上海阿姐のgooブログ

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G-DRAGONソロコンサート「One Of A Kind」ツアー上海公演コンレポ

2013年05月28日 | エンタメの日記
BIGBANGのG-DRAGONソロツアー「One Of A Kind」の、5月26日(日)上海公演を観てきました。
「One of a kind」ツアーは、5月4日/5日に北京、5月17日/18日に香港、5月25日/26日に上海と、5月は中華圏の公演が続いています。

会場は上海を訪れる多くのアーティストがコンサートを行う「メルセデスベンツ・アリーナ」です。

写真左:メルセデスベンツアリーナ。巨大な楕円形の建物の中にはコンサートホールの他にレストラン、映画館、スケートリンクなどが入っています。コンサートホールの収容数は1万~1万5千程度だと思います。写真右:万博AXIS。現在はレストランが営業中。
  

昨年2012年7月、同じ会場でBIGBANG「ALIVE」ツアー公演を観ましたが、PAがボロボロでした(過去ログ)。上海メルセデスベンツ・アリーナ(旧上海万博文化センター)は2010年の上海万博のために作られたホールで、万博終了後は多くの国内外のアーティストがコンサートに使用しています。ところが、どのアーティストのライブでも、観客からPAに対する不満が浴びせられます。歌が聞こえにくい、反響してしまってクリアな音が伝わらないなど、初歩的なレベルの不満が声が上がっています。

しかし、5月26日のG-DRAGONソロコンサートでは、PAが良かったです。
この会場でこんなに快適な音響でコンサートが楽しめるなんて奇跡です。
YGエンターテイメントが昨年BIGBANGライブの際の不満を一掃してくれました。

上海公演は5月25日(土)と26日(日)の2日間行われましたが、2日目の収客率は9割程度でした。私は1階スタンド席で観ていましたが、開演10分前くらいに客が前列の空席に勝手に移動するという、「集団座席移動」がありました。

写真:スタンド席でもステージとかなり近いです、PAさえよければいい会場です。


GドラゴンのソロライブとBIGBANGコンサートの客層を比較すると、Gドラソロコンの方が観客の年齢層が若干高いように思いました。2日目の日曜日に行ったせいかもしれませんが、ほとんどが20代で中高生は少なかったです。
そして意外なことに、Gドラソロコンの方がお客さんが地味でした。むしろBIGBANGコンサートの時の方が、クラブにでも行くような「私はジヨンの彼女」的なオシャレな子が多かったです。中国のK-POPファンの年齢層が微妙に上がっているのを感じます。

Gドラゴンが好きか嫌いかは、好みが分かれると思います。
好きな人はすごく好きだけれど、「どこがいいのか全然分からない」という人もいると思います。私はどちらに属するかというと、「すごく好き」な方です。

YGエンターテイメントの音楽は、その洗練されたミキシング、アレンジ技術に常々驚かされますが、ライブも非常にハイクオリティです。音響、舞台設計、構成、バンド、照明、CG、いずれも技術的な完成度が高く、ショービジネスの進化を味わえるようなライブでした。
Gドラゴンのパフォーマンスも素晴らしかったです。ダンス、歌、表情、汗の拭き方の一つを取っても、すべてが計算されつくされていて、どの瞬間でもGドラは完璧にGドラです。

Gドラのソロコンサートなので、Gドラ一人を追いかけることになるわけですが、あらためてこの人は独特のカラダの持ち主だと思いました。

Gドラゴンは1988年生まれなので、今年25歳になるはずですが体の線が細いです。手足はしなやかなバネのようです。
体に対して手が大きく、手のひらを頬にあてると指先が額の上まで届いてしまいます。恐るべき顔の小ささです。
歌っているときに首筋を反らしても、のどぼとけがほとんど目立ちません。
RAPが多いので気付きにくいかもしれませんが、地声はかなり高くて細い声質だと思います。
よく片目を歪めるようにつむる表情をしますが、ステージを見る限り、ほぼ必ず右目をつむっています。左目をつむることはほとんどありません。

前半はゴールド、黒、白をメインにしたゴージャスなセットで、Gドラゴンの衣装もややフォーマルなスタイルで、メークも濃い目です。Gドラの身体的な特徴や気質、若しくはメークのせいかもしれませんが、中性的というか雌雄同体的な独特の雰囲気があります。襟元が詰まった金ラメが入ったジャケットなどを着ているせいで、元宝塚男役トップスターの瀬奈じゅんを思い出しました。

ボーカルの部分は完全に生で歌っている部分は少なく、かなりの部分は録音ボーカル音源を重ねています。Gドラ自身はそのことをあまり隠そうしていないようで、振り付けの一部であるかのように、ボーカルがある部分でもマイクを口から離してしまったりするのです。そのため、「あ、これ口パクだったんだ」と見ている方は嫌でも気付きます。
意外と生で歌っていない部分が多いことに少し驚きましたが、賢いなとも思いました。客が萎えない程度であれば、口パクを入れても構わないと思います。口パクが多すぎても、生歌がヘタ過ぎても、歌のせいでダンスがおろそかになっても、見ている方は萎えます。バランスを上手く取ることが大事です。Gドラのソロコンはこのバランスが悪くなかったです。

はっきりと示されているわけではありませんが、「One of a kind」コンサートは、二部構成になっているといえます。
新曲のMichi GOから始まる「第一部」は舞台セットを利用した演出が多く、衣装もシックなスタイルのもので、ほとんどサングラスを外しています。「Butterfly」「Missing you」「That XX」などメロディアスな曲が多いです。私はアルバム「HeartBreaker」の最後に収録されている「One year station」という曲がすごく好きなので、「One year station」で第一部を終了する構成に泣きました・・・・。
このときに時計を見たら20時40分で、コンサート開演から1時間10分しか時間が経っていませんでした。「これで終わりです」と言われても、満足して家に帰るだろうと思うほど、充実した1時間10分でした。

しばらく暗転して、「Obsession」から「第二部」が始まります。第二部はGドラの衣装がHIPHOP系に変わり、ヘビーな曲調のナンバーが続きます。

MCが2回ありましたが、基本は英語で一部中国語を混ぜて話していました。
中国語MCは「みなさん楽しんでますか?」といった基本的なもので、イントネーション(声調)が間違っており、流暢とはいえませんが、Gドラが中国語をしゃべるのは非常に珍しいので客席は大いに沸きました。
MCでは、「みんなに会いたかった。」「今夜のことは忘れないので、皆も忘れないでほしい。」「BIGBANGのメンバーたちと一緒にすぐに帰ってくるの待っていて。」といった定番の内容を、ゆっくり分り易く英語で話していました。

面白かったのはファンとのコミュニケーションタイムです。客席を真ん中で半分に区切り、

「左側はバオベイ」 (Left side is Baobei) 
「右側はチンアイダ」 (Right side is Qin ai de)

といって、左右の観客を煽ります。

バオベイは中国語で「ベイビー」という意味です。(漢字で書くと“宝貝”)
チンアイダは「ハニー」に相当する言葉です。(漢字で書くと“親愛的”)

つまり、「左側のみんなは僕のベイビーで、右側のみんはハニー。」ということなのですが、バオベイVSチンアイダの煽りコーナーでは、左右双方のファンを交互に絶叫させることに成功しました。Gドラの口から発せられる「バオベイ」と「チンアイダ」という単語は、英語と混ぜているせいか、アメリカ人が話す中国語のように聞こえます。このソロコンサートでは、Gドラはすべての曲を韓国語で歌っているにも関らず、あまり韓国人ぽく見えません。韓国タレントが韓国語を使わずにMCをやりとおすのは珍しいと思います。MCを英語にすることは、思った以上の効果を発揮するかもしれません。なお、バックバンドのメンバーは黒人・ヒスパニックのミュージシャンが多かったです。

日本では2011年あたりに急激にK-POPグループの認知度が上がり、情報が大量に押し寄せました。そうかと思えば、その1年後くらいに波がさーっと引いていったような状況にあると思います。ですが、K-POPグループの活動や音楽の中身自体は、2006年頃も今もあまり変わっていないと思います。K-POP自体は特に変化していないけれど、ある時期に急にもてはやされて、ある時期にもてはやされなくなった・・・というように見えます。

エンターテイメントは世の中の空気に左右されることは避けられず、むしろ世の中の空気によって作り出されるものがエンタメともいえます。ですが、世の中の空気、世相や付加情報が取り払われた環境で見ると、GDRAGONのソロコンサートは感動的なほどハイクオリティで素晴らしいライブでした。

~~GDRAGON「One of a kind」上海公演セットリスト~~

2013年5月26日(日)19:30開演 (19:33分頃開演。ほぼ定刻どおり)
1.Michi GO
2.Heart breaker
3.One of a kind
4.Light it up
5.The leaders
6.Butterfly   舞台上を蝶が飛ぶ
7.Missing you
MC
8.That XX 
9 Without You(結果)
10.Today ドラム+DJセット登場
11.少年よ
12.This Love
13.One year station 衣装と髪型が宝塚みたい

---HIPHOP系衣装にチェンジ----

14.Obsession
15.she's gone
16.Crayon 
17.Fantastic baby
18.Breathe
19.Bad boy
MC+バンド紹介。「最後の曲です」というと、客席からkiyomiコール。
20.Michi GO  Gドラ中国語「再来一次」(once again という意味)を連呼。
コメント (8)
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