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身近な生き物:シーラカンスのお友達

2020-11-25 06:29:49 | 日記
知りたいのは

 葉っぱの上の小さな虫を指さして孫娘が「これなあに」と尋ねます。
眼鏡もルーペも持っていないので老眼に頼ってガン見しますが、相手は2cm
にも満たない小さな虫。
 いくら焦点を合わせても黒っぽいボディの側面にオレンジ色の筋がちらほら、
透明な翅には黒い帯があるのが分かった程度。
雰囲気としてはハチかカゲロウの仲間、でも同定はできません。
 だからこう答えました。
「虫だね」
それくらいは分かっていると言いたげな孫は、ジイジの無知を責めもせずに
次のドキドキを探し始めました。

 幼子の関心を上手に受け止めてやれなかった自分は爺ちゃん失格。
知りたかったのは名前なんかじゃなかったはず。
だってその虫はおかしな恰好をしていたのだから。
 よくは見えなかったけれど確かにお尻をくるりと持ち上げていました。
なんでそんな姿をしているのか、孫はその答えを求めていたのです。
 その晩、反省を込めて「サソリに似た虫」と検索しました。
でてきた答えは「ヤマトシリアゲ」、日本に棲む尻を上げる虫と実にストレート
な名称でした。

3億年を理解する

 <郊外の樹木の多いところで葉の上でじっとしている。
オスは腹部先端にハサミを持ち背中側に持ち上げる。
雑食性で花粉や虫の死体などを餌にする。>(Wikipedia より)
 その体勢になる目的を知りたいのですが、調べた範囲では明確な解答は
見つかりません。
オス同士の勢力の誇示が考えられそうですが今のところ定説はないのだとか。
 一方メスの腹部先端は先細りになり、サソリの様にお尻を持ち上げる仕草も
しないと言います。
 ヤマトシリアゲのオスには涙ぐましい習性があります。
メスにエサを献上し夢中になっている間に交尾を完了。
あるいはメスの採餌の最中にそっと近づいてさっさと交尾を済ませる。
 何ともいじましい行動ですが「婚姻贈呈」とのれっきとした専門用語が付いて
いるそうです。

 ハチかカゲロウの仲間かと推察したけれど、全くの見当外れでした。
この虫、近い仲間はいないのだそうです。
<3億年前のベルム紀の地層から化石が発見される。
卵、幼虫、サナギ、成虫と完全変態する昆虫の中では最も古くからその姿を
留めている虫。
生きた化石のひとつでもある。>(Gramho より)
 庭先の葉っぱの上にシーラカンス級の生き物が存在していたとは驚きです。
このびっくり情報を孫娘にどうやって伝えればいいだろう。
3億年の時間はどうすれば頭の中に思い描けるだろう。
 頭を悩ますジイジはネット上のヤマトシリアゲの拡大写真にハッとしました。
大写しになったその顔がおもしろ過ぎるのです。
異様に長細くてまるででき損ないの馬のお面です。
 難しい話よりもこれを見せた方がきっと強まるだろう、生き物に対する関心が。
コメント
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