脳脊髄液減少症患者のつぶやき、「とりあえず、生きてみよか・・・。」

過去から現在へ、脳脊髄液減少症、体験克服記。

セルフネグレクトと脳脊髄液減少症

2012年03月29日 | つぶやき

先日、孤立死についてこのブログで記事を書いた

それに関係してもう少し書きたいことを書く。

 

3月16日(金)の朝、NHKニュースで「セルフネグレクト」という言葉を知った。

 

3月15日、北区でセルフネグレクトの講演会があったようだ。

帝京大学 医療技術学部の岸恵美子先生がお話をされたようだ。

セルフネグレクトとは、

「生活において、
当然行う行為をしないか、する能力がなく、
自己の心身、安全が脅かされている状態」

 

だという。

岸先生によると、

「セルフ・ネグレクトは孤立死の予備軍」だという。

 

でも、岸先生はご存じなのだろうか?

脳脊髄液減少症でも、放置されれば、

結果的に、自分の世話も満足にできない、

セルフネグレクト状態になるっていうことに。

 

 

髄液漏れを見逃され続ければ、

誰も相談できる人も、支援してくれる人も、

生活を支えてくれる家族もいなければ、

孤独死に至ったって少しもおかしくないってことに。

 

 

おそらく、ご存じないだろう。

 

おそらく、そんなことは、さすがの研究者でも

想定外のことだろう。 

 

無理もない。

 

脳脊髄液減少症の見逃しで、それに近い体験を経験した患者しか気づけないことかもしれないから。

 

ニュースによると、

ニッセイ基礎研究所調べによると、
孤立死の約8割が、セルフネグレクトによるものだという。

 

ニッセイ基礎研究所 「セルフ・ネグレクトと孤立死に関する実態調査と地域支援のあり方に関する調査研究報告書」 




孤独な人が、もし脳脊髄液減少症を発症して、
見逃され続け、診断にも治療にも至れなければ、
結果的に
高次脳機能障害と身体の症状により、セルフネグレクト状態になりかねないと、

私は自分の経験から思う。

 

家族も、親しい知人もいない孤独な人は

高齢者のみならず年齢を問わずいるはずだ。

若い人にもいるはずだ。

 

親にも、

友人にも、頼れず、

相談する人もいないで、一人で苦しんでいる人が。

大都会の片隅にも、

きっといるはずだ。

 

セルフネグレクトに陥るのは、

老人に限ったことではないと思う。

 

もし、若い人でも、なんらかの外傷や暴力などで、脳に

高次脳機能障害を負っていたら、

外見からは普通の人と見えるために、

その人が、セルフネグレクト状態に陥っても、

その人間の人格の問題、罪として扱われるかもしれない。

 

そして、人がなんらかの原因で高次脳機能障害が起こり、

正常な判断や、優先順位の判断、片づけもできなくなった時、

もし、その人が母親なら、

こんな事件だって起こりかねないと、私は想定を広げる。

 

 

この世には、

今まで見過ごされてきた、なんらかの脳の機能低下が関係しているために引き起こされた事件事故が潜在している気がする。

 

もし、そうだとしたら、その人たちを罰することだけでは、

今後の似たような事件の再発は防げない。

 



孤独な人たちが、

ある日、なんらかの事故で体に衝撃を受けて、髄液が漏れだし、

仕事などで安静を保てなかったらどうなるのだろうか?。


たとえば、雪で転倒して腰や背中を激しく打ったけど、

その時はすぐ起き上がれて大丈夫だったけど、
だんだんじわじわ体調不良が出てきたらどうなるだろうか?

 

たとえば、一人暮らしで、

なんらかの事故で、

髄液が漏れだしたのに、

最初の症状は、たいしたことがなく、

外傷もなく、そのままにされたらどうだろうか?

 

私と同じ、髄液漏れの見逃されが招く、

地獄への道をたどることだろう。

 


でも、孤独であっても仕事をしている人なら、

症状が出ていても、

つらい体にムチ打って生きるため、仕事に出かけて行くだろう。

次第に症状が多彩になり、

症状が激しく重くなってきて、

頭が働かなくなり、部屋がかたづけられなくなり、

 

痛みや、だるさや、体調不良で、動けなくて、歯磨きも入浴も疲れて疲れてできなくなり、着替も困難になっていくだろう。


結果的に仕事はおろか、

食事作りも、買い物も、洗濯も、入浴も、歯磨きも、着替えも、

自分で自分の世話ができなくなっていくだろう。

 

それなのに、その原因が髄液漏れだと気づけなければ、

専門医にもたどりつけず、

病名もつかず、

たんなるだらしのない人間と周囲から誤解されてしまうだろう。



その状態を第3者が見たら、精神医学的には、

 

セルフネグレクトとか、

ディオゲネス症候群(Diogenes syndrome)、=老年期隠遁症候群=ゴミ屋敷症候群

と判断されるだけで、

 

そうなった根本原因が脳脊髄液漏れの脳の機能低下による、

高次脳機能障害にあるかもしれないということを、

医療関係者も、福祉関係者も

誰も気づけないだろう。

 

 

精神科医にとっては、髄液漏れ での結果そうなったなんてことは、考えもしない、想定外のことだろう。

 

もう、想定外なんて言葉は、震災だけでたくさんだ。

 

「想定外」なんて言葉は、この世からなくしてほしい。

人間は過去から学び、今後に生かし、想像を広げて

対策をたてることができるはずだ。

 

 

私たちは想像力を働かせて、想定を大きく広げ、

せまりくる危険性について予測し、

被害を未然に防いだり、最小限にできるように

しなければならない。

 

それはなにも地震や津波だけに限らない。

病についても、同じだと思う。

情報と、想像する力が、

被害を大きくすることを未然に防ぐのだと思う。

 

脳脊髄液漏れが原因で、精神機能の低下から、

うつや不安や、対人恐怖症になったりし、

 

精神状態が不健康になり、人とのかかわりも避けるようになり、

さらに、治療にも至れず、自分の世話もできなくなれば、

行きつくところは、孤独死だろう。

 

その人が、生計を担うものだったり、親だった場合、

命を落とすのは、

その人だけではすまないだろう。

 

自分の世話も満足にできなくなったら、

自分より弱いものの世話などできるはずがない。

 

 

それは放置された人の緩慢な自殺や、一家心中を、誰も止められないのと

同じかもしれない。

 

いわば、見殺しだ。

国は、3月は自殺予防強化月間とか、

「あなたもゲートキーパー宣言!」

国を挙げて旗振っているのに、

 

 

脳脊髄液減少症のゲートキーパー宣言は

全くうながしていない。

 

脳脊髄液減少症だって、

国民皆がゲートキーパーになり、

「気づき」「傾聴」し、「(専門医に)つなぎ」「身守れ」 ば

かなりの人の命が救われるはずなのに・・・・・

 

脳脊髄液減少症の予防が人の死の予防、孤独死の予防、

自殺予防にもつながることに、

総務省も気づいていないらしい。

 

 

損保や、生命保険会社は、そろそろ気付くべきだ。

脳脊髄液減少症を見逃し、放置すればするほど、患者を見逃せば見逃すほど、

脳脊髄液減少症見逃し患者は治療もされないまま社会に蓄積していくということを。

そうなると、年齢が上がれば上がるほど、患者は蓄積し、

脳脊髄液が漏れ続けた患者は症状が悪化し、年齢による老化も加わり、さらに自立できなくなっていくであろうことに。

 

脳脊髄液減少症患者のほとんどを、診断できないうような、見逃す数の方が多いような

今の「起立性頭痛が前提」の脳脊髄液漏出症の診断基準では、

人は救えないってことに。

 

髄液漏れ患者を一人残らず早期発見し、早期治療で完治できる人は完治してもらい、

元気になってもらい、社会復帰して働いてもらい、健康で幸せに生きてもらったほうが、

保険会社にとっても、得だということに。

 

いつまでも脳脊髄液減少症患者に冷たい社会は、

結果的に、自分たちの首も締めるってことに。

 

精神科医も、人に起る精神機能の異常、低下の背景に、

脳の機能低下、が隠れているかもしれないってことや、

その原因のひとつに、

髄液漏れや髄液減少が隠れているかもしれないってことに

そろそろ気づいて、

患者を診るとき、いつも頭の片隅に、

脳脊髄液減少症を思い浮かべてほしい。

 

そのためにも、国や行政がもっともっと脳脊髄液減少症について

国民や、県民に、

周知徹底してほしい。

 

鳥取県庁ホームページの鳥取県政だより から以下リンク) 

鳥取県政だより 2012年4月号、11ページ「脳脊髄液減少症をご存じですか?」

 

脳脊髄液減少症の周知徹底の重要さに気づいてきた県と、

まだまだそうでない県、

あまりにも差がある。

 

その差は、その県の

脳脊髄液減少症の患者たちの声と行動力の差でもあるのが

現実。

何の動きもない県の患者たちは、がんばって声をあげてほしい。

 

症状がきつくて、そんな体力も気力もわかないだろうけど、

それでも、黙っていないでほしい。

私たちが黙っていても国や県がどんどんと自主的に動いてくれるわけじゃない。

 

だから、全国の患者がつながろうって、心をひとつにしようって

私は何度も皆さんに頼んでる。

患者会がどことか、所属がどこだから、

あなたがたとは手をつなげないなんて

平気で言っている人は、

本当の脳脊髄液減少症の恐ろしさを知らない人だと思う。

知らないから、そんなのんきなことが平気で言えるんだと思う。

毎日新聞

 

 

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