当時台湾では大変な人気がありました。
Energy 3rdアルバム「E3」2003年10月22日発売 このアルバムを最後にメンバーのToroがEnergyを脱退。Toroは当時一番人気でした


木星(JUPITER)とEllaのコラボパフォーマンス 曲「來個蹦蹦」玖壹壹(Nine One One)feat.Ella(陳嘉樺)



180cm以上の長身の参加者を集めたグループ「木星」は、番組のメイン司会兼審査員であるS.H.EのEllaとコラボしました。
Ella(陳嘉樺)は台湾ガールズグループ「S.H.E」のメンバーで、台湾ドラマ版「花ざかりの君たちへ~花様少年少女~ 」ではボーイッシュな容姿を活かして主役を演じたこともあります。グループ活動休止後はソロで幅広く芸能活動をしています。元々トークは上手かったですが、結婚・出産を経て大人の女性タレントとしての安定感が増し、司会やコメンテーターとしても活躍しています。

S.H.Eは台湾の3人組ガールズグループで、中華圏を席巻するスーパーアイドルでした。2001年にデビューしてから2010年に活動休止するまで、実質約8年の間に数々のヒット曲を生み出しました。セリーナ(Selina)、ヒビ(Hebe)、エラ(Ella)というタイプの異なる3人のメンバーは親近感のあるキャラクターでファンの共感を集めました。S.H.Eファンの多くが女の子で、S.H.Eのメンバー3人の友情に憧れたものでした。
また、所属レコード会社「華研国際音樂」からリリースされる楽曲は非常にクオリティが高く、ライブも華やかで見応えがあり、2000年代において「アジアで最も売れたガールズグループ」でした。
2007年リリースのアルバム「Play」


地球(EARTH)とJPMのコラボパフォーマンス 曲「那不是雪中紅」JPMアルバム「月球漫歩」収録曲(2011年リリース)



JPMは小傑、王子、毛弟の3名からなるグループで「原子少年」のコラボステージをきっかけに6年ぶりに再集合しました。
JPMの3人は、台湾Channel [V] で放送されていたスター養成バラエティ番組「模范棒棒堂」から出てきたタレントで、小傑(シャオジエ)と王子(プリンス)は「Lollipop棒棒堂」(ロリポップ)のメンバーでした。「模范棒棒堂」は2006年から2009年まで放送された人気番組で、ボーイズグループ「Lollipop棒棒堂」を生み出した「第一代」は特に人気がありました。Lollipop棒棒堂はバラエティアイドルでしたが、楽曲もなかなか良かったです。また、楽曲の制作に参加しているメンバーもいました。グループの中でも人気の高かった敖犬(荘濠全)、王子(邱勝翊)はドラマにも多数出演しています。

Lollipop棒棒堂(ロリポップ)1stアルバム「哪裡怕」 2007年12月28日リリース 番組人気に押されて一世を風靡しました。


水星(MERCURY)と鬼鬼(呉映潔)のコラボパフォーマンス 曲「SUGER RUSH」 鬼鬼(呉映潔)



鬼鬼(グイグイ/呉映潔/ウー・インジェ)は、台湾アイドルグループ「黒Girl」のメンバーでした。「黒Girl」は「Lollipop棒棒堂」の女子版で、台湾Channel [V] で放送されていたバラエティ「我愛黑澀會」から出てきたアイドルです。若い出演者たちの忌憚のないトークが炸裂する番組で非常に人気がありました。同じテレビ局の番組から生まれたグループとして「Lollipop棒棒堂」と「黒Girl」は兄妹グループのような存在でした。

鬼鬼は「黒Girl」の中でも人気メンバーで、ソロになった後は、本名の呉映潔(ウー・インジェ)で韓国でも活動しています。
2013年に放送された「私たち結婚しました 世界版」で2PMテギョンの仮想妻として番組に参加したこともあります。

EP「我愛黑澀會美眉」2006年リリース 9名で活動していた初期のEP。


金星(VENUS)と愛紗のコラボパフォーマンス 曲「喇舌」大嘴巴(Da Mouth) 2010年リリースのアルバム「万凸3」収録曲



愛紗(アイサ)は台湾HIPHOPグループ「大嘴巴」(Da Mouth)のボーカルです。大嘴巴は2007年にデビューし、女性ボーカル1名に男性3名(ボーカル、RAP、DJ)というユニークな構成のグループで、台湾で非常に成功したグループです。
愛紗(アイサ)は日本人ですが、大嘴巴(Da Mouth)の女性メインボーカルとして流暢な中国語で歌っています。

1stアルバム「大嘴巴」(Da Mouth)


オーディション番組「原子少年」で久しぶりに舞台に立った先輩アイドルたちのパフォーマンスは、いまでも十分に輝きがあると同時に切なくもあります。
S.H.E、Energy、ロリポップ、黒Girl、大嘴巴・・・当時の台湾芸能、C-POPに親しみのある人間にとっては、ただただ懐かしい存在です。勢いに溢れていた頃の台湾芸能のさまざまなシーンが思い起こされます。
台湾芸能界が最も華やかで勢いがあったのは2000年から2010年頃までなのではと思います。
「流星花園」のF4、ジョセフ・チェン、ジェイ・チョウ、ジョリーン(蔡依林)、ショウ・ルオ、五月天(メイデイ)、バービィー・スー(大S)、小S・・・。台湾の人口は約2300万人にもかかわらず、あらゆるジャンルのタレントがひしめいていました。
台湾はアジアの中でもオープンな気質だと思います。明るくオープンで、なおかつ細やかさや温かみを持ち合わせた台湾の気風が芸能にも反映されていたと思います。

「原子少年」は先輩アイドルとのコラボパフォーマンスを終え、各グループから人気最下位の1名が淘汰されました。
さらに1名辞退者が出たため、現在の参加人数は71名です。第5週目まで放送されていますが、個人順位は発表されておらず、グループごとに順位を発表するのみです。
ただし、次回から2グループ混合でパフォーマンスを競うことになっており、その結果によって、グループが二つ消えるとされています。ここへきて急に緊迫感が増してきました。
「原子少年」からは最終的に二つの5人組グループがデビューする予定ですが、現在のグループ構成が維持されるのか、それともミックスされるのかはまだ分かりません。
アイドルとしてのポテンシャルが高い林佳辰(リン・ジャーチェン/Summer)、パフォーマンススキルが高く個性もある小孩(何世華/ Kidz)などが注目されていますが、グループとして期待度が高いのは「金星」(VENUS)です。
美の象徴である「金星」は中性的な魅力をグループの特徴としています。台湾はアジア初の同性婚法制化を実現しており、ジェンダーにおいてオープンで改革的な気風があります。
「金星」がそのままデビューできるとは限りませんが、「金星」のようなグループを生み出せるのは台湾だけだろうと言われています。
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TFBOYS王俊凱(ワン・ジュンカイ)主演ドラマ「重生之門」(BE REBORN)~中国アイドルのエリート街道

2022年05月16日 | エンタメの日記
中国ボーイズグループTFBOYSの王俊凱(ワン・ジュンカイ)主演の新作ドラマ「重生之門」(BE REBORN)の放送が始まりました。

中国刑事推理ドラマ「重生之門」 (直訳すると「再生の門」) 英語名:Be Reborn  
2022年4月27日配信開始 全26話 1話約45分 Youku独占配信


あらすじ
主人公・庄文杰(ジュアン・ウェンジエ)が通う青城大学の美術館に収蔵されている名画「睡蓮」が何者かにすり替えられた。
「睡蓮」がすり替えられたことに気付いた庄文杰は、その場で指摘するが信じてもらえない。後に「睡蓮」が本当にすり替えられたことが明らかになると、庄文杰は逆に警察から事件に関与したことを疑われる。警察から疑われたのは、庄文杰の父親が名画の窃盗犯として指名手配されていることが一因でもある。庄文杰は父が残した禍根に振り回されながら、敏腕刑事・羅堅(ルオ・ジェン)とともに事件の黒幕を追う。

主人公の庄文杰を演じるのがTFBOYSの王俊凱(ワン・ジュンカイ)です。
青城大学(※架空の大学。青城のモデルは青島)法学部3年生。寡黙で頭脳明晰、成績優秀な大学生。一人で大学の近くに部屋を借りて住んでいる。絵画に対する造詣が深い。
母親とは幼い頃に死別。父親は骨董・芸術品を専門に狙う盗賊で、名画「洛神」窃盗の主犯として指名手配を受けた後、車ごと川に墜落したまま行方不明となる。





王俊凱(ワン・ジュンカイ)は3人組ボーイズグループ「TFBOYS」のメンバーとしてデビューしました。
王俊凱 1999年9月21日生まれ、重慶出身、2013年8月6日TFBOYSとしてデビュー(リーダー)
現在22歳ですが、昔の面影を残したままイケメンに成長しました。小顔で首が長く、細身のスタイルの持ち主です。身長は176cm前後と思われます。

TFBOYSは日本でいうと10代の頃のKinKi Kidsに近い存在だと思います。少年らしく清潔感のある整ったルックスで、中国では珍しく10代からアイドルとして活躍し、莫大な数のファンから熱狂的に支持されていました。

TFBOYS「青春修練手冊」(青春練習帳)2014年7月24日リリース

中央が王俊凱。当時15歳。リーダーでTFBOYSの「顔」であり、センターが彼の立ち位置だった。
この曲をリリースした頃からTFBOYSの衣装はパステルカラーの制服が多くなり、「少年=学生」という健康的なイメージが確立され人気急上昇。

TFBOYSは現在グループ活動はほぼ行っておらず、王俊凱、王源(ワン・ユエン)、易烊千玺(イーヤンチェンシー/ジャクソン・イー)の3人は大学に進学し、個々に芸能活動を続けています。

王俊凱は昨年北京電影学院を卒業しました。
中国では多くの大学に演劇科、舞踊科、音楽科、アナウンス科などいわゆる芸能向けの学部が設置されています。
数ある演劇系大学の中でもトップに君臨するのが、北京電影学院、中央戯劇学院、上海戯劇学院の三校です。
このトップ3の演劇大学は超難関で、その中でも北京電影学院は特に多くの有名監督、俳優を輩出しており、エリート中のエリートとされています。

中国の競争は激しく、依然として学歴を非常に重視する社会です。そして、自分が応援するアイドルには一点の疵もなく完璧でいてほしいと願うファンが多いです。
10代の頃から注目されてきた王俊凱は、見事名門北京電影学院演劇科に合格し、周囲の期待に応えてエリート街道を歩んでいます。
もちろん、名門大学に進学することは芸能人としてステップの一つであり、ゴールではありません。
今後クオリティの高いドラマに出演し、メインキャストを務める映画をヒットさせ、キャリアを積んでいくことをファンは期待しています。
中国芸能界においては、俳優のステイタスは高く、主演俳優として作品をヒットさせ、さらに俳優として国際的に権威のある賞を受賞するということがキャリアの頂点と思われています。

中国ドラマでは、中国人俳優が演じているのにセリフが吹替えになっていることがよくあります。
国土が広い中国では、標準語の普及に時間がかかったため、言葉に訛りのある役者をカバーするためにアフレコが多用されてきました。
現在では、演技力に不足がある若手・アイドル系俳優の力を補うためにもアフレコが使われており、また、演技力はあるけれど売れっ子でスケジュールが過密すぎるため、時間節約のため他人にアフレコさせるケースもあります。
例えば、ドラマ「陳情令」の主役、肖戦が演じた魏無羡、王一博が演じた藍忘機役は、ともにドラマ専門の声優がアフレコしていますが、あまり違和感はないと思います。

王俊凱はドラマ「重生之門」の主役ですがアフレコを使っています。
蘇尚卿(スー・シャンチン)というドラマ吹替声優がアフレコを担当しており、この声優さんは他の作品でも王俊凱のアフレコをしており、「王俊凱御用達声優」と言われています。
ドラマでアフレコを使うことは決して珍しいことではありませんが、俳優としてのキャリアの頂点は「国際的にメジャーな映画賞を取ること」だとすると、ずっとアフレコを使っているわけにはいきません。一般的にいって、アフレコで出演している俳優に、国際的に権威のある賞が与えられることはないからです。

ただし、王俊凱はアフレコを使わなければならないほど演技が拙いわけではないと言われています。
「本人の声でやらせてあげればいいのに」という声も強いです。
巨額の予算を投じたドラマを失敗させてはいけないので、安全を期してアフレコを使っているのかもしれません。これによって、演技を磨くチャンスが奪われているともいえます。

もう一人の主人公、誠実な敏腕刑事・羅堅(ルオ・ジェン)を演じるのはベテラン俳優の張譯(ジャン・イー)。


張譯(ジャン・イー) 1978年2月17日生まれ ハルビン出身、身長178cm
張譯は中国では非常に有名な俳優で、正義感・責任感の強い実直な人物を演じることが多く、軍人、兵士、警官役などでのアクションも得意としています。
近年は「主旋律映画」と呼ばれる愛国的価値観・歴史観を発揚するための戦争・革命もの映画に多数出演しています。張譯が今後、悪役や反社会的な役を演じることはないのではと思うほど、「主旋律映画」(愛国映画)常連俳優としてのイメージが確立されています。
実力のあるメジャーな俳優ですが、張譯が演じている時点で、ドラマが始まる前から正義の側に立つ人物だと見当がついてしまいます。
有名になればなるほど役の幅が狭まり、作品の面白さや意外性を削ぐ要因にもなります。

ヒロイン・林芷悦(リン・ジーユエ)。主人公と同じ大学の三年生。幼少期から主人公のことを知っており思いを寄せている。
ヒロインを演じる範詩然(ファン・シーラン)は1999年11月23日生まれ、四川省出身、上海戯劇学院卒業、身長164cm。中国ドラマで好まれるタイプの透明感のある可憐なルックスです。


刑事推理ドラマとしての「重生之門」
全26話ですが、6~7話で一つくらいのペースで連続的に事件が発生します。黒幕と主人公の父の生死の謎を突き止めるため、主人公がかなり危険な目に遭います。
「窃盗」をベースとした事件が展開され、絵画や芸術品が多く登場し、映画「007」さながらの高層ビルのワイヤーアクションなどもありスケールの大きなドラマです。また、犯罪の手段として、電子金庫や網膜認証などハイテクが多用されます。
しかし、それらは視聴者の日常とはかけ離れており、推理のとっかかりもなく、感情移入しにくい面があります。
主役を演じる王俊凱は美形でスラリとした体型できれいな容姿をしていますが、表情から感情の起伏が読み取りにくく、共闘する刑事との関係性もやや温かみに欠けます。魅力のある悪役が登場するエピソードは非常に面白く、特に、窃盗団の親玉・丁生火はプロの盗賊の知性と残忍さ、独特の思考回路を持つキャラクターで先の行動が読めません。丁生火を演じるベテラン俳優・田小潔の怪演がドラマ「重生之門」を盛り上げています。
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台湾ボーイズアイドルオーディション番組「原子少年」(ATOM BOYZ)放送スタート

2022年05月14日 | エンタメの日記
参加者80名の台湾ボーイズアイドルオーディション番組「原子少年」(ATOM BOYZ)の放送が4月17日から始まりました。


「原子少年」(ATOM BOYZ)審査員:ELLA(元S.H.E)、坤達(元Energy)、周湯豪、田一德。


放送媒体:TVBS歡樂台/TVBS精采台/LINE TV/YouTube/中視、三立等
2022年4月17日(日)20時~放送開始、1回あたり約1時間40分、全13回、2022年7月中旬終了予定。
参加者:80名。最年少が2006生まれ、最年長が1997年生まれ。
YouTube公式チャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCQarhowx2x0qbeB8d4AeUZQ

台湾では「原子少年」の前に「菱格世代DD52」という女子向けオーディション番組を放送しており、G.O.F、PINK FUN、HURの三グループがデビューしています。

「原子少年」(ATOM BOYZ)は5000人以上がカメラテストに参加し、1.2億台湾ドルを投じて制作されたと言われています。
プロジェクトしては2020年にスタートしましたが、コロナの影響で1年も中断してしまいました
参加者は最年少が15歳で、19歳から22歳くらいの子が多いですが、番組に応募した時点ではいまより2歳若かったことになります。

80名の参加者がいますが、最初から水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星という8つのグループに分かれています
第1回のオープニングムービーによると、「宇宙に二つのブラックホールが現れ衝突により太陽系が消滅の危機にさらされている。太陽系を救うためには、8つの惑星から特殊な能力を持つ少年を見つけ出さなければならない・・・」ということで、8つの惑星に10名ずつ分かれています。
EXOのファンからクレームがきそうな設定ですが、放送が始まってみると、この「特殊能力設定」が反映された演出はいまのところ見られません。

各グループ(惑星)にはそれぞれの特徴があります。
地球:親近感あふれる美少年アイドル
水星:平均年齢17歳の明朗快活な少年たち
金星:美の象徴・金星、中性的な魅力
火星:熱くワイルド
木星:全員180cm以上、モデルのようにクール
土星:ダンススキルが高い(練習生・芸能歴が比較的長いメンバーが集まっている)
天王星:HIP&HOP系アイドル
海王星:個性的でエネルギッシュ

「原子少年」(ATOM BOYZ)番組ルールの特徴
いわゆる「PRODUCE101」系のオーディション番組とはかなりルールが異なります。
・第1回目の冒頭でいきなりテーマ曲が披露される。テーマ曲のセンターポジションをめぐるプロセスは番組本編ではなく、番組開始前に動画で簡略的に公開された。
・80名の参加者があらかじめ10名ずつ8グループに分かれている。10名の中から、実際にパフォーマンスに参加できるのは5名のみ。その5名を選ぶのは番組内部のトレーナー。よって、まったくパフォーマンスに参加できないメンバーもいる。
・第2回目公演終了後、各グループの10名のうち、人気最下位が1名ずつ淘汰される。

客観的にみて基本的なダンススキルが高くない参加者も多く、80名の参加者全員がテレビ放送に堪えうるパフォーマンスができるわけではないので、このようなルールにされているものと思います。

台湾の強み
コロナの影響もあるため、審査員を含め台湾ローカルの人材で制作されています。
審査員は全員台湾のベテラン芸能人で、参加者たちに対し非常に優しい姿勢で臨んでいます。韓国のオーディション番組にみられる苛烈な競争や審査員からの辛口のコメントは一切なく、温かい目で見守られています。そこが視聴者にとっては、ちょっと物足りないかもしれません。ですが、制作側は台湾の現状、出演者の力のレベルをよく理解しており、身の丈にあったことを無理なくやっています。

また、中韓のオーディション番組では暗黙の了解として「シナリオ」があり、参加者は自身に与えられた「キャラ設定」を際立たせることで視聴者の注意を惹きつけるという演出がなされていましたが、「原子少年」はそういった意図的な演出はあまりみられません。

4月17日放送の第1回目、翌週の第2回目では、8グループの初回パフォーマンスが披露されました。
水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星という8つのグループがありますが、すべてオリジナル楽曲でした。
番組製作陣が作詞、作曲、アレンジ、振付した、この番組のためのオリジナル楽曲がテーマ曲とは別に8つも用意されていたのです。
どの曲もなかなかクオリティが高く、台湾音楽界の底力を見せています。

韓国や中国のオーディション番組と比べると、ダンス、歌、ルックスのレベルはもちろん、衣装、メイク、照明、舞台装置、カメラワーク等も見劣りがするのは否めないのですが、C-POPの天地・台湾が作るだけあって曲がいいのが「原子少年」の特徴です。

人気メンバー・グループ
人気が高いのは、地球、水星、金星などです。
地球(EARTH) 初回公演曲「全世界暫停」


地球(EARTH)には、一番人気の林佳辰(リン・ジャーチェン)がいます。2000年6月5日生まれ、現在21歳。身長180cm、体重64kg。


中国武術の達人・黄文廷(Tin)、台湾BLドラマ「HIStory3」に出演していた陳廷軒(Kenny)などもいます。

水星(MERCURY)初回公演曲「FREAKY LOVE」

16歳の林毓家、17歳の李秉諭などはダンスの実力者。黄莑茗は歌、ダンスとも安定しておりグループを引っ張る。

金星(VENUS)初回公演曲「怎麼會」

美の象徴金星。金星は「中性的な魅力」が特徴。歌が上手く表現力のあるメンバーが多い。ダンスのレベルも高い。

天王星(URANUS)初回公演曲「KING」

HIP&HOP系の天王星。高雄出身の長身イケメン・蔡承祐が人気。小孩(シャオハイ)は小柄で金髪が似合うやや中性的なルックス。ダンス、RAPともに高く評価され、ステージ慣れしている印象を与えます。

「原子少年」(ATOM BOYZ)に参加している子たちは、みんなK-POPが大好きです。BIGBANG、EXO、BTS等から大きな影響を受けており、現役で活動している男子・女子グループを全般的にフォローしています。
「原子少年」は海外でも通用するアイドルをデビューさせることを目標にしていますが、海外進出できなくても台湾で十分活動の場があると思います。
コロナの影響が続く現在、台湾ローカルで活動するライバルとなる男子アイドルが基本的にいないので、「一日店長」などオフラインの商業コラボなどは相当需要があるのではと思います。
香港で2018年にデビューした「MIRROR」が香港土着のボーイズグループとして成功したことも刺激になっています。MIRRORはソロ活動が多く、俳優活動に重点を置くメンバーも多いのと比べると、「原子少年」は年齢が比較的若いこともあり、よりアイドル的な活動が期待できそうです。

コロナ対策に比較的成功していると言われる台湾でも、「原子少年」の収録は1年も中断され、80名もの芸能を志す若者たちが影響を受けました。
2022年4月にようやく番組の放送が始まったと思えば、台湾でもオミクロン株が大流行し、連日5万人を超える陽性者が出ています。
台湾の芸能ニュースによると、「原子少年」の出演者・関係者からも46名の陽性者が見つかったと言われており、放送を継続できるか心配されています。
現在第4回まで放送されており、第3回、第4回では、各グループが台湾アイドルの先輩たちとコラボステージを披露します。
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