昔、当Blogでも考察したことのある満員電車ネタですが、再考してみましょう。
満員電車解消は最優先課題のひとつ!地下鉄合併について(渡邉美樹)
http://ameblo.jp/watanabemiki/entry-10812186419.html
これが一番大切なのですが、地下鉄は公共財です。
その経営のゴールは利益最大化ではありません。
「利用者の満足の最大化」です。
その意味で、都が過半の株式は確保し続け、経営陣に厳しく満足度向上、再投資を求める必要があると思います。
国と都が話をつける必要がある案件です。トルコやインドの地下鉄開発を日本チームがかなりやっていますが、そのようなインフラ輸出のような成長戦略にしっかり取り組めるような、そんな体制が組まれるべきだと考えます。
水野君、答えになっているでしょうか? ちなみに、ラッシュアワーの輸送能力はめいいっぱいのようです。大幅に投資して複線化するよりは、企業の始業時間の柔軟化、職住近郊化策、など、「チーム東京」でお金をかけすぎずに解決したいですね。
反論ではないのですが、1つの考え方としてあっていいなと思うアイディアを書かせて頂くと、それは東京首都圏の人口が増加し、そして経済が成長をすることを前提とした投資計画があってもいいと思う。ということです。
渡邉さんの主張は合理的かつ一般的なものです。
通常、設計する側になって考えて見ると、電車の利用状況を観察するとピークがラッシュアワーに集中するので、ピークに合わせて設計すると高コスト構造になってしまいます。
ラッシュアワー以外の時に利益にならないスカスカの電車を走らせるか、もしくはラッシュアワー用の余剰人員を抱え込む結果になってしまうからです。
また、様々なシステムをピークに合わせて設計しなければならないため、維持・運営費もかさみます。
より経済的なのはピークを平準化するということですね。
入り口で流入量を制御できれば、ピークを押さえ込むことが可能で、ピーク設計が容易になります。
だから、
大幅に投資して複線化するよりは、企業の始業時間の柔軟化、職住近郊化策、など、「チーム東京」でお金をかけすぎずに解決したいですね。
と考えるのがまぁ普通の企業人の考え方でしょう。
しかし、実際に駅の改札口で入場制限をするのは、事故発生時以外では市民の自由を制限する行為であり社会主義国家でもない限り現実的ではありません。
となると、「企業の始業時間の柔軟化」、「職住近郊化策」ということになるのですが、私はこの考え方も現実的ではないなと思います。
なぜか?
それは企業の始業時間が柔軟化されても、昼働く人と夜働く人に分かれるわけではないからです。
人々の暮らし方が柔軟化されたら、生活時間帯が分散化するのでしょうか?
答えは「否」です。
人々の生活時間帯が分散すると仕事にならないし、資本効率が悪いので、人々の生活時間帯は幾つかのグループに分かれて集中します。
これは「都市化」の習性なのです。
人々が都市化のメリットを生かそうとすればするほど、人々の生活時間帯は特定時間帯に集中するのです。
今後、世界で都市間競争が激しくなっていくといわれておりますが、日本が取り残されないためには東京、名古屋、大阪に人、モノ、カネを集中することになっていくでしょう。
その展望を持って、むしろ輸送能力を増強させるために必要な投資をするというのも一つの考え方として有り得ると思います。
もちろん、これは国家全体の戦略のお話なので、東京都だけで決めれることではありませんが。
また、JRなどの民間企業も関わっていかないとだめですが。