上海阿姐のgooブログ

FC2ブログ「全民娯楽時代の到来~上海からアジア娯楽日記」の続きのブログです。

2012年3月 福島市訪問記~西口広場の星のすみか

2012年03月27日 | 普通の日記
東日本大震災から1年が経った2012年3月、市場調査の仕事で福島市に数日間滞在した。震災後東北に行くのは初めてだ。早朝の東北新幹線で東京から福島に向かった。ちょうど休日だったので東京駅の新幹線乗り場はスキー客や観光ツアー客で思いのほか混み合っていた。仙台方面行きの東北新幹線は大宮から乗ってくる人が多く、始発駅の東京から乗ると自由席でも余裕で座れた。
【東北新幹線】東京→福島は約1時間45分、乗車券+特急券片道8190円。


午前9時頃福島駅に着くと駅構内は閑散としていたが、観光案内所が営業していた。


福島駅に着いて外に出ると暖かかったが小雨が降りかけていた。傘を差している人は少ない。マスクをしている人もあまりいない。福島駅は新幹線駅が西口に面しているが東口の方が賑やかだ。駅の東口で、一緒に行動するアジア人のタムさんと欧米人のロビンと合流した。彼らは福島県外ではあるが東北に住んでいるので、私よりもずっと東北のこと、地震のこと、津波のこと、放射能のことに詳しい。私も傘を持っていなかったが、2人とも傘を差していなかった。ロビンの金髪が雨に濡れるのが非常に気になって、コンビニに傘を買いに行こうとすると、「僕たちのことは気にしなくていいですよ。」とロビンが言った。2人が住んでいるところは福島第一原発から距離は離れているのに、放射線が比較的高い地域なのだと話してくれた。だから無頓着でも構わないというわけではないのだが・・・。3人でタムさんが運転する車で市内の目的地に向かった。

大震災から1年余りが経った福島市内の風景は、至って普通だった。
休日を休業日にしている店やサービス業がやや多いような気がするが、東京や大阪以外の地方都市であれば、むしろこれくらいが当たり前かもしれない。コンビニやラーメン屋など休日も営業している店は客が途切れない様子だった。大型スーパーの駐車場には車がいっぱいで、店内は整然として明るく活気があった。小さな子供を抱いた夫婦、中学生や高校生、20代のカップル・・・どこにでもある中堅都市の風景だった。駅前のデパートの食品売場には何でもあるし、音楽イベントやクラブイベントも行われているし、福島競馬も開催されている。夕方になると中高生の姿が目立ち、楽器を肩にかけた男の子と女の子のグループが笑いながら横断歩道を渡っている。

【福島駅前】




外国人は激減したと言われるが、全くいないわけではない。福島駅前のスターバックスには欧米人の姿があるし、学校や英会話スクールには欧米人の教師もいる。中国人、東南アジア人の留学生も在学している。ただし留学生については2012年度の新入生が激減しているので、今年は去年よりも少なくなるだろうと言っていた。

私たちは次々と訪問先を訪れた。カーナビに住所を入れ車を走らせ、目的地で降りて人を訪ね、また次の住所をナビに入力し・・・ということを1日中続けた。その過程で出会った地元の人々に色々なことを教えてもらい、予定外の訪問先も加えることができた。
福島の人は親切だと思った。アポのない訪問でもほとんどのところで快く迎えてくれた。東京だったら嫌がられて追い返されてもおかしくないと思う。
「福島の人は親切だね。大震災を経験したことも関係あるのかな?」と私が言うと、タムさんは「それもあるけど、東北の人はもともと温厚で優しいと思います。東京とちょっと違いますよ。」と言った。

震災の影響を思わせるものは表面的にはあまり見えないが、学校などのグラウンドではブルドーザーで地表を剥がす除染作業が行われていた。作業員の人が通りかかったので、「除染作業をやっているのですか?」と聞くと「そうですよ」と。「この除染作業は市か県が行っているのですか?」と尋ねると、「ええっと、よく分からないけど、多分そうなんじゃないですかねえ。」と言われた。その作業員の人は特別な防護服ではなく普通の作業服を着ていた。
【除染作業中のグラウンド】剥がした土は脇の方に積み上げられてビニールシートが被せられていた。


目に見える地震の影響は少ないが、放射線の値は東京に比べると高い。
タムさんが地元の人に「このあたりは放射線どれくらいなんですか。」と聞くと、「この通りは0.5マイクロシーベルトくらいですよ。」「へえ、そうなんですか。うちの方だと屋外で0.6マイクロシーベルトのところもありますよ。」「でもこの道路は除染しましたから。除染してないとこだと0.8くらいですよ。」と、淡々と会話をしている。
タムさんたちはどこでどういう測り方をすれば、値にどう変化があるのかを知っていた。室内でも換気扇の近くは値が高く、屋外では1メートル離れるだけで値が全然違うという。探知機の操作に熟練しても、その値が実際にどう影響するのか誰も分からないし、はっきりいって、放射能が健康に影響を及ぼすという実感が沸かなかった。0.5マイクロシーベルトというと東京や神奈川の約10倍だが、地元の人々にとっては「去年に比べれば格段に下がった」という感覚の方が強いのかもしれない。

福島市ホームページ「放射能の各種測定結果」:http://www.city.fukushima.fukushima.jp/life/16/91/

訪問先で留学生と知り合いになった。中国人の女の子は「友達がたくさん帰国してしまったし、大きい余震もある。」と言っていた。「友達が帰ってしまって寂しくない?」と聞くと、「ううん、寂しくないよ」と笑って答えた。男子留学生は「自分にとっては、学校があって、住むところが確保できて、生活を維持するためのバイト先があればそれで十分。どこかに遊びに行きたいとか、そういうことはあまり考えないから室内にいることが多い。」
福島市内のアパートは原発近隣市町村からの避難者の入居が増え、物件が見つかりにくくなっており家賃も安くないと言っていた。そのため市外にアパートを探す学生もいるという。

その日は1日中あちこち回って疲れた。夜になるとゆっくり美味しいものが食べたいという気分になる。お店が並ぶ「文化通り」の周辺には屋台風の居酒屋やスナックがたくさんある。ちょっと懐かしい雰囲気のスナックには、中国人やフィリピン人のママも多い。
近くに温泉があるので、温泉旅館に泊ろうかという話になったが、最終チェックイン時間に間に合わなかったのでやむなく諦めた。結局駅近くのビジネスホテルに泊った。
まだ1日しか過ごしていないが、福島の食べ物、水、空気が心配という気持ちがどこかにいってしまった。夜喉が乾いたが、コンビニで飲み物を買っておくのを忘れた。ホテルの部屋の湯沸しポットでお湯でも沸かして飲もうかなと思ったが、ふと思い出したように、水道水は大丈夫なのだろうかとポットに伸ばす手を止めた。だが、飲み水が危ないとしたら、シャワーやお風呂で水を使うのもまずいのではないだろうか?お風呂にはとっくに入ってしまった。住んでいるかぎり、放射能を気にしながら暮らすということはむしろ不可能なのではと思った。

平日に活動してみると、週末よりも平日の方が街に活気が感じられた。
駅前のビジネスホテルが入っているビルの中に「復興庁福島復興局」があった。今年の2月に開設されたばかりだ。何でこんなところに復興庁があるんだろう?隣が保育園で上がビジネスホテルだ。「復興局は県庁や市役所と連携する必要があるんじゃないですか?どうしてこんなところに事務所を置いたのでしょうか。」とタムさんが言った。福島市役所は震災の少し前に新庁舎をオープンさせたばかりで、大きくて立派な庁舎を持っている。ただし福島市がホームページ上で公開している「各支所の環境放射能測定値」によると、各支所の中でも新庁舎東棟は高い数値を示している。地元の人に「何であんなところに復興庁があるんでしょうね。」と尋ねると、「さあ、どうしてなんでしょうね。」とゆっくりとした返事が返ってきた。そう答えるほか仕方がないのは分かるが、その優しさは度が過ぎた従順さであるようにも時折り感じた。

【復興庁 福島復興局】
 

ハローワークも訪れたがとても混んでいた。検索端末を利用するための順番待ちの人がたくさんソファに座っていた。利用者は若い人もいるし、中高年の人もいるがどちらかというと若い人が目立った。ギスギスした雰囲気はなく、順番待ちの人も利用者もマナーが良く東京などよりもずっと落ち着いていた。
ハローワークの近くに仮設住宅があった。ここは仮設住宅としては非常に小規模なもの。福島市内の仮設住宅は原発付近から避難してきた入居者が多いという。
【仮設住宅】


この日も1日車で街中を回った。
駅西口にあるイトーヨーカドーで買い物をした後、西口に車を停めたまま歩いて東口に向かった。西口と東口は長い地下通路で結ばれている。駅前広場でロビンが「かがーやーき続ける光った星から~かがやき続け~光ったあの空から~♪」と歌っているのが聞こえた。私が「それTIGER&BUNNYの曲?」と聞くと、ロビンがびっくりして「TIGER&BUNNYを知ってるの?!」と言った。私が「知ってるよ。去年の人気アニメだもん。ロビンも見たことあるの?」と答えると、ロビンは近所の中学生に薦められて「TIGER&BUNNY」を見たのだと語り始めた。西口から東口までの地下通路は5分弱歩くことになるのだが、その間ロビンはずっと日本のアニメの素晴らしさについて語り続けた。
「日本のアニメやゲームのデザインは素晴らしい、絵は緻密で美しいし声優も上手い、音楽も素晴らしい。「TIGER&BUNNY」の曲(『星のすみか』by藍坊主)の歌詞がすごくいいから自分で英語に訳してみたんだけど、英語にすると更に感動的で・・・それと僕はヨーコ・カンノ(菅野よう子)の音楽が大好き・・・」と流暢な日本語で話した。  ※うたまっぷ 藍坊主『星のすみか』歌詞
その間タムさんは話に加わらず、イトーヨーカドーで買ったダイエット効果のあるお茶を飲みながらせっせと歩いていた。

街の中心地「パセオ通り」のおしゃれなカフェ風の手打ち蕎麦の店で遅い昼食を取った。3人とも「野菜天ぷらとお蕎麦のセット」を注文した。美味しかった。700円台でこの味、この量、この環境。特にロビンは店の雰囲気が気に入って「僕が福島に住んでいたら絶対この店に通う。」と言っていた。
美味しいものをもっと食べたかったが、あまり時間がなくて結局ラーメンばかり食べていた。

【文化通り裏のスナック街。小さな店が多いが、夜は20時頃から営業が始まり常連客が訪れる】【福島市に隣接する伊達市にある聖光学院高校が春の選抜甲子園に出場】
 

最終日の前日、真夜中の駐車場でタムさんとロビンと別れた。
翌日私は一人で新幹線に乗って東京を経由して上海に戻った。福島駅前では東北復興の特産品が販売されていた。どちらかというと地元の人が買っているようだった。


福島に数日滞在して、放射能の問題、補償の問題、どう復興していくべきかといった日本が面している大きな問題について、自分の中で考えても多くの人の賛同が得られるものにはとても到達できない。自分はほんの一端に触れたにすぎないし、復興を支援するどころか私の方が仕事を助けてもらっていた。
だが、タムさんとロビンと一緒に過ごし、福島の多くの人々に助けられた数日間は私の人生でかけがえのない思い出となった。福島の人々は、福島を離れた人も離れていない人も、私の何十倍も何百倍も、かけがえのないものを福島に持っているのだということだけが分かった。
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初音ミク 「ミクの日大感謝祭」~上海中継ライブレポ(2012年3月8日~9日 上海大舞台)

2012年03月10日 | エンタメの日記
2012年3月8日(木)と3月9日(金)の2日間に渡り、初音ミクライブ(初音ミクライブパーティ2012/ミクの日感謝祭)が行われ、その上海生中継ライブに参加してきました。
公式サイト:http://miku.sega.jp/39/
【中国向けポスター画像】 日時:2012年3月8日、3月9日 イベント開始17:30、中継開始18:00(現地時間) 場所:上海大舞台 チケット:380元/280元/180元


夜公演のライブは日本全国20ヶ所以上の映画館及び海外でも同時中継されました。
海外は香港、台湾、上海に中継会場が設けられ、香港は映画館(2ヶ所)、台湾も映画館(7ヶ所)ですが、上海はコンサートホールとして使用されている「上海大舞台」が中継会場となりました
【上海大舞台】


上海会場は今回の中継会場としては最大規模だったのではないでしょうか。「上海大舞台」は普段は中華、欧米、日韓のメジャーアーティストのコンサート会場として利用されています。コンサートで使用する場合の収容数は7000~9000席です。Viewingのため、視覚角度を考慮して左右サイドの席は未使用状態となっていたので、使用客席数は3000~4000席だったのではと思います。3月8日(木)の「ミクパ」は空席が目立ったのですが、3月9日の「感謝祭」の方はかなり埋まってました。9日は2階スタンドで見ましたが、スタンドのブロックはほぼ満席だったと思います。中国ではクリプトン社が中国版ツイッター(ウェイボ)などで積極的にプロモーションをしており、アニメイト中国も自社のネット店舗などを通じてイベントキャンペーンを行っていました。

Viewingで見る分には、3月8日の方が面白かったです。9日はストリングスやホーン隊も入って生バンドの迫力がすごかったですが、Viewing観衆としては映像演出が豊富だった8日のミクパの方が衝撃が大きかったです。
私はボーカロイドの楽曲が好きでよく聴いていましたが、SEGAの初音ミク関連のゲームはやったことがないので、動くミク自体を見るのがほとんど初めてでした。「初音ミクライブ」初体験でしたが鳥肌が立ちました。ミクの束ねた髪の動き、巡音ルカのスカートのうねり、首の振り方や太ももの曲線・・・あまりの衝撃で8日の夜は眠れませんでした。
映像技術の精髄と、同人から発展した楽曲、歌詞、振り付けなどのアイディアが融合して「初音ミク」という存在が作られているということを見せられて、「奇跡が目の前で起きている」と思いました。日本ってすごいです。
3月9日は用事があったので感謝祭の方は行かないつもりだったのですが、用事を断って感謝祭も観に行ってしまいました。

3月8日(木)はアリーナ席のど真ん中で見ることができました。Viewing会場で映像を味わうという意味では、前方のど真ん中がいいと実感しました。9日の席はスタンド2階なので楽しめるかなと不安がありましたが、スクリーンが大きかったので2階の2列目でも十分楽しめました。2階スタンドの後方は傾斜も大きくなるので、Viewingには向かないかなとは思いました。ですが、9日は集客が良かったので2階スタンドも盛り上がってました。私の前の列は中国人の大学生くらいの有志が6~7人グループで来ていて男の子が多かったのですが「ワールドイズマイン」などではサビのところで「お・姫・さ・ま!!」と絶叫してました。
【2階スタンドから見た会場】


緑のペンライトが多いですが、鏡音リン・レンのときは黄色に持ち替えたり、巡音ルカ、メイコのときはピンクのペンライトに持ち替えているお客さんも多かったです。




海外Viewingでは、東京本会場の客席で盛り上がっている様子がスクリーンに映ると、自分たちも一緒に本会場にいるような気分になれるので盛り上がれます。サイリウムの振り付けなども東京本会場のマネをしてます。

初音ミク及びボーカロイドが中国でも流行っているというのは2~3年前から感じていました。2010年の時点では中国のコミケイベントでミクや鏡音リン・レンなどのコスプレが溢れかえっていました。しかし、基本的にはインターネット上で展開されていることなので、実際のファンがどれくらいいるのか、どういう人、年齢層がファンなのかということが分かりませんでした。
それが、3月8日~9日の中継ライブで一端が見えたような気がします。
ファンの年齢層が驚くほど若かったです。大学生が多いですが、中学生や小学生のグループも目立ちました。中国の小中高生は学校指定の上下のジャージのようなものを着て登校しています。ジャージが制服と考えてもいいです。学校のジャージ姿で友達同士で見に来ている子をたくさん見かけました。
誰かにチケットをもらって何となく見に来たのかな?とも思ったのですが、帰り際に学校ジャージを来た中学生の女の子たちが興奮して「Just be friend~♪」(9日のセットリストにあった巡音ルカのJust be friend)などと歌っているので、本当にボーカロイドが好きで見に来てるんだ・・と驚きました。
中国ではどのコンサートでも会場周辺でコピーグッズの業者が現れるのですが、終演後初音ミクのグッズに小中学生が群がって買いあさってました。キャラクター設定では初音ミクは16歳、鏡音リン・レイが14歳なので、小中学生のアイドルであってもおかしくはないのですが・・・。
【終演後、複製グッズに群がる小中学生たち】グッズの単価が5元~30元(100円~500円なのでお小遣いで買える。

【大型ネギを売る業者】


中国の大学生はほとんどが学内で寮生活をしています。中学や高校から寮に入っている子もいます。特に大学は郊外に建設された「学園都市」(中国語では“大学城”)に集中しているので、月~金曜日は学校の寮で過ごし週末は上海市内の自宅で過ごすという子が多いです。彼らは金曜日の授業が終わった後にバスなどを利用して上海市内の自宅に戻り、日曜日の夕方頃学校に戻るというパターンが多いです。3月8日の集客が9日に比べて良くなかったのは学生が来れなかったからなのではと思います。木曜日は学校から出ることが難しい子が多いのではないでしょうか。大学生は比較的自由ですが、小中学生は宿題が多く授業が終わるのも遅いので、木曜日は遊ぶ時間がないと思われます。なお、18時開演なので会社勤めの社会人は両日とも難しいです。(通常上海でのコンサートは19:30から始まります。)

2012年のミクパ・大感謝祭で期待されていた「千本桜」をやらなかったことについて、上海中継があったことが関係しているのではという推測がありますが、どうなんでしょうか。関係ないと思いますが・・・。中国のボーカロイドファンが「千本桜」を好きかどうかというと、大好きです。動画再生数も多いし中国素材を使ったMADもたくさん作られています。2011年12月24日に上海でVOCALOIDイベント(Vocaloid Only Plus2)があり、主催者と中国人の有志で運営されたVocaloidライブがあったのですが、そのライブでも中国ファンが映像をバックに千本桜を歌っていました。観客にも大人気でした。

明日は3月11日、東日本大震災から1年です。この1年間「がんばろう!日本」という言葉を毎日のように目にしてきました。簡単な一言だけど、「がんばろう」と言われてもどうすればいいんだと思ったりもしました。初音ミクライブは、ヤマハやSEGAなどの高度な技術、クリプトン社のような新しいアイディアを持つ企業、そして無数のファンの心血とアイディアによって作られた日本の文化と技術の結晶です。それを2日間上海で見て、日本はきっとまだまだ頑張れると思いました。
コメント (8)
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BEAST初の中国コンサート(2012年2月25日 上海国際体操中心)

2012年03月03日 | エンタメの日記
2月25日(土)は見たいイベントが複数重なった日でした。上海市内では日中国交回復40周年記念イベント「活力日本展」が行われており、ボーカロイドの人気音楽クリエーター・八王子Pの初音ミクライブがありました。同じく上海市内の上海国際体操中心ではBEASTがコンサートを、そして南京では2PMがコンサートを開きました。

2PMも見たかったのですが、「八王子P feat初音ミクライブ」が一番見たかったので、南京の2PMは諦めて、初音ミクライブが終わった後、BEASTを見に行きました。

中国では、いまK-POPはそれほど流行っていません。
中国の場合、最大のK-POPブームはおそらく2000年前後の、H.O.T、S.E.S、Click-B、NRGなどの時代だと思います。現在のようにエンタメが豊富ではなかった頃の中国に進出し、衝撃を与えました。この頃にK-POPファンの土壌が作られたためか、東方神起やSuperJuniorはデビュー直後からすぐにファンがつき、2006年~2009年はRain、神話、東方神起、SuperJuniorなどが積極的に中国公演を行います。
2009年はWonder Girlsの「Nobody」とSuperJuniorの「SorrySorry」が大ヒットし、幼稚園で子供がお遊戯で踊ったり、忘年会の余興でSorrySorryダンスやNobodyを真似するような流行り方をしました。

それ以降、K-POPにまつわる大きなブームはないように思います。

2012年2月25日の中国コンサートについていうと、2PMもBEASTもチケットはあまり売れていませんでした。
2PMはキャンペーンのために、チケット購入者から抽選でタッチ会参加権、サイン入りDVDや記念品プレゼントといったイベントを追加しています。
(抽選方法:チケットに偽造防止のためのシリアル番号があります。そのシリアル番号を、チケット業者の特設サイトに設置された「抽選結果照会フォーム」に入力して照会すると、当選結果が分かるという仕組みです)

BEASTもスタンド席は半分以上埋まっていなくて、当日スタンド席のチケットは値下げして販売されていました。

2011年の8月に南京でSHINeeを見たときも、客入りは良くありませんでした。
スタンド席上半分閉鎖という状態だったのですが、ライブはすごく盛り上がりました。

こんなに客入りが悪くてモチベーションが下がらないのかな?と心配になるのですが、むしろファンとの距離が近付いて、ファンの反応がダイレクトに伝わるせいか、メンバーがすごく楽しそうに見えるのです。本当に楽しいかどうかなんて本人にしか分からないとは思いながら、プロ意識で楽しそうにふるまっているのではなく、本当に楽しんでいるように見えます。ファンとも積極的にコンタクトします。

BEASTの上海コンサートは土曜日だったので、日本から見に来られた方もいたのではないでしょうか。アリーナのスタンディングエリアで見ていた方は、電飾ボードやグッズがぶつかったりして大変だったかもしれませんが、あんなに至近距離のライブハウスのような感覚でBEASTが見られるチャンスは滅多にないのではと思います。
比較的コンパクトな会場で、すり鉢型の体育館のような構造です。どの席からでもステージに近いのに、更に花道を作っていたので一体感があります。



BEASTのコンサートを見たのは初めてです。衣装、メーク、髪型などがいたってナチュラルでシックなイメージで、セットや照明もシンプルなステージでした。

各自のソロやメンバー2人ずつのコラボ曲のコーナーもありますが、特定のメンバーを突出して目立たせるような振り付・構成ではなかったです。そのため最初はやや淡々とした雰囲気に感じましたが、後半になればなるほど面白くなりました。

メインボーカルのヨソプの歌唱力が圧倒的で、こんなに高音出して大丈夫なのかな?と思いましたが、後になればなるほど声に伸びが出ていました。

RAPのジュンヒョンはすごくステージオーラがあると思いました。
K-POPグループには必ず「RAP担当」がいるのですが、あくまでもK-POPダンスグループの中の「RAP担当」であって、「ラッパー」ではないよなと思うことが多いのですが、ジュンヒョンはラッパーでした。もともとの声質がすごくいいし、リズム感からくる体の動きにオーラがあります。ラップで場を制する実力がある人でした。

ですが、ジュンヒョンは中盤の曲で自分のRAPパートの最中でなぜか泣き出しました。
そんなに泣くような状況でもなかったと思うのですが、何がきっかけだったのでしょうか。

頻繁にMCが入り、バックステージにいる中韓通訳さんがMCを訳してくれます。BEASTのメンバーはMCのたびに「上海のファンはノリがいい」「一体感がある」と言っていました。「あまり中国に来れないけれど、決して中国ファンを軽視しているわけではない、もっと中国に来たいと思っている。」とも言っていました。これはどのグループも言うセリフですが・・・・。
ジュンヒョンが「ファンの皆に肯定してもらえなかったり、期待に背くこともあると思うけれど、僕たちはいつも上を目指して努力しているので、これからも見守ってほしい」というようなことを話していました。
一番中国語をしゃべれるのがドンウンで、「僕は皆を愛しているけれど、皆は僕を愛してる?」と、中国語でファンと会話ができていました。

アンコールではメンバーが花道にでずっぱりです。全員ファンサービスがいいですが、特にいいのがリーダーのドゥンジュンとヨソプでした。あるメンバーは最前列の女の子の小さいデジカメ(携帯かもしれないです)を手にとって、そのカメラを自分の顔に向けてアップで録画しながら花道を一周し、最後はカメラを女の子に返したりしていました。ほとんどのファンが写真や動画を撮っていて、iPadを両手で上に掲げて撮ってる子もいて、メンバーも一緒にカメラに収まったりしていました。
ファンが自作のグッズやタオルをぽんぽん花道に投げ入れ、メンバーもそれを拾ったり投げたり肩にかけたり・・・ファンとメンバーとの一体感が楽しいです。


(花道に落ちている物体はファンが投げ入れた自作のタオルや縫いぐるみなどです)

中国のコンサートはチケットの定価が高いし、音響が悪かったり、席の奪い合いなどマナーに問題があり、その他どんなハプニングが潜んでいるか分からないのですが、中国ライブの無法地帯的なフリーダムさは、経験する価値があるかもと思いました。特に上海のライブは北京や広東に比べると格段に警備が緩いので盛り上がりやすいです。

最近あまりコンサートに行ってなかったのですが、初音ミクライブとBEASTライブを見ながら自分はやはり賑やかなエンタメが好きだなと阿姐が原点に立ち返るような1日でした。
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