いつか英国日記

英国を中心とした靴、鞄、時計、その他ファッションに関するブログ

サマーハットとホスピタリティ

2014-08-14 09:14:56 | ハット

銀座一丁目

「魔窟」と言われるパーソナルテーラーは
急激な速度で更なる進化を遂げています。
靴、スーツ、ドレスシャツ、タイ、スカーフ
眼鏡、傘、鞄、和服、そして遂に家具
願えば何でも叶うのでは?

そんな速度で色々な職人チームがビルディングされ
古参のクラブメンバーであっても
その全容を知るのは困難です。

正に魔窟、、、

さて、その魔窟で比較的新しいビスポークメニューである
帽子をオーダーしました。
冒頭の写真の夏仕様のシゾールの帽子です。

ブリムが狭めでクラウンが
あまり高くない仕様になっています。
勿論、採寸をしてオーダーしますので
フィッティングは完璧でした。

実はこの帽子、当初は下の写真のリボンが
付いていました。



一般的な黒のリボンです。
ところが意気揚々とこの帽子を被って帰ったところ
あっという間に(本当にその日のうちに)
キツくなり被るのが困難になってしまったのです。

早速帽子を魔窟のオーナーである総帥に見てもらうと
レーヨン素材の巻きリボンが縮んでしまったとの事。
その場ですべり(サイズリボン)と巻きリボンを外すと問題なく被れました。
シゾール自体が縮んだのでなくて良かったです。
約2週間で帽子の再プレスと
巻きリボン、すべりの張り替えを行ってもらいました。

リボンの素材はレーヨンからシルクに変更
シルクは縮み防止の水通しを行った物で
作ってくれました。
万が一の事を考え、やや蛇腹状にすべりが取り付けてあります。



実は沢山持っているボルサリーノのシゾールや
パナマも同じ事が起こっています。
購入したデパートに問い合わせたところ
修理は難しいと言われたのですが
同じようにすれば、直りそうですね。

さて、この帽子のメニュー
冬物ではフェルトやビーバー
見た事もない淡いグリーンやベージュの素材があり
抗し難い魅力があり
とても恐ろしく感じました、、、



銀座一丁目の魔窟、、、

アトリエに行くと、とても落ち着きます。
服の話から料理の話
ヨーロッパでの社交場での話など
話題は尽きる事無く
あっと言う間に時間が過ぎてしまいます。

私にとっては
とても素晴らしいホスピタリティを感じる場所
それが魔窟です。

「人生を愉しみましょう」

その言葉を聞きに
又、魔窟へ吸い寄せられるように
通いそうです、、、