あるく あかるく

健康長寿 めざしましょう

身近な生き物:里親の気分

2020-11-18 06:29:19 | 日記
引き取りて現れず

 知人のNさんから「幼虫を掘り起こすから捕りにおいで」と電話を頂きました。
家庭菜園用に積み上げていた腐葉土を畑にまく作業を始めるけれど、中から
カブトムシの幼虫がごっそり出て来るのでそれをあげると言うのです。
 以前頂いた幼虫や育てた成虫を知り合いに配って随分と喜ばれました。
その話をNさんにしたので、以来この時季になると電話をくれるのです。
 大型のアクリルケースをふたつ持って勇んで行きました。
畑の片隅で待っていたNさんの足元には親指程の白い幼虫がごろごろしています。
 腐葉土と幼虫をケースに移しましたがざっと50匹以上。
早めに配らなければケース内の密度が高くて棲みにくくなってしまいます。

 孫娘が欲しがるかと娘に尋ねると「いるわけないでしょ」の返答。
毎年喜んでくれたYさんからは「来年は息子も中学に入るので部活に夢中になって
カブトムシには関心がないかも」の返答。
以前欲しいと言っていたTさんは「夏に指に絡みつかれて嫌いになっちゃった
様だ」、何でもお孫さんの指に鋭い爪を立てたのだとか。
Iさんは「忙しくてすぐには取りにいけない、暫く預かっていて」の返答。
 何だかんだですぐには引き取り手が現れず、暫し50数匹を育てることに
なりました。
死なずに育て上げなければと、里親みたいな決意です。

巨大な壁

 無事に育てるには幼虫の習性を知らなければいけません。
<産み付けられた卵は2週間ほど経った9月頃に孵化。
10月頃に数ミリの2齢に育ち、11月頃に冬眠に入る。
生まれてから蛹になるまでおよそ10カ月。
その間に腐葉土を3リットルも食べる。>(暮らしーの より)
 立ちはだかるのは信州の厳しい冬の寒さです。
<冬の間は室内の暖房をしていない場所に置く。
屋外ならば直射日光や雨が当たらない場所を選ぶ。>(比叡山ドライブウェイ より)
 これは難しい問題です。
家の中に飼育ケースを置く許可を、虫嫌いの女房が出すはずがありません。
「嫌なにおいが籠る」と文句を言うに決まっています。

 ならば倉庫に置くしかないのですが、そのままでは凍り付いてしまいます。
断熱材をケースに張り付けて段ボール箱に収めて物置に収納するとしますか。
女房の眼を避けながら。
 飼育マットを準備して、乾きすぎない様に湿気に注意して、蛹室を作れる深さを
確保して、蛹になったら振動を与えない様に気を付けて、里親としてやることは
てんこ盛りです。
 幼虫は40gあれば大型の成虫になると言われています。
来る年の初夏にそんな成虫が這い出して来るのを夢見て作業です。
 幼虫には信州の厳しい冬の寒さ。
そして私には女房のきっつ~い視線が襲い掛かります。
立ち塞がるこの壁を、里親と子供たちは無事に乗り越えるのができるのかどうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする