上海阿姐のgooブログ

FC2ブログ「全民娯楽時代の到来~上海からアジア娯楽日記」の続きのブログです。

四川西昌~絵文字のような少数民族文字~涼山彝族(イ族)自治州西昌市

2013年03月24日 | 普通の日記
今年の旧正月休みは四川省に行ってきました。四川省の省都である成都と西昌という町に行きました。正式には「四川省涼山彝族自治州西昌市」といい、少数民族の自治州の中にあります。

中国の少数民族“彝族”(イ族)

彝族(イ族)というのは中国の少数民族の一つで、主に雲南省、四川省、貴州省などを居住地域とし、人口は合計約776万人といわれています。

人口約776万人という数値は国政調査で出された統計データですが、776万人が一つの共同体を形成しているわけではありません。広い地域に散らばって居住しており、しかも主に山岳地帯に集落を作っており、それぞれが山脈や川で隔てられているため共同体の形成を難しくしています。「涼山彝族自治州」は彝族が最も集中的に居住する地域で、彝族文化振興の中心地にもなっています。「涼山彝族自治州」の州府が置かれているのが西昌市です。

西昌は衛星発射基地があることで有名です。成都の南方約500kmにあり、川西高原(海抜1500~2500m)一帯に位置しますが、一年を通じて暖かく太陽の日差しに恵まれた独特の地域です。2月10日に到着したときは最高気温が23度でした。日差しが強いですが乾燥しているので暑く感じません。

成都から西昌までは飛行機で約1時間15分。あっという間です。出発してしばらくは雪山が見えますが、次第に岩山に変わっていきます。かなり低い位置を飛んでいるように感じました。中国国際航空CA4592便(10:00上海発、13:15頃成都着〔国内線乗換え〕14:45成都発、16:00西昌着)
 

西昌の青山空港は小さな空港です。1日に数便しかフライトがありません。
彝族のシンボルカラーである赤・黄色・黒の装飾があります。そして空港の看板の隣には彝族の文字で「西昌」と書かれています。






絵文字のような原始的な不思議な文字

タクシーで西昌の街中に入ると、一度も見たことのない、不思議な彝族の文字(彝語)があふれていました。どの看板にも彝語が併記されているのです。
[市内中心地の大通りに面したホテル]

[中心地にある一番あるなデパート]

[商店街の看板。左が下着屋、右が男性向け洋服店。]

[商店街の靴屋の看板。旧正月休みでシャッターが下りている]

[洋菓子店の看板]

[大手携帯キャリア 中国移動通信(CHINA MOBILE)の看板]

[バス亭の表示看板]


[理髪・美容用品販売店。地下はイ族民族衣装のオーダーメイド店がある]


この文字に囲まれていると不思議な感覚になります。
漢字と一対一になっている文字も多く、ある程度数を見ていると、簡単な表現は見分けられるようになります。(実際には表音文字なので、漢字と対応しているわけではないのですが、漢字一文字に対し彝文字一文字で表すことが多いように思います)

彝文字の歴史は古く、文字の造型は甲骨文字に似ています。

しかし、この看板のイ族の文字は実質的にはそれほど役に立ってないと思います。
例えば飲食店の店の名前の看板には、彝族の文字が併記されていますが、店内に彝語のメニューがあるわけではなく、店内に彝語ができる人がいるわけでもないのです。この文字は「涼山規範彝文」と呼ばれるもので、彝族の文字を保存し、文字文化を現代に普及させるために国が整理したものです。彝族の人々同士でどの程度この文字を使用しているのかはよく分らないです。この文字を使った出版物を目にすることはなかったです。
街中の看板は「ここが彝族自治州だ」ということを視覚的に強調するシンボル的な意味の方が大きいです。
2004年頃から自治州の少数民族振興政策として、このようなイ族の文字を併用した看板に徐々に交換していったそうです。
出典:http://www.ls666.com/channel/city/2012-01/20120103_city_zh_79386.html
(イ族文化振興のため、民族文字を用いた看板に入れ替えるを進める。約3万枚の看板を取り替え。)
古い歴史を持つ彝文字を保存するために、文字の規範化事業が行われています。
参考:「ロロ文字/涼山規範彝文」wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B6%BC%E5%B1%B1%E8%A6%8F%E7%AF%84%E5%BD%9D%E6%96%87

[湿地公園の環境保護標識。上からイ語、中国語、英語]
コメント (4)
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初音ミク大感謝祭上海ビューイングから1年。文化交流回復は二次元から・・?上海魔音会にえなこ来場

2013年03月09日 | ACG
昨日は3月8日でした。3月8日はミクの日・・・・昨年2012年3月8月と3月9日は初音ミク大感謝祭のビューイング(中継)が上海でも行われました。阿姐は2日とも参加しレポを書いたりしました。(過去ログ

あのビューイングライブは楽しかった・・・!!2012年の前半は阿姐にとって楽しいイベントがたくさんありました。上海には声優やアニソン歌手などがしょっちゅう来てイベントをやってました。有名声優が毎月のように誰かしら来ていたたし、日系企業の協賛を得て日本カルチャー配信サイトの主催でflowやLiSAが無料ライブ(抽選制)を行ったりしていたのです。

2011年後半から2012年初頭にかけては、再び「中国進出ブーム」の波が来ていました。東日本大震災の影響で、国内拠点の電力供給が不安視されたことと、リスクとリソースの分散が求められたこと、円高が続いていたことなど、国内外の様々な要因により、中国に送り込まれる駐在員の数は増える一方でした。また、中国の収入レベルと物価が上がったため、日本と中国の消費水準の差が縮まってきたこともあり、「中国市場で売りたい」という勢いは一つのピークに達していたと思います。

ところが、これからという時だったのに・・・!

尖閣諸島国有化をきっかけにイベントが次々と中止になってしまいました。
もし尖閣諸島問題がなければ、2012年は日中国交正常化40周年ということもあり、オタク的に楽しいイベントがいっぱいあっただろうと思うと残念です。

2012年9月以降、日本人が中国で「文化活動」を行うことが難しくなっています。

●コンサート

2012年10月以降、谷村新司北京コンサート、アニサマ上海(水樹奈々が来る予定だった)がチケット発売後にも関らず中止されました。チケット代は返金されました。なお9月1日の中川翔子上海コンサートは開催されており、これ以降日本人のコンサートは行われていないのではと思います。
ただし「宮崎駿・久石譲映画音楽交響楽」など、本人が出演しない音楽会などは開催されています。
チケットサイト:http://www.cityticket.cn/5589/ 次回上海公演は2013年4月13日
なお、中国ではこのような宮崎駿映画音楽を交響楽団用にアレンジした音楽会が各地で多数開催されていますが、作曲家である久石譲の許可を得ずに行われているものもあるようです。

●日本人芸能人のテレビ出演

これまで中国のドラマやバラエティではよく日本人が出演していたのですが、見かけなくなっています。日本人俳優の中国映画への出演許可が下りなかったというニュースもありますが、日本人を出演させてはならないという具体的な政府通達は出ていないようです。しかし実際にドラマ制作側では、日本人俳優をキャストに加えると制作許可審査に通りにくい(または通らない)ので、日本人キャストを避けています。そのため中国で活動していた何人かの日本人俳優・女優は帰国しています。
AKB48の上海版「SNH48」がデビューし、日本人メンバーも2人いますが、政府首脳レベルで関係が改善され、改善されたことが公的にアナウンスされないかぎり、中国で大々的に芸能活動することは難しいと思います。テレビ局や新聞雑誌メディアは国家機関(文化部、広電部)の管轄下にあるので政治の大きな流れに逆らうことはしません。

●出版

日本人作家の作品の翻訳出版は続いています。ただし新聞や雑誌によっては日本人作家の本の広告を敬遠する傾向があるので、宣伝活動に苦労するそうです。


2013年も3月に入り、新しい首脳陣による全人代が始まりました。明るい兆しが見えるとよいのですが・・・。

と思っていた旧正月明けの2月23日、人気コスプレイヤーのえなこさんが上海のコミケイベントに現れました。文化交流回復は二次元から始まるのでしょうか。

コスプレイヤーが芸能人といえるのかどうか微妙ですけど、、イベントに日本人ゲストが出演するのが本当に久しぶりなので、非常に歓迎されました。


2月23日(土)同人イベント ComicCon12 + 第6回「魔音会」
http://www.comicon1111.org/PowerEasy/Article/Index.asp

「魔音会」の正式名称は「魔都同人音楽会」で魔都は上海のことです。「魔音会」はアニソン、ゲーム、ボーカロイドの人気曲をコスプレした子が歌うという同人ライブイベントです。年に1~2回行われています。中国人の子が日本語で歌いますがとても上手いです。
魔音会の風景。ステージ周辺に集まっていたのは2000人くらいでしょうか。ニコニコ動画を模倣した弾幕動画サイトbilibili(ビリビリ)などのサイトが協賛し、カメラも数台導入され、ステージ、照明、音響ともになかなか本格的な同人音楽イベントになっていました。




マクロスF「ダイヤモンドクレバス」同人イベントなので映像は勝手に借用だと思いますが、映像があるとないとでは盛り上がりが全然違います。

ソードアートオンライン「Crossing field」


2月23日はコミケにプラスして「魔音会」があり、しかもえなこが来るせいで、この日は普段よりもいっそうコスプレ率が高く、コスプレのレベルが高かったです。

千北桜(初音ミク)、悪ノ娘(鏡音リン)
  

左:うたの☆プリンスさま。この子たちは魔音会に出て踊ってました。
右:One Piece
  

「ハイキュー!!」です。アニメ化されてないのにすごいです。
  

左:2012-2013年冬季に一番流行ったアニメは「K」です。「PSYCHO-PASS」や「マギ」よりも流行りました。
右:東方Projectのコスプレ。女装禁止令は出てないので、中国では東方Projectの女装コスがものすごく多いです。
  

黒子のバスケ。脅迫状は来ていません・・・。


2013年3月7日には狂言師野村万蔵と女優の松阪慶子が上海理工大学の交流イベント参加し日本伝統芸術を紹介したと報道されています。二次元が文化交流の回復をひっぱってくれると信じてます!
コメント (9)
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