上海阿姐のgooブログ

FC2ブログ「全民娯楽時代の到来~上海からアジア娯楽日記」の続きのブログです。

宝塚歌劇団星組台湾公演 初日(2013年4月6日)観劇記

2013年04月23日 | エンタメの日記
中国本土にはたくさんの台湾人が暮らしています。上海、蘇州、杭州エリアに少なくとも30万人以上、中国全体では120万人以上と言われています。もともとは“台商”と呼ばれる台湾人事業家が大陸に事業を起こしにやってきたものですが、いまではあらゆる年齢層、あらゆる職業の台湾人が中国大陸で暮らしています。
台湾で大学を卒業してからほどなくして大陸で就職する人もいるし、祖父母を台湾に残して、親と子供が一家で大陸で暮らしていることもあります。大陸と台湾を行ったり来たりという人も多く、上海に住んでいても台湾人と知り合いになる機会は多いです。

4月の第1週に台湾に行きました。台湾人の友達に「台湾に行くよ」と話すと、

「何しに行くの?」と聞かれるので、

「宝塚歌劇団の台湾公演を観に行く。」

と答えると、半分くらいの割合で「宝塚って何?」という反応が返ってきます。
宝塚を知っている人もいますが、誰もが知っている存在ではないようです。天海祐希や黒木瞳の出身の劇団と説明するとイメージが沸く人もいます。日本の劇団である宝塚が台北で海外公演をやるのだと説明すると、ほとんどの友達が

「森進一も台湾に来るね。」

と教えてくれました・・・。

森進一は4月末から5月頭にかけて台湾でコンサートを行います。
森進一が歌う演歌の多くが北京語や台湾語にカバーされて台湾でヒットしており、紅白歌合戦が長年視聴されていること、台湾の大スターであるテレサテンと同時代を生きた歌手であること・・・などなど、上の世代であればあるほど、身近に感じる要素が多いようです。宝塚が台湾に行く1週間ほど前にプロモーションのために台湾を訪ね、芸能番組や新聞でも取り上げられていたので、印象に残っていたようです。

【日本演歌の王・森進一台湾コンサート】


宝塚歌劇団は過去何度も海外公演を行っていますが、台湾公演は初めてです。

宝塚歌劇団台湾公演 星組
場所:台北国家戯劇院 (中正文化中心)
日程:2013年4月6日~4月14日 全12公演
特設サイト:http://kageki.hankyu.co.jp/taiwan2013/

今回は演目も台湾向けのものとなっており、特別3本立てです。

(1)舞踊ファンタジー『宝塚ジャポニズム ~序破急~』
(2)ミュージカル『怪盗楚留香(そりゅうこう)外伝-花盗人(はなぬすびと)-』
(3)グランド・レビュー『Étoile de TAKARAZUKA(エトワール ド タカラヅカ)』

報道によると現地チケット取扱いのチケットは、公演の半年近く前に全公演売り切れになったそうです。私は4月6日の初日公演のみ観劇しましたが、台湾人と日本人の割合は7対3くらいで台湾人の観客が多かったように思います。

会場となる台北国家戯劇院は中正記念堂の中にあり、音楽堂と向かい合う大変美しい建物です。
【自由広場】

【国家戯劇院】




初日のせいか招待客が多いようで、日台交流機関の関係者も多く集まっていたと思います。
また、鳩山由紀夫元首相と幸夫人が観劇に来ていました。幸夫人は元宝ジェンヌで、小柄ですが黒いストレートの髪が目を引く華のある女性でした。
鳩山元首相はすれちがっただけで誰もが気付くであろう印象の強い顔立ちで、姿勢が良く物腰は柔らかですがインパクトがあります。
鳩山夫妻の座席は1階の前列中央あたりだったのですが、開演直前に鳩山氏が立ち上がり、隣にいた関係者と握手をして一種のアピールをし、多くの人がカメラのシャッターを切りました。

【台湾公演会場内ポスター】真ん中には「MADE IN JAPAN」の文字が刷り込まれています。


普通、宝塚の公演は芝居とショーの二本立てですが、今回は台湾公演用に、和物ショー、芝居、洋物ショーの特別三本立てが用意されました。

和物ショーの『宝塚ジャポニズム ~序破急~』。
「さくらさくら」や「荒城の月」に乗せてきれいな着物で扇子をはらはらと揺らしながら日本舞踊をベースとするたおやかな群舞で、「日本らしさ」を打ち出した演目です。

芝居の『怪盗楚留香(そりゅうこう)外伝-花盗人(はなぬすびと)-』
この作品は台湾の武侠小説作家の古龍(グーロン)の小説を原作としています。古龍は中華圏では金庸と並び、非常に有名な武侠小説作家です。
「楚留香」は古龍(グーロン)の作品のヒーローとしてたびたび映像化されており、香港俳優鄭少秋(アダム・チェン)が演じたバージョンが定番でしょうか。F4のケン・チュー(朱孝天)もドラマ版で演じています。
【鄭少秋の楚留香 / ケン・チューの楚留香】
  

ステージの両脇に字幕用のディスプレイがあり、ショーも芝居も歌詞やセリフの字幕が中国語で表示されます。

和物ショーもお芝居も観客の反応は良かったのですが、洋物ショーの幕が開き、「TAKARAZUKA」というキラキラと輝く大きな電飾がステージに現われると、客席からワーッ!!という大きな歓声が上がりました。

やはり、お客さんが求めていたのはこれだったんだな・・・と思いました。

大きな羽根、大階段、色とりどりの衣装、タキシード姿の男役の群舞・・・華やかで独特なエンターテイメント・タカラヅカを台湾のお客さんも待っていたようです。

台湾はおそらく世界で一番日本に対する理解が深く、しかも私が観たのは初日公演だったので日台関係の招待客が多く、観客のマナーが非常に良く、あたたかく迎えられた公演でした。
宝塚の名物であるロケットダンスでは待ってましたとばかりに大拍手、宝塚の象徴・大階段、大きな白い羽、男役の群舞などが現れると「ヒューヒュー!」と勢いのよい声がかかります。海外の観客でありながら宝塚に対する前知識を持っており、楽しみどころを理解しています。

この台湾公演を率いる星組トップスターの柚希礼音(ゆずきれおん)が絶好調でした。

柚希礼音は入団当時から「大型新人」と期待され続けていただけあり、素質と身体的条件に恵まれ、派手やかな持ち味でサービス精神も旺盛です。求心力のあるスターらしさが台湾の観客に非常に歓迎されました。柚希礼音がトップスターらしく、舞台の中央でスポットライトを浴びながら登場すると、いっそう大きな拍手が鳴り響きます。

劇団員も客席の熱意に応えるように、いつにも増して勢いよくターンし、スカートの裾をなびかせ、羽根を大きくゆさぶり、台湾のステージに宝塚のエネルギーがみなぎります。

劇団員たちの中心である柚希礼音はいつにも増して輝いていました。

なぜこんなに輝いてみえるのだろう・・・・。

来年100周年を迎える宝塚歌劇団は、過去何度も海外公演を行っています。
初の海外公演は1938年、当時の同盟国であったドイツ、イタリアなどで公演をするために神戸港からヨーロッパまで船に乗って出掛けたそうです。
海外公演というのはいつの時代もチャレンジングなものです。日本からほど近い台湾であっても、初めての試みであることには違いないです。

新しいことには一定のリスクとプレッシャーが伴うものですが、それをはねかえすパワーをもって向かっていく姿は美しいです。リスクもプレッシャーもなく、いつも同じことをやっていたら、この輝きは生まれません。

そして、どんなことであっても、何かにチャレンジできるということはそれだけでも幸運なことです。
なぜなら、チャレンジできる舞台を持たない人の方が多いからです。
だからこそ、その舞台に対する憧れを止められないし、チャレンジできるチャンスがあったらそのチャンスを掴まなければならない・・・・そんなことを思わせるエネルギーに溢れた舞台でした。

劇団員が台湾入りした日と初日の翌日には現地の新聞やニュースでも報道されていました。
【新聞】中国時報 2013年4月7日号

宝塚歌劇団の熱い舞台、台湾風味を多分に香らせる--。
ショーや芝居で台湾の歌曲をたくさん取り入れています。芝居の中で、テレサテンの「雨の夜の花」を日本語歌詞で歌い、ショーの中で柚希礼音が同じくテレサテンの名曲「月亮代表我的心」を中国語で歌い、台湾語歌曲「望春風」や台湾映画「海角七号」の挿入歌「国境之南」「無楽不作」も使っています。また、男役のひろ香祐は台湾出身のプロ野球選手を父に持ち、4年前に次席という優秀な成績で入団したことなどが挙げられています。

宝塚は世にも珍しい女性だけの劇団、「清く正しく美しく」をモットーにしながら、下手すればドラッグクイーンまであと一歩といえなくもない独特のメークと衣装で、男装した女性が可憐なヒロインとラブシーンを演じるわけですが、それを倒錯とは思わせない独特のセオリーがあります。
独特のセオリーと美学と伝統を持つ唯一無二のエンターテイメント集団、宝塚は来年記念すべき100周年。宝塚よ、永遠なれ!
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お母さんがJYJ東京ドームコンサート(2013年4月2日)に行ってきました。

2013年04月04日 | エンタメの日記
今年は3月に気温が高い日が続いたので、上海の桜は4月に入る前にほとんど散ってしまいました。
日本はまだ桜が見えますでしょうか。

新しい季節が始まる4月--阿姐のお母さんがJYJの東京ドームコンサート初日公演を観にいってきました。

もともと北京に住んでいる中国人の友達がJYJ東京ドームに行きたがっていて、チケットを手配しようとしていたのですが、
友達が結局日本に渡航できなくなったので、なりゆきでお母さんが観にいくことになりました。

お母さんはJYJのライブを見るのは初めてで、ものすごく楽しみにしていました。
韓国ドラマが好きなので3人の中ではユチョンが好きです。

コンサートを観終わった後、お母さんがメールでコンレポを送ってきてくれました。

----- 母が携帯メールで送ってきたJYJ東京ドームコンレポ -------

JYJのコンサートチケットはちゃんと受け取りできた。
ドーム内は圏外でメール送信できなかった。席は2階3塁側。一番前の列で着席限定だった。
ステージ花道全体がよく見渡せた。結構いい席で大満足だ!

ペンライトは赤だった。
アナウンスで旧東方神起時代の公式グッズの赤ペンライトの使用は控えるようにとやんわりダメ押し。

4年ぶりのドームコンサートは満席だった。
3人ともすごく気合いが入ってた。
3時間の公演良かった。

ジュンスは歌唱力抜群、ダンスもうまい。ジェジュンは思った以上にオ耽美イケメンだった(※原文ママ)
ユチョンは均整が取れたいい体でしたが、お前の言う通り歌は普通でした。
MCはみんな日本語で気が利いたトークだった。
「本格的活動、日本での本格復帰が予想以上に遅れて、不安だった。今回のドームコンサートが満席になるか心配だった。4年間の間にファンが離れたのではないかと心配だった。」とMCで何度も言った。特にジェジュンが。旧事務所との確執をにじませていた。3人のそれぞれのファンサービスか、ソロが多かった。

ジェジュンとジュンスは東方神起時代より痩せたとおばさんファンが言っていた。
確かにユチョンは体格もよく肩幅もあり全体的に肉付きよし。
ユチョンはドラマが絶好調のせいかジュンスとジェジュンより気楽そうだった。それで痩せなかったのか?
歌もダンスも上手で楽しかったです。
3人とも素敵でうっとりでした。

・・・・・お母さん、楽しかったみたいで本当によかった・・・・。

家に着いてから、母は電話もかけてきてくれました。

------電話したときに教えてくれた感想------

阿姐「東京ドームは広いから、スタンド席からだと豆粒だったでしょ。」

母 「まあね。でもオペラグラス持ってったし、全体が見渡せてよかったよ。PAもなかなか良くて聴きやすかったし選曲もよかった。ソロがかなり多くて、3人だとこういう構成もできるんだなと思った。ソロになると2曲くらい連続でやるし、バラードもけっこう多い。おばさんたちは3時間立ちっぱなしはきついから、客の体力も考えてるんだろうなと思った。」

阿姐「歌もダンスもけっこう上手いでしょ。」

母 「うん、上手かった。ジュンスは反射神経が良さそうなダンスする。ジェジュンはああいう顔だからか知らないけど、なんかちょっと色っぽい雰囲気で、ダンスの見せ方が全然違って面白かった。」

母 「あと、メンバー同士がベタベタして、そのたびに客がキャーキャー騒いですごかったわ。ジュンスがなんかしゃべってたらユチョンが寄ってきて顔くっつけたりして、角度によってはキスしてるように見えるんじゃないの?それにまた客がキャーと大騒ぎして、びっくり。こういうことやるんだねえ。」

阿姐 「・・・・まあ、ファンが喜ぶからやってるってのもあるだろうね。」

母 「ファンサービスを心得てる。MCにしても上手な日本語で気の利いたこと話すもんだね。でもMCのたびに、日本での復帰が遅れて心配だったと何回も何回も言うからちょっとびっくりした。東方神起時代にあれだけトップに上り詰めた芸能人が、あそこまで不安になって危機感持つっていうのが、日本の芸能人では考えられないと思った。日本の芸能人だったらトラブルで4年くらい休業してても、あそこまで危機感を訴える発言はしないと思う。」

・・・・・・・・

母からのレポを読んで、阿姐はお母さんに似たのかも---と思いました・・・。

母の言葉によると、JYJ東京ドームコンサートは大盛況で大成功で大満足だったそうです。

おめでとう、JYJ---!!
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする