上海阿姐のgooブログ

FC2ブログ「全民娯楽時代の到来~上海からアジア娯楽日記」の続きのブログです。

放浪新世代・GENERATIONS from EXILE TRIBE~MAD CYCLONE上海公演に行ってきました

2018年03月22日 | エンタメの日記
先週末GENERATIONSのMAD CYCLONEツアー上海公演に行ってきました。
GENERATIONSの正式なグループ名は「GENERATIONS from EXILE TRIBE」、つまりEXILEファミリーの一員で、よく「EXILE、三代目JSBの弟グループ」と紹介されています。ボーカル2名の7人組グループです。
EXILEらが所属する芸能事務所LDHは「LDH ASIA」を設立し、アジア展開に力を入れています。中国では、2.5次元舞台の大手ネルケプランニングの中国法人ネルケチャイナと共同で活動しています。

GENEは2017年から着実に中国活動を進めてきました。
2017年5月20日 GENERATIONS World Tour SPEEDSTER マカオコンサート
2017年8月26日 野外フェス 上海サマーソニックに出演
2017年8月25日 片寄涼太 上海ファンミーティング

そして2018年3月、深セン(3月2日~4日)、北京(3月9日~11日)、上海(3月16日~18日)の三都市でMAD CYCLONEツアーの中国9公演を行いました。

上海公演は3月16日~18日の3日間、美琪大劇院(MAJESTIC THEATRE/座席数約1261席)にて行われました。
GENERATIONS from EXILE TRIBEは中国語で「放浪新世代」といいます。

 



中国のファンは20代半ばから30歳くらいまでの女の子が多い印象です。日本のファンよりも若干年齢層が上かもしれません。



1940年代に作られた歴史のある劇場です。コンサートホールではないので大きなステージではありません。



応援の作法は日本ファンに倣っており、みんなフラグやタオルを持参していました。バッグは完売。



チケットはネルケチャイナの会員先行で購入しました。
会員先行といっても、無料で会員登録できるので、実質的には一般発売です。
ただし、ネルケチャイナのサイトではアリペイ(支付宝)かWeChat(微信)電子決済を使えないと購入できません。また、チケットは順豊(SF Express)という宅配業者が配送しますが、送料は着払いです。
上海公演分(3公演)は1月25日午前10時から発売になりましたが、発売開始から3時間くらいはサーバーにつながりにくく、チケットを購入できたのは午後1時過ぎでした。
「サーバーにつながるようになったな」と思った途端に売り切れたので、もし同じようなキャパだったら次回の上海公演はもう取れないだろうなと思っています。
ネルケチャイナの発売期間が過ぎても残席があると、外部のチケット業者(永楽票務)での販売になるのですが、上海公演のチケットはネルケチャイナで完売になり、永楽票務には流れなかったようです。深セン、北京は直前まで680元の席が残っていました。

中国ではボーカルの片寄涼太くんが圧倒的に人気があります。
日本では、白濱亜嵐、片寄涼太、佐野玲於の3人の人気はそこまで差がないはずなのですが、中国は違います。
それはもう、笑っちゃうくらい片寄が人気あります。

ボーカルとしてフロントに立つ片寄涼太は、漫画から抜け出してきたようなスタイルと顔立ちで、中国の女の子たちがすごく好みそうなルックスをしています。
それと、片寄くんは中国語の勉強をすごくがんばっています。
他の6人のメンバーも中国語で積極的にファンとコミュニケーションしているのですが、片寄くんは他の6人とは中国語の勉強量が違うなと思いました。
中国語を勉強している動画がWeiboやbilibili動画などにアップされており、中国人の先生について非常に真面目に勉強している様子を見ることができます。

MCで「これからもGENEを応援してください」と言っていたのですが、「応援する」は中国語では「支持」(zhi chi)という動詞で表します。しかし、この「支持」(zhi chi)という単語は日本人にとって発音が非常に難しいのです。
それを片寄くんはちゃんと話せていました。
客席の中国人ファンも、おおお~というかんじで関心していました。
ただ、ボーカリストとしてはもう一人のボーカルである数原龍友にリードされていました。
後ろの席に座っていた3人組の女の子たちは熱心なファンで、中国公演はほぼ通っていたようですが、その子たちが「涼太は昨日(上海2日目)から声が辛そうだったけど、今日(3日目)はもっと辛そう」と言っていました。

これはEXILEファミリー全体に言えることかもしれませんが、GENERATIONSのメンバーはファンとのコミュニケーションが上手いです。
上海ライブは劇場型の会場だったので、日本でやっているような派手なファンサをするスペースはないのですが、制限がある中でも体の動きや表情によって客席とコミュニケーションをとっていました。メンバーの自然な表情は、芸能人と観客の垣根を越えた親しみを感じさせます。このあたりがLDHのライブの魅力なのかなと思いました。

約2時間のライブでしたが、会場が小さく海外公演であるせいか、よい意味で低予算なかんじのシンプルなステージでした。
中国のタレントだったら、もっと派手で気張った演出をするはずです。実力や実績に見合わない派手な演出をする芸能人も多いのに、GENEのシンプルさは新鮮で好感が持てました。

いま、中国のエンタメカルチャーは国粋的な傾向にあります。
映画、ドラマ、バラエティ、音楽、あらゆる分野でメジャー人気を獲得しているものは、中国の大衆的な価値観に沿ったコンテンツです。この傾向はますます強まるのではと思います。
また、数年前までは、香港、台湾、韓国、日本のエンタメの方が中国よりも進んでいると感じましたが、いまは差がなくなっています。
むしろ外見だけでいうなら中国の方が多くの美形を輩出しているし、照明・映像機器などハード機器が充実しているので、ゴージャスな演出も難なくこなします。
そんな中で、日本のエンタメは中国でどういう位置づけになっていくのでしょうか。
日本のエンタメが中国でメジャーな存在になるのは難しいかもしれません。「中国で大人気」とマスコミに報道される日本人タレントでも、中国のメジャーな俳優や女優の持つ影響力と比べれば、微々たる存在なのです。
しっかりしたコンセプトを持ち、自然体で楽しみを分かち合えるエンタメは長く愛されます。日本にはそういう力を持ったエンタメが少なくありません。中国にはない価値観を求める人々が、日本を含め海外のコンテンツをより強く求めるようになるのではと思います。
コメント (4)
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黄景瑜出演の映画『紅海行動』(OPERATION RED SEA)異例のロングラン

2018年03月12日 | エンタメの日記
今年の春節は遅く、2月16日が旧暦の正月でした。約1週間に及ぶ春節休暇は映画業界にとってかきいれ時で、国産映画を中心にいくつもの大作が公開されます。
春節映画のひとつである『紅海行動』(OPERATION RED SEA)は、2月16日の公開から1ヶ月近く経つ現在も口コミで興行成績を伸ばしています。

この映画には、BL実写ドラマ『上瘾』(Addicted)の攻役・顧海(グーハイ)を演じていた黄景瑜(Johnny Huang)が主要キャストとして出演しています。
(黄景瑜について:過去ログ

『紅海行動』(OPERATION RED SEA)2018年2月16日公開 138分 3D


興行収入:33億元突破(3月12日現在。日本円換算で約550億円)
監督:林超賢(ダンテ・ラム)香港の監督で「紅海行動」の前に「湄公河行動」(OPERATION MEKONG)という同ジャンルの映画を成功させています。
出演:張澤、黄景瑜、海清、杜江、蒋璐霞(いずれも中国大陸の俳優)
製作:博納影業、中国人民解放軍海政電視芸術中心(人民解放軍海軍が製作バックについています)

ストーリー:ソマリア海域で海賊に襲われた中国商船の救出のため、中国海軍の特殊部隊が出動する。続いて、北アフリカの某国(架空の国)で動乱が勃発し、部隊は中国人居留者を避難させる任務を命じられる。しかし、動乱は化学兵器の技術秘密の取引が絡んでおり、中国人が人質に取られている。その人質を救出するため、8人の特殊部隊のレンジャーたちがアフリカの反乱軍に挑む・・という話です。

「紅海行動」の興行収入は33億元を突破しており、歴代中国映画の中でも2位になりそうな勢いです。
大ヒット映画のメインキャラとして出演したことで、黄景瑜の株が急上昇しています。
一連の中国実写BLドラマで攻役をやってた子たちは概して演技が上手かったですが、黄景瑜は特に俳優として恵まれた素質を持っています。
187cmの長身に筋肉質な体格、なおかつ顔が小さいのでさっぱりした印象を与えます。アクションものでは重宝されるルックスの持ち主です。
飄々とした目つきと声が個性的で、幅のある役柄ができそうです。





「上瘾」(Addicted)は黄景瑜の出世作ですが、中国国内では放送・配信が厳禁されており、公式の場で「上瘾」の名が出ることはありません。インタビュー記事などでも「上瘾」のタイトルは伏せて「某人気ネットドラマ」などと書かれます。

「『上瘾』に出てた子がこんな映画に出てるんだな・・・」くらいの気持ちで観にいったのですが、とんでもない映画でした。
「紅海行動」は全編3Dの戦闘シーンで、残酷で血なまぐさいシーンの連続です。個人的にはあまり好きな題材の映画ではないのですが、それでも映像力があまりにもすごくて、観終わった後は「すごかった」と「面白かった」の二言しか出てきませんでした。
薄暗い船室や砂埃の舞う荒野で戦いが繰り広げられ、緊張感が緩むときが一瞬もありません。
特殊部隊の8人の隊員は選び抜かれた精鋭ではあるものの、突出したヒーローや天才がいるわけではありません。
冷静で実直な隊長の指揮のもと、各自の技能を生かしてチームで戦います。ただし、その戦いぶりは軍人というよりは、現代武器を駆使する剣客のような印象を与えます。
正規の中国軍人という設定なので、国に対する忠誠は絶対的で、戦いに怯えることはあっても任務に抗うことはありません。
どんなに不可能と思われる任務も諦めずに、ひたすら冷静に立ち向かっていきます。





ここ数年、中国では軍事映画が流行っています。
「湄公河行動」、「戦狼Ⅰ・Ⅱ」、「紅海行動」と軒並み成功しているので、今後も同ジャンルの映画ができるのではと思います。
このジャンルの名作として知られるのが米国映画「ブラックホーク・ダウン」(2001年、リドリー・スコット監督)で、雛形として影響を与えていると思われます。
しかし、中国の一連の現代戦争映画がどんなに映像的に優れていても、海外では評価されにくいかもしれません。
なぜなら、戦争映画でありながら、平和を希求するというメッセージ性に欠けるからです。
中国の戦争映画は、「この世から争いや衝突を完全になくすことは現実的に不可能。それならば自分が強くなるしかない。」という価値観に基づいています。
「紅海行動」のラストに中国海軍の艦隊が出てきます。そのシーンは「あくまでも自衛のために戦うのだ」と強調しています。
つまり、反戦的とはいえないけれど、好戦的というわけでもなく、刺激的な商業大作でありつつ国の価値観を絶妙に反映させた非常にハイレベルな映画です。
コメント (5)
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TFBOYS後輩グループのデビューは・・・。TF家族とTF練習生

2018年03月07日 | エンタメの日記
中国最強のボーイズグループ・TFBOYS。彼らが出ている広告を見ない日はないほど売れっこの3人ですが、成人を目前にしてソロ活動が増えています。中国は18歳で成人です。
メンバー最年長の王俊凱は昨年9月に名門・北京電影学院に進学し、生活拠点が重慶から北京に移ったこともあり、3人での活動は実質的に難しくなっています。

TFBOYSはもともと重慶に拠点を置く芸能スクールに在籍していた男の子たち3人で結成されました。
過去ログ:中国最強のショタグループTFBOYS~EXOに迫る勢い・・・?
スクールを運営している芸能会社は、現在「TFエンターテイメント」と呼ばれています。
TF ENTERTAINMENT(北京時代峰峻文化芸術発展有限公司(Time Fengjun Entertainment)公式サイト:http://www.tfent.cn/

TFエンターテイメントに所属しているタレントは、デビュー前の子も含めて「TF家族」といいます。
明らかに、日本のジャニーズ事務所や韓国のSMエンターテインメントの様式を参考にしています。
「TF家族」には男の子しかいません。デビュー前の子を「TF練習生」といいます。

TF練習生の人数やメンバーは流動的で、現在公式サイトにプロフィールが掲載されている練習生は18人です。
TF Family 練習生:http://www.tfent.cn/article/plist.html?cid=29

TF練習生はこれまでもネット番組などで露出していましたが、昨年11月、ついに人気バラエティ番組「快楽大本営」(HAPPY CAMP)に出演しました。
「快楽大本営」(HAPPY CAMP)は、中国で最も成功したバラエティ番組で、今年で放送21年目という長寿番組でもあります。
2017年11月11日放送の「快楽大本営」では、TF練習生たちが「超人誕生日記」という曲を披露しました。
EP「超人誕生日記」に参加したのは10人のTF練習生です。


「快楽大本営」(HAPPY CAMP)TF練習生「超人誕生日記」


湖南衛視 2017~2018カウントダウンコンサート(跨年演唱会)での「超人誕生日記」


EP「超人誕生記」の10人のメンバーに入ったのは、
丁程鑫、敖子逸、陳璽達、張真源、宋亜軒、馬嘉祺、李天澤、劉耀文、陳泗旭、賀峻霖の10人です。
最年長が2002年2月24日生まれの丁程鑫、最年少が2005年9月23日生まれの劉耀文で、12歳~16歳のメンバーで構成されています。

上段:賀峻霖、宋亜軒、陳璽達、敖子逸、丁程鑫  
下段:馬嘉祺、張真源、陳泗旭、李天澤、劉耀文




ただし、「超人誕生日記」を歌った10人が、ひとつのグループとして正式にデビューするとは思われていません。
この10人の中から、5人組もしくは3人組のグループを作るのではと予測されています。
「5人組グループを二つ作って、全員デビューさせてほしい」とファンは願っていますが、それが難しいということも何となく分かっています。

10人の中に、デビューが確実視されているメンバーがいます。それが、先日16歳になったばかりのTF練習生のセンター・丁程鑫です。
この子は何年も前からTF練習生の中心的な存在で、TF家族のネット番組にもよく登場しています。

丁程鑫 2002年2月24日生まれ。重慶出身。2013年TF家族に加入し練習生になる。


新グループができた折には、リーダーになるとことも確実視されています。というか、新グループ自体、丁程鑫を世に出すためのプロジェクトといっても過言ではありません。

EP「超人誕生日記」のパフォーマンスを見ると、全員かなりダンスが上手いです。振り付けのセンスもジャニーズJrと比べても遜色ないと思います。
パフォーマンスとしては、センターが固定されているわけではないのですが、中心になっているのはお兄さん組(2002年生まれ)の2人です。
その一人、馬嘉祺はTF家族に加入した時期は2017年7月とまだ日が浅いものの、フォーメーションでは重要なポジションを担っています。

馬嘉祺 2002年12月12日生まれ。河南省鄭州出身。2017年7月よりTF家族に加わる。


すごくダンスの上手い子です。身長は未公表なので実際どれくらいなのかよく分かりませんが、足がものすごく細くて長いです。
芸能活動のために韓国に渡り、韓国でのデビューを目指してもおかしくなさそうな子です。
ダンスと歌が上手く、明るく爽やかなキャラクター、幼少期からタレント活動の経験があり、子役出身と言われています。

TFBOYSという偉大な先輩グループがいるものの、TF練習生の歩む道は平坦とはいえません。
TFBOYSの3人は、今後ますます個別の活動が増えるとみられています。それは、彼らが「TF家族」という枠組みから離脱することを意味します。そうなると、新たにデビューするグループは、先輩であるTFBOYSからの応援を受けることができなくなります。
そういう背景もあり、丁程鑫は「16歳にしてTF家族の未来を決める重責を負っている」と言われています。

TFエンターテインメントがジャニーズを意識しているのは明らかです。
男の子しか採用しないこと。健康的なイメージを重視すること。小さな頃から練習生としてファンに名前を覚えさせること・・・。
しかし、TFエンターテインメントが中国芸能界に登場してから、まだ5年余りしか経っていません。
TFBOYSは絶大な成功を収めましたが、今後、TF家族、TF練習生がジャニーズのようにひとつの芸能文化を形成できるかどうかは分かりません。

芸能文化が根付くためには、平和で安定した時代が長く続く必要があるのだと思います。
商業経済の苛烈な発展が続く中国では、成功したときのリターンは大きいけれど、変化のスピードが早すぎて、人の心に浸透する前に新しい波に襲われてしまいます。人の心は熱しやすく、乾きやすく、だからこそ新しくてみずみずしいものが常に求められています。

コメント (8)
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