上海阿姐のgooブログ

FC2ブログ「全民娯楽時代の到来~上海からアジア娯楽日記」の続きのブログです。

五月天(Mayday)ノアの箱舟ツアー ~ 欧米ビッグネームより、中華圏の“ロック”はやっぱり五月天。

2013年08月28日 | エンタメの日記
8月21日(水)にエアロスミスが上海公演を行う予定でしたが、公演の2日前になって公演キャンセルが発表されました。
エアロスミスの公式サイトにはメンバーが「上海・台北公演の中止が決定した。中国公演は長年の夢だったのに非常に残念」「いつか必ず上海・台北公演を実現させたい」といったメッセージが発せられました。
公演主催者からキャンセルの理由が正式に発表されなかったため、キャンセルの原因について関係者の様々な推測がネットニュース上に飛び交いました。「契約上、集客率が7割以上に達することが条件になっていたが、チケットの売行きが悪く条件を満たせなかった」ことがキャンセルの原因という説もありますが、別の関係者は「そのような条項は普通は契約に含まれていない。含まれていたとしても形式上のものに過ぎない。」と反論しています。また、会場の虹口サッカー場のキャパは2万4千以上とされていますが、5000枚程度しか売れていなかったとも報道されています。しかしこれについても、「最後の数日で(値下げをするなどして)大量に売りさばく方法はあったはず。たとえ5000枚しか売れていなくても、主催者は公演を放棄するべきではなかった。」という意見もあります。(参考ニュース 中国新網 網易娯楽 新浪娯楽

チケットは払い戻しされましたが、チケットの郵送料、コンサートに行くための交通費、ホテル予約などのキャンセルの手間はすべてのファンの負担となり、2日前に公演中止するのはいかがなものかと批判の声が上がっています。

8月は「欧米大物アーティスト」が次々と上海で公演を行いましたが、興行成績的に上々だったのはメタリカだけだったと言われています。あるネットニュースでは「世界に名高い欧米ロックも、中国市場では五月天(MayDay)、蘇打緑(SODAGREEN)には敵わないようだ」などとも書かれています。

五月天(Mayday)は中華圏で非常に人気があるバンドです。1999年に台湾でデビューして以来10年以上、C-POPグループの中で圧倒的な人気を持ち続けています。メンバーの兵役が終わり台湾復帰を果たした後、本格的に中国大陸進出し、今では中国のあらゆる都市でライブを成功させています。

中華圏ではマヤ暦人類滅亡説をモチーフにした映画『2012』(2009年公開)が大ヒットし、ノストラダムスの大予言的な社会ブームを巻き起こしました。そんな中、五月天は2011年末に「諾亞方舟」(ノアの箱舟)という曲を発表し、終演と再生、別離と永遠を歌ったこの曲は、2012年度台湾金曲奨を受賞するなど高い評価を受けました。

五月天は2011年12月に台北から「ノアの箱舟(NO*W*HERE)世界ツアー」をスタートし、映画『2012』で世界の末日とされた2012年12月22日には、台湾高雄スタジアムでライブを開きました。この日を境に、後続版である「ノアの箱舟 再生の明日」ツアーをスタートさせ、合計約1年10カ月に渡る世界ツアーは「40都市71公演、248万人を動員」したと言われています。今年8月17日(土)に北京国家体育場(鳥の巣)で行われた公演が第67回目の公演で、9月に台中で4公演が控えています。
■ノアの箱舟ツアー2013  ■ノアの箱舟・再生の明日ツアー2013
  

約2年間で40都市71公演というと、ほとんど毎週コンサートをやっている計算になります。そして、71公演で248万人動員ということは、1公演平均3.4万人動員したことになりますが、71公演のほとんどがサッカー場やスポーツスタジアムなど屋外大型スタジアムで行われています。
2年弱のツアーで訪れた40都市のうち約3分の2は中国の都市です。例えば2012年3月のスケジュールをみると、
2013年3月2日~3日 マレーシア、3月9日 杭州、3月16日 雲南省昆明、3月23日 貴陽、3月30日 重慶という具体に、まさに大陸横断しています。

私は第29公演2012年10月5日上海虹口サッカー場公演と、第63回公演2013年7月20日上海8万人体育場公演に参加しました。
彼らはこの2年間、ほとんどの時間をライブツアーに費やしていたので、新しいアルバムを出さない状態で上海にまた戻ってきたことになります。2013年7月20日の公演に行ったときは「去年とほとんど同じ内容なのかな」と思ったのですが、全く違う内容でした。

7月20日の上海8万人体育場の五月天ライブが、本当に素晴らしいライブでした。
どでかい屋外スタジアムが最後方ブロックまで満席、PA、映像効果も申し分なく、特製オフィシャルペンライトによる演出、超巨大モニター、移動舞台など、大スタジアムに合わせた工夫と演出がこらされています。バンドライブなのですが、年々ショー的な要素が強くなっていると思います。

■上海8万人体育場 


■五月天のイメージカラーは青。


■特製オフィシャルペンライトは自動的に色が変化。ステージ左右に超巨大スクリーンを導入。


■移動ミニステージ式車両でゆっくりスタジアムの外周を一周。これがノアの箱舟か・・・?


■アンコールから雨が降り始め、終わった頃には小雨になっていました。


五月天のライブは長いです。最低でも3時間半、長いと4時間やります。終演は早くて夜11時、遅いと夜11時半を過ぎます。もちろん地下鉄はなく、4~5万人の観客によるバスとタクシーの争奪戦が行われます。

約3時間半のライブで「五月天ワールド」に洗脳されます。
五月天の曲の歌詞はほとんどボーカルの阿信が書いていますが、とにかくいい歌詞なのです。誰にでもある恋愛、友情、別れ、挫折などをリアルかつ詩的に描き、独自の世界観を作り上げています。成長をテーマにした曲も多いかもしれません。五月天の歌詞を理解する、ただそれだけが目的だとしても十分中国語を勉強する価値があると思います。それくらい素晴らしい歌詞なのです。(五月天は「台湾のミスチルまたはGlay或はB'z」などと喩えられることが多いですが、バンドのブランディングなどはラルク・アン・シエルのやり方に似ているような気がします。)
ロックバンドに分類されますが、歌詞も楽曲もソフトで、社会的なメッセージとは距離を置いていたことが、中華圏で幅広く且つ長い人気を得られた秘訣かもしれません。

五月天と日本の縁は深く、アルバムを日本で録音したり、日本旅行のフォトブックを出版してたりします。最近は定期的に日本でもライブを行っています。中華圏では五月天のライブといえば最低でも1万5千人クラスのアリーナホール、北京や上海では3~5万人クラスの屋外スタジアムなので、千単位のホールでライブを真近に見ることができるのはものすごく貴重なチャンスだと思います。

おまけ 五月天が出ている広告

■台湾、中国大陸:ファミリマート(全家) ■中国:乳製品メーカー 蒙牛
  

■中国:カップラーメン大手の康師傅。
五月天は中国では食品のコマーシャルにやたら出ています。食品広告のデザインは全体的にいまいち。「商品が何か分ればいい」というかんじ。


■中国:コカコーラ


■台湾:カシオ G-SHOCK
コメント (23)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

郭敬明原作の映画『小時代~TINY TIMES』公開。大陸と台湾の若手俳優を集めた豪奢な“上海映画”

2013年08月18日 | エンタメの日記
中国で有名な流行作家の名前を挙げてください言われると、ほとんどの人がある二人の名前を挙げると思います。
韓寒(ハン・ハン)と郭敬明(グオ・ジンミン)です。
この1980年代生まれの二人の男性作家は、10年程前に20歳になるかならないかの若さで世に出て、新世代の作家として時代の寵児となりました。
韓寒(ハン・ハン、1982年生まれ、上海出身)は反逆的、社会的な内容の作品が多く、作家のほかにカーレーサー、歌手の肩書きもあります。
郭敬明(グオ・ジンミン、1983年生まれ、四川省出身)の作品は10代の少年少女、20代の若者の恋愛や友情などを綴ったものが多く、少女漫画の世界のような作風で中高生の読者が多いです。
韓寒と郭敬明は、多くの企業のイメージキャラクターを務めテレビCMにも出演している「タレント作家」です。郭敬明はEEMedia(天娯)という大陸の大手芸能事務所と契約し、頻繁にテレビや雑誌に登場しています。他にも若手人気作家はいるのですが、この二人のメディア露出度は突出しています。

2013年、郭敬明の小説『小時代』(TINY TIMES)が、郭敬明本人の監督作として映画化されました。
小説『小時代』は全3部作で、パート1(1.0)が発行されたのが2008年、パート3(3.0)も2011年に発行済みで既に完結しています。また、郭敬明のプロデュースのもと小説と平行して漫画版も発行されています。2013年3部作として映画化され、多メディア展開に成功した中国産コンテンツの一つとして注目すべき作品です。

■ 2013年6月27日『小時代1.0』公開。8月8日『小時代2.0』公開。
  

監督、原作、脚本:郭敬明
監修:アンジー・チャイ(柴智屏。台湾アイドルドラマの教祖と言われる。F4を発掘した) プロデューサー:安暁芬、崔震東
大陸映画ですが、台湾のプロデューサー、台湾の女優、俳優を多く起用しています。

もともと三部作の予定で、1.0公開の時点で映画版の2.0はすでに完成していたと言われています。今ちょうど2.0を公開中ですが、8月15日の時点で1.0と合わせて7億元を突破したと報道されています。
【タイトル】『小時代』2部合わせて興行収入7億元突破。評価の低さに反して興行成績好調。
【ニュース】http://culture.people.com.cn/n/2013/0815/c172318-22578808.html?prolongation=1 (人民網 2013年8月15日)

この作品は、高校時代からの仲良し4人組の女の子が大学に進学し、学生生活を終え社会に出ていく過程で経験する恋愛、友情、仕事、家族に関する様々な問題を、この上なくゴージャスに描いた青春群像劇です。
■ストーリーの中心となる4人の仲良し女友達。


映画の舞台となるのは上海で、ハイクラスの象徴である実在のスポットを舞台にし、高級品を全面にちりばめたバブル的な雰囲気のゴージャスな青春映画です。1.0が公開されたとき、「浅薄な物質主義を煽る子供を騙すような映画」、「青少年の拝金志向を助長する、教育上好ましくない表現がある」と批判されたほどです。確かに1.0はストーリー的にも軽薄なイメージが拭えず、「中身がない」と批判されるのも理解できます。ですが2.0は良くできています。また、女友達4人組とその彼氏または片思いの相手、上司、同僚などに、たくさんの新世代の俳優・女優がキャスティングされており、大陸エンタメ好きの阿姐にとっては必見の映画です。

■映画『小時代』キャスト
【役名:顧里/グリー)】主役の一人。国際金融学専攻、秀才でしっかり者。家は財閥。女王様気質だが面倒見が良く努力家。
  
演じるのは郭采潔(アンバー・クォ)。1986年生まれ、台湾人、映画・ドラマ女優、歌手。

【役名:林蕭/リンシャオ】他の3人の女友達と違い何か突出した才能があるわけではなく、普通の可愛い女の子。小説は林蕭の一人称で語られる。
  
演じるのは楊羃(ヤン・ミー)。1986年生まれ、大陸出身の女優。「仙剣奇侠伝3」とタイムスリップものの宮廷ドラマ「宮」で一躍スターに。ここ2~3年で急激に売れた女優。

【役名:顧源/グユエン】顧里の彼氏。財閥の御曹司。事業家の母親から顧里との交際を反対されている。
  
演じるのは柯震東(クー・チェンドン/カイ・コー) 1991年生まれ、台湾人。2011年台湾映画『那些年我們一起追的女孩』(邦題「あの頃、君を追いかけた」 2013年9月公開予定)でスクリーンデビューし一躍有名に。中華圏の新世代アイドル。

【役名:周崇光/ジョウ・チョングァン】人気作家。イケメン。何事にも飄々とした態度で接するが色々と秘密がある。
  
演じるのは陳学冬(チェニー・チェン)。1991年生まれ、大陸出身。「小時代」で映画デビュー。韓国のcubeエンターテイメント(BEAST所属の事務所)でレッスンを受けた経歴あり。韓国アイドルっぽいルックス。

・・・・設定、展開いずれも少女漫画のような話です。
しかも、恋人からのDV、恋人以上に親密な女同士の友情など、中華圏にはあまり見られないけれど、日本の少女マンガには比較的頻繁にみられる要素が入っており、郭敬明は日本少女漫画オタクなのかと言いたくなります。郭敬明のある作品は、モノローグの雰囲気が漫画「NANA」に酷似していると中国の新聞やネットで疑問視されたことがあります。

2.0の方が1.0よりずっと面白く、脚本と演出が優れています。2.0は映画としてよくできており感動しました。しかも2.0は台湾のバンド蘇打緑(SODAGREEN)が主題歌(我好想你)を提供しており、蘇打緑のおかげで芸術点が10倍くらい加算されているかもしれません。1.0には蘇打緑の曲は使われていません。この差は非常に大きいです。
■蘇打緑(SODAGREEN)「我好想你」


映画『小時代』は辛口の点数をつけられており、それでなくても小説家としての郭敬明には厳しい意見が寄せられることが多いです。しかし、郭敬明は単なる作家であり続けたわけではありません。郭敬明は2006年から「最小説」という月刊小説誌をプロデュースし、派生雑誌として漫画雑誌「最漫画」も立ち上げました。流行性とビジュアルを重視した小説誌は学生を中心とした若い世代の高い支持を集め、『小時代』も「最小説」に連載されていました。小説、漫画、映画と多メディア化を実現し、プロデューサー、事業家としてセンスと実行力があり、大きな成功を収めたといえます。

■小説「小時代1.0」/ 漫画版「小時代2.5」/ 小説雑誌「最小説」
    

■映画監督としての郭敬明。雑誌やテレビなどメディア露出が非常に多い作家です。




【追記】2014年7月19日に公開された「小時代3:刺金時代」は同ブログのこちらの記事をご覧下さい。
コメント (13)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

8月の上海は「欧米大物アーティスト」のコンサートラッシュ

2013年08月11日 | エンタメの日記
今年の8月、上海では欧米大物アーティストのコンサートが相次いで開催されます。そのほとんどが1990年代に世界的なブームを起こしたアーティストたちです。

■ジャミロクワイ 上海コンサート 2013年8月6日(火)場所:上海大舞台

ジャミロクワイ上海単独ライブは、8月17日/18日に上海8万人体育場で予定されている野外フェス「Sonic Shanghai」のプレイベント。

■メタリカ 上海コンサート 2013年8月13日(火)/8月14日(水) 場所:上海メルセデスベンツアリーナ


■ペット・ショップ・ボーイズ 上海コンサート 2013年8月20日(火) 場所:上海大舞台


■エアロスミス 上海コンサート 2013年8月21日(水) 場所:虹口サッカー場


この中でも特にメタリカのチケットの売行きがよく、当初8月13日の一公演のみでしたが、発売後即刻完売したため、8月14日(日)に異例の追加公演が決定しました。会場はメルセデス・ベンツ・アリーナで、先日東方神起やG-DRAGON、Jay・Chou、BIGBANGなどがライブを行った会場です。

【ニュース】メタリカ上海コンサート追加公演決定。
http://enjoy.eastday.com/c8/2013/0708/2316591120.html (2013年7月8日 新民晩報)
【概要】一度も中国で公演をしたことのなかったメタリカは中国本土で受け入れられるのか不安を抱いていた。しかし、上海公演のチケット発売開始の約1時間後にはそれが杞憂に過ぎないことが分った。発売開始とともに中国全国のファンが殺到し、約1万枚のチケットは約1時間のうちにほぼ売りきれの状態となった。ネット上では8000元(約12万円)の値がつけられているものまである。

今年の8月は特に公演が集中していますが、「欧米大物アーティスト」の中国公演ラッシュは数年前から始まっています。Back Street Boysは2013年にデビュー20周年アジアツアーを行いましたが、欧米アーティストとしては異例の中国7都市公演(北京、上海、広州、深セン、南京、成都、福州)という大ツアーを決行しました。当初、客層は30代、40代ばかりかと思われていましたが、実際には20代の観客が大半を占めたそうです。「90年代に学生時代を過した世代が当時憧れた洋楽アーティストのコンサートを、大人になったいま中国国内で観る」というケースが想定されますが、意外に若い世代の観衆も多いようです。いまの20代半ば(社会人2~3年目)の中国人の中には洋楽を好む子は多く、最近ではカラオケに行くとMaroon5の「Moves Like Jagger」などをよく歌っています。

欧米アーティストの公演が集中していることは新聞記事でもよく取り上げられており、この現象について次のように分析されています。

【ニュース】中国市場は金のなる木。欧米大物アーティストが次々と中国に上陸。
http://news.qtv.com.cn/system/2013/06/09/010505606.shtml(2013年6月9日 揚子晩報)
【概要】ここ数年、欧米の大物アーティストが次々と中国に上陸している。欧米の市場が飽和状態にある中、中国は経済成長期にあり、中国が良い出稼ぎ先であることはもはや欧米アーティストの間では常識となっている。全盛期を過ぎたアーティストでも中国に来れば「ビッグネーム」の待遇で迎えられる。かつては第一線のスターが中国に来ることはまずなかったが、ここ数年状況が変化し、多くの欧米アーティストが中国公演を開こうと列をなしている。中国の聴衆が求める音楽が徐々に多様化し、POPS、ロック、HIPHOP、ジャズ、カントリー、ソウルなど、細分化されたジャンルの音楽を求めるようになっているという背景がある。しかも最近は市場が成熟しルールが遵守されるようになってきたことも、欧米アーティストの進出意欲を誘う原因になっている。中国側としては、欧米アーティストのプロ意識、高いエンタメ性、舞台演出力などから多くを学ぶことができる。彼らの目的が出稼ぎであろうと、ファンの声に応えるためであろうと、音楽を通じて交流を持つことは何ら悪いことではない。

この記事ではまた、「現在のアメリカのチャート上位はほとんどがHIPHOPとR&Bで占められており、特にHIPHOPの勢力が強い。伝統的なPOPSの時代は終わったと言う人もいる。しかし中国ではニーズがある。」と分析されています。
HIPHOPでは、PITBULLのA2Liveワールドツアーの一環として上海・北京公演が行われます。
■PITBULL 上海コンサート 2013年8月27日(火) 上海メルセデスベンツアリーナ


更に10月の中国建国記念連休の時期にはSUEDE、ジャスティン・ビーバーなどの公演が控えています。
■SUEDE 上海コンサート 2013年10月3日 場所:上海大舞台


■ジャスティン・ビーバー 上海コンサート 10月5日 場所:上海メルセデスベンツアリーナ


韓国勢はボーイズグループが定期的に中国にも来ており、8月24日(土)はSuperJuniorがコンサート(Super Show5)を開きます。8月24日にSuperShow5上海が開催されるという情報はずいぶん前から流れていたのですが、大手チケットサイトで情報が公開されないのでどうしたものかと思っていたのですが、8月6日になって、主催者が直接チケットを発売するという前代未聞の販売形式を発表しました。具体的には、主催者の公式ウェイボ(中国版ツイッター)の個人メッセージ機能と電話を使って直接販売するというのです。その後、「再度検討した結果、いくつかのチケット業者を通じてチケットを販売することにした」と公式ウェイボ上で発表し、チケット販売業者が取り扱うようになりましたが、残席は少ないようです。
■SuperJunior 上海コンサート チケット業者「買票網」(mypiao)では980元の座席のみ販売中。(2013年8月11日時点
http://www.mypiao.com/ticket/100054054

9月30日(月)にはCNBLUE、11月30日(土)にはSHINee上海コンサートが予定されています。
■チケット業者 永楽票務 11月30日 SHINee上海コンサート 場所:上海大舞台
http://www.228.com.cn/ticket-46055435.html
※フォーム形式になっていますが、このフォームに連絡先を登録すると、チケット発売の詳細が決定次第、電話・ショートメッセージで情報が送られてくるというものです。このフォームに登録することで予約が正式に成立するわけではありません。

2012年秋以降、尖閣問題を受けて日本のアーティストの中国大陸公演は激減していますが、日本のロックバンド「ONE OK ROCK」が11月8日 (金)に香港でコンサートを行います。上海人の友達が自分でチケットを買って香港まで観に行くと言っていました。もうチケットが届いたそうです。
「ONE OK ROCK」香港ライブ 2013年11月8日(金)場所:アジア国際博覧館8号館
現地チケットサイト:http://www.hkticketing.com/Ticketek/event/nswcms_event.asp?id=6890

去年の今頃は2012年10月27日に予定されていたアニサマ上海(Anisama in Shanahi 2012)を楽しみにしていました。しかし、チケット発券後であったにも関わらず、同年9月に中止が決定し非常に残念な思いをしました。ファンは復活を心待ちにしています。尖閣問題の影響がピークであった2012年9月を境に日本アーティストの中国公演が減り、韓国は横ばい又はやや減少、かわりに欧米アーティストの公演が激増したように感じます。

■おまけ 2012年CCG Expo上海のアニサマ上海チケット発売ブース。
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「イタズラなKiss~Love in TOKYO」中国で大人気。新版入江君・古川雄輝が上海でファンミーティングを開催

2013年08月07日 | エンタメの日記
ラブコメ少女漫画の傑作「イタズラなKiss」はこれまでに日本、台湾、韓国でドラマ化されてきました。特にジョセフ・チェンとアリエル・リン主演で制作された台湾版は中華圏で大ブームとなり、台湾アイドルドラマ史に燦然と輝くヒット作です。日本では台湾版よりも早く1996年に柏原崇と佐藤藍子主演でドラマ化されていますが、2013年の春、再び日本でドラマが制作されました。
「イタズラなKiss~Love in TOKYO」 放送期間:2013年3月29日~7月19日(全16話)
放送局:フジテレビTWO(CSチャンネル) 主演:古川雄輝、未来穂香、山田裕貴


日本ではCSチャンネルで深夜に放送されていたので、必然的に視聴できる人が限られていたかと思いますが、このドラマは中国で大ヒットしました。2013年春季にちょっとした社会現象になるくらい流行りました。中国でこんなに日本のドラマが流行るのは本当に久しぶりです

いまの中国の10代、20代の女の子のほとんどが台湾ドラマ版「イラズラなキス」(惡作劇之吻)を観たことがある、若しくはきちんと観たことがないとしても大体のストーリーを知っています。そのうえで、2013年版「イタズラなKiss~Love in TOKYO」は中国で大ヒットしました。
北京の新聞記事(2013年7月17日法制晩報)によると、ドラマ視聴サイト(愛奇芸網)では「イラズラなキス」全話合計クリック数が、4000万回を超えたと報道されています。(全16話で、この新聞記事が配信された当時は15話まで放送済み)

【ニュース】新版「イタズラなキス」中国で大人気。日本では純愛ドラマは流行らず。
http://www.fawan.com.cn/html/2013-07/17/content_445337.htm (2013年7月17日 法制晩報)
【概要】今週、日本の漫画原作ドラマ--2013年版「イタズラなKiss」(中国タイトル:一吻定情)が最終回を迎える。この10年間、何度もリメイクされてきた作品であるが、なおも多くの中国の少女たちを夢中にさせている。ここ最近ネットのドラマ視聴ランキングで1位の座を獲得し、中国国内の動画サイトのカウンターによると、最もクリック数が多かった回は126万クリックを突破している。

この記事の後半部分はドラマ制作関係者(日本人)へのインタビューを掲載し、新版「イタズラなキス」は日本ではそこまでの話題にはならなかったこと、日本では純愛ドラマより推理ものなどの方が人気を集めていること、現在の日本ドラマ界の傾向なども紹介されています。

「イタズラなKiss~Love in TOKYO」はなぜ中国でこれほどまでに流行ったのか・・・?

ドラマを実際に見てまず感じたことは、アジアの若い女の子に好まれそうな要素がたくさん入っているということです。
東京タワーをはじめとして、日本料理、振袖、おしゃれな制服、ファンシーな小物など、日本カルチャーのシンボル的なものがふんだんに取り込まれています。これらは、アジア圏の女の子たちが好み、また憧れる日本的要素です。主人公の琴子の身の回りのアイテムや服装、そして毎日変わる髪型なども注目を集めました。細かいビジュアル面が丁寧でリアル、かつ可愛らしく作られており、映像として魅力的です。中華圏や韓国で知名度の高いドラマなので、海外で放送することを念頭に入れて制作されていたのでしょうか。
原作の漫画を読んだことがないはずの中国の視聴者が、「漫画原作に忠実に作られている」とよく語っています。これは、ストーリーや設定が原作に忠実だという意味ではなく、マンガチックな雰囲気やコミカルなテンポがそのままドラマに反映されているという意味のようです。確かにカメラワークがアニメっぽい感じがします。アニメ監督が作っているのかと思ったほどです。

しかし、何ともいっても2013年版の人気の一番の原因は、主人公の「入江君」を演じた古川雄輝にあります。

このドラマが放送されるまでは古川雄輝は中華圏ではほぼ全く知られていない存在でした。新版「イタズラなキス」の制作情報が流れた当初は、見知らぬキャストだったのであまり期待されていませんでした。ところが放送が始まり、回を重ねるごとに古川雄輝の人気が上昇しました。古川雄輝は歴代の入江君にはなかったある武器を持っており、それが中国の少女の心を掴んだともいえます。もはや伝説のシーンとなっているのは第2話の「オン・パーパス」です。第2話の中に高校3年生の入江君が期末テストに向けて琴子に英語を教えるシーンがあります。登校中歩きながら入江君が英単語をつぶやき、琴子に意味を答えさせるというシーンなのですが、入江君が「on purpose」とネイティブの発音で言うと、琴子が聞き取れなくて「え?」と言います。そこで、カタカナ発音で「オン・パーパス!」と言い直すと、琴子が「わざと?」(on purposeの意味は「わざと」)と答えるというシーンなのですが、この一連のシーンが中国でものすごくウケたのです。古川雄輝の「on purpose」というキレイな発音とカタカナ英語のギャップによほど感じるところがあったらしく、何十万という少女が“萌えた”のです。

オン・パーパスは中国漢字で当て字表記すると「昂帕帕斯」となり、中国の古川雄輝ファンの代名詞ともなっています。

■bilibili動画「オン・パーパス」のカット(bilibli動画は中国の弾幕サイト。ニコニコ動画を倣って作られた)


「古川雄輝版入江君の英語の発音はネイティブみたい」というところから、本人に対する興味が高まり、「帰国子女、慶応大学、理工学部出身・・・」というプロフィールが流れると、「リアル入江君ではないか」とますます古川雄輝本人に関心が寄せられるようになりました。

ついに、7月21日には上海で古川雄輝のファンミーティングが行われたのです。

日本人俳優が中国で大規模なファンミーティングを開催したのは史上初だと言われています。声優のファンミーティングは中国で何度も行われていますが、日本人俳優が中国でファンミーティングを開いたという話を聞いたのは初めてで、前例を思いつきません。
ファンミーティングが決定しチケットが発売されたのはかなりギリギリでしたが、最終回放送直後という抜群のタイミングで上海ファンミーティングが開催されファンを驚かせました。
日時:2013年7月21日 14時~/19時~
場所:上海浅水湾文化芸術センター チケット:580元/780元/880元 

【ニュース】古川雄輝、中国で初めてファンミーティングを開いた日本人俳優。
http://ent.qq.com/a/20130722/012010.htm(騰訊娯楽 2013年7月22日)
【概要】日本の俳優古川雄輝が7月21日に上海でファンミーティングを開催した。中国でこの種のイベント活動を行った日本人俳優は古川雄輝が初めてである。ファンミーティングには1200名のファンが参加し、交流を楽しんだ。7月20日に上海に到着したときは1000人近いファンが上海虹橋空港に集まり、ホテルには300人近いファンが押し寄せていたことからも、その人気をうかがい知ることができる。
■ 騰訊娯楽 2013年7月22日のニュース記事の写真(写真出典リンク


■中国のアイドル雑誌Easyの表紙に。2013年7月下半期号。


インタビュー記事(6ページ)
 

琴子を演じた未来穂香も同じ号に紹介されています。
  

入江君だけではなく、未来穂香の琴子も非常に好評でした。とても若い女優さんですが、可愛いし演技が上手いと思います。未来穂香の仕草や表情も、海外視聴者にとっては“萌え”要素が多分にあります。主役の人気だけに頼っているわけではなく、脚本や演出が丁寧かつテンポ良く作られており、ドラマとしてよくできています。特に前半の高校時代編が面白いです。すでにアジア、北米で放送されているそうですが、日本よりも海外で高い評価を受けるのではと思います。
コメント (14)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする