いつか英国日記

英国を中心とした靴、鞄、時計、その他ファッションに関するブログ

フランコロストからの脱出

2017-11-05 06:48:35 | スーツ
久しぶりの更新です。敬愛するミラノのテーラー フランコプリンツィバリ氏のブランドがなくなり、実質的に約1年。一時は違う体制での復活も期待しましたがそれも難しいようなので、フランコ以外でスーツをオーダーするのを再開しました。フランコロストからの復活第一弾、フランコと同等の完成度を求めたいので、テーラーは安心安定のバタクハウスカットにしました。トラウザーズやドレスシャツはオーダーしていましたが、スーツをオーダーするのは久しぶり。最近型紙が変わったとのことで、そちらも気になるところです。

今回は12月6日に行うイベント「好事家の集い」で着用するスーツを仕立てることにしました。まずは生地選びから。



バタクは巻物の状態で生地が選べるのがいいところです。テーラーはやはりこうでなくてはと思います。バンチではやなりなかなかイメージがつかめません。ビジネスで着用するのではないので濃紺やグレー系は対象外、ツイードも今回のイベントの主催者として着用するのにはラフすぎるかなと思い、選んだ生地はこちら。



英国カイノックの生地。大昔服飾業界に身を置いていた時にいい生地だな〜と思ったことがありましたが、このところ全く見かけることがありませんでした。それがいつの間にかまた復活していたのですね。ミミに入ったmade in Britainの表記が素敵です。スコットランド製なのでmade in England ではなくmade in Britainとなります。柄はグレンチェックでブルーのオーバーブレイドが入ったもの。こういったクラシックな感じの生地に惹かれます。カシミアが5%入ったとても柔らかい生地ですが、390grmsの重さがあるので仕立て栄えしそうです。

スーツは勿論スリーピース。シングルで仕立てますが、ウェストコートはダブルにしました。イメージはこちらスーツです。



型紙が変わったので、改めて採寸を行います。まずはゲージモデルをいくつか着用しました。



バタクハウスカットの型紙は全て代表の中寺氏がパターンをひいていますが、今回の型紙の完成度は以前にも増してさらに高くなっているのを実感しました。特に肩周りのフィッティングが感動的なほど素晴らしいです。日本人の体型を知り尽くした型紙だと思います。仕立てる前にすでに高い完成度が約束されている気がします。



一通り採寸が終わって、シートに真剣な表情で記入する店長の川部さん。2時間で採寸を完了する予定でしたが、今回もいろいろな話をしているうちに結局4時間近く滞在してしまいました。

スーツの完成は今月末、出来上がりが楽しみです。