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●《弁護団長の井戸謙一弁護士は「6人のように被ばくが原因とみられる甲状腺がんで苦しむ人たちの希望となる裁判にしたい」と述べた》

2022年02月06日 00時00分22秒 | Weblog

[※ ↑「原発さえなければと思います」(週刊金曜日、2021年03月12日、1320号)]


(2022年01月29日[土])
片山夏子記者による、東京新聞の記事【「福島第一原発事故の被ばくで甲状腺がんに」と主張 事故当時子どもだった6人が東電を提訴へ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/154959)。

 《東京電力福島第一原発事故による放射線被ばくの影響で甲状腺がんになったとして、事故時に福島県内に住んでいた17~27歳の男女6人が27日、東電に対して総額6億1600万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こす。弁護団によると、子どもの時に甲状腺がんになった患者が原発事故を起因として東電を訴えるのは初めて》。

   『●東京電力原発人災から『X年後』…… 
       取り返しのつかないことが現実化してはいまいか?
   『●「私たちは被ばく船員を見捨ててきたと痛感」
              …2011年から「X年後」を怖れる
   『●東電原発人災から『X年後』:「自分が壮大なできごとの 
          参加者だということがわかっているのだろうか」?
   『●黙殺される東電原発人災『X年後』: 
     「100万人に2~3人という日本の全国平均を大きく上回ったもの」
   『●星北斗座長「甲状腺がんは放射線の影響とは考えにくい」 
            …では、何が原因なのか?、を説明して下さい!
   『●2011年の『X年後』:星北斗座長「現時点で 
     放射線影響は考えにくい」…なんて気安く発言して大丈夫?
   『●「福島の子どもたちの健康など一顧だにしていない」…
        「福島の小児甲状腺がんの多発の原因は原発事故」
   『●「津田敏秀教授が「甲状腺がん多発は原発被曝と
      関係ない」派に反論」…ヒトデナシな核発電「麻薬」中毒者
   『●《10年前、村を襲った福島原発放射線量の数字を「公表するな」
     「安全だ」と強弁していた専門家らは今、どう思っているのだろうか。》
    「日刊ゲンダイの記事【長谷川健一さん死因は「甲状腺がん」…
     福島原発事故と戦った飯舘村の酪農家が投げかけたもの】」

 《Forgotten》させてはいけない…「子供達の『X年後』の現実」

   『●映画『放射線を浴びた『X年後』』: 
     「こんな巨大な事件が、…日本人としての資質が問われる」
   『●米軍の「差別性の極み」:NNNドキュメント’14
       『続・放射線を浴びたX年後 日本に降り注いだ雨は今』
   『●東電原発人災の『X年後』: 厚生省「1.68ミリシーベルト」
                      vs 研究者「1400ミリシーベルト」
   『●『放射能を浴びたX年後』: 「国はこれまで
       福竜丸以外の船員の追跡調査をしてこなかった」
   『●「私たちは被ばく船員を見捨ててきたと痛感」…
                 2011年から「X年後」を怖れる
   『●東京電力原発人災から『X年後』…… 
       取り返しのつかないことが現実化してはいまいか?
   『●人類は核と共存できるのか? 
        『放射線を浴びたX年後』とパグウォッシュ会議
   『●『放射線を浴びた『X年後』』: ビキニの海に居た
       元船員「行動しないと永遠に知る機会を失ってしまう」
   『●【放射線を浴びたX年後】…《半世紀以上前の列強国による…核実験に
       関わったイギリス軍の元兵士や遺族…その海で何があったのか》?
   『●『放射線を浴びたX年後』…『ビキニ事件』は終わっていない。
     「国はこれまで福竜丸以外の船員の追跡調査をしてこなかった」
   『●「The Forgotten Sailors」(トモダチ作戦)…
           子供達の『X年後』を忘却したがる…

 『NNNドキュメント’17』で「2017年10月8日(日) 25:00」に放映"The Forgotten Sailors ~Operation Tomodachi~"……メルトダウンあるいはその放射能プルームについての情報は福島の市民には提供されず、ましてや、いち早く情報提供を受けたらしい米空母ロナルド・レーガンでさえもが手遅れで、著しい汚染を受け、著しい《健康被害》…。艦上での作業中の被曝、食物や水を介して内部被曝してしまったことを、軍や米政府は認めない。「甲状腺がん放射線の影響とは考えにくい」と言う人々、ニッポンのオトナ達と全く同じではないか。視聴後、大きな衝撃を受けたとともに、福島で起こっていること、「子供達の『X年後』の現実」に改めて、怒りが湧く。忘却したがる大人たち。東電やアベ様ら、核「寄生」委員会の面々は、これでも核発電を続け、核発電輸出をしようと言うのだろうか? 裁判に訴える元乗組員米兵達は、福島の人たちのために自らの「健康被害」の情報を提供する意思があると言う。この番組がその一環だ。

 《Forgotten》でいいのだろうか、「子供達の『X年後』の現実」。
 東京新聞の記事【「沈黙を余儀なくされてきた」東電甲状腺がん訴訟で弁護団が会見 27日に提訴へ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/155162)によると、《東京電力福島第一原発事故による放射線被ばくの影響で甲状腺がんになったとして、福島県内に住んでいた17~27歳の男女6人が東電に損害賠償を求めて提訴する方針について、弁護団が19日、東京都内で記者会見した。弁護団長の井戸謙一弁護士は「6人のように被ばくが原因とみられる甲状腺がんで苦しむ人たちの希望となる裁判にしたい」と述べた》。

 何一つ解決していない東電核発電人災。立憲民主党の核発電推進議員や、政府や自公お維コミ議員、核発電「寄生」委員会、東電はさっさと《現状回復》して見せて下さい。話はそれからだ。

   『●《今なお続く福島の「不条理」》: 東電の初期の主張は
     「無主物」…裁判所は《放射性物質…農家が所有》と言い放った
    《「私の住んでる農地は、日本でも美味しいお米がとれる
     土壌だったんです。それが壊されたからね、土壌汚染によって。
     だから、東電に原状回復してもらう。」》

   『●「国際的に一番厳しい基準を設けている」し、
      そして「原状回復」したのならば、「そこ」に住んでみては?
   『●東京電力原発人災、支援の幕引き:
     「区域外避難」者も含めて「“棄民”政策だというそしりは免れない」
   『●今村雅弘復興相、「本人の責任」
     「裁判でも何でもやればいい」と…「死の町」にした者こそ糾弾されるべき
   『●今村雅弘復興相「問題は激高よりも「自主避難は自己責任」発言」
                …ココで「自己責任」論に出くわすとは…
    「それにしてもこんなところで「自己責任」論が出てくるとは、
     唖然としました。《誰が好き好んで自主避難などするだろうか》!」

   『●東京電力原発人災、支援の幕引き: 
      「区域外避難」者も含めて「“棄民”政策だというそしりは免れない」
   『●東京電力に核発電所を再稼働させる資格はあるのか?
           無条件で即時に全ての廃炉作業に入るべき
   『●アベ様による「棄民」政策をも追認…東電旧経営陣の
     刑事裁判で永渕健一裁判長は「無罪」という「政治判断」を下した
   『●やはり核発電は「金のなる巨大木」だった…
     高浜「原発マネー」が八木誠会長ら関西電力経営陣個人に見事に《還流》
   『●東電旧経営陣に無罪判決…《誰も事故の責任を取らなければ
        企業に無責任体質がはびこり、また同じことが起きる》
   『●東京電力核発電人災、決して自主避難者の《自己責任》ではない
           …「原発事故がなければ福島を出た人は誰もいない」
    「《住宅無償提供打ち切りで、避難を続けるか、福島に帰るか選択に
     迫られた。家賃の支払いをめぐり被告となる人たちも出ている》…
     何という無慈悲。自主避難者を《被告》にする? デタラメ」

   『●《「知っている町はどこかに行ってしまいました。返してください!
     10年前を!」。故郷をめちゃくちゃにされたことへの怒りは深かった》
   『●東電核発電人災から10年: あの人災から何の教訓を得ることもなく、
      何も変わらないニッポン…核発電〝麻薬中毒〟から抜け出せないまま
   『●武藤類子さん《本来ならその人たちにとってもこの10年、まったく
      違った時間があったはず…原発事故は、その時間を奪ってしまった》
   『●《原発再稼働や増設を唱える連中の頭の中を掻っ捌いて、中身を見て
     みたい》(鈴木耕さん)――― なぜ今直ぐ「原状回復」しないの?

 一方、キシダメ首相ときたら、《自身の看板政策「新しい資本主義」の柱と位置づけ、再生可能エネルギーだけでなく、原子力の技術開発を推進する考えだ》…。アタマ、大丈夫か? 何の反省も無く、教訓も得ない自公お維コミ。《Forgotten》させてはいけない…「子供達の『X年後』の現実」。
 アサヒコムの【核といのちを考える/原発活用へ透ける思惑 首相が「クリーンエネルギー戦略」策定を指示】(https://www.asahi.com/articles/ASQ1L6QK0Q1LULFA008.html)によると、《岸田文雄首相は18日、脱炭素社会の実現にむけた「クリーンエネルギー戦略」の策定を関係閣僚に指示した。自身の看板政策「新しい資本主義」の柱と位置づけ、再生可能エネルギーだけでなく、原子力の技術開発を推進する考えだ。欧州では原発を脱炭素の電源として再評価する動きがあり、国内でも推進派の期待が強まっている。首相官邸で開かれた有識者会議で、岸田首相は「持続可能性の欠如など、資本主義の負の側面が凝縮しているのが気候変動問題だ。炭素中立型の経済社会に向けた変革の全体像を共有し、この分野の投資を早急に少なくとも倍増させる」と述べた。政府は2050年の脱炭素化を掲げるが、多くの化石燃料を使う産業では事業の見直しなど負担が増える。新たな戦略で脱炭素への道筋を示すことで投資をしやすい環境を整え、経済成長との両立をめざす。経済産業省によると、重要な論点と位置づけるのが、再生エネを大量導入するための送電網の増強や、燃やしても二酸化炭素(CO2)を出さない水素・アンモニア、国民の生活スタイルの転換などに加え、原子力だ。日本メーカーも参加して米国で開発が進む小型モジュール炉(SMR)や、高レベル放射性廃棄物が出ないとされる核融合といった次世代技術の研究を推進するという》。
 もう正気とは思えない。勝手にやってろ!、という気分。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/154959

「福島第一原発事故の被ばくで甲状腺がんに」と主張 事故当時子どもだった6人が東電を提訴へ
2022年1月19日 06時00分

     (東京電力を提訴することを決めた女性。甲状腺を全摘し、
      手にする薬を生涯飲み続ける必要がある=福島県内で)

 東京電力福島第一原発事故による放射線被ばくの影響で甲状腺がんになったとして、事故時に福島県内に住んでいた17~27歳の男女6人が27日、東電に対して総額6億1600万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こす。弁護団によると、子どもの時に甲状腺がんになった患者が原発事故を起因として東電を訴えるのは初めて。(片山夏子


◆弁護側「被ばく以外の原因は考えられない」

 提訴するのは、福島市や郡山市などに住んでいた4人と、県西部の会津地方と県東部の浜通りの両地域に住んでいた各1人。事故当時は6~16歳で、現在は県内や東京都内で高校生だったり、会社員やアルバイトとして働いていたりする。

 6人は、福島県の県民健康調査などで甲状腺がんと診断された。2人は甲状腺の片側を切除、4人は再発により全摘し、放射線治療を実施または予定している。4回手術した人や肺に転移した人もいる。治療や手術で希望職種への就職を断念し、大学中退や退職を余儀なくされたりした。再発だけではなく、結婚や出産ができるかなど強い不安を抱えている

 弁護団は、6人を含む子どもたちに見つかった甲状腺がんの多くがチェルノブイリ原発事故で小児・若年層で確認された乳頭がんで、遺伝性ではなく被ばく以外の原因は考えられないと主張。井戸謙一弁護団長は「再発している人も多く、過剰診断は考えにくい東電は原因が原発事故と認め、早急に救済すべきだ」と話した。


◆専門家会議は「因果関係認められない」との立場

 原発事故による被ばくと甲状腺がんの因果関係について、福島県の専門家会議は「現時点で認められない」という立場だ。

 原発事故後、県は県民健康調査の一環として、事故当時おおむね18歳以下と事故後の2012年4月1日までに生まれた(県外避難者を含む)計約38万人を対象に、被ばくにより発症の可能性がある甲状腺がんの検査をしている。

 通常、小児甲状腺がんの発症数は年間100万人に1~2人程度とされるが、調査などでは、昨年6月までに約300人が甲状腺がんまたはその疑いと診断された。医療費の全額は、国の財政支援や東電の賠償金で創設した「県民健康管理基金」から交付されている。

 診断結果について専門家会議は「将来治療の必要のないがんを見つけている過剰診断の可能性が指摘されている」としつつ、調査を継続している。


【関連記事】甲状腺がんの26歳「結婚、出産、将来のこと。考えられない」 東電提訴で「今できることを」
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/155162

「沈黙を余儀なくされてきた」東電甲状腺がん訴訟で弁護団が会見 27日に提訴へ
2022年1月20日 06時00分

     (会見をする弁護団。右から海渡雄一弁護士、井戸謙一弁護士、
      河合弘之弁護士=19日、東京・霞が関の司法クラブで)

 東京電力福島第一原発事故による放射線被ばくの影響で甲状腺がんになったとして、福島県内に住んでいた17~27歳の男女6人が東電に損害賠償を求めて提訴する方針について、弁護団が19日、東京都内で記者会見した。弁護団長の井戸謙一弁護士は「6人のように被ばくが原因とみられる甲状腺がんで苦しむ人たちの希望となる裁判にしたい」と述べた。

 小児甲状腺がんは通常、発症数は年間100万人に1~2人程度とされている。福島県の県民健康調査などでは、事故後から昨年までに約300人が甲状腺がん、またはその疑いと診断されたが、同県の専門家会議は被ばくとの因果関係について「現時点で認められない」としている。

 事故から10年を経て訴訟を起こす理由として副団長の河合弘之弁護士は「原発事故が原因で甲状腺がんになったと声をあげると社会からバッシングを受ける雰囲気があり、6人は沈黙を余儀なくされてきた」と説明。「福島県では通常より数十倍も多くの子が甲状腺がんになっている因果関係がないというのなら、東電側はそれ以外の原因を立証しなくてはならない」と主張した。

 同じく副団長の海渡雄一弁護士は「結婚や就職など普通の人生の望みを奪われ、生涯苦しい治療を続けなくてはいけない人もいる」と述べ、「6人以外でも同様に苦しんでいる人は弁護団に相談してほしい」と呼び掛けた。

 弁護団によると、原発事故による甲状腺がんの責任を問う訴訟は初。27日に東京地裁に提訴する。会見を受け、東電は「訴状が送達された場合、誠実に対応する」とコメントした。(小沢慧一


【関連記事】「福島第一原発事故の被ばくで甲状腺がんに」と主張 事故当時子どもだった6人が東電を提訴へ
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コメント (1)
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●《核開発の「聖地」…「どんな理由でも核兵器は使用すべきではないし、米国は核兵器禁止条約を締結し、多くの国に締結を求めるべきだ」》

2021年12月29日 00時00分31秒 | Weblog

[『放射線を浴びたX年後』(http://x311.info/part1.html)↑]


(20211127[])
金杉貴雄記者による、東京新聞の記事【<米国と核>「核なき世界」は実現するのか…核開発の「聖地」を歩く】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/144521?rct=world)。

 《この核開発の「聖地」を訪れた人に聞けば、核兵器に賛同する人が多いだろう―。そう考えながら周辺にいた人々に問いかけると、意外にも、核兵器の非人道性を危惧し核廃絶を願う声を多く聞いた。「日本では多くの無実の人が殺された。戦争を終わらせる唯一の方法だったとの主張には同意できない」。スザンヌ・ウェスコットさん(71)はそう強調し「核兵器はなくすべきで、どの国も保有を認められるべきではない」と続けた。ジム・ファレルさん(57)も「どんな理由でも核兵器は使用すべきではないし、米国は核兵器禁止条約を締結し、多くの国に締結を求めるべきだ」と語った》。

 ヒロシマ・ナガサキ・フクシマ…核廃絶の先頭に立つべきニッポンなのに…。ニッポンが「核なき世界」の実現を邪魔ばかりしているとはね…。 

   『●サーロー節子さん「自分の国に裏切られ、
      見捨てられ続けてきたという被爆者としての思いを深くした」
    「「核兵器なき世界」さへ目指さないアベ様の言う「核なき世界」が
     如何にいい加減かが分かろうというもの…
     「憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。
     小型であればですね」というアベ様の思想は何も変わっていない
     のでは?」

   『●「核廃絶の訴えは政府だけの役割ではない」…
        とは言え、そこに居るべき国が居ない恥ずかしさ
   『●核兵器禁止条約不参加で、「どこの国の総理ですか」な 
          アベ様の「わが国のアプローチ」とやらは一体全体?
   『●適菜収さん【それでもバカとは戦え】…《われわれ日本人が目指すべき
        なのは「核兵器のない世界」の前に「安倍のいない世界」である》
   『●「核兵器なき世界」は未だに………自公お維を直接的に支持している
     方々、選挙にも行かず眠り猫に徹している間接的支持者の皆さんの責任
   『●核兵器先制不使用宣言に反対…当時の首相・アベ様「憲法上は原子
     爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。小型であればですね」

 「原発はプルトニウムをつくる装置』」(内橋克人さん)。
 《だが核抑止が今の中国の抑え込みにどれほど役立っているのかむしろ核軍拡競争を呼び込み、逆に国民を危険な状況に立たせているのではないか日本政府はこうした疑問について国民に説明する責任がある》(東京新聞金杉貴雄記者)。

   『●「原子力の平和利用」という核発電への幻想…「原発は『プルトニウム
         をつくる装置』」(内橋克人さん)にこだわる周回遅れのニッポン
   『●「ビキニ事件は遠い過去に終わったことではなく、未来の命にかかわる」
       ――― マグロ漁船「第五福竜丸」の船員・大石又七さんが亡くなる

 広島県出身議員としての首相…核兵器禁止条約への署名を、そして、核廃絶を訴えるサーロー節子さんのお手紙も、岸田首相の心には届かないらしい。哀しいことだ。核兵器保有国が参加しないからニッポンも署名しないという言い訳、あまりに情けない。何をおいても、一番に署名しなければいけないはずなのに。やはり、#政権交代で命を守る新しい政権を!…達成しとくべきだったよね。残念だ。

   『●核発電「麻薬」中毒患者の覚めぬ悪夢…《安全神話、
       経済神話、クリーン神話-三つの神話》を脱却できず

 《原発は『プルトニウムをつくる装置』》(内橋克人さん)。先日亡くなった内橋さんは見事に喝破している。内橋克人さんは「集団的自衛権の先に待っているのは、核兵器を持って抑止力にしようという政策原発はプルトニウムをつくる装置でもあり、原発を止めることは日本の核武装に待ったをかけることだ」と訴えた》(アサヒコム【「川内原発再稼働に反対」東京で集会 5500人参加】、2014年6月29日)
 「原子力の平和利用」という核発電への幻想…。

   『●「原子力の平和利用」という核発電への幻想…「原発は『プルトニウム
         をつくる装置』」(内橋克人さん)にこだわる周回遅れのニッポン

 「核=悪」、「原子力=善」を使い分けてきた我国、世界でも稀なその独特の心理。でも、その本質は全く同じであり、「核兵器=原子力発電」。ヒロシマナガサキの「被害者」としての感情の陰に、戦争の加害者」としての反省が曖昧にされたこと。そして、東京電力原発人災で核技術の加害者」となったことへの戸惑い。
 (烏賀陽弘道さん)《兵器としてアメリカで生まれ、ヒロシマに落とされた「核」。その双子の兄弟「原発」……》。そう両者は双子の兄弟。《アメリカは、臨界状態をつくり出して自然の中に眠っていた核エネルギーを引っ張りだすところから始まって、原爆をつくり、爆発させ、原子炉に閉じ込め、それを発電所に設置しそれが全国や世界に普及していくところまで、全部ひとつながり》。核分裂のエネルギーを放出させるか、原子炉の中に閉じ込めるかの違いであり、原理的には全く同じ。
 《核兵器をタブーの領域に押し込めた。双子の兄弟の一人をいないこと」にしてしまった。原発と核兵器の「血のつながり」を論ずることはタブーになった》。

   『●烏賀陽弘道さん『ヒロシマからフクシマへ原発をめぐる不思議な旅』読了

 ところで…別件ですが、なんで自公お維に投票しちゃったの? 嗤ってしまう。しかも因縁 (元法相夫妻) の広島ではないですか! (広島選挙区の理由は知らんが)岸田首相のお膝元。
 日刊スポーツの記事【政界地獄耳/自民党級の言い訳 国交相の現金払い問題「知らないなら…」】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202111260000057.html)によると、《★先の総選挙で2度目の当選を果たした自民党の国光文乃のつくば市での応援に首相・岸田文雄が駆け付けた街頭演説で茨城県トラック協会が関連する茨城県運輸政策研究会が日当5000円で演説に参加するよう呼びかけ同会では計34人を参加させ、交通費として日当を支払ったことを認めている。これが公職選挙法違反の疑いがあるとして11月18日に市民団体が刑事告発した。 ★一般社団法人「茨城県トラック協会」と住所や役員が同一の任意団体・茨城県運輸政策研究会は県内の運送業者約1600社が加盟しているが、朝日新聞によれば役員の1人が「数時間拘束するので、何も出さないわけにはいかないと思った」とし案内には「参加者に対しまして、日当5000円をお支払いさせていただきます」と明記していたという。これに対して国光事務所は「動員ではない」とし、自民党県連は「全く承知しておらず、コメントは差し控える」としている。 ★一方、選挙中に公明党で国交相・斉藤鉄夫が広島市のホテルで開いた個人演説会で県トラック協会の関連団体「広ト協政策研究会」が出席した会員に「旅費」として現金5000円を支払ったという。県トラック協会は「買収の認識は全くない」としているが国交省は協会の監督官庁だ。一部報道は「動員サクラ疑惑」のように報じるが、公職選挙法を正面から受け止めれば買収と言われても仕方がない。巧妙に領収書まで発行して正当性を装うが、法の精神はこれを禁じているのではないか。東京地検特捜部が捜査している公明党元議員で元財務副大臣・遠山清彦の無登録で融資仲介容疑をはじめ、公明党も自民党と連立を組む間にブレーキの役目どころか同じ穴のむじなになっているのではないか。25日、公明党中央幹事会長・北側一雄は斉藤の件について「斉藤自身が全く知らないと説明している。知らないなら進退の話にならない」と擁護したが、こちらも自民党級の言い訳だ公明党の凋落(ちょうらく)が悲しい》。

 なんで自公お維に投票しちゃったの? 《庶民の味方》? 《子育ての党》?? 嗤ってしまう。しかも因縁 (元法相夫妻) の広島ではないですか!
 日刊ゲンダイの記事【「庶民の味方」のはずが…公明・斉藤鉄夫国交相の株投資2億4151万円の衝撃!】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/297909)によると、《「公明こそが庶民の味方」(公明党青年委員会ブログより)の公明党・西田実仁税制調査会長…。その「庶民の味方」公明党・斉藤鉄夫国交大臣の株式投資が夫婦合わせて時価総額5990万円(21日時点)であることがわかった。証券投資信託などが1億8161万円となっていることから、2億4151万円の株(金融)投資をしていることになる》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/144521?rct=world

<米国と核>「核なき世界」は実現するのか…核開発の「聖地」を歩く
2021年11月24日 11時58分

 米国が1945年に世界初の核実験を行った西部ニューメキシコ州の実験場跡地が10月、2年ぶりに公開され、約3000人の見学者が訪れた。核兵器禁止条約が今年1月に発効し、バイデン大統領も核軍縮に意欲を示す半面、中国が核戦力の増強を図るなど「核なき世界」への道のりは遠い。「核の時代」の扉を開いた原点で、米国民の声を聞いた。(米西部ニューメキシコ州で、金杉貴雄、写真も)

     (爆心地「グラウンド・ゼロ」に立つモニュメント前で
      記念撮影する家族連れ。ここで世界で初めて核爆弾が炸裂した
      =米西部ニューメキシコ州で(金杉貴雄))


◆2年ぶりに公開された爆心地

 爆心地「グラウンド・ゼロ」には、溶岩で作られた4メートルの尖塔状のモニュメントが立っていた。禍々しくも見えるその碑の前で、多くの家族連れなどが楽しげに記念撮影していた。

 広大な砂漠地帯の一角の米軍施設内に、核実験場跡地「トリニティ・サイト」はある。年に2回だけ一般公開されているが、昨年は新型コロナウイルスまん延で中止になっていた。

 米国は45年7月までに3つの核爆弾をほぼ同時並行で完成させた。広島・長崎で投下された2つに先立ち、世界で初めて核爆弾がさく裂したのは、ここ米国自身の地だった。

 この核開発の「聖地」を訪れた人に聞けば、核兵器に賛同する人が多いだろう―。そう考えながら周辺にいた人々に問いかけると、意外にも、核兵器の非人道性を危惧し核廃絶を願う声を多く聞いた
 「日本では多くの無実の人が殺された。戦争を終わらせる唯一の方法だったとの主張には同意できない」。スザンヌ・ウェスコットさん(71)はそう強調し「核兵器はなくすべきで、どの国も保有を認められるべきではない」と続けた。

 ジム・ファレルさん(57)も「どんな理由でも核兵器は使用すべきではないし、米国は核兵器禁止条約を締結し、多くの国に締結を求めるべきだ」と語った。


◆がんに苦しめられる住民

 周辺では住民にがんが多発したと指摘されているが、実験は当初秘密で調査も十分されなかったため米政府は補償を認めていない。この日、核実験場跡地に続く道沿いには補償を訴え抗議する人々の姿があった。

 核実験8日前に生まれたベルニス・グティエレスさん(76)もその1人。母は3種類のがん、兄弟姉妹、おいやめいら多くの親族ががんを発症。自らも甲状腺を除去し、昨年には息子(56)を血液系のがんで亡くした。

 数年前と比べると、活動を好意的に受け止め、真剣に話を聞いてくれる人が増えているという。「核兵器は破壊的で、その悪影響の例が私たちだ。核兵器なしでわれわれは生きていける」と力を込めた。

     (核実験場跡地に続く道沿いで抗議するベルニス・グティエレスさん
      =米西部ニューメキシコ州で(金杉貴雄撮影))


◆「核廃絶は夢物語」の声も

 一方では、核兵器の抑止力を重視し支持する声も依然として根強い。

 アルバート・シュチュニアさん(57)は「日本への原爆使用は終戦を早め、原爆での死者の2、3倍の命を救った」と言い、核廃絶にも「他の核兵器保有国を抑止するため核は不可欠」と反対する。グレン・ヒューバーさん(58)も「核廃絶は夢物語だ」と突き放した。

 ただ、かつて圧倒的多数が核兵器に賛成していた米世論も少しずつ変化している。米シンクタンク「シカゴ国際問題評議会」の昨年の調査では、「あらゆる国が核保有を許されるべきではないとの答えが66%と全体の3分の2に上った

 米国防総省は、中国が2030年までに少なくとも1000発の核弾頭を保有する可能性があると指摘するなど、現実は厳しい。それでも跡地で祈りをささげていたターニャ・タイラーさん(62)は「核戦争では誰も勝たない。76年前も(核実験の被爆で)米国人自身を傷つけた。全ての人々が集まり、核をなくすべきだ」と訴えた。

 ◇ ◇

 核兵器を世界で初めて開発し、日本に投下した米国。現在もロシアと並ぶ最大の核保有国であると同時に、世界一の原発大国でもある。「核なき世界」に向け最大のかぎを握る「米国と核」の今を随時報告する。

【関連記事】【独自】核兵器の先制不使用案は「日本の反対で断念」 オバマ政権元高官が証言
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●《岸田新内閣が…発足したが、その陣容をみると原発推進派が要職に就いており、今後のエネルギー政策で「原発回帰」が強まるとの見方》

2021年10月25日 00時00分50秒 | Weblog

[※ 野党共闘 市民連合と政策合意 (週刊金曜日、2021年9月17日1345号)↑]


(20211017[])
長周新聞の記事【自民党が原発に固執する理由 核武装願望&米国の核戦略 岸田内閣を歓迎する原子力ムラ】(https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/21947)。

 《岸田新内閣が4日召集の臨時国会で発足したが、その陣容をみると原発推進派が要職に就いており今後のエネルギー政策で「原発回帰」が強まるとの見方が広がっている。福島第一原発事故から10年が経過した。国民世論は圧倒的多数が原発からの撤退を求め、再稼働や新増設に反対している。また54基の原発がすべて稼働を停止していた期間を含めて、原発が止まっても電力供給にはほぼ支障はなかった。さらに世界的に原発撤退の流れが進み、安倍政府が掲げた原発輸出戦略ことごとく失敗し、東芝や日立、三菱などは大きな経営的な打撃を受けたどこから見てもエネルギー源としての原発は必要ないにもかかわらず、執拗に原発に固執するのは、原子力の「平和利用」と「軍事利用」は同一技術であり、いつでも核兵器製造に転用できるという理由がある。1955年に日米原子力研究協定を締結して以来、日本は核兵器保有を意図して原発を推進してきたことがあらためて浮き彫りになっている。…こうした発言からも、戦後一貫して日本政府がアメリカの核戦略の一翼を担う形で核武装を意図し続けておりそのための原発建設であったことが浮き彫りになっている》。

   『●核発電「麻薬」中毒患者の覚めぬ悪夢…《安全神話、
       経済神話、クリーン神話-三つの神話》を脱却できず

 《原発は『プルトニウムをつくる装置』》(内橋克人さん)。先日亡くなった内橋さんは見事に喝破している。内橋克人さんは「集団的自衛権の先に待っているのは、核兵器を持って抑止力にしようという政策原発はプルトニウムをつくる装置でもあり、原発を止めることは日本の核武装に待ったをかけることだ」と訴えた》(アサヒコム【「川内原発再稼働に反対」東京で集会 5500人参加】、2014年6月29日)
 「原子力の平和利用」という核発電への幻想…。

   『●「原子力の平和利用」という核発電への幻想…「原発は『プルトニウム
         をつくる装置』」(内橋克人さん)にこだわる周回遅れのニッポン

 「核=悪」、「原子力=善」を使い分けてきた我国、世界でも稀なその独特の心理。でも、その本質は全く同じであり、「核兵器=原子力発電」。ヒロシマナガサキの「被害者」としての感情の陰に、戦争の加害者としての反省が曖昧にされたこと。そして、東京電力原発人災で核技術の加害者」となったことへの戸惑い。
 (烏賀陽弘道さん)《兵器としてアメリカで生まれ、ヒロシマに落とされた「核」。その双子の兄弟「原発」……》。そう両者は双子の兄弟。《アメリカは、臨界状態をつくり出して自然の中に眠っていた核エネルギーを引っ張りだすところから始まって、原爆をつくり、爆発させ、原子炉に閉じ込め、それを発電所に設置しそれが全国や世界に普及していくところまで、全部ひとつながり》。核分裂のエネルギーを放出させるか、原子炉の中に閉じ込めるかの違いであり、原理的には全く同じ。
 《核兵器をタブーの領域に押し込めた。双子の兄弟の一人をいないこと」にしてしまった。原発と核兵器の「血のつながり」を論ずることはタブーになった》。

   『●烏賀陽弘道さん『ヒロシマからフクシマへ原発をめぐる不思議な旅』読了

 最大の戦犯は未だにのうのうと政治家で居続けている。そして、最大の戦犯・アベ様が、核発電所を新規に作りたいそうです…正気じゃない。「アベシンゾウ」とでも名付けては如何か? それから、いま噂の幹事長殿・甘利明氏も…。

   『●新高速炉「アベシンゾウ」…愚かな核発電「麻薬」中毒患者・
             核燃サイクル教信者の罪を後世に残すために
   『●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた
      “最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」
   『●東電核発電人災での国の責任も放棄…《あの未曾有の福島第一原発
       事故を招いた“最大の戦犯”》アベ様の責任は追及され続けるべき

   『●高松高裁原発避難者訴訟…《「長期評価」を真摯に受け止めていたら、
        遅くとも東日本大震災の前までに、さまざまな津波対策は取れた》

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https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/21947

自民党が原発に固執する理由 核武装願望&米国の核戦略 岸田内閣を歓迎する原子力ムラ
2021年10月11日

 岸田新内閣が4日召集の臨時国会で発足したが、その陣容をみると原発推進派が要職に就いており今後のエネルギー政策で「原発回帰」が強まるとの見方が広がっている。福島第一原発事故から10年が経過した。国民世論は圧倒的多数が原発からの撤退を求め、再稼働や新増設に反対している。また54基の原発がすべて稼働を停止していた期間を含めて、原発が止まっても電力供給にはほぼ支障はなかった。さらに世界的に原発撤退の流れが進み、安倍政府が掲げた原発輸出戦略ことごとく失敗し、東芝や日立、三菱などは大きな経営的な打撃を受けたどこから見てもエネルギー源としての原発は必要ないにもかかわらず、執拗に原発に固執するのは、原子力の「平和利用」と「軍事利用」は同一技術であり、いつでも核兵器製造に転用できるという理由がある。1955年に日米原子力研究協定を締結して以来、日本は核兵器保有を意図して原発を推進してきたことがあらためて浮き彫りになっている。


新内閣固める原発族議員  被爆国を利用する米国

 岸田新内閣の陣容で、電力業界がもっとも歓迎しているのは甘利幹事長だ。甘利は2006年の第一次安倍内閣から08年の福田内閣まで経済産業相を務め、経産省有力幹部のほか、電力、ガス業界などエネルギー業界に幅広い人脈を持った「原子力ムラのドンの一人として有名だ。4月に結成された原発の建て替えや新増設を推進する自民党議員連盟の呼びかけ人でもあり、安倍晋三らとともに顧問に名を連ねている。同議連は総裁選前の9月15日に会合を開き、経産省が今年7月に公表したエネルギー基本計画の原案を撤回し、原発のリプレース(建て替え)を明記するよう求めることを決議した。

 さらに山際経済再生担当相は国会で「原発を使い倒さなければカーボンニュートラルはできない」とのべるなど原発推進の急先鋒となってきた。高市政調会長は総裁選では「小型の新型原子炉の開発を加速」させるよう主張し、高木国対委員長は甘利が顧問を務める議連の一員として新増設や老朽原発の運転期間の延長などを主張した。

 岸田新内閣は今秋にも新エネルギー基本計画を閣議決定する予定だが、こうした原発推進派が要職についており、新増設やリプレース容認に転換するのではないかとの見方が強まっている。

 福島第一原発で世界最悪レベルの事故を起こしながら、なぜどこまでも原発推進にこだわるのか――それは日本の原子力政策の根幹にかかわる問題である。

 日本の原子力政策はアメリカの核戦略と深く結びついている。アメリカは世界で最初に原爆を製造し、人類史上初めて広島と長崎の人々の頭上に投下した。「マンハッタン計画」と呼ばれる原爆製造の過程から副産物として産まれたのが原発技術だ。1949年にソ連が初めて核実験に成功すると、アメリカは翌年の1950年から日米原子力協定の交渉を開始し、1955年に日米原子力研究協定を締結する。

 アメリカはこの協定で、本来戦勝国にしか認めていない核物質の実験や取り扱いを「平和利用」を掲げて日本に認めた。ちなみにこの協定は日本の国会では一度も審議されることなく決まった。

 アメリカが日米原子力協定を締結した目的は日本に核兵器開発と核戦略の一翼を担わせるためであり、日本側には核兵器を保有するという思惑があった。

 日米原子力協定では、核燃料サイクル技術を日本に認めている。原発でウランを燃やし、その使用済み燃料を再処理してプルトニウムを抽出し、そのプルトニウムを高速増殖炉の燃料として燃やすというものだ。現状ではほとんど破たんしているが、重要なのは天然ウランを原子炉の燃料にするためのウラン濃縮技術や使用済み燃料からプルトニウムを抽出して再利用する再処理技術で、これらは核兵器への転用が可能な技術だ。

 天然ウランは核分裂しにくいウランが大半で、0・7%程度の核分裂しやすいウランを原発で燃やせるように濃度を3~5%に高めたのが低濃縮ウランである。その濃度を20%以上に高めた高濃縮ウランは核兵器に使われる。広島型原爆「リトルボーイに使われた。

 また、核分裂しにくいウランも原子炉内で燃やせば自然界には微量しか存在しないプルトニウムができる。原発で燃やした使用済み核燃料を再処理し、プルトニウムを抽出し再利用する。これは長崎型原爆「ファットマンに使用された。

 日本は原発の使用済み核燃料からプルトニウムをとり出し、現在約46㌧を国内外で保有している。敗戦国にもかかわらず日本がこれだけ大量のプルトニウムの保有が可能になっているのは、アメリカが容認しているからだ。核保有国以外でこれほどのプルトニウムを保有しているのは日本だけで、諸外国からは事実上の核兵器保有国とみなされている

 日本の電力業界は「日本が保有しているプルトニウムは“原子炉級”であり、“兵器用”には適さない」と主張してきた。プルトニウムの同位体のなかで、核分裂の連鎖反応を起こしやすいのがプルトニウム239で、アメリカ政府はこれが93%以上のものを「兵器級」、そこまで高くないものを「原子炉級」などと分類している。

 だが、1997年に米エネルギー省が発表した報告書では原子炉級プルトニウムでも、より高度の設計技術を用いればより大きな破壊力を持つ核兵器が生産可能と結論づけている

 IAEAもプルトニウムが原子炉級、兵器級にかかわらず、一発の核爆弾がつくれる可能性がある量を8㌔としている。日本は約46㌧のプルトニウムを保有しており、6000発の核爆弾が製造可能ということになる。

 1974年にはインドがカナダから導入した民生用の研究用原子炉からプルトニウムをとり出して核実験を成功させ、核兵器を開発しており、日本の核兵器開発は物理的に可能である。


歴代の自民党幹部 繰り返される核武装発言

 敗戦後アメリカに単独占領された日本の歴代政府が「核兵器保有は合憲」との発言をくり返しているのを見ても、原発が核兵器製造と密接に結びついていることがわかる。

 1957年に岸信介総理大臣は参議院予算委員会で「核兵器と名前がつけば憲法違反かというと、憲法の解釈論としては正しくない」と答弁し、「核兵器保有は合憲」との認識を示した。

 1964年に中国が初の核実験に成功すると、当時の佐藤栄作政府は1969年に西ドイツとのあいだで核保有の可能性を探る会合を持っている。

 1970年には中曽根防衛庁長官が核武装について日本の能力を試算し、「(当時の金で)2000億円、5年以内で核武装できるが、実験場を確保できないため現実には不可能」との結論に達したと明らかにした。ちなみに当時の防衛費は4800億円。

 1971年には石原慎太郎参議院議員が「(核兵器が)なければ日本の外交はいよいよ貧弱なものになり、発言権はなくなる」「だから一発だけ持っていてもいい。日本人がなにをするかわからないという不安感があれば、世界は日本のいい分を聞くと思う」と発言した。

 1973年には田中角栄総理大臣が参議院予算委員会の答弁で「自衛の正当な目的を達成する限度内の核兵器であれば、これを保有することが憲法に反するものではないというのが、従来政府がとってきたものだ」とのべた。

 1975年には日本の科学技術庁の原子力担当課長が在京の英国大使館員に「日本は3カ月以内に核兵器の製造が可能」と語り、イギリス政府は大騒ぎになった。

 1978年には福田赳夫総理大臣が参議院予算委員会で「憲法第九条によってわが国は専守防衛的意味における核兵器はこれを持てる。ただ、別の法理により、また別の政策によりそういうふうになっていないというだけのことだ」とのべた。

 1979年には旧ソ連のアフガニスタン侵攻をきっかけとして、「ソ連からの核攻撃の脅威を回避するためには日本も核武装し抑止力を持つべきだ」という主張がおこなわれた。1991年に宮澤喜一は総理就任前に「日本にとって核武装は技術的に可能であり、財政的にもそれほど難問ではない」とのべている。

 1991年にソ連が崩壊し、米ソ2極構造が崩れたのちの2001年に内閣府高官が雑誌のインタビューに「3年で核武装可能」と回答している。

 2002年、安倍晋三官房副長官(当時)は早稲田大学の講演で、「自衛のための必要最小限度をこえない限り、核兵器であると、通常兵器であるとを問わず、これを保有することは憲法の禁ずるところではない」とのべた。

 2003年に発表されたアメリカの国防白書は、未来予測のなかで「2050年までに日本が核武装する」としている。

 2005年北朝鮮が核武装を公式に宣言したのをうけて評論家の大前研一は韓国マスコミの「北朝鮮の核保有が最終確認された場合、日本も核武装に動くのか」との質問に対し、「その可能性は大きい。日本はその気になれば90日以内に核爆弾を製造し、ミサイルに搭載できる技術的能力をもっている。われわれはすでに大陸間弾道弾(ICBM)水準のミサイル(ロケット)を保有しており、50㌧以上のプルトニウムを備蓄している。核爆弾2000基を製造できる分量だ。日本はすでに30~40年前、原爆製造に必要なあらゆる実験を終えた。日本が核武装しないのは国民情緒のためだ。9割の日本人が核兵器の開発に反対している。広島と長崎の悪夢のためだ。しかしわれわれが北朝鮮核兵器の実質的脅威を受ける状況になれば世論は急変するはずだ」と答えている。

 こうした発言からも、戦後一貫して日本政府がアメリカの核戦略の一翼を担う形で核武装を意図し続けておりそのための原発建設であったことが浮き彫りになっている。
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●「原発事故前の故郷に戻して」が多くの皆さんのお願いではないのですか? ―――【全域で20年代帰還へ 福島の避難解除方針―政府】

2021年10月02日 00時00分47秒 | Weblog

[※ ↑「原発さえなければと思います」(週刊金曜日、2021年03月12日、1320号)]


(2021年08月29日[日])
時事通信の記事【全域で20年代帰還へ 福島の避難解除方針―政府】(https://www.jiji.com/jc/article?k=2021082300459&g=soc)。

 《東京電力福島第1原発事故の帰還困難区域のうち、避難指示解除の見通しが立っていない地域について、政府が2020年代中に希望者全員が帰還できるよう解除する方針を固めたことが23日、政府関係者への取材で分かった。今月にも復興推進会議原子力災害対策本部の合同会合を開き、正式決定する》。

 東電と国は、まずは原状回復」、つまり元通りに戻してから、《避難解除》の検討に入ってください。《自民、公明両党の東日本大震災復興加速化本部が、帰還困難区域に関して「帰りたいと思う住民が一人残らず帰還できる」よう求める提言を菅義偉首相に提出》したそうだが、順番が逆でしょ。まずは、元通りの生活空間に戻してください。そうすれば、お願いされなくったって、多くの皆さんは故郷の生活に喜んでお戻りになります。「原発事故前の故郷に戻して」が多くの皆さんの唯一のお願いではないのですか。
 「原発事故前の故郷に戻」すことなど不可能、そんな不可能なことをいつまで言っているのか……そんな主張に対して、返す言葉がありません。そう主張したいのならば、核発電再稼働、核燃サイクル、新高速炉「アベシンゾウ」…などなど、直ぐに断念し、すぐさまの全炉の廃炉作業に入るべきです。

   『●「国際的に一番厳しい基準を設けている」し、
      そして「原状回復」したのならば、「そこ」に住んでみては?
   『●東京電力原発人災、支援の幕引き:
     「区域外避難」者も含めて「“棄民”政策だというそしりは免れない」
   『●今村雅弘復興相、「本人の責任」
     「裁判でも何でもやればいい」と…「死の町」にした者こそ糾弾されるべき
   『●今村雅弘復興相「問題は激高よりも「自主避難は自己責任」発言」
                …ココで「自己責任」論に出くわすとは…
    「それにしてもこんなところで「自己責任」論が出てくるとは、
     唖然としました。《誰が好き好んで自主避難などするだろうか》!」

   『●東京電力原発人災、支援の幕引き: 
      「区域外避難」者も含めて「“棄民”政策だというそしりは免れない」
   『●東京電力に核発電所を再稼働させる資格はあるのか?
           無条件で即時に全ての廃炉作業に入るべき
   『●アベ様による「棄民」政策をも追認…東電旧経営陣の
     刑事裁判で永渕健一裁判長は「無罪」という「政治判断」を下した
   『●やはり核発電は「金のなる巨大木」だった…
     高浜「原発マネー」が八木誠会長ら関西電力経営陣個人に見事に《還流》
   『●東電旧経営陣に無罪判決…《誰も事故の責任を取らなければ
        企業に無責任体質がはびこり、また同じことが起きる》
   『●東京電力核発電人災、決して自主避難者の《自己責任》ではない
           …「原発事故がなければ福島を出た人は誰もいない」
    「《住宅無償提供打ち切りで、避難を続けるか、福島に帰るか選択に
     迫られた。家賃の支払いをめぐり被告となる人たちも出ている》…
     何という無慈悲。自主避難者を《被告》にする? デタラメ」

   『●《「知っている町はどこかに行ってしまいました。返してください!
     10年前を!」。故郷をめちゃくちゃにされたことへの怒りは深かった》
   『●武藤類子さん《本来ならその人たちにとってもこの10年、まったく
      違った時間があったはず…原発事故は、その時間を奪ってしまった》
   『●「復興五輪」!? 原状回復してから言ってくれ…片山夏子記者【「原発
      事故前の故郷に戻して」 浪江町・津島訴訟の原告団長が語った決意】
   『●《原発再稼働や増設を唱える連中の頭の中を掻っ捌いて、中身を
     見てみたい》(鈴木耕さん)――― なぜ今直ぐ「原状回復」しないの?
   『●富岡町の「白地地区」に自宅がある避難民の方「…国も東電も避難者を
         ばかにし、うんと軽く見ている」…さっさと《原状回復》してみせよ


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https://www.jiji.com/jc/article?k=2021082300459&g=soc

全域で20年代帰還へ 福島の避難解除方針―政府
2021年08月23日13時43分

     (町のほとんどが帰還困難区域に指定されている
      双葉町=3月10日、福島県双葉町)

 東京電力福島第1原発事故の帰還困難区域のうち、避難指示解除の見通しが立っていない地域について、政府が2020年代中に希望者全員が帰還できるよう解除する方針を固めたことが23日、政府関係者への取材で分かった。今月にも復興推進会議原子力災害対策本部の合同会合を開き、正式決定する。

居住3割、帰還頭打ち 避難解除区域、存続に危機感―原発事故から10年・福島

 帰還困難区域のうち、22~23年春の避難解除を目指している「特定復興再生拠点区域」(復興拠点)は面積全体の約8%にとどまる。復興拠点外の解除について政府が具体的な方針を示すのは初めて。この地域には約2万人が住民登録をしており、今後、個別に意向を調査した上で除染作業を行うとみられる。

 除染は地元自治体と相談した上で範囲などを決め、全額国費で実施される。このため、福島復興再生特別措置法を改正し、復興拠点外の避難解除などについて盛り込む見通しだ。

 今年7月には自民、公明両党の東日本大震災復興加速化本部が、帰還困難区域に関して「帰りたいと思う住民が一人残らず帰還できる」よう求める提言を菅義偉首相に提出していた。
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●《原発再稼働や増設を唱える連中の頭の中を掻っ捌いて、中身を見てみたい》(鈴木耕さん)――― なぜ今直ぐ「原状回復」しないの?

2021年08月20日 00時00分57秒 | Weblog

[※ ↑「原発さえなければと思います」(週刊金曜日、2021年03月12日、1320号)]


(2021年07月18日[日])
マガジン9のコラム【言葉の海へ 第170回:原発の今(鈴木耕)】(https://maga9.jp/210630-5/)。

 《処理汚染水海洋放出決定 …しかし、それらは安全基準以下に海水で薄めてから「海へ流す」ので環境汚染にはならないと東電も政府も言う。何度もぼくは書いたり話したりしているが、こんなおかしな話もない。「海水で薄めて海へ流す」? 海の水を海水という。海から採取した水で薄めて海へ還す。普通のリクツとはとても思えん! これをマジな顔で議論している政府や東電、そして御用学者や官僚たち。正気なのだろうか?

 反核発電に、高度な工学的知識は不要である。

   『●裁判所も歪む…《国が開発の政策的な枠組みを決め、その下で
       電力会社に》核発電所を…《そして裁判所も一体となり…》
   『●2014年5月大飯原発運転差し止め判決…樋口英明さんは《基準地震動を
           超える地震が来ないと言えるかどうか…他の原発と共通の問題》
   『●元福井地裁裁判長・樋口英明さん《地震大国の日本には、
       北海道から沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》
   『●反核発電に、高度な工学的知識は不要である…(樋口英明さん)《原発の
     《原発の耐震性は信頼度も基準値も一般住宅より、はるかに劣る》のだから


 1兆3700億円!? デブリの一欠片をほんの少し摘み上げてバカ騒ぎ…デブリがどんな状態で何トンあるのかも不明、どこで隔離・管理するのかも不明、かつ、《「廃炉終了の定義」を明確にしないまま「廃炉」を進める》。後藤さんらは持ち出せないし、持ち出すべきではない、という主張。いわゆる石棺方式で、その場で隔離・管理すべきだ、と。
 デモクラシータイムスの【【原発耕論 No16】福島第一のデブリ取出しを断念せよ 20210701】(https://www.youtube.com/watch?v=gN4sTsNn0vQ)によると:
《デモクラシータイムス 
 希望的観測のデブリ取り出し計画
 不透明な計画に、増え続ける汚染水と撤去費用
 仮にデブリを取り出せても、資材等と絡み合った核廃棄物の処理方法や
 管理場所すら何も決まっていない

 デブリ取り出しの難しさ、空冷化による管理を筒井さんが解説
 なし崩しの原子力政策はもういらない

 ゲスト:筒井哲郎(プラント技術者の会)
     後藤政志(元東芝 原発設計技術者)
     菅波完(高木仁三郎市民科学基金 事務局長)
 司会:鈴木 耕(デモクラシータイムス)
 収録は、2021年7月1日》


https://www.youtube.com/watch?v=gN4sTsNn0vQ

   『●《廃炉の時代》、そして、核燃料サイクルという閉じない「環」
              …未来無き核発電に邁進するアベ様独裁政権
   『●東京電力核発電人災、膨大な《デブリの総量も
      3基で計約880トン》…1個のデブリを僅かに持ち上げた?
   『●東電核発電人災から10年: あの人災から何の教訓を得ることもなく、
      何も変わらないニッポン…核発電〝麻薬中毒〟から抜け出せないまま
   『●《「廃炉終了の定義」を明確にしないまま「廃炉」を進める》―――
      《ある程度のデブリを取り出すだけでも、100年以上はかかりそう》
   『●自公お維や寄生委、東京電力の皆さん、《どんな状態が“福島第一の
     廃炉完了”》の定義なの? 《ゴールわからず走り続ける「廃炉」》?

 《ゴールわからず走り続ける「廃炉」》。
 同じ週のマガジン9の記事【福島第一原発の「廃炉」を考える――廃炉制度研究会レポート 第2回:「事故炉廃炉」と住民参画――スリーマイルではどう決めたか⑴――①「処理水」処分決定プロセスの日米比較】(https://maga9.jp/210630-4/)によると、《作家の尾松亮さんは、法規制や政策決定プロセスなどをテーマに、東京電力福島第一原発を含む世界中の原発の廃炉について調査しています。その尾松さんが、ジャーナリストや研究者らと立ち上げた「廃炉制度研究会」の第2回オンライン報告会が5月31日に実施されました。意思決定プロセスにおける民主性の担保という観点から、福島第一原発とアメリカのスリーマイル島原発の事故後対応を比較する尾松さんのお話の内容を、2回にわけて紹介します。1回目は、処理水処分決定にいたるまでの意思決定プロセスの違いについてのお話をまとめました。(田上了子)》。

   『●「国際的に一番厳しい基準を設けている」し、
      そして「原状回復」したのならば、「そこ」に住んでみては?
   『●東京電力原発人災、支援の幕引き:
     「区域外避難」者も含めて「“棄民”政策だというそしりは免れない」
   『●今村雅弘復興相、「本人の責任」
     「裁判でも何でもやればいい」と…「死の町」にした者こそ糾弾されるべき
   『●今村雅弘復興相「問題は激高よりも「自主避難は自己責任」発言」
                …ココで「自己責任」論に出くわすとは…
    「それにしてもこんなところで「自己責任」論が出てくるとは、
     唖然としました。《誰が好き好んで自主避難などするだろうか》!」

   『●東京電力原発人災、支援の幕引き: 
      「区域外避難」者も含めて「“棄民”政策だというそしりは免れない」
   『●東京電力に核発電所を再稼働させる資格はあるのか?
           無条件で即時に全ての廃炉作業に入るべき
   『●アベ様による「棄民」政策をも追認…東電旧経営陣の
     刑事裁判で永渕健一裁判長は「無罪」という「政治判断」を下した
   『●やはり核発電は「金のなる巨大木」だった…
     高浜「原発マネー」が八木誠会長ら関西電力経営陣個人に見事に《還流》
   『●東電旧経営陣に無罪判決…《誰も事故の責任を取らなければ
        企業に無責任体質がはびこり、また同じことが起きる》
   『●東京電力核発電人災、決して自主避難者の《自己責任》ではない
           …「原発事故がなければ福島を出た人は誰もいない」
    「《住宅無償提供打ち切りで、避難を続けるか、福島に帰るか選択に
     迫られた。家賃の支払いをめぐり被告となる人たちも出ている》…
     何という無慈悲。自主避難者を《被告》にする? デタラメ」

   『●《「知っている町はどこかに行ってしまいました。返してください!
     10年前を!」。故郷をめちゃくちゃにされたことへの怒りは深かった》
   『●武藤類子さん《本来ならその人たちにとってもこの10年、まったく
      違った時間があったはず…原発事故は、その時間を奪ってしまった》

 さらに、〝自主避難者〟という区別・差別…区域外避難者に、どこまでこの国は冷酷なの?
 これもマガジン9のコラム【一枝通信 第7回:「原発避難者住宅追い出し裁判」傍聴記 「『戻る権利』があるように『戻らない権利もあって然るべき」(渡辺一枝)】(https://maga9.jp/210623-1/)。《5月14日、福島地方裁判所で開廷された「原発避難者住宅追い出し裁判」の傍聴に行ってきました。2011年3月11日の東日本大震災と原発事故によって、多くの人が居住地を離れて避難しました。避難者は災害救助法によって避難先で仮の住居を得ましたが、自然災害と違って原発事故による被害は、災害救助法では救済しきれない問題が多々あります被害も長期に亘ります。それなのに、福島県はたった6年で住宅支援を打ち切り、行き場がなくそのまま居住する人に対しては2倍の家賃を請求、更に裁判に訴えてまで追い出そうとしています県民を守ろうとしないばかりか、逆にいたぶっているのです。どうぞ、この裁判にご注目を。》
 東京電力や政府、福島県は、なぜ「原状回復」してくれないんですか? 10年も経ちましたけど? 「原状回復」してくれれば、区域外避難者のみなさんも喜んで古里、故郷にお戻りになるはずです。なぜ「原状回復」しないのですか? 《「知っている町はどこかに行ってしまいました。返してください!10年前を!」。故郷をめちゃくちゃにされたことへの怒りは深かった》。

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https://maga9.jp/210630-5/

言葉の海へ
第170回:原発の今鈴木耕
By 鈴木耕 2021年6月30日

ぼくの「原発ファイル」

 コロナとオリンピックに頭を汚染されて、しばらくこのコラムでも「原発」に触れていなかった。むろん、原発を忘れていたわけじゃない。ぼくの切り抜き「原発ファイル」は、もう47冊目に入っている。

 新聞記事を主体に、週刊誌月刊誌などの雑誌記事、ネット情報のプリントアウト、官報からのデータや、信頼できる筋から入手した文書など、その時々の情報をピックアップして集めているものだ。今も毎朝、新聞4紙(朝日、毎日、東京、沖縄タイムス=電子配信)を読んで、目についたものは切り抜きプリントアウトする。

 原発のほかに、沖縄や憲法、その他の重要な記事は「沖縄・憲法・その他」というファイルを作っていて、こちらはもう62冊目になっている。

 自分でも、これらはかなり貴重な資料集だと思っている。なにしろ、2011年3月から始めたファイルだから、最初のころの紙面はもう茶色く褪せている。そう、あれから10年以上も過ぎたんだな。

 今めくってみると、例えば「原子力安全・保安院の人員構成」「原子力安全委員会役員名簿」「原子力発電所の災害評価」「東京電力本店会議録」「放射能を正しく理解するために・文部科学省パンフ」「第23回原子力安全委員会速記録」などなど、どこから入手したかも憶えていないものも目につく。あの頃、福島事故から1年ほど、ぼくが必死になって集めていたものだ。だから第1冊目は、こんなに分厚い。

 ファイルが47冊ということは、1年に4冊以上のファイルを作成しているということだ。その時々の、ぼくの関心のありようが伝わってくる。

 ぼくの本棚は雑多な本で溢れ返っているが、いずれぼくが死んだら、これらの本はあっさりと処分されるだろう。どう処分してもいいよ、とカミさんには伝えてある(ま、ぼくのほうがカミさんより先に逝くのは確かだと思うから)。

 しかし、このファイルだけはどこかに寄付したいなあ。きっと、それなりの資料的な価値はあると思うのだ。

 昔話はさておき、最近、まるで「コロナ禍」をチャンスとばかり、原発ムラの妖怪たちの動きが激しい。みんなの目がコロナやオリンピックに向いているのを勿怪(もっけ)の幸い、不審な動きが激しさを増している。

 目についたものを順不同でピックアップしてみよう。


処理汚染水海洋放出決定

 これは菅政権の原発に対する考え方を、そのまんま表したような決定である。

 汚染水は溜まりにたまって、貯蔵タンクは2023年には満杯になるとされる。もはや貯蔵しておくのが限界だとして、海へ流すというのだ。

 ALPSという放射性物質除去装置で、多くの放射性物質は取り除かれているという。だが、放射性物質であるトリチウムは除去できないし、他も完全処理には程遠く、多くの放射性物質の取り残しがあるとされる。しかし、それらは安全基準以下に海水で薄めてから「海へ流す」ので環境汚染にはならないと東電も政府も言う。

 何度もぼくは書いたり話したりしているが、こんなおかしな話もない。「海水で薄めて海へ流す」? 海の水を海水という。海から採取した水で薄めて海へ還す。普通のリクツとはとても思えん! これをマジな顔で議論している政府や東電、そして御用学者や官僚たち。正気なのだろうか?

 むろん、地元のみならず科学者や漁業関係者からは絶対反対の声が上がっている。さらには、国連の独立特別報告者(3名)が「放出は太平洋地域の何百万もの命や暮らしに大きな影響を与えかねない」として深い遺憾の意を表明している(4月15日)。国際的にも強い批判を浴びているのだ。


事故処理費の試算21.5兆円

 福島第一原発事故処理費は、2016年時の試算では21.5兆円になったという。費用の内訳は、廃炉=8兆円、賠償=7.9兆円、除染=4兆円、汚染土等保管費=1.6兆円。これは2016年の試算だ。政府による試算は、年が経つたびにどんどん増えていく。多分、もうじき政府が「もっと増えました」と言いだすに決まっている。

 例えば、沖縄辺野古米軍基地の建設費用は、当初(2013年)の防衛省計画では2310億円とされていた。だが沖縄県による現時点での試算では2兆5千億円ほぼ10倍に増え、工期も13年以上かかるとされている。それだって無理だとぼくは思うけれど。

 原発事故処理費はまだまだ増えるだろうし、期間も100年単位になるのは必至だ。それでもなお、原発再稼働や増設を唱える連中の頭の中を掻っ捌いて、中身を見てみたい。多分、連中はオレの生きているうちには終わらないし、死んだ後のことなど知らねえよ。それまでは税金でいい目を見せてもらうぜとせせら笑っているのだろう。


自民原発推進派の動き

 国の基本的なエネルギー政策をまとめる「エネルギー基本計画」は、この夏に改定される予定。それに影響を及ぼそうとして自民党内に「最新型原子力リプレース推進議員連盟」なる組織が動きを活発化させている。

 要するに、「脱炭素社会(カーボンニュートラル)の実現」という菅首相の空疎なスローガンに乗っかって、「原発は脱炭素だから、新増設や建て替え(リプレース)を推進する」というヘリクツ集団である。稲田朋美会長に安倍晋三最高顧問という布陣の、政治的思惑だらけの組織だ。他に「電力安定供給推進議連(細田博之会長)」という議連も原発推進の動きを活発化させている。これらの「議連」というのは、それなりのスローガンは掲げるが、結局は、派閥絡みの利権集団なのだ。

 最近突然旗揚げした「『自由で開かれたインド太平洋』推進議連」というわけの分からない議連は二階俊博会長だが、安倍晋三と伊吹文明の両氏を最高顧問に祭り上げて発足。もはやこうなると、不仲を噂される二階と安倍のパフォーマンス。まるで抗争中のヤクザの組同士の手打ち式だ。でもまあ、そんなのはほっとけばいい。

 だが、「女性初の首相」を狙うという稲田朋美が動き出し、後ろ盾に安倍がつくとなると「原発推進議連」はかなり胡散臭いし、危険な臭いがするのだ。


原発事故の真相

 旧ソ連(現ウクライナ)のチェルノブイリ原発事故から、今年の4月26日で丸35年が過ぎた。その事故に関する機密文書の一部をウクライナ保安庁(情報組織)が公開した。ソ連の情報機関の国家保安委員会(KGB)などの報告書だ。

 同原発は事故前からトラブルが相次ぎ、かなり危険視されていたが住民に知られることを恐れて、すべて隠蔽されていたという。事故後も隠蔽が続き、放出された放射性物質の量や構成、被害者や傷病者、死者などの詳細は隠されたままだった。今回公開されたのは、残念ながら、そのほんの一部に過ぎないけれど。

 原発に関しては、どこの国もやることは同じだ。最近、中国広東省台山原発1号機で放射能漏れ事故があったのではないかとの報道があり、事実、かなりの放射性ガスが放出されていたことが判明した。だが建設に携わったフランス電力は、例によって「多少のガス漏れはあったが環境に影響はない」とコメントしただけだった。

 日本列島は最近、やたらと地震が多い。その度に原発会社は「原発に影響はありません」と発表する。だが今年の2月13日の震度6の地震では、福島第一原発では格納容器内のデブリ冷却水の水位低下が起きていた。しかも、ここでは地震計が壊れたまま放置されていたことも判明。東電の体質は事故後も変わっていない

 電力会社の「原発に支障はない。環境に影響はない」を信じちゃいけない


40年超老朽原発、再稼働

 もう腹立たしいのも通り越して、バカ野郎!と叫びたい。

 あの「40年ルール」ってのは、いったい誰が何のために作ったのだ!

 40年間も運転し続ければ、脆性劣化と呼ばれる金属疲労が起きて危険性が増す、というのは2011年3月の福島第一原発事故の大爆発以前から、ずっと言われてきたことではなかったか。そのために、何度も過酷事故(シビアアクシデント)の瀬戸際まで行ったことがあったではないか。

 美浜原発3号機(関西電力、福井県)では、2004年8月9日に配管破断という大事故を起こし、11名が被災、うち5名が死亡している。その美浜3号機がこの6月23日に再稼働したのだ。もう一度事故を起こさないと懲りないのか!

 関西電力は、福島事故以前は発電量の約5割を7基の原発に頼っていた。しかし関電の原発は老朽化が進み、2025年には5基が40年超となる。だから是が非でも再稼働したいのだ。電源のシフトチェンジを怠ってきたツケを、原発再稼働で補おうというのだから虫が良すぎる。というより、いったいこの10年間、何をやって来たのだ!

 こんな原発に、新規制基準適合というお墨付きを与える「原子力規制委員会」にも、ぼくは不信感いっぱいである。なお、この美浜3号機再稼働に関しては、住民たちが「運転差し止め仮処分」を大阪地裁に申し立てている。地裁では勝つ可能性もあるが、日本の司法は、上級審になるにしたがって「政権忖度判決」に堕ちていく


福島第二原発、廃炉開始

 東京電力は、福島第二原発(4基)の廃炉作業を開始した。廃炉終了までには44年間かかると見積もっているという。これで、第一(6基)と併せて、東電は全10基の廃炉作業を同時並行で行うことになる。

 だが、燃料デブリ(溶融核燃料等の融合物)は致死に至る放射能を帯びており、近づくことさえできず状況すら把握できていない。第一原発は廃炉工程さえ作れない状況にあり、それと同時並行の第二廃炉など、絵に描いた餅以上だ44年どころか、100年後の日本をも汚し続けているだろう

 しかも、取り出した放射性廃棄物の行き先は決められないままだ

 よく「原発はトイレなきマンション」と譬えられるが、この強烈な「排泄物」を、東電(すべての電力会社や自民党政府)は、いったいどうしようというのだろうか。再稼働など、デブリや使用済み核燃料の廃棄処分が終わってから言え

 なお、伊方3号機(愛媛)はこの10月に再稼働、また島根2号機には規制委が新規制基準適合を与えた。もはや、原発は規制を失ったかに見える


核燃料再処理工場の闇

 みなさん、核燃料再処理工場って知っていますか? そして、この事業にいったいいくらの金が注ぎ込まれているか知っていますか?

 青森県六ケ所村にある日本原燃の「六ケ所再処理工場」のこと。要するに、使用済み核燃料を各電力会社がここへ持ち込んでガラス固化体にして処理するという触れ込みで、1993年に建設が開始された。だが、固化体は何度試みても成功しない。したがって、工場そのものも完工には程遠い。

 これまで28年間で、すでに25回も稼働延期が繰り返され、費用も当初は7600億円だったものが、いまや総事業費14兆4千億円に膨れ上がっているなんと20倍だぜ。こんなデタラメな会社が存続しているのがニッポンだ。一般の会社ならとっくに倒産、社長らは責任取って腹切りものだろう。しかも、これで収まるという可能性はほぼゼロだ。これもまた、あの辺野古基地と同じ構造である。

 また、使用済み核燃料を加工してMOX燃料(抽出プルトニウムとウランの混合燃料)にする工場の総事業費も2兆4千億円と増え続けている。まるで金をドブに捨てるようなものだが、それでも止めようとしない。いったいどこからそんな金が出てくるのか。

 とにかく、最初は低い見積もりで、完成するかどうかわからないものに予算をつける。それが何度も延期を繰り返し、工期も費用も膨大にかさんでいく日本政府や官僚の、これがやり口なのだ。一度決めたことは何があっても引き返さない。誰も責任を取らない。そのうち、立案者や実行者たちは消えていく

 日本的無責任体系の典型的な例がここにある。そう、東京オリンピックの惨状を見ていれば、これが「ニッポン病」だということがよく分かる。


その他の諸問題

 とりあえずここまで書き進めてきたが、まだ原発に関する問題は山積みだ。

 例えば、事故による障害、白血病やその他の癌の発生、原発作業員の労災の問題、子どもたちの甲状腺検査縮小への批判、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)の報告書、避難者たちへの補償の問題、同じく住宅補助の打ち切り、再生エネルギー問題、九州電力による出力制御、風評被害……などなど、触れなければならない問題は限りがない。

 しかし、今回はここまでにしておこう。原発問題となると、ぼくの文はどうしても長くなってしまうのだ。

 とくに、原発事故による放射性物質の拡散の影響、それによる疾病の増大、小児甲状腺癌の発生と検査体制の問題については、とても数十行の文章では意を尽くせない。それについては稿を改めようと思う。


鈴木耕 すずき こう: 1945年、秋田県生まれ。早稲田大学文学部文芸科卒業後、集英社に入社。「月刊明星」「月刊PLAYBOY」を経て、「週刊プレイボーイ」「集英社文庫」「イミダス」などの編集長。1999年「集英社新書」の創刊に参加、新書編集部長を最後に退社、フリー編集者・ライターに。著書に『スクール・クライシス 少年Xたちの反乱』(角川文庫)、『目覚めたら、戦争』(コモンズ)、『沖縄へ 歩く、訊く、創る』(リベルタ出版)、『反原発日記 原子炉に、風よ吹くな雨よ降るな 2011年3月11日〜5月11日』(マガジン9 ブックレット)、『原発から見えたこの国のかたち』(リベルタ出版)、最新刊に『私説 集英社放浪記』(河出書房新社)など。マガジン9では「言葉の海へ」を連載中。ツイッター@kou_1970でも日々発信中。
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コメント
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●《空疎な小皇帝》石原慎太郎元東京「ト」知事による五輪招致が間違いだった…小池「ト」知事「コロナとの戦いで金メダル取りたい」…

2021年07月29日 00時00分06秒 | Weblog

[※《自助》大好きオジサン・元最低の官房長官と学商日刊ゲンダイ 2020年9月7日)↑]


(2021年07月24日[土])
リテラの記事【東京五輪強行開催特別企画/大ウソだらけの東京五輪! 招致からコロナ下での開催強行まで安倍晋三・菅義偉・森喜朗らはどんな嘘をついてきたのか 総まくり】(https://lite-ra.com/2021/07/post-5960.html)。

 《…東京五輪の開会式がおこなわれる。新型コロナの感染爆発はもちろんのこと、開会式前日に演出トップがユダヤ人大量虐殺をネタにしていた問題によって解任されるという前代未聞の事態が発生。だが、それでも内容を変更することもなく予定どおり開会式をおこなうと言うのだから、開いた口が塞がらない。もはや東京五輪は「平和の祭典」ではなく、いまの日本が抱える闇と膿が一気に噴出して世界中に恥を晒す歴史的な大会となることが決定したも同然だ。しかし、これは最初からわかりきっていたことだ。というのも、この東京五輪は招致の段階から、為政者たちが五輪を政治利用するために嘘を並べ立て、国民を欺きつづけてきた大会だからだ》

   『●自公お維支持者はカースー独裁《パンケーキ政権を毒見》して…
     「私は選挙に影響する映画をつくりたい」(河村光庸プロデューサー)

 (#投票倍増委員会 会員です)。
 (斎藤貴男さん)《スガ政権、東京はコロナウイルス実験のシャーレではない》《世界中の変異株を集めて培養し、再び世界に送り返すことになる以上、愚行のツケは日本国民だけに回されるのではない》。
 東京新聞の記事【菅首相 五輪「中止の選択肢ない」 東京のコロナ感染、最多の2848人も】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/119736)によると、《菅義偉首相は27日夕、東京都の新型コロナウイルス感染者が過去最多の2848人となったことに絡み、東京五輪をこのまま続けるかについて「人流は減っている。そこ(中止)はありません」と述べた。官邸で記者団から「感染は拡大している。中止の選択肢はないのか」と質問されたのに答えた》。
 正気だろうか? 前首相アベ様同様、平気でウソを吐くことも《継承》。

 東京新聞の記事【小池知事 東京五輪「コロナとの戦いで金メダル取りたい」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/118982)によると、《東京都の小池百合子知事は24日、東京五輪についてぜひ東京大会はCOVID19新型コロナウイルスによる肺炎との戦いで金メダルを取りたいと思います。そのためにはみなさんの協力が必要なので、一生懸命訴えていきたい」と答えた。都内の視察先で答えた。小池知事は、開催までに困難だったことを海外メディアから問われ「1年遅れて開催されたのもCOVID19の影響。そのたびに形を変えて、新しいCOVID19がやってくる。それに対しての対応は本当に困難でした」とする一方「ワクチン接種が進んでいる。COVID19の強さとスピードと、ワクチンを接種するスピードとの戦いになっている」との認識を示した。その上で「ぜひ東京大会はCOVID19との戦いで金メダルを取りたい」と語った》。
 全く何を言っているのか? 《COVID19との戦い》で、予選落ちどころか、予選にさえ立てず。不戦敗。本日の検査人数は、一体、何人ですか? 検査人数(7月16日7日間移動平均)7884.3人で、陽性率(7月16日7日間移動平均値をもとに算出)8.9%。この異常な感染率は、検査数が全く足りていないことを意味しているのではないですか。金(キン)メダルには全くと届かず、でも、金金金(カネカネカネ)は五輪貴族やその取り巻き、電通やパソナやそのキックバックを受ける政治屋達にはしっかりと稼げて、ホントに良かったね。オメデトウ。オリンピック後、パラリンピック後、起きていることを想像すると空恐ろしくなる。

   『●この最悪なCOVID19禍、さらに、酷暑の中、開催強行…皆さん
     ご帰国の折、《反日》アスリートや《反日》ジャーナリスト製造な東京五輪

 カネカネカネの金(カネ)色の五つの輪が強行された。COVID19禍、酷暑…《国民に我慢を強いながら五輪開催》を強行…。
 2013年9月、世界に向けて「汚染水漏えい問題はない」と言い切ってしまったょ……以来ずっと《五輪中止を》言い続けてきたのだが…。いや、《空疎な小皇帝石原慎太郎元東京「ト」知事が五輪招致をやり始めて以来だ。

   『●オリンピック招致費用、「都税75億円」+「都税25億円」!
    「それにしても、「五輪招致の活動費は総計150億円」…。
     「何をやっても許されると思っている」知事ですので、関係者の皆さん
     本当に大変なことでしょう。良心的な都民の皆さんにとっては、
     「都は都税での追加補助はしない考え」というのが救いでしょうが、
     新銀行東京のことなどを思い浮かべると、安心もしていられないでしょうね」

   『●八つ当たり
   『●続・オリンピック招致費用、「都税75億円」+「都税25億円」!
   『●自腹を切れば
   『●再稼働・輸出問題に続いて、
     東京電力原発人災下の五輪招致騒動: 「あろうことか」、の連続
   『●五輪誘致に浮かれ、
      原発再稼働・輸出を目指して廃炉に向かえない恥ずかしい我国
   『●世界に向けて「汚染水漏えい問題はない」と言い切ってしまったょ……

 《空疎な小皇帝》石原慎太郎元東京「ト」知事が五輪招致をやり始めたことが大きな間違いだった。

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https://lite-ra.com/2021/07/post-5960.html

東京五輪強行開催特別企画
大ウソだらけの東京五輪! 招致からコロナ下での開催強行まで安倍晋三・菅義偉・森喜朗らはどんな嘘をついてきたのか 総まくり
2021.07.23 01:40

     (東京2020オリンピック競技大会公式ウェブサイトより)

 ついに本日、20時から東京五輪の開会式がおこなわれる。新型コロナの感染爆発はもちろんのこと、開会式前日に演出トップがユダヤ人大量虐殺をネタにしていた問題によって解任されるという前代未聞の事態が発生。だが、それでも内容を変更することもなく予定どおり開会式をおこなうと言うのだから、開いた口が塞がらない。もはや東京五輪は「平和の祭典」ではなく、いまの日本が抱える闇と膿が一気に噴出して世界中に恥を晒す歴史的な大会となることが決定したも同然だ。

 しかし、これは最初からわかりきっていたことだ。というのも、この東京五輪は招致の段階から、為政者たちが五輪を政治利用するために嘘を並べ立て、国民を欺きつづけてきた大会だからだ。

 そこで、開会式という負の記念日に合わせ、この東京五輪を開催するために吐き出されてきた嘘の数々をあらためて振り返りたい。いかに東京五輪が欺瞞に満ちたものか、この日にこそ噛み締めていただきたいと思う。


◎大嘘その1
「フクシマについてお案じの向きには私から保証をいたします。状況は制御下(アンダーコントロール)にあります」
安倍晋三首相(当時)/2013年9月、国際オリンピック委員会(IOC)総会にて

 すべてはこの嘘からはじまったと言ってもいいだろう。2013年、ブエノスアイレスでおこなわれたIOC 総会の最終プレゼンで、福島原発事故問題について当時の安倍首相は世界に向けて言い放った「アンダーコントロール」発言。それから8年、いまだに福島第一原発の事故処理は進まず、そればかりか菅政権は今年、増えつづける「汚染処理水」について海洋放出する方針を正式決定。政府が交わしていた「関係者の理解なしにはいかなる処分もおこなわない」という約束を反故にした。

 そして、この「アンダーコントロール」という大嘘の大元にあるのが、もはや幻となった「復興五輪」なる謳い文句だ。


◎大嘘その2
「復興五輪」
安倍晋三首相(当時)、菅義偉首相ら多数

 招致の段階から全面に押し出されてきた「復興五輪」だが、前述したブエノレスアイレスでの最終プレゼン前の会見では竹田恒和・東京五輪招致委理事長(当時)が「福島と東京は250キロ離れており、みなさんが想像する危険性は東京にない」などと発言。かたや被災地を利用しながら、かたや被災地から福島を切り離そうとするこの暴言をひとつとっても、最初から「復興五輪」という嘘はバレていた。

 しかも、東京五輪の開催が東日本大震災の被災地復興の後押しをすると喧伝して招致に最大限利用したというのに、現実に起きたことは180度真逆。東京で五輪関連の建設ラッシュが起きたために人手不足や建築資材の高騰が起き、公共工事の入札不調が続出。五輪開催がむしろ被災地の復興を妨げる事態となったからだ。

 その上、「復興五輪」という謳い文句をこの期に及んで組織委は“隠蔽”。実際、今月14日に組織委が発表した東京オリパラ開閉会式4式典共通コンセプトには「復興五輪」の4文字は見当たらない。式典のエグゼクティブプロデューサーを務める日置貴之氏は「たまたま書いてないだけ」と語り、橋本聖子・組織委会長も「私自身は入るものだと思っていた」などとすっとぼけたが、招致のために利用するだけして、すでにポイ捨てされてしまったのである。


◎大嘘その3
「2020東京五輪は神宮の国立競技場を改築するがほとんど40年前の五輪施設をそのまま使うので世界一カネのかからない五輪なのです」
猪瀬直樹・東京都副知事(当時)/2012年7月Twitterに投稿(現在は削除)

 もはや乾いた笑いしか出てこない。当初、東京五輪の大会経費は7300億円としていたにもかかわらず、2019年末の段階で1兆3500億円、新型コロナによる延期で1兆6440億円と、完全に倍増。さらに関連経費をくわえると大会経費は3兆円を超え、五輪史上もっとも経費がかかる大会となることは確実だからだ。上述のツイート主で招致決定時の知事だった当の猪瀬直樹氏は、いつの間にか当該ツイートを削除してしまう始末

 しかも、大会経費がここまで膨れ上がった背景にあるのは、贅沢三昧の「五輪貴族」たちへのおもてなしはもちろん、電通パソナグループといった五輪に食い込む政府御用達の大企業による中抜き、ピンハネの横行だ。そして、この「世界一カネがかかる五輪」の赤字の尻拭いは公金によって賄われる。つまり、背負わされるのは国民だ


◎大嘘その4
この時期の天候は晴れる日が多く、且つ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である
2013年1月発表「立候補ファイル(日本語版)」より

 22日まで5日連続で33度を超え、19日には「熱中症警戒アラート」が「危険」「運動は原則禁止」レベルに達した東京。同日には127人が熱中症の疑いで病院に搬送されたが、これを温暖」「理想的な気候と呼ぶとはとんだ詐欺だ

 しかし、この大嘘で東京に招致した責任者のひとりである猪瀬直樹・元東京都知事は、テレビ番組で「温暖ではなく酷暑。嘘をついて招致したのでは」と突っ込まれた際、ハハハと笑いながらプレゼンテーションってそんなもんでしょと発言。さらに組織委や東京都が「暑さ対策」として打ち出したのは、打ち水」「朝顔」「氷風呂などという“焼け石に水”“戦中の竹槍精神”のような非科学的な対策の数々だった。

 だが、これはトホホと笑えるような話ではまったくない。新型コロナによって「酷暑問題」がすっかり置き去りにされてしまったが、当初からの懸念は的中し、現実に東京は殺人的な暑さに見舞われており、いままさに選手たちの安全が脅かされようとしているからだ。


◎大嘘その5
「多様性と調和」
2014年10月発表、組織委「大会ビジョン」より

 国籍や性別、性的指向、障がいの有無などを問わず、互いを肯定しあう共生社会を目指す──。「大会ビジョン」の柱のひとつに掲げたこの理念を、当の組織委が自らブルドーザーのように潰していったのはご存じのとおり。組織委会長だった森喜朗の女性差別発言と開閉会式の演出責任者だったコレオグラファー・MIKIKO氏の排除問題に、開閉会式の総合統括だった佐々木宏によるルッキズム全開の演出プラン、楽曲担当だった小山田圭吾による障がいのある同級生への“虐待”自慢、そしてショーディレクターだった小林賢太郎のユダヤ人大量虐殺のネタ化……。ようするに実態は「アンチ多様性と調和」の大会だったわけだ。

 だが、これは組織委にかぎった話ではけっしてない。性的マイノリティ差別問題をめぐっては政権与党の自民党内から性的マイノリティについて「種の保存に背くもの」などという差別発言が飛び出すなど、法整備も進まぬまま。選択的夫婦別姓制度の導入も見送られ、挙げ句、人道に反した入国管理法改正案を押し通そうとさえした。

 五輪開催国として「多様性と調和」を進めようとするどころか、むしろ進んで逆行してみせる。この間のゴタゴタは、反人権国家という実像を露呈させたにすぎないのである。


◎大嘘その6
「人類が新型コロナに打ち勝った証として、完全な形で開催する」
安倍晋三首相(当時)/2020年3月24日、トーマス・バッハIOC会長との会談で

 唐突にこう宣言して「延期1年以内」「延期は1回きり」と決めてしまった安倍首相(当時)。案の定、いまもって世界中どこを探してもコロナに打ち勝った国はどこにもないのだが、安倍首相のこの発言のせいで2年延期も再延期も封じ込まれてしまった。

 あの森喜朗氏でさえ「2年延ばしたほうがいいのではないか」と進言したというのに、安倍首相が聞き入れなかった理由。それは無論、自分の在任中にどうしても東京五輪を開催し、東京五輪の成功を自分の手柄として総裁の任期延長、総選挙になだれ込み、憲法改正を叶えるためだった

 ところが、開催の絶対条件である「コロナに打ち勝つ」という目標に対し、安倍首相が実行したことはまさかの「アベノマスクの配布」。昨年6月には「(モデルナ製ワクチンを2020)年末くらいに接種できるようになるかもしれない」などと語ったが、肝心の交渉は後手後手となり、ご存じのとおり夏の終わりには「持病の悪化」を理由にして遁走を図った。

 だが、「東京五輪というレガシーを生んだ立役者」という立場に固執した安倍前首相は、政権を放り出しておきながら組織委の名誉最高顧問に就任。最近も歴史認識などで一部から反日的ではないかと批判されている人たちが、今回の開催に強く反対しているなどと国民を分断するような暴言を吐いてきた

 このように、徹底的に東京五輪を自己利用しつづけてきた安倍前首相だったが、絶句したのは、東京五輪が「負のレガシー」になる公算が高まるや否や、土壇場になって開会式の出席を見送ったことまさしく「無責任」を絵に描いたような展開だが、相変わらず逃げ足だけはいつも早いとしか言いようがないだろう。


◎大嘘その7
「安全安心の大会」
菅義偉首相/2021年2月2日記者会見など

 菅首相が「安全安心の大会」という言葉を最初に使ったのは、官房長官だった2020年6月11日の記者会見でのこと。前述した安倍首相の「完全な形」について、「世界のアスリートが万全のコンディションでプレーし、観客にとっても安全安心な大会」と定義したのだ。そして首相になると、「バブル方式」を持ち出しては「安全安心」という言葉を連呼。6月17日の記者会見では、ラジオ・フランスの西村カリン記者から「感染拡大リスクがあっても、なぜ大丈夫だと思うのか。NOと言えないのか、プライドか、または経済の理由か」と問われた際、「NOでもプライドでも経済でもない。日本においては、外国から来られた方の感染対策をしっかり講じることができるからだ」などと断言までしてみせた。

 しかし、現実は目も当てられない悲惨なものになったバブルは完全に崩壊状態で、連日、選手をはじめとする大会関係者の感染者が続出しているからだ

 だが、この男はいまだに自分の非を認めようとしない。そればかりか21日のぶら下がり取材では、TBSラジオの澤田大樹記者がバブルが機能不全に陥っていることを指摘し、答えをはぐらかす菅首相に“更問い”で迫ったのだが、この更問いの際に社名を名乗らなかっただけで菅首相はルールを守ってください!と逆ギレ。「安全安心」「バブル方式」という国民との約束を破っておきながら「ルールを守れ!」とは、一体どの口が、という話だろう


◎大嘘その8
「東京五輪の開催はIOCに権限がある」 「私自身は(五輪の)主催者ではない」
菅義偉首相/(上)2021年4月23日記者会見、(下)2021年6月7日参院決算委員会での答弁

 東京五輪の開催に「反対」「中止すべき」という声が増すなかで、“自分には開催の可否を判断する権限がない”と主張してきた菅首相。これらの発言は「そんなバカな話があるか」と突っ込まれてきたのだが、ここにきて、この主張が大嘘だったことを、なんと菅首相自らが明かした。

 それは21日に掲載された米ウォール・ストリート・ジャーナル日本版のインタビューでのこと。菅首相は、東京五輪の開催を中止するよう身近な関係者から「何度も助言された」と明かした上で、こう言い放ったのである。

やめることは一番簡単なこと、楽なことだ挑戦するのが政府の役割だ

 自分には権限がないとあれだけ言ってきたのに、いざ競技がスタートするや否ややめることは一番簡単」「挑戦するのが政府の役割」と言い出す……。「だったらいまからでもやめろ」と言うほかないが、さらに菅首相がついたなかでもっとも重大な嘘は、次のものだろう。


◎大嘘その9
国民の命と健康を守るのは私の責務で、このことより(五輪開催を)優先させることはない」
菅義偉首相/6月1日参院厚労委員会での答弁

 菅首相は開催の前提を「国民の命と健康を守っていく」ことだと説明してきたが、開会式前日の22日、東京の新規感染者数は1979人となり、都内のコロナ入院患者は2500人を突破。東京では第3波の際に医療崩壊が起こったが、都のモニタリング会議は21日、「2週間を待たずに第3波をはるかに超える危機的な感染状況になる」「新規陽性者が増加し続ければ、医療提供体制がひっ迫の危機に直面する」と強い懸念を示した。

 しかし、すでに国民の命と健康が脅かされる局面にあるにもかかわらず、菅首相は東京五輪の開催を優先。感染爆発の状況に目を向けようともせず、21日のぶら下がり取材では、「(国民の命は)守れると思っている」と明言し、その根拠をこう語った。

「きょうも1000人を超えているが、重症化の一番多いと言われる高齢者の感染者はこのところ4パーセントを切っている」
「ワクチン接種というのは大きな効果が出ている」

 ふざけるのもいい加減にしろ、という話だ。たしかに高齢者の重症患者は減っているが、いまは重症患者の世代はそれより若い40〜50代に移っており、現に東京の重症病床使用率はすでに50%を超えているのである。

 都合の悪い現実、データを完全に無視して「国民の命は守れる」と言い張る菅首相。いや、そればかりか、20日には「ワクチン接種も始まり、長いトンネルにようやく出口が見え始めている」とまで言い出した。ワクチン接種が遅れに遅れ、そのために40〜50代の重症患者の増加を招いているにもかかわらず、だ。

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 菅首相は6月9日の党首討論で「世界が新型コロナという大きな困難に立ち向かい、世界が団結してこれを乗り越えることができた。こうしたこともやはり日本から世界に発信したい」と述べた。

 だが、きょう開会式を迎えた東京五輪大会が世界に向けて発信することになるのは、ここまで挙げてきたように数々の大嘘をついてきたこと、差別や歴史修正が蔓延り、基本的人権を守る気がない国であること、そして東京五輪と引き換えに総理大臣が国民の命と健康を守る責務を放棄したという事実だけだ。

 このような国に、五輪を開催する資格も余裕もない即刻、東京五輪は中止すべきだ。そしてこの訴えを、本サイトは開会してもつづけていく所存だ。

(編集部)
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●この最悪なCOVID19禍、さらに、酷暑の中、開催強行…皆さんご帰国の折、《反日》アスリートや《反日》ジャーナリスト製造な東京五輪

2021年07月24日 00時00分11秒 | Weblog

[※《自助》大好きオジサン・元最低の官房長官と学商 (日刊ゲンダイ 2020年9月7日 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/278353)↑]


(2021年07月23日[金])
原田遼記者による、東京新聞の記事【「天の声」に翻弄された開会式…組織委関係者が語る「五輪の闇」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/118610)。

 《今春からは都内や千葉県で連日、リハーサルが続いた。緊急事態宣言で県をまたぐ移動の自粛が求められている時も、100人以上の出演者を各地から集めて実施した。罪悪感にかられ続けた男性は「社会と矛盾することばかりしている。五輪がもう嫌いになった」。》

 カネカネカネの金(カネ)色の五つの輪の開会式の日を迎えた。
 COVID19禍、酷暑…《国民に我慢を強いながら五輪開催》強行。

   『●無観客開催にすり替え…緊急事態宣言の最中、五輪貴族やその取り巻き
         連中による醜悪な〝バカの祭典〟〝パソナの祭典〟をやる気?
   『●《大会経費の赤字の尻拭いを背負わされるのは国民だ》 ―――
     どこまでも醜悪なバカの祭典、パソナ五輪。一体どちらが《反日的》か?
   『●《人々を苦しめているのは…満足に給付や補償をせずに自粛を強制
     する政権》(町山智浩さん)…一体どちらがバカで、《反日的》か?
   『●《「スガ総理」…内閣支持率の下落が止まらない。その要因は
     コロナ対策の度重なる不手際と、国民に我慢を強いながら五輪開催に…》

 2013年9月、世界に向けて「汚染水漏えい問題はない」と言い切ってしまったょ……以来ずっと《五輪中止を》言い続けてきたのだが…。いや、《空疎な小皇帝石原慎太郎元東京「ト」知事が五輪招致をやり始めて以来だ。

   『●オリンピック招致費用、「都税75億円」+「都税25億円」!
    「それにしても、「五輪招致の活動費は総計150億円」…。
     「何をやっても許されると思っている」知事ですので、関係者の皆さん
     本当に大変なことでしょう。良心的な都民の皆さんにとっては、
     「都は都税での追加補助はしない考え」というのが救いでしょうが、
     新銀行東京のことなどを思い浮かべると、安心もしていられないでしょうね」

   『●八つ当たり
   『●続・オリンピック招致費用、「都税75億円」+「都税25億円」!
   『●自腹を切れば
   『●再稼働・輸出問題に続いて、
     東京電力原発人災下の五輪招致騒動: 「あろうことか」、の連続
   『●五輪誘致に浮かれ、
      原発再稼働・輸出を目指して廃炉に向かえない恥ずかしい我国
   『●世界に向けて「汚染水漏えい問題はない」と言い切ってしまったょ……


 畠山理仁さんのつぶやき:

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https://twitter.com/hatakezo/status/1417728369278423040

畠山理仁/『黙殺』(集英社文庫)著者@hatakezo

東京は「アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候」(五輪立候補ファイルより)のまっただなかにあります。
先ほど車で外出した際の外気温は「39℃」でした。
嘘を言う人たちはもちろん、見て見ぬふりをする人たちも最低だと私は思います。

午後3:09  2021年7月21日
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 《見て見ぬふりをする人たちも最低だ》…今からでも、直ぐに中止すべきだ。コレで開催強行なんて、正気じゃない。
 cakesのコラム【武田砂鉄 ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜/松岡修造の熱意さえ効かない状態】(https://cakes.mu/posts/34193)によると、《「最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候」…2013年、東京招致を狙う組織委員会がIOCに提出していた「立候補ファイル」の一部を思い出そう。そこには、「この時期の天候は晴れる日が多く、且つ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である」とあった。どうだろう、少なくとも自分にとっては、「マンションの1階にあるポストに郵便物を取りにいくのさえ億劫な気候」「飛び乗った車両がたまたま『弱冷房車』だったので、自分の日頃の行いが悪いからだろうかと考え込んでしまった気候」だった。でも、泊まっているホテルを出て、すぐに車に乗って、迎賓館にたどり着く人たちにかぎっては、「最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候」なのかもしれない》《「絆」「夢」「希望」「団結」、これらの言葉は、数年前まで、松岡修造のような力んだ人が、積極的に言い放ち、それを話半分に受け止めるというのが似合う言葉だった。それが、このオリンピックでは、言い訳として酷使される言葉になった。あの松岡修造がどうも弾けきれない。そんなオリンピックが、反対の声を押しつぶしながら強引に幕を開ける。ネガティブをポジティブにするのではなく、ネガティブなことはネガティブなものとして、問い続けたい》。

 マガジン9のコラム【言葉の海へ 第173回:菅の「安全帽」は安心か?(鈴木耕)】(https://maga9.jp/210721-5/)によると、《ぼくは「東京オリンピック招致」そのものに反対だった。東日本大震災と福島原発事故による傷が癒えず、人々が呻吟している状況の中でのお祭り騒ぎはないだろう。それにかかる費用は復興や被災者救済に充てるべきだと、主張してきた。同じ思いの人たちもたくさんいた。だから、五輪開催の競争相手だった他の都市に比べて、日本(東京)での五輪開催支持は、とても低かったのだ。だがそれは、安倍の「原発事故アンダーコントロール」発言でごまかされ、ついには安倍マリオなるバカ扮装で吹っ飛ばされた。その結果、多分「悲惨五輪」として歴史に残るであろう「東京オリンピック」が強行開催されようとしている。鳴り響くファンファーレは、日本没落の弔鐘だろう……。》

 今日の東京の新規感染者は2000人を超えるかもしれない。それでも、《スガさんの生命維持装置》としてのバカの祭典パソナ五輪スガ政権の祭典を強行する無為無策無能な政権。最早、殺人オリンピック
 日刊ゲンダイのコラム【金子勝の「天下の逆襲」/菅政権のワクチン政策はデタラメ続き 縁故企業へのばらまきを許すな】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/292181)。《マスコミ各社の世論調査で菅内閣の支持率が軒並み下落している。読売新聞によると、東京都内では28%。個別面接方式で信頼が高いとされる時事通信の全国調査は29.3%で、危険水域に入った。当然の結果だ。間もなく、世論の大半が反対する東京五輪が開催される。新型コロナウイルスの新規感染者数は急速に増加している。感染拡大の第5波が襲来する最中の五輪強行は愚行でしかない。都のモニタリング会議の予測によると、現在の増加比が続くと、4週間後には7日間平均が2400人超え。五輪閉幕とパラリンピック開催の間にピークを迎える可能性がある》。

 リテラの記事【検査数少ないのに感染1387人 東京で医療逼迫が始まる! 入院患者や40〜50代の重症が急増も菅首相や政府は「大丈夫」】(https://lite-ra.com/2021/07/post-5957.html)によると、《東京五輪の開会式まであと3日となったが、一方で開催都市である東京都では医療崩壊の足音が聞こえはじめた。本日20日、東京の新規感染者数は1週間前より557人も増加した1387人と発表されたからだ。この数字は直近7日間移動平均で1180人、対前週比で149.3%増というもので、感染が一気に拡大していることがはっきりとしたが、その背景にあるのはデルタ株の影響だ。本日の東京都の発表によると、変異株PCR検査は791件おこなわれ、そのうち「L452R」が確認されたのは317件。感染割合は40.1%にものぼっているのである。しかし、いま東京が置かれている状況は、これらの数字よりもっと深刻であることは間違いない。というのも、検査件数(3日間移動平均)はわずか6700件で、陽性率(検査人数は7日間移動平均で算出)は10.2%にも達しているからだ。これはあきらかに検査数が足りず、感染者を捕捉できていない状況であることを示している。こんな状況下で東京五輪を開催しようということ自体、正気の沙汰ではないが、ところが、肝心の菅義偉首相はこの感染爆発前夜の状況をまったく気にも留めようとしない。いや、それどころか、東京新聞18日付記事によると、政府高官がこんな恐ろしい言葉を吐いている。〈15日に開かれた都のモニタリング会議では、新規感染者の増加が今のペースで続けば、五輪閉幕直後の8月11日には直近1週間平均で約2400人に達するとの試算が示された。だが政府高官は「それくらいなら大丈夫中止はない」と意に介さなかった。〉》

 《復興五輪》《人類がコロナに打ち勝った証し》はどこに行ったの?
 沖縄タイムスの【社説[五輪と内閣支持率]早くも危機的な状況に】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/789340)によると、《文字通り秒読みの段階だというのに、五輪特有の華やいだ気分やお祭りムードは、どこからも伝わってこない。それどころではない現実に直面しているからだ。1年延期した後の五輪開催について菅義偉首相は当初、「人類がコロナに打ち勝った証し」と、その意義を強調していた。だが、世界はまだ、コロナに打ち勝っていない。変異株が世界的に猛威を振るい、多くの国で新規感染者が急拡大しているのが実情だ。最近になって菅首相はキャッチコピーをあらため、「安全・安心」という言葉を使うようになった。だが、国会でも記者会見でも「安全・安心」を繰り返すだけで、「説明のない政治」は相変わらずだ》。

 東京新聞の記事【【速報】菅首相「国民の命守れる」 東京都で感染拡大続く中 パラリンピックは「有観客で」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/118327)によると、《菅首相は、現在の東京都の感染増加ペースで国民の命を守れるのかと問われ「守れると思っている」と述べた。高齢者の重症化率が低く、ワクチン接種の効果が表れていると理由を説明した。首相は五輪開幕に関し「政府として感染防止に全力を尽くし、大会の成功に努力する」と述べ、国民に自宅から声援を送るよう求めた。東京パラリンピックについては「感染状況が変わってきたら、ぜひ有客の中でと思っている」と述べた》。

 五輪貴族とその取り巻き連中の頭にデッカイ「石が落ち」ちまえっ!
 東京新聞の記事【<オリンピックLIVE>バッハ会長「開会式は喜びと安堵の時に」 東京では感染者急拡大】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/118162)によると、《19:40 バッハ会長 開会式を「喜びと安堵の時に」 IOCのバッハ会長はメインプレスセンター(MPC)での記者会見で、23日の開会式を「喜びと安堵の時になるだろう。特に選手たちはどれほどこの瞬間を待っていたか。簡単な道のりではなかったから」と占った。ドイツではほっとすることを心臓から石が落ちると表現すると言い、「23日はそういう日になる」と話した。日本人の多くがコロナ下での五輪を不安視していると問われると、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が、あらゆるコロナ対策が今回の五輪に適用されていると述べたことを挙げ、「テドロス氏はコロナに責任を持つ世界最高機関のトップだ。私から付け加えることはない」と答えた》。

 「復興五輪」の「ふ」の字も無し…さっさと「原状回復」して下さいな、10年が経ちましたよ。
 東京新聞の記事【もう一つの「緊急事態宣言」 原発事故の福島 解除の見通しないまま10年超】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/118366)によると、《新型コロナウイルス禍で東京都に緊急事態宣言が出ている中、福島市でのソフトボールを皮切りに東京五輪が始まった。当初「復興五輪」が掲げられたが、福島県内では別の緊急事態宣言が続いている。東京電力福島第一原発事故の直後に政府が出した「原子力緊急事態宣言」だ。発令と解除を繰り返す新型コロナの宣言と異なり、解除の具体的な条件や見通しすら決まっていない。(小川慎一)》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/118610

「天の声」に翻弄された開会式…組織委関係者が語る「五輪の闇」
2021年7月23日 06時00分

 「VIP(要人の)姿だけ映し出される、ひどい開会式になってしまう」。23日の東京五輪開会式で制作を担当した組織委員会関係者が本紙の取材に応じ、本番を前にした複雑な思いを語った。制作段階から「政治」に翻弄されたあげく、異例の無観客開催に。さらに式典目前になり、演出を担当する著名人の過去の問題発言が相次ぎ発覚し、「どんな演出をしても国民からたたかれそうだ」と懸念する。(原田遼


◆「依頼は絶対」

 延期が決まってからの1年4カ月、担当者の男性はひそかに「中止になってくれ」と願ったという。歴史に残る式典に関わることが決まった数年前は「わくわく」が止まらなかったが、喜びはとうに消えていた。
 五輪の闇が想像以上に深かったからだ。現場で1つの演目のストーリーと出演者を固めた後、組織委や都の有力な関係者やJOC(日本オリンピック委員会)サイドから、唐突に有名人などの出演依頼が下りてくる。部内では有力者ごとに「○○案件」とささやかれた。
 男性は「有力者が便宜を図った依頼は絶対その度、無理やり演目のストーリーをいじって当てはめた」と明かした。


◆「全部ウソ

 男性によると、まず2017年に狂言師の野村萬斎氏らで作る演出家の「8人体制」でスタート。8人のトップは山崎貴氏(映画監督)、野村氏、MIKIKO氏(振付師)と次々変わった。
 組織委は昨年12月、突然8人体制を解散させ、そのうちの佐々木宏氏(CMディレクター)に演出を一任させると発表した。表向きの理由は「開会式の簡素化のため演出をゼロベースで見直すため」だった。
 しかし男性は「全部ウソ」と明かす。実際には昨年夏の時点で「緊急リーダー」という名目で佐々木氏がトップとなり、準備を再開させていた。一方、それまでトップだったMIKIKO氏に対して、組織委はその連絡をしなかった
 MIKIKO氏は事実を10月になって知り、辞任届けを提出。しかし、組織委はそれを隠して、12月の体制変更発表を行った。


◆「何度も不義理」

 結局、佐々木氏はタレントの渡辺直美さんを「豚」に見立てる演出を提案したことが週刊誌で判明し引責辞任した。
 男性は「MIKIKOさんだけでなく、これまで他の演出家に何度も不義理を働いている武藤敏郎事務総長ら組織委幹部が何もなかったように仕事をしているのが許せない」と不信感を抱く。
 今春からは都内や千葉県で連日、リハーサルが続いた。緊急事態宣言で県をまたぐ移動の自粛が求められている時も、100人以上の出演者を各地から集めて実施した。罪悪感にかられ続けた男性は「社会と矛盾することばかりしている。五輪がもう嫌いになった」。


【関連記事】メンツにこだわり1年延期、スキャンダルで多様性の欠如露呈…迷走続きの東京五輪開幕へ
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●《「スガ総理」…内閣支持率の下落が止まらない。その要因はコロナ対策の度重なる不手際と、国民に我慢を強いながら五輪開催に…》

2021年07月23日 00時00分30秒 | Weblog

[※歴代自民党内閣は「国民のために働」いていなかった!? 縁故主義・政権の私物化もアベ様から《継承》 (日刊ゲンダイ 2020年10月14日)↑]


(20210718[])
立尾良二記者による、東京新聞の記事【「スガ総理」ですが何か… 「ザ・ニュースペーパー」山本天心 コロナ、五輪、支持率 本物以上に本音がチラリ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/116824?rct=tag_movie)。

 《内閣支持率の下落が止まらないその要因はコロナ対策の度重なる不手際と、国民に我慢を強いながら五輪開催に突き進む矛盾に尽きる。ならば、社会風刺コント集団「ザ・ニュースペーパー」で「スガ総理」を演じる山本天心(58)に、“本人”が置かれた立場や心境をどう表現しているのか直撃した。(立尾良二)》。

   『●『東京番外地』読了
    《…劇団「ザ・ニュースペーパー」…の風刺コント「さる高貴なご一家」を
     この広場で、さらに天皇家の目前でやってもらい、その様子を撮影する》

   『●再稼働・輸出問題に続いて、
     東京電力原発人災下の五輪招致騒動: 「あろうことか」、の連続
    《木内さんが安倍晋三首相を紹介した。「ザ・ニュースペーパー」の
     ものまねコントにホールは爆笑の連続。
     懐かしい小泉純一郎氏も駆けつけた》

   『●ご冗談を橋下さん:「泣き落とし」の一環、
     「やめたらアカン」…なんて許されない、すっぱり政界引退を
    「また、同記事によると、「コント集団「ザ・ニュースペーパー」の
     2人が登場。橋下徹大阪市長(大阪維新の会代表)と小泉純一郎
     元首相に扮して、コントを披露した。 「二重行政、二ついらないん
     ですよ。通天閣の隣にもう一つ通天閣あったらどうですか、小泉さん」
     「それうれしいねえ。なんか楽しいねえ。ツインタワーみたいで」
     軽妙なやりとりに参加者から大きな笑いが起きた。橋下氏は住民投票で
     都構想案が否決された場合、政界を引退すると表明している。橋下氏に
     扮した福本ヒデさんが「みなさんに頑張っていただいて、私に二度と
     橋下さんの役をやらせないで下さい」と呼びかけると、
     会場がどっと沸いた」。
     是非、「憲法くん」の意見も聞いてみたいものです」

   『●『憲法くん』の誇りとは? 《私は六六年間、戦争という名前で
              他国の人々を殺したことがない。それが誇り》


 カネカネカネの金(カネ)色の五つの輪は《スガ政権の祭典だからスガさんの生命維持装置》。
 東京の第5波の危険な増加傾向、ざっくり、2週間で倍増のペース。先週土曜は950人…来週は2000人前後か? それでも バカの祭典パソナ五輪を強行する無為無策無能な政権。最早、殺人オリンピック
 7月17日(土)の東京新聞の記事【<新型コロナ・17日>東京都で新たに1410人感染 4日連続の1000人超え】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/117361)によると、《東京都は17日、新型コロナウイルスの感染者が新たに1410人、死者が2人報告されたと発表した。前の週の同じ曜日に比べて増えたのは28日連続となった。都内の累計の患者数は18万8108人で、このうち現在入院している重症患者は59人となった。新規感染者数(1週間平均)は、17日時点で対前週比140.5%となった》。
 そして、試合も始まり、開会式前夜の22日(木) …【<新型コロナ・22日>東京都で新たに1979人の感染確認 33日連続で前週の同じ曜日を上回る】。2000人間近…。

   『●無観客開催にすり替え…緊急事態宣言の最中、五輪貴族やその取り巻き
         連中による醜悪な〝バカの祭典〟〝パソナの祭典〟をやる気?
   『●《大会経費の赤字の尻拭いを背負わされるのは国民だ》 ―――
     どこまでも醜悪なバカの祭典、パソナ五輪。一体どちらが《反日的》か?
   『●《人々を苦しめているのは…満足に給付や補償をせずに自粛を強制
        する政権》(町山智浩さん)…一体どちらがバカで、《反日的》か?

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/116824?rct=tag_movie

「スガ総理」ですが何か… 「ザ・ニュースペーパー」山本天心 コロナ、五輪、支持率 本物以上に本音がチラリ
2021年7月15日 07時28分

 内閣支持率の下落が止まらないその要因はコロナ対策の度重なる不手際と、国民に我慢を強いながら五輪開催に突き進む矛盾に尽きる。ならば、社会風刺コント集団「ザ・ニュースペーパー」で「スガ総理」を演じる山本天心(58)に、“本人”が置かれた立場や心境をどう表現しているのか直撃した。 (立尾良二)


 七月五日、東京・有楽町で催された自主公演。観客を前に、スガ総理に扮(ふん)した山本が一喝した。「皆さん、来ていただいたのはうれしいが、私、何度も言いましたよね。不要不急の外出は控えろと」。ドッカーンと笑いがはじけた。

 ザ・ニュースペーパーもコロナ禍で定期公演や地方巡業、寄席出演がほとんどなくなった。久しぶりの大舞台に山本は「僕らのホームグラウンドは舞台。この閉塞(へいそく)的で息苦しい時代を、笑い飛ばして発散したい。それがわれわれの使命であり仕事。笑って免疫力を上げましょう」と言う。

 そんな山本がスガ総理に“変身”してインタビューに応じた。

 東京は四度目の緊急事態宣言に入った。首相の声色で「四度目ともなると、国民に緊張感がなくなるのは分かっていた。だからもう緊急じゃないので、『緊急辞退宣言』にしようと思った。五度目はそうしますよ」と悪びれない。支持率も落ちた。「NHKや読売新聞が私を忖度(そんたく)しないのか、見放されたと思いましたね」と肩を落とす。

 迫る五輪開幕。「人類がコロナに打ち勝った証しとして絶対やりますよ。こんな状況でなぜやるのか、説明責任を果たしてないと言われるが、何回も私、説明しましたよね。安全安心なオリンピックを開催すると。何度も何度も、しっかり、明確に、分かりやすく、はぐらかしてきているじゃないですか

 「しかも専門家の皆さんにもちゃんと耳を傾けていますよ。耳を傾けているだけで、話を聞くなんてひと言も言ってませんよ。五輪はやれば絶対盛り上がる。リスクが逆に特効薬になるんですリスク、リスクリ、クスリ…。反対から読めば薬なんです」

 ここまで五輪にこだわる理由を「スガ政権の祭典だからスガさんの生命維持装置なんです。五輪がぽしゃったらスガ政権も終わっちゃいます」と言いつつ、「全責任は小池(百合子)都知事にあるんですよ。なぜ私ばかり前面に立つんでしょうか」と“本音”も。

 東京都議選で、首相は「自公で過半数」との約束を果たせなかった。「総理は自民党総裁なのに、どこからも選挙応援に呼ばれなかった。来たら迷惑と言われた。まさに党内は一枚岩です。寂しい」と嘆く。

 小池都知事について「入院して支持率を上げた。うらやましい限りですよ。総選挙で私が使おうとした策略だったのに先を越された。これ、トップシークレットですよ」。さらに秋までにある衆院選の“秘策”を明かす。

 「意表を突いて五輪開催中に解散しようかと。野党は準備していないから大騒ぎですよ。そして解散二、三週間前に、全国民に特別給付金を配布いたします。これは効きますよ。賄賂ではない。ちゃんとした給付金だから、いわば公的賄賂です。二十〜三十万円も配れば、ああ自民はありがてえなあとなる」とニヤリ。「皆さん、ダマされちゃだめですよ」と付け加えた。

 山本に戻って「菅さんの最大の弱点は言葉、表現が下手なことです。小池都知事は言葉がうまい。ダイバーシティーとか、ステイホームとか。ちょっと気が利いている」と指摘する。

 その対策として「誰かとコンビを組むこと」と提言。「感染症対策分科会の尾身(茂)会長とよく会見するでしょ。私、それを見ながら思うんです。『最近は本当に首相らしくなってきた。貫禄が出てきたね…、隣の尾身さんが』と。だから尾身さんと組むか、私と組んで『Wスガ』はいかが。突っ込みどころ満載の会見になって支持率上昇!」と笑う。

 ここで再びスガ総理に登場してもらおう。酒類提供が感染者増加の主因なのか。「その科学的エビデンスを調べるより、私の前任者が配ったアベノマスクの飛沫(ひまつ)が漏れ漏れだったことを科学的に証明されたら、まずいですよ。あれ、税金を二百五十億円も投入したんだから」とおびえる。しかし、そこは自民党。「偽装、隠蔽(いんぺい)、改ざん、賄賂、横領は伝統芸なんです先輩が作り上げたものは、ちゃんと踏襲して、美しい日本を守っていくそれが自民党らしさではないでしょうか」と胸を張った。

 最後に西村康稔経済再生担当相の問題発言について「飲食業、酒販売業の皆さんにおわびしたい。コロナ終息宣言を出した暁には、総理官邸で国民総出のビールかけを催します。お酒の消費量も上がります。西村大臣の顔に思い切りビールを浴びせてください」と締めくくった。


<やまもと・てんしん> 1962年、愛媛県生まれ。ミュージカル活動の後、88年「ザ・ニュースペーパー」の結成メンバーとして参加。一時期、独立してコントグループを立ち上げるが復帰。ダンスやパントマイムを駆使している。ほかに持ちネタは猪瀬ナオキなど。

 ◇

 「スガ総理」の激白を動画(撮影、編集・甲斐毅)でもお楽しみください。



https://youtu.be/9Wru8oYsMJ8


◆スガりたい? キーパーソン

 山本が舞台で扮するスガ総理以外のあの人たちから一言。


<田原ソウイチロウ> ここからどう日本を立て直すか、経済にかかっている。いかにアクセルとブレーキをバランス良く使い分けるかだが、スガ政権はジジイが多い。アクセルとブレーキを間違えて踏むから気を付けて。


<河野タロウ> 総理に謝りたい。ワクチン配布は最初から足りないと分かっていました。ただ総理の支持率が下がっているのを見るとワクワクしてきた。投球練習で肩を温めた方がいいかなと。ワクチンは冷やしておりますよ。


<レンホウ> アベさんからスガさんへ、誰のおかげで長期政権を続かせてもらっているとお思いでしょうか。私たち野党がだらしないからです。次の選挙では身を引き締めて勝ちにいきます。


◆生スガを見たいなら

 ◆ザ・ニュースペーパーの公演予定 8月28日14時と17時30分、東京・亀戸文化センター▽9月17日14時と18時、練馬文化センター▽18日14時と18時、大手町・日経ホール▽19日14時と17時30分、横浜・神奈川県民ホール。問い合わせは東京労音チケットセンター(電)047・365・9960、日経ホール公演のみ(電)03・5227・4227まで。詳しくは公式ホームページ(t-np.jp)。

 ◆メンバー福本ヒデの「超入門☆美術お笑いトーク」 10月2日11時と15時、美術アカデミー&スクール(東京都千代田区)まで(https://shop.art-a-school.info/?pid=161333043参照)。

     (福本ヒデのパロディー画「水を差す女」)
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●「狂ったゴジラ」「老朽原発」「寿命核発電所」…40年超核発電所の稼働という「麻薬」に手を出す核発電「麻薬」中毒者らの暴走

2021年05月17日 00時00分20秒 | Weblog

[※ 『ふくしま原発作業員日誌-イチエフの真実、9年間の記録』(片山夏子、朝日新聞出版、2020年2月刊、1700円)↑]


(2021年05月01日[土])
東京新聞の3つの記事、【福井県知事、40年超原発の再稼働に同意 全国初 国から計50億円の交付金提示】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/100986)と、
小川慎一記者による記事【脱炭素で原則40年なし崩し 着々と進む原発再稼働、福井の老朽原発「同意」で新局面】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/101000)と、
小川慎一・山本洋児・今井智文の3記者による記事【「脱炭素」の声に押され…老朽原発が再稼働へ 使用済み核燃料の行方も決まらず見切り発車】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/101090)。

 《運転開始から40年を超えた福井県の関西電力美浜原発3号機(美浜町)、高浜原発1、2号機(高浜町)の再稼働について、「地元同意」の最終判断を担う杉本達治知事が28日、県庁で会見し、「地元の町、県議会などの意見を総合的に勘案した」と述べ、再稼働に同意する考えを示した。同日中に梶山弘志経済産業相に伝達する。東京電力福島第一原発事故後、原発の運転期間を原則40年と定めた法律下で、全国で初めての最大20年の延長運転に入ることになった ◆知事、関電に「安全神話に陥ることなく進めて」》。
 《原発が集中立地する福井県で、運転期間40年を超えた関西電力の老朽原発3基について、杉本達治知事が再稼働に同意した。世界最悪レベルとなった東京電力福島第一原発事故後に、原発の運転は原則40年と定められ、運転延長は「例外的」とされていた。しかし、今後は政府と電力会社が「脱炭素」「地球温暖化対策」を前面に押し出し、ルールがなし崩しになるのは避けられない。…◆運転延長に頼る政府、地元に「アメ」
 《運転期間40年を超えた関西電力の老朽原発3基の再稼働に、福井県知事が28日同意した。ただ、知事が条件とした使用済み核燃料の県外搬出は、実現の見通しすらない。政府による「脱炭素」の声に押された見切り発車で、例外的とされた運転延長の道へ先陣を切った》。

   『●汚染水の海洋放出…《避難したままの人たちは、いまだ4万人を
      超える。どれだけ多くの人たちがさらに傷つけられればいいのか》?

 《アンダーコントロール》も出来ず、二進も三進もいかない核発電所。汚染水を海洋放出するという。《避難したままの人たちは、いまだ4万人を超えるどれだけ多くの人たちがさらに傷つけられればいいのか》?
 「濁流」さえ疑われる、関西電力による「還流」問題は一体どうなったのか? 九州電力も似たようなものです。

   『●自公議員投票の大罪: 「九電元幹部は「政治家側から
                 支援を頼んでくるのが昔からの伝統」」
   『●核発電は「金のなる巨大木」…《自民党の最近のルールは
        「返せば問題ない」と、なかったことにできるというもの》
    「《還流》だけでなく、自民党やお維のセンセ方への「濁流」も、
     各党で調べた方がよくはないのかな? 他の電力会社も、特に
     九州電力は「クリーン」なのでしょうかね? ウルトラ差別主義者
     副首相と浅からぬ関係ですけど。

   『●《稲田朋美…世耕弘成…安倍側近が…関電受注企業から献金…
        証人喚問を含め、国会の場で徹底的に調査するほかない》
   『●「桜を見る会」税金接待というアベ様模倣犯・世耕弘成経産相
          関西電力〝濁流〟問題でも《関電受注企業から献金》
   『●関西電力美浜原発3号機再稼働に同意した戸嶋秀樹美浜町長や
     竹仲良広町議会議長らは、《大阪地裁訴訟の原告》達の声を聞いたのか?

 《地元に「アメ」》《国からは美浜、高浜原発合わせて計50億円の交付金が提示されている》…それは麻薬です。核発電「麻薬」中毒者らに、麻薬を渡すようなもの。日本中が「地元」であり、「地元」の市民はたまったものではない。例外中の例外が、もはや通例に。狂っています。「狂ったゴジラ」「老朽原発」「寿命核発電所」…九州電力も〝通例〟を求めているようだ。《杉本知事は報告を踏まえ「再稼働後も安全神話に陥ることなく安全最優先で進めてほしい」と関電に求めた》…核発電は、《安全》と対極にある概念だ。 

   『●九電玄海原発も廃炉に
    《玄海原発、想定以上の劣化か 専門家指摘「廃炉に」
     原子炉は運転年数を経るにつれ、中性子を浴びて次第にもろくなる。
     その程度を調べるため、電力各社は圧力容器内に容器本体と同じ材質の
     試験片を置き、もろさの指標である「脆性遷移(ぜいせいせんい)温度
     を測っている。温度が上がるほど、もろさが増しているとされる。
      1975年に操業を始めた玄海原発1号機は九電管内で最も古い原発で、
     想定している運転年数は2035年までの60年間。脆性遷移温度は
     76年、80年、93年に測定し、それぞれ35度、37度、56度
     
だった。ところが、09年には98度と大幅に上昇した。
      九電はこの測定値から、容器本体の脆性遷移温度を80度と推計。
     「60年間運転しても91度になる計算で、93度未満という
     新設原子炉の業界基準も下回る数値だ」と説明している》

   『●東京電力原発人災以降も続く無責任の連鎖
    「経済産業省原子力安全・保安院は玄海原発1号機の老朽化問題について、
     検討を終え、報告書をまとめるそうだ。「脆性遷移温度が急激に
     高まっているにもかかわらず、「十分に健全だ」と主張している。
     「1993年に取り出した金属片は56度だったのが、2009年は
     98度にまで上昇」し、「予測値を14度超えていた」にも係らず
     である。つまり、高い温度でも原子炉の材料がガラスのように
     脆くなり、破壊されてしまう恐れが高まっていることを意味している。
     保安院は「事故時に原子炉を急激に冷やすと壊れないか検証」し、
     原子炉内に設置していた金属片について「取り出した金属片を分析し、
     圧力容器の溶接部を調べたが、異常は見つからなかった」ので、
     「急激に冷やしても圧力容器が耐えられることも確認した」そうである。
     どこが原子炉が破壊されない「確認」になっているのか。むしろ、
     リスクが上がっていることが確認されたのではないのか。
     電力会社や原子力ムラの住人のいい加減さ、それを見過ごした専門家や
     我々一般市民・利用者にも責任があったはずだ。東京電力原発人災で
     少なくとも我々は気づいたはずで、このままズルズルと原発再稼働・
     原発輸出・原発建設再開という「無責任」を続けてはならない」
 
 「脆性遷移温度」が急激に高まっているのではないか。データは公開され、十分に検証されているのか。

   『●60年間稼働させたい高浜原発:
     「電気代が高い低いの問題とを並べて論じること自体、許されない」
   『●「老いた馬」ではなく「狂ったゴジラ」:
      「麻薬」患者の関電がプルサーマルに続いて「寿命核発電所」…
   『●「仏様のおかげ」はもう期待しない方がいい: 
     高浜原発、「このゴジラが最後の一匹だとは思えない」
   『●なぜ命を軽々しく賭して、「たかが電気」のために 
     核発電する必要があるのか? 次も神様・仏様は居るか?
   『●「あとの祭り」: 核発電「麻薬」中毒患者、増殖中
                 …どんどん壊れ行くニッポン
    《原子力規制委員会は3日、定例会合を開き、運転開始から40年の
     法定寿命が近づいている老朽原発の関西電力美浜3号機(福井県)
     について、新規制基準を満たしているとする「審査書案」を了承》

   『●高浜「寿命核発電所」延命、「安全より
      経済優先の時代へと逆戻り」…「規制緩和」委員会(©東新)
    《これでは“規制緩和委員会”。そんな声も聞こえてきそう。安全より
     経済優先の時代へと逆戻りしたかのような、関西電力高浜原発
     延命適合。熊本地震に不安を抱く、人々の目にはどう映る》

   『●寿命核発電所再稼働:「世界は既に廃炉時代
        時代の先端を行く方が、地域の実りははるかに多い」
    「東京新聞の記事【「40年廃炉」なし崩し 老朽原発に初の延長認可
     高浜1・2号機に最長20年】…と、
     社説【高浜原発 延命よりも新産業だ】…。
     《四十年廃炉が原則だが、条件を満たせば一回に限り二十年の延長が
     認められる。延長は例外中の例外とされてきたが、初の適用例が
     決まった。ただ、再稼働するには、大規模な改修工事が必要で、
     三年ほど先になる見通し》。
     《原子力規制委員会が、運転四十年を超える関西電力 高浜原発(福井県)
     の延長を初めて認可した。世界は既に廃炉時代。無理な延命を図るより、
     時代の先端を行く方が、地域の実りははるかに多い》」

   『●東京電力核発電人災から10年経って、この有様…アンダーコントロール
         どころか人災は継続中、しかも、まだ核発電を続けたいという…
    「東京新聞の【<社説>老朽原発 新しい未来図描く時】…
     東京電力核発電人災から、10年が過ぎ、未だにこの有様だ。
     《例外》が通例に…核発電「麻薬」中毒者が暴走し、「老朽原発」さえも
     再稼働させたいらしい。狂っている。関西電力だけでなく、九州電力、
     さらには、東京電力、マトモではない」

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/100986

福井県知事、40年超原発の再稼働に同意 全国初 国から計50億円の交付金提示
2021年4月28日 12時48分

 運転開始から40年を超えた福井県の関西電力美浜原発3号機(美浜町)、高浜原発1、2号機(高浜町)の再稼働について、「地元同意」の最終判断を担う杉本達治知事が28日、県庁で会見し、「地元の町、県議会などの意見を総合的に勘案した」と述べ、再稼働に同意する考えを示した。同日中に梶山弘志経済産業相に伝達する。東京電力福島第一原発事故後、原発の運転期間を原則40年と定めた法律下で、全国で初めての最大20年の延長運転に入ることになった。

     (事故対策工事が進む関西電力高浜原発=2021年2月、
      福井県高浜町で、本社ヘリ「まなづる」から)

◆知事、関電に「安全神話に陥ることなく進めて」

 老朽化した3基の原発の安全性を巡っては、県原子力安全専門委員会が今月22日、「必要な対策が講じられている」との報告書を杉本知事に提出。杉本知事は報告を踏まえ「再稼働後も安全神話に陥ることなく安全最優先で進めてほしい」と関電に求めた。

 国からは美浜、高浜原発合わせて計50億円の交付金が提示されている。国の将来的な原子力政策については27日、杉本知事とオンライン会談した梶山経産相が、持続的に原発を活用する方針を打ち出した。

 政府は2050年の温室効果ガス排出実質ゼロを定め、菅義偉首相も今月、温室効果ガス排出量の30年度削減目標を13年度比で46%減に上方修正したことから、既存原発の活用を積極的に進めたい考え。一方で老朽化した原発の安全性や、周辺自治体にも及ぶ事故時の避難計画の実効性の懸念は根強く残る。


◆使用済み核燃料、搬出先未定なら「停止」

 また、県が県外への搬出を求めている原発の使用済み核燃料を一時保管する中間貯蔵施設について、関電は青森県むつ市を候補地として提示したが、同市は受け入れないことを明確にしている。関電は23年末までに施設の計画地を確定できない場合、3基の原発を停止すると明言している。

 再稼働を巡っては地元の美浜、高浜町が同意し、県議会も容認していた。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/101000

脱炭素で原則40年なし崩し 着々と進む原発再稼働、福井の老朽原発「同意」で新局面
2021年4月28日 12時45分

 原発が集中立地する福井県で、運転期間40年を超えた関西電力の老朽原発3基について、杉本達治知事が再稼働に同意した。世界最悪レベルとなった東京電力福島第一原発事故後に、原発の運転は原則40年と定められ、運転延長は「例外的」とされていた。しかし、今後は政府と電力会社が「脱炭素」「地球温暖化対策」を前面に押し出し、ルールがなし崩しになるのは避けられない。


◆段階的に進む再稼働

 福島第一原発事故後、原発の再稼働は基数は少ないものの、着々と進んでいった。これまでを振り返ると、原発再稼働の道は3つのステップがあった。

 第一に、福島第一原発(沸騰水型)とは異なる発電方式である加圧水型の原発が、相次いで再稼働した。西日本に立地する関電、四国電力、九州電力の5原発9基は、司法判断で停止を余儀なくされた原発もあるが、地元同意を得て運転を継続している。

 第二に、東日本大震災で被災した原発が、再稼働へ向かっている。昨年11月、東北電力女川原発2号機(宮城県)の再稼働に宮城県知事が同意した。宮城県は、多くの住民が避難生活を続けている福島に隣接し、原発事故の影響をなお受けている自治体だそのトップが、原発の稼働にゴーサインを出した。東日本に立地する原発を保有する電力会社にとっては、これ以上の「追い風」はない


◆2030年には老朽原発15基に

 第三に、今回の老朽原発の再稼働だ。関電の美浜原発3号機高浜1、2号機は最長20年の運転延長が認められている。関電が巨額を投じた事故対策と、それを認めた原子力規制委員会の判断を、住民の安全に責任を有す自治体トップが「是」とした。運転延長を目指す他の電力会社にとって、良い先例とされる。

 東日本では、日本原子力発電の東海第二原発(茨城県)が運転延長を認められている。他に、規制委が認可した原発はないが、2030年には、全国で新たに11基が運転開始から40年を迎え、40年超えは計15基になる。老朽原発の稼働の是非は、原発立地自治体にとって他人ごとではない。


◆運転延長に頼る政府、地元に「アメ」

 菅義偉首相は昨年10月、2050年までに二酸化炭素(CO2)を主とする温室効果ガスの排出実質ゼロ(カーボンニュートラル)を目指すと宣言した。発電時にCO2を排出しない原発は「脱炭素電源」としての存在感が高まっている。

 ただ、政府は原発の新増設には消極的だ。あくまでも既存原発のフル活用を目指す立場で、その要が運転延長だ。再稼働している関電高浜原発3、4号機や九電川内原発1、2号機(鹿児島県)は4、5年で運転40年を迎え、延長手続きのリミットが迫る。

 菅首相は4月22日、30年度の温室効果ガス削減目標を「13年度比46%」と、これまでより20%引き上げた。目標達成へ、政府は原発に頼ろうとしている。そのため政府は今回、老朽原発の再稼働に計50億円の交付金を地元に「アメ」として示し、知事同意につなげた。

 古ければ古いほど原発はリスクが高まるが、運転延長で原子炉が交換されるわけではない老朽原発再稼働という道を拓いた福井県知事の判断は、事故リスクから目を背けられない「いばらの道」への一歩でもある。(小川慎一
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/101090

「脱炭素」の声に押され…老朽原発が再稼働へ 使用済み核燃料の行方も決まらず見切り発車
2021年4月29日 06時00分

 運転期間40年を超えた関西電力の老朽原発3基の再稼働に、福井県知事が28日同意した。ただ、知事が条件とした使用済み核燃料の県外搬出は、実現の見通しすらない。政府による「脱炭素」の声に押された見切り発車で、例外的とされた運転延長の道へ先陣を切った。(小川慎一、山本洋児、今井智文)


◆「いたずらに延ばすわけには…」

 「(県原子力安全専門委員会に)5年前から安全性を確認してもらい、避難計画も1月に出された。いたずらに延ばすわけにはいかない」。杉本達治知事は県庁での定例記者会見で、同意表明を急いだのではという質問にこう答えた。

 老朽原発の再稼働という全国初の手続きは、4月に入って急加速した。知事は県議会に、再稼働すれば国から県に計50億円の交付金が入ることなどを提示。県議会はすぐに応じ、2週間余りで容認した。

 「関電の現場から再稼働を急ぎたいとの声が上がっていた」と、ある中堅県議は取材に明かした。高浜原発1、2号機はテロ対策施設の工事が間に合わず、設置期限の6月9日以降は完成まで運転できない。それでも同県議は「再稼働すれば、短期間でも10年間動かしていない原発の不具合を確かめられる」と指摘した。


◆県外搬出が再稼働の条件だったが…

 同意表明を巡っては、知事の態度軟化もあった。福井県は、関電が3つの原発で出る使用済み核燃料を県外に搬出するよう求め、候補地の提示が再稼働の議論の条件と突き付けてきた

 関電は実現を約束したものの、昨年末に県外候補地の自力提示を断念。その代わりに電力業界と国が、東京電力と日本原子力発電の使用済み核燃料の保管先である青森県むつ市の中間貯蔵施設の共同利用案を提示し、関電は2023年末までに候補地を示すとした。できなければ、「老朽原発を運転しない」と約束した

 杉本知事は関電の背水の陣の覚悟に対して「一定の回答があった」と評価し、途端に前のめりに。ところが、むつ市の宮下宗一郎市長は共同利用案に否定的で、本紙の取材に「受け入れの可能性はゼロと断言。実現の見通しはない。

 杉本知事は27日、関電の森本孝社長と梶山弘志経済産業相とのオンラインの面会で約束を守るよう念押ししたが、いずれも「むつ市」に言及しなかった。


◆自治体と関電の思惑が一致

 「梶山経産相から、将来的にも原子力を活用すると言い切りの形での表明がされた」。杉本知事は会見で、同意表明の理由の一つに政府の原子力政策の方向性が示されたことを挙げた。

 菅義偉首相が50年までに二酸化炭素(CO₂)を主とする温室効果ガスの排出を実質ゼロにすると宣言して以降、発電時にCO₂を排出しない原発は脱炭素電源として存在感が高まっている。老朽原発の運転延長は、原発に地域経済を依存する自治体と、化石燃料コストを削減できる関電の思惑が一致した面も強い。

 ただ、政府は太陽光や風力による再生可能エネルギーに注力する方針で、原発の新増設や建て替えに消極的だ。運転延長という既存原発のフル活用で、30年度の電源構成で原発を20%台にすることを目指すが、それには30基程度の稼働が必要となる。日本には建設中の3基も含め計36基しかなく、「不可能だ」という声が経産省や電力会社からさえ出ている。
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●汚染水の海洋放出…《避難したままの人たちは、いまだ4万人を超える。どれだけ多くの人たちがさらに傷つけられればいいのか》?

2021年05月01日 00時00分33秒 | Weblog

[※ 『ふくしま原発作業員日誌-イチエフの真実、9年間の記録』(片山夏子、朝日新聞出版、2020年2月刊、1700円)↑]


 (2021年04月25日[日])
志真秀弘氏による、レイバーネットの書評【〔週刊 本の発見〕ひたすらな記者魂に脱帽する〜『ふくしま原発作業員日誌』】(http://www.labornetjp.org/news/2021/hon200)。片山夏子記者による労作。《著者のひたすらな記者魂に脱帽する》。

 《4月13日、政府は東京電力福島第一原発の汚染水(現在約125万トン)を海洋放出することを決めた。炉心溶融事故から10年、避難したままの人たちは、いまだ4万人を超えるどれだけ多くの人たちがさらに傷つけられればいいのか。放出汚染水は処理されているから普通に飲める水ですよと嘯いた大臣がいるらしいが、もはや人間の顔を粧っているに過ぎないと断じたくなる。本書は2011年3月の原発事故のあと、イチエフの現場で働く作業員に、9年間にわたり話を聞き続けた記録である。2011年から年毎に章立てがされている。作業員は全員仮名だが、「シンさん」「ハッピーさん」「ユウスケさん」などの名前で現れる人と「作業員」とだけ記されている人を合わせて、ざっと数えただけで、40人をこえる。おそらく実際にはその何倍もの人たちに話を聞いているに違いない。現地に通い、これだけの人にインタビューするのは大変な労力が必要だっただろう。(志真秀弘)》。

 《東京電力は処理水を「希釈すれば飲める」》…政府、自公お維の議員、原子力「寄生」委員会の皆さん、「どうぞ、どうぞ御飲み下さい」。「誤った情報に惑わされないために」「トリチウムの健康への影響は心配ありません」…だそうです。自公政権の皆さんや原子力「寄生」委員会の面々に、是非、飲んでいただきたいものです。

 海洋放出など、許されない暴挙…(筆洗)《取り除くべきは放射性物質に加えて、地元の心配であり、悩みである。簡単には水に流せぬ》。
 「汚染水」の海洋放出からX年後を恐れます。風評被害どころではなく、実害を生じると思いますよ。《実際、今年の3月11日には、国連の特別報告者5人が共同で声明を発表し、汚染水の海洋放出は子どもたちの将来的な健康リスクを高めるなどと指摘し、「汚染水は環境と人権に重大なリスクをもたらす」「太平洋に放出するという決定は容認できる解決策ではない」と警告》。《「誤った情報」を発信してきたのは誰なのか》?

   『●東京電力、「お前のモノだろう!」
    「政治の無能、企業倫理の欠如、それに加えて司法のあまりの無責任さ
     原発問題に関してまともに司法が機能した例はごくわずかで、
     政治や(公・私)企業の行いへの追随ばかりだ。市民サイドに立て
     とは言わない、でも、せめて公正・中立であってくれ」
    《放射能を「無主物」と言い放つ東電と裁判所の責任
    《東電側は放射性物質は誰の所有にも属さない「無主物」であって、
     飛んでいる虫のようなものだから除去する責任を負わないと主張した。》

   『●《今なお続く福島の「不条理」》:東電の初期の主張は「無主物」
             …裁判所は《放射性物質…農家が所有》と言い放った
    《「私の住んでる農地は、日本でも美味しいお米がとれる
     土壌だったんです。それが壊されたからね、土壌汚染によって。
     だから、東電に原状回復してもらう。」》

   『●「生業を返せ、地域を返せ!」…原告団馬奈木厳太郎弁護士「国の
     対応、東電の責任を厳しく断罪する判決となっている。一審よりも…」
   『●東電核発電人災汚染水放流に反対…(筆洗)《取り除くべきは放射性
     物質に加えて、地元の心配であり、悩みである。簡単には水に流せぬ》
   『●《東京電力は処理水を「希釈すれば飲める」》…政府、自公お維の議員、
         原子力「寄生」委員会の皆さん、「どうぞ、どうぞ御飲み下さい」
   『●「誤った情報に惑わされないために」「トリチウムの健康への
        影響は心配ありません」…「どうぞ、どうぞ御飲み下さい」


 ゴールデンラジオ (2021年03月07) のゲストは東京新聞・片山夏子記者でした。

   『●原発で働く: 「コスト優先」、「命は二の次」
    「東京電力原発人災の処理にあたる作業員の言葉はなかなか伝わって
     こない。「◇まるで戦場」「◇命は二の次」「◇コスト優先」など、
     見出しだけでも憂鬱になる言葉が並ぶ」

   『●特定秘密隠蔽法と恫喝:
      被曝労働の上に世間に「声」を発することも許されず
   『●東京都知事選: 福島からの眼……
     「反対はしないが、その前にすることがあるのではないか」
   『●核発電人災のアノ東電の柏崎刈羽核発電所に、
     「寄生」委がお墨付き!? 凄いよなぁ、ニッポン…愚かだ
   『●《「袴田事件」で死刑判決を書きながら、後に「無罪の心証だった」
        と明かした元裁判官熊本典道さん》がお亡くなりになりました
   『●東京電力核発電人災から10年経って、この有様…アンダーコントロール
         どころか人災は継続中、しかも、まだ核発電を続けたいという…

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http://www.labornetjp.org/news/2021/hon200

〔週刊 本の発見〕『ふくしま原発作業員日誌-イチエフの真実、9年間の記録』

週間 本の発見
毎木曜掲載・第200回(2021/4/15)

ひたすらな記者魂に脱帽する
ふくしま原発作業員日誌-イチエフの真実、9年間の記録』(片山夏子、朝日新聞出版、2020年2月刊、1700円) 評者:志真秀弘


 4月13日、政府は東京電力福島第一原発の汚染水(現在約125万トン)を海洋放出することを決めた。炉心溶融事故から10年、避難したままの人たちは、いまだ4万人を超えるどれだけ多くの人たちがさらに傷つけられればいいのか。放出汚染水は処理されているから「普通に飲める水ですよ嘯いた大臣がいるらしいが、もはや人間の顔を粧っているに過ぎないと断じたくなる。

 本書は2011年3月の原発事故のあと、イチエフの現場で働く作業員に、9年間にわたり話を聞き続けた記録である。2011年から年毎に章立てがされている。作業員は全員仮名だが、「シンさん」「ハッピーさん」「ユウスケさん」などの名前で現れる人と「作業員」とだけ記されている人を合わせて、ざっと数えただけで、40人をこえる。おそらく実際にはその何倍もの人たちに話を聞いているに違いない。現地に通い、これだけの人にインタビューするのは大変な労力が必要だっただろう。聞かれる人は、自分が話したことが知られたら働けなくなるのがわかっている。聞く場所を選ぶのも大変な難儀だ。たいていは空いた居酒屋あたりになる。

 事故から1年も経たない2011年12月6日、野田首相(当時)は冷温停止が達成され事故そのものは収束したと宣言した。それを聞いた現場の怒りは激しかった誰が核燃料を取り出しにいくんだ、「政府は嘘ばっかりだ」。「ろくに原子炉建屋に入れないのに」収束なんてありえないだろう。ところが厚労省は「宣言」を機に、緊急作業時の被曝限度を引き下げ大半の作業を「通常作業」とした。その結果競争入札が進んで賃金も危険手当も下げられた

 原発事故をめぐる政治の急転に、そしてそれに振り回される現地の状況にわたし自身全く無自覚だった。〈その時自分は何をしていたのか!〉と思う。東電も時の政権も、これほど早くから人々の記憶を1日も早く消し去ろうとしていたのか。前後して20Km圏内、30Km圏内の線が引かれ「賠償される家、されない家」に分けられる。作業員のリョウさんは「家族が別々に暮らすのはどんなに大変なことか」とつぶやく。当たり前の日常生活がどれほど大切かが、わたしの胸にも染みてくる。

 ところが、2013年9月安倍首相(当時)は「状況はアンダーコントロール」と言い放ってオリンピック招致を成功させた。この時、現場は「汚染水もれで大騒ぎになっているのにとの怒りを押し殺して、これからの作業進行への不安を語る人が多く、複雑な反応だったと記されている。一人ひとりの作業員の仕事への誠実な気持ちはこのことからも痛いほど伝わる。「生まれた場所を元に戻したい」、「誇りを持ってやってきた」と語る人も多い。わたしが〈あるくラジオ〉でインタビューしたあらかぶさんは北九州生まれだが「人の役に立ちたい」と思ったと話していた。その真正直な気持ちは現場で働く作業員に共通することがこの本からよくわかる。その気持ちを裏切り続ける政治と対照的な人間性がそこに生きている。反原発集会が大きく広がったのは2012年の初夏だったが、そこに参加した時の気持ちも本書は呼びさまし、励ましてくれた。著者のひたすらな記者魂に脱帽する


【200回の記】
 〔週刊 本の発見〕は今回でちょうど200回になります。第1回は2017年2月15日で、取り上げたのは『プリズン・ブック・クラブーコリンズ・ベイ刑務所読書会の一年』(アン・ウォームズリー著、向井和美訳)でした。1回に数冊を紹介した回もありますから、200冊を超える本がこれまでに書評されたことになります。出発の頃は、ネットで書評する試みは稀でした。それが4年を超え200回に届いたのは、読者のみなさんの支えがあってのことです。出版社や著者の方からの紹介依頼も増えています。これからもレイバーネットにふさわしい、ときに遊び心も交えて、良い本、面白い本をひろく紹介していきたいと思います。この欄がさらに大きく育っていくように皆様のご支援のほどよろしくお願いします。
 なお同じ年(2017年)7月に始まったレイバーブッククラブ読書会も4月24日に28回を迎え、オンラインで開催されます。とり上げるのは『縁食論―孤食と共食のあいだ』(藤原辰史)です。「本の発見」週刊化を契機に始まった読書会ですが、コロナ禍をオンラインで切り抜けて進んでいます。こちらもどうぞよろしく。(志真秀弘
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●海洋放出という愚行に《X年後》を恐れる…《取り除くべきは放射性物質に加えて、地元の心配であり、悩みである。簡単には水に流せぬ》

2021年04月23日 00時00分17秒 | Weblog

[※↑ 双葉町での聖火リレーに際しての大沼勇治さん(報道特集 2021年03月27日[土])]


(2021年04月11日[日])
片山夏子保坂千裕の両記者による、東京新聞の記事【「政府は押し切るのか」原発汚染処理水の海洋放出に福島の漁業関係者が憤慨】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/96490)。

 《東京電力福島第一原発で保管が続く汚染水を浄化処理した後の処理水を巡り、菅義偉首相は7日夜、近く処分方法の方針を決めると明言した。政府が念頭に置く海洋放出処分となれば、漁業関係者への打撃は必至で、福島県や隣接する茨城県からは強い反対の声が上がった。(片山夏子)》。

   『●《子どもたちに、原発が安全なエネルギーと思ってほしくない。同じ
      過ちを繰り返さないため、声を上げられなかった人たちの分まで…》

 東電核発電人災汚染水放流に反対…(筆洗)《取り除くべきは放射性物質に加えて、地元の心配であり、悩みである簡単には水に流せぬ》。
 正に《簡単には水に流せぬ》し、流してはいけない。愚行。アベ様曰く《アンダーコントロール》なんでしょ? 元・最低の官房長官=現首相も「汚染水の『影響』は完全にブロック」と仰っているのでしょ? では、東電と国の方で、そのまま制御し続けてください。それを公約に、金(カネ)色の五つの輪を東京に招致したのですから、復興五輪と嘯いて。いまさら〝処理〟水を、なんで《海洋放出》《海に放出》する必要があるの? ブログ主は実害が出ると思いますが、風評だと仰るのなら、東京湾や(お維もお望みのようですから)大阪湾に放流すればいい。自民党や公明党の本部にでも降り掛けてみたら? ブログ主は《X年後》を恐れます。
 利権漁りカースーオジサンは、4月13日にも、それを決める模様だ。愚かすぎるし、世界中の顰蹙を買うことになる。

   『●東京電力原発人災、
     今頃公開されたわずかな捏造・改竄映像からでも分かったこと
   『●東京電力原発人災、汚染水問題は続く
    「しかし、海に放出を検討なんて、無責任にもほどがある。
     今も地下水を汚染し続けていると思うけれども、「ほとんどの種類の
     放射性物質を法定濃度未満になるまで除去」するなんて本当にできる
     のかどうか眉唾であり、それを海に放出するなんて許されるのか?」

   『●トリチウム、使用済み吸着剤の処理・処分、…
         再稼働や輸出なんてやっている場合か?
   『●屁理屈にもなっていない…
     菅義偉官房長官「汚染水の『影響』は完全にブロック」
   『●「暴走するゾウ、ゴジラを解き放とうという「愚」」な
           東電をどのように「信頼」すればよいのか?
    《原子力規制委員会は二〇一七年以降に海洋へ放出すべきだとして
     いるが、全国漁業協同組合連合会(全漁連)は反発を強めている。
     水産関係者にとっては死活問題だけに、当然だ。
     米スリーマイル島原発事故の際にも、約六千トンのトリチウム汚染水が
     残された。米原子力規制委は、河川への放出など九通りの選択肢を
     地元住民に提示した。そうして選ばれたのが、ボイラーで少しずつ
     大気中に蒸発させるという方法で、処理には十年をかけた。福島とは
     量が違う。廃炉は早く進めたい。
     しかし、トップダウンで決めるべきではない》

   『●東京電力核発電人災、膨大な《デブリの総量も
     3基で計約880トン》…1個のデブリを僅かに持ち上げた?
    《汚染水を浄化した後に残る放射性物質トリチウムを含んだ水の扱いも
     異なる。TMIでは近くの川への放出が検討されたが、下流域の住民が
     反発。91年から93年に約9000トンを蒸発させ大気中に放出処分
     した。一方、第一原発では貯蔵量が既に100万トンを超えて増え続け、
     政府が海洋放出などの処分方法を検討しているが、結論は出ていない》

   『●《安倍晋三首相は…「まったく問題はない。
     汚染水の影響は、港湾内で完全にブロックされている」と強調した》
    《交代直前に、薄めに薄めた“希釈した”表現で次の内閣に宿題を
     言い放った環境相・原田義昭の発言の重みと衝撃をどうとらえるかは
     内閣の大きなテーマとなる。 ★それは10日の閣議後の記者会見で、
     東京電力福島第1原発から出る放射性物質を含んだ汚染水
     「思い切って(海に)放出して希釈するしか方法がない」という発言だ。
     「海に放出する」となれば、ストロンチウムなどの放射性物質の
     基準値を超えた汚染水を海に垂れ流すことになり、
     「アンダーコントロール」発言を世界が蒸し返すだろう。ことに
     韓国や中国などは強い反応を示す可能性があり、新環境大臣となる
     小泉進次郎の発言が極めて重要となる》

   『●むき出しの「言論弾圧政党」は《人材の宝庫》…
     《この内閣の水準の低さ…自民党は…国民の気持ちを第一に考えな》い
    《経産の決定を環境相として真っ向から挑んでいくのが仕事ではないのか
     政治家としても閣僚としても2人の発言は憲政史上まれに見るお粗末さだ
     閣僚の発言は官房長官や首相の責任でもあることを付記しておく》

   『●三浦英之記者の質問「今でも『アンダーコントロール』だとお考えで
     しょうか」? アベ様のお答え「…その中で正確な発信をした…」!?
    《元東京都小金井市長の佐藤和雄事務局長は会見で「国が進める
     核燃料サイクルは、既に破綻している」と述べた。佐藤事務局長らは、
     運転開始から四十年を超えた原発は再稼働するべきではないとも指摘。
     東京電力福島第一原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含んだ
     水を、海洋放出の方が確実に処理できると強調した提言案を
     政府小委員会が一月に大筋で了承したことを受け、
     放出せずに長期保管するよう求めた

   『●東電核発電人災汚染水放流に反対…(筆洗)《取り除くべきは放射性
     物質に加えて、地元の心配であり、悩みである。簡単には水に流せぬ》
   『●東京電力核発電人災から10年経って、この有様…アンダーコントロール
        どころか人災は継続中、しかも、まだ核発電を続けたいという…
   『●武藤類子さん《本来ならその人たちにとってもこの10年、まったく
     違った時間があったはず…原発事故は、その時間を奪ってしまった》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/96490

「政府は押し切るのか」原発汚染処理水の海洋放出に福島の漁業関係者が憤慨
2021年4月8日 06時00分

 東京電力福島第一原発で保管が続く汚染水を浄化処理した後の処理水を巡り、菅義偉首相は7日夜、近く処分方法の方針を決めると明言した。政府が念頭に置く海洋放出処分となれば、漁業関係者への打撃は必至で、福島県や隣接する茨城県からは強い反対の声が上がった。(片山夏子

【関連記事】原発汚染処理水の海洋放出へ最終調整 地元の理解得られぬまま

 福島県北部の新地町の漁師小野春雄さん(69)は「全国漁業協同組合連合会(全漁連)も福島県漁連も絶対反対という中、政府は押し切るのか。原発事故の被害を受けた地元や漁業者への説明も足りない。十分に声も聞かず、話し合いもせず決めるのか」と憤慨した。

 2011年3月の原発事故後、福島の漁業は窮地に陥った。漁獲量を制限した試験操業は8年9カ月続き、今年3月に終了。4月からは本格操業に向けて、水揚げ量を増やすことになったばかり。小野さんは「我慢を重ねようやくだとほっとしたのに、風評被害の具体策も示されていない。われわれには死活問題。今このタイミングで流せば、後継者のなり手もいなくなり福島の漁業は衰退する」。

 相馬原釜魚市場買受人協同組合長の佐藤喜成さん(68)は「今でも福島県の魚は価格が低い。10年たっても年収は半分にも満たない。風評被害は絶対に起きる。補償するなら漁業者だけでなく、仲買人や小売業者の補償もすべきだ」と訴えた。「流せば生きている間、そして息子の代もずっと影響を受ける。これだけ反対の声が上がっているのに、国は一方的に強引に流すというのか」

 市民団体「これ以上海を汚すな!市民会議」の三春町の大河原さきさん(69)は、福島の多くの市町村が海洋放出に反対か慎重な判断を求めていることに言及。「県民の意見を聞く場を求めたが、ほとんど開かれなかった。影響は福島だけではなく、全国的な議論をすべきだ民意を無視して、強行して決めるのは許されない」とくぎを刺した。


◆茨城県内からも「絶対に困る」

 福島県境に近い大津漁協(茨城県北茨城市)の60代漁師は、菅首相が全漁連の岸宏会長との面会で海洋放出への理解をあらためて求めたことについて「絶対に困る」と語気を強めた。

 「震災から10年たった今でも、大津の魚は(県内でも南に位置する)大洗や久慈より安い」と嘆き、海洋放出が決まった場合の補償に対する不安も訴えた。

 別の50代漁師も「死ぬまで漁師をするつもりだった。せっかく魚が売れるようになったのに、また10年前のように騒ぎになってしまう」と風評被害の再燃を懸念した。(保坂千裕)
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コメント (18)
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●《子どもたちに、原発が安全なエネルギーと思ってほしくない。同じ過ちを繰り返さないため、声を上げられなかった人たちの分まで…》

2021年04月11日 00時00分26秒 | Weblog

 (2021年03月22日[月])
安藤恭子記者による、東京新聞の記事【仲間の自死、見せかけの復興「このまま戻れない」…原発事故「自主」避難者たちの不条理な現在地】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/93000)。

 《東京電力福島第一原発事故の後、福島県内の旧避難指示区域外から逃れた人たちは「自主避難者」と呼ばれ、さまざまな支援の外に置かれた同県郡山市から川崎市に母子避難した松本徳子さん(59)もその1人だ。自主避難者への住宅無償提供が打ち切られた後、自死を選んだ同郷の母親もいた。「避難をした人、しない人。それぞれの選択が尊重される社会を願ってきたが、かなわなかった。不条理です」と自主避難者の現状を見つめる。(安藤恭子)》

   『●今村雅弘復興相、「本人の責任」「裁判でも何でも
      やればいい」と…「死の町」にした者こそ糾弾されるべき
    《今村雅弘復興相は四日の記者会見で、東京電力福島第一原発事故に
     伴う自主避難者への対応を巡り、国の責任を質問したフリーの記者に
     対し「二度と来ないでください」「うるさい」などと激高》。
    《「自主避難者」について、今村雅弘復興相が本人の責任
     裁判でも何でもやればいいなどと発言した問題》。
    《★この東電8000株所有の復興相・今村雅弘は、前任のパンツ大臣
     より始末が悪いのか。そもそも何に激高し何に謝罪したのか
    《支援団体「避難の協同センター」(東京都新宿区)の満田夏花
     (みつたかんな)事務次長は「被災者支援の要である大臣が、
     原子力政策を進めた国の責任を無視している。大変ゆゆしき問題だ
     と怒る。「国は避難者の実情の把握を怠り、福島県に責任を
     転嫁している。復興庁の避難者への姿勢が見えた発言で、
     あまりにひどい」と話した》

   『●今村雅弘復興相「問題は激高よりも「自主避難は
     自己責任」発言」…ココで「自己責任」論に出くわすとは…
   『●東京電力原発人災、支援の幕引き: 
      「区域外避難」者も含めて「“棄民”政策だというそしりは免れない」
   『●東京電力に核発電所を再稼働させる資格はあるのか?
           無条件で即時に全ての廃炉作業に入るべき
   『●アベ様による「棄民」政策をも追認…東電旧経営陣の
     刑事裁判で永渕健一裁判長は「無罪」という「政治判断」を下した
   『●やはり核発電は「金のなる巨大木」だった…
     高浜「原発マネー」が八木誠会長ら関西電力経営陣個人に見事に《還流》
   『●東電旧経営陣に無罪判決…《誰も事故の責任を取らなければ
        企業に無責任体質がはびこり、また同じことが起きる》
   『●東京電力核発電人災、決して自主避難者の《自己責任》ではない
           …「原発事故がなければ福島を出た人は誰もいない」
    「《住宅無償提供打ち切りで、避難を続けるか、福島に帰るか選択に
     迫られた。家賃の支払いをめぐり被告となる人たちも出ている》…
     何という無慈悲。自主避難者を《被告》にする? デタラメ」

   『●《「知っている町はどこかに行ってしまいました。返してください!
     10年前を!」。故郷をめちゃくちゃにされたことへの怒りは深かった》

 国や東電のデタラメに対する答えは簡単だ、責任をもって東電や政府が「原状回復」して見せればよいだけ。元の姿に完全に戻してくれれば良いだけ。責任を果たして下さればよいだけ。《原状回復》して見せてくれれば、喜んで皆さんは元の福島の生活に戻られるでしょうよ。それに、そもそもこんな核発電人災などなければ、《福島を出た人は誰もいなかった。東京電力核発電人災、決して自主避難者の《自己責任》ではない…「原発事故がなければ福島を出た人は誰もいない」。

   『●「故郷の川に身を投げたい衝動に駆られた」
       「早く浪江に帰りたい」…「原状回復」することも無く…
    《全町避難が続く福島県双葉町で昨年末始まった「原子力広報塔」の
     撤去工事が4日、完了…原発PR標語の看板の一部を業者が細断。
     標語考案者の1人の大沼勇治さん(39)が「復元できない」と抗議し、
     工事は工法変更の検討などで中断していた》
    「双葉町で、《「原子力明るい未来のエネルギー
     「原子力正しい理解で豊かなくらし」と表裏に記された看板1枚の撤去を
     開始》していたわけですが、ついに撤去。「愚」の一言…双葉町長の言う
     《復興した時にあらためて復元、展示》は東電原発人災の何年後? 
     「麻薬」中毒患者にとって目の上のタンコブ、目障りな看板を取り去り
     はずせて、せいせいしているのでしょう。標語の作者である大沼勇治
     「少年」の言う《事故を思い出して原発を議論するきっかけになるもの》を
     この世から〝消し去った〟わけです。愚かです」

   『●核発電所は本当に《郷土の未来も照らしていた》のだろうか?
      「原子力 破滅を招く エネルギー」を東日本大震災・原子力災害伝承館に






(双葉町での聖火リレーに際しての大沼勇治さん、報道特集 2021年03月27日[土])



(双葉町での聖火リレーに際しての大沼勇治さん、サンデーモーニング 2021年03月28日[日])

 (松本徳子さん)《2月の地震でも原発事故の恐怖はよみがえり「このままでは帰れないと心に決めている戻れば、福島が大丈夫と認めることになるからだ。「子どもたちに、原発が安全なエネルギーと思ってほしくない同じ過ちを繰り返さないため、声を上げられなかった人たちの分まで、おかしいと言い続けなければと思っているんです」》。
 《事故を思い出して原発を議論するきっかけになるもの》、10年が経過した今こそ、「原子力 破滅を招く エネルギー」「原子力  破 滅  未来のエネルギー」も嚙み締め、伝承すべきではないか。

   『●原状回復が損害賠償の基本: 東京電力原発人災で
               「ふるさとをなくした痛み」は全く癒えていない
   『●東京電力核発電人災の刑事裁判: 東京地裁永渕健一裁判長の判決は、
          あまりに酷い理由も含めて《司法犯罪とも言える不当判決》
    《被告人全員無罪! 2019年9月19日、福島第一原発事故刑事裁判
     判決が下された。司法犯罪とも言える不当判決の内容を弁護士・
     海渡雄一が徹底解説する、前作「東電刑事裁判 動かぬ証拠と原発事故」
     の改訂版。東京高等裁判所での控訴審を前に全国民必見の33分間!!》

   『●東京電力核発電人災後に《福島県から千葉県などに避難した住民ら
     43人が国と東電に損害賠償を求めた集団訴訟の控訴審》で逆転判決
   『●東電核発電人災から10年: あの人災から何の教訓を得ることもなく、
      何も変わらないニッポン…核発電〝麻薬中毒〟から抜け出せないまま
   『●希望の牧場・吉沢正巳さん「この牛たちを見て、命の扱い方とか、
     原発があるというのはどういうことかを考えるきっかけになってほしい」
   『●《「国に法的責任はある」−原発事故で千葉県に避難した人々が
     起こした訴訟での東京高裁の判断だ。規制権限の不行使を厳しく指弾した》
   『●《「知っている町はどこかに行ってしまいました。返してください!
     10年前を!」。故郷をめちゃくちゃにされたことへの怒りは深かった》
   『●武藤類子さん《本来ならその人たちにとってもこの10年、まったく
     違った時間があったはず…原発事故は、その時間を奪ってしまった》
    《避難者の人たちだって、多分ほとんどの人は「叶うなら帰りたい
     と思っているでしょう。でも、それはただ同じ場所に戻りたい
     ということではなく、慣れ親しんだ、かつてのふるさとに帰りたい
     
ということ。「帰りなさい」と言いながら、復興予算がじゃぶじゃぶ
     投入されて知らない建物が次々に建ち、新しい住民ばかりが増えて、
     以前とはまったく違うふるさとになってしまっているというのは、
     大きな矛盾だと思います》。
    「東電や国はさっさと「原状回復」して見せてほしい…10年も経って
     しまったではないですか。下記CMLより、《ひとりひとりの市民が…
     国と東電の責任を問い続けています。そして、原発はもういらない
     と声をあげています私たちは今、静かに怒りを燃やす東北の鬼です》」

   『●大阪地裁《関西電力3原発の運転差し止め認めず》、水戸地裁
     《東海第二原発の運転禁じる》、広島高裁《伊方原発3号機の運転容認》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/93000

仲間の自死、見せかけの復興「このまま戻れない」…原発事故「自主」避難者たちの不条理な現在地
2021年3月22日 12時00分

 東京電力福島第一原発事故の後、福島県内の旧避難指示区域外から逃れた人たちは自主避難者」と呼ばれ、さまざまな支援の外に置かれた同県郡山市から川崎市に母子避難した松本徳子さん(59)もその1人だ。自主避難者への住宅無償提供が打ち切られた後、自死を選んだ同郷の母親もいた。「避難をした人、しない人。それぞれの選択が尊重される社会を願ってきたが、かなわなかった。不条理です」と自主避難者の現状を見つめる。(安藤恭子

     (東日本大震災の追悼イベントで「原発事故を忘れないで
      と呼び掛ける松本徳子さん=10日、横浜市で)


◆いないことにされる私たち

 「五輪に向け、福島は今『復興』の一色。その一方、私たち区域外避難者はいないことにされこの国は原発をやめようとしない」。3月10日夕、横浜・象の鼻パークで開かれた東日本大震災の追悼イベント。松本さんが聴衆に語りかけた。「この10年で何かが変わった、とされることには憤慨しています」

 松本さんが生まれ育った郡山は、福島第一原発から約60キロ離れている。当初は避難するつもりはなかったが、震災の3カ月後、当時12歳の次女が大量の鼻血を出し、吐き気や下痢をもよおすようになった。「少しでも被ばくしない所へ」。自営の夫を残し、2011年秋に川崎市に移転した。

 17年3月、自主避難者への住宅の無償提供政策が打ち切られたが、郡山には帰れなかった。「自宅の庭にはまだ汚染物が残っていたから。娘も体調を崩した怖さを覚えている」と松本さん。除染は進んでも、放射線量が高い場所や食べ物は存在する。次女は川崎で高校を卒業し、就職した。

 「住んでいた区域によって分断されず、福島で生きるのに必要な検査や治療が保証され、正確な情報を提供されていたならば、多くの自主避難者は故郷に帰れたはずだ」と振り返る。


◆声を上げられなかった人たちの分まで

 16年にできた「避難の協同センター」(東京)の代表世話人に就き、自主避難者らの相談に応じてきた。17年5月、相談者の1人で郡山から母子避難していた女性が自死をした。「睡眠剤をのんだから、またね」。電話で話したのが最後だった。

 女性は仕事を掛け持ちし、自分の物を切り詰めて子どもたちの学費を貯金していた。家族に母子避難を反対され、自分を責めてもいた。「頑張っていた彼女を、貧困が追い詰めた住宅無償提供の打ち切りを決めた国や行政の選択は間違いだ」。五輪を前に自主避難者をなかったことにする「見せ掛けの復興」がうたわれている。松本さんの目には「棄民政策」と映る。

 松本さんは昨年から、両親の介護で一時的に郡山に戻っている。2月の地震でも原発事故の恐怖はよみがえり「このままでは帰れないと心に決めている戻れば、福島が大丈夫と認めることになるからだ。「子どもたちに、原発が安全なエネルギーと思ってほしくない同じ過ちを繰り返さないため、声を上げられなかった人たちの分まで、おかしいと言い続けなければと思っているんです」
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●武藤類子さん《本来ならその人たちにとってもこの10年、まったく違った時間があったはず…原発事故は、その時間を奪ってしまった》

2021年04月05日 00時00分51秒 | Weblog

[※ ↑「原発さえなければと思います」(週刊金曜日、2021年03月12日、1320号)]


(20210320[])
マガジン9のインタビュー記事【この人に聞きたい 武藤類子さんに聞いた:原発事故から10年。東電刑事裁判と福島の今】(https://maga9.jp/210317-3/)。

 《「私たちはいま、静かに怒りを燃やす東北の鬼です」──2011年9月、福島第一原発事故から半年後の集会で読み上げられた武藤類子さんのスピーチは大きな反響を呼び、多くの人の心を揺さぶりました…。それからもうすぐ10年。原発事故と向き合い、東京電力の刑事責任を問う活動などを続けてきた武藤さんは何を思い、いまの日本をどう見ているのでしょうか。お話をうかがいました》。

   『●東京電力核発電人災の刑事裁判: 東京地裁永渕健一裁判長の判決は、
          あまりに酷い理由も含めて《司法犯罪とも言える不当判決》
    《被告人全員無罪! 2019年9月19日、福島第一原発事故刑事裁判
     判決が下された。司法犯罪とも言える不当判決の内容を弁護士・
     海渡雄一が徹底解説する、前作「東電刑事裁判 動かぬ証拠と原発事故」
     の改訂版。東京高等裁判所での控訴審を前に全国民必見の33分間!!》

   『●東京電力核発電人災後に《福島県から千葉県などに避難した住民ら
     43人が国と東電に損害賠償を求めた集団訴訟の控訴審》で逆転判決
   『●東電核発電人災から10年: あの人災から何の教訓を得ることもなく、
      何も変わらないニッポン…核発電〝麻薬中毒〟から抜け出せないまま
   『●希望の牧場・吉沢正巳さん「この牛たちを見て、命の扱い方とか、
     原発があるというのはどういうことかを考えるきっかけになってほしい」
   『●《「国に法的責任はある」−原発事故で千葉県に避難した人々が
     起こした訴訟での東京高裁の判断だ。規制権限の不行使を厳しく指弾した》
   『●《「知っている町はどこかに行ってしまいました。返してください!
     10年前を!」。故郷をめちゃくちゃにされたことへの怒りは深かった》

 《避難者の人たちだって、多分ほとんどの人は「叶うなら帰りたい」と思っているでしょう。でも、それはただ同じ場所に戻りたいということではなく、慣れ親しんだ、かつてのふるさとに帰りたいということ。「帰りなさい」と言いながら、復興予算がじゃぶじゃぶ投入されて知らない建物が次々に建ち、新しい住民ばかりが増えて、以前とはまったく違うふるさとになってしまっているというのは、大きな矛盾だと思います》。
 東電や国はさっさと「原状回復」して見せてほしい…10年も経ってしまったではないですか。下記CMLより、《ひとりひとりの市民が… 国と東電の責任を問い続けています。そして、原発はもういらないと声をあげています私たちは今、静かに怒りを燃やす東北の鬼です》。

   『●脱アクションウィーク、5万人集会
    「最後の福島の被災市民として武藤類子さんが
     訴えておられる映像がとても印象に残りました。
     その文章おこしされたものはCML
     (http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-September/011909.html
     にありますので、一読して頂きたいです」

   『●再稼働・輸出問題に続いて、東京電力原発人災下の
              五輪招致騒動: 「あろうことか」、の連続
    《団長を務める武藤類子さん(60)は「抜本的な対策を取らない
     と大量な汚染水が出ることは、東電にとって想定内だったはず
     文書はそれを示す証拠だ。これまでのずさんな汚染水対策を見ると、
     私たち被災者の犠牲はなんだったのかと思う」と憤る》

   『●「東電元幹部の罪と罰」
     『週刊金曜日』(2014年9月19日、1008号)についてのつぶやき
    《武藤類子氏【これでも罪を問わないのか】。
     明石昇二郎さん【東電関係者の「不起訴」理由 検察は、いかに
     原子力ムラに丸め込まれたか】、「告発人として主任検事から
     詳細な説明を受けていた筆者が、その詳細を暴露する……
     御用電力学者の言い訳を鵜呑み……原子力ムラにしてやられた検察」》

   『●原状回復が損害賠償の基本: 東京電力原発人災で
             「ふるさとをなくした痛み」は全く癒えていない
    《「東京電力福島第一原発事故で国と東電の刑事責任を
     追及している福島原発告訴団の武藤類子団長は「原発事故が
     解決していない中での再稼働は信じ難い」と強調。川内原発建設
     反対連絡協議会の鳥原良子会長は「民意を反映しない
     鹿児島県や薩摩川内市の再稼働同意に住民は大きな怒りを
     感じている」と述べた》
    《原発事故被害者団体連絡会が設立された。被災者の悲しみ、
     怒りは、激しく、深く。共に訴え、助け合うため団結した。
     それは私たちとも無関係ではあり得ない。福島が求めている
     のは、当然そうあるべきことだけだ。謝罪と被害の完全賠償、
     暮らしと生業の回復、詳細な健康診断と医療保障、
     および被曝(ひばく)低減策、そして、事故の責任解明-》

   『●東電核発電人災、「だれひとり刑事罰を問われなくて
           いいのか」? 「市民の正義」無き国ニッポン
    《長い困難な裁判になるのだろうが、みんな裁判にかけている。
     団長の前いわき市議佐藤和良さんは「有罪に持ち込むため、
     スクラムを組もう」と訴えた。副団長の武藤類子さんも
     「最悪の事故を経験した大人として、未来に対して何ができるか」
     と問うた。私も、市民の正義を求める人びととともに
     「われらゆるがず」の歌声に連なりたい。 (佐藤直子)》

   『●武藤類子さん《沖縄で闘っている人の言葉…「国を相手に
        ケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ」》
    「レイバーネットのコラム【●木下昌明の映画の部屋 250回/
     原発事故に翻弄された14人~土井敏邦監督『福島は語る』】
     …。《映画は、生活を根こそぎ奪われ、人生を翻弄された
     14人の被災者に焦点を当てている。…暮しの中から被災後の困難を
     浮かび上がらせているのが特徴だ》」
    《こういった人々の語りから「病めるフクシマ」という言葉がじわり
     と浮かんでくる。福島原発告訴団武藤類子団長が登場する章では、
     「自分たちは理不尽な被害者なのに、黙っていていいの?
     と問いかける武藤団長が、沖縄で闘っている人の言葉を紹介する。
     「国を相手にケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ。
     それが尊厳なんだ。プライドなんだ」 胸に響く。》

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https://maga9.jp/210317-3/

この人に聞きたい
武藤類子さんに聞いた:原発事故から10年。東電刑事裁判と福島の今
By マガジン9編集部 2021年3月17日

私たちはいま、静かに怒りを燃やす東北の鬼です」──2011年9月、福島第一原発事故から半年後の集会で読み上げられた武藤類子さんのスピーチは大きな反響を呼び、多くの人の心を揺さぶりました(前回のマガ9でのインタビューはこちら)。それからもうすぐ10年。原発事故と向き合い、東京電力の刑事責任を問う活動などを続けてきた武藤さんは何を思い、いまの日本をどう見ているのでしょうか。お話をうかがいました。
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原発事故は「あったはずの時間」を奪ってしまった

──今年2月に出版された『10年後の福島からあなたへ』(大月書店)には、2012年1月に出版された前作『福島からあなたへ』の後、武藤さんが書いたり、話したりされてきた内容が収められています。本をつくる過程で東日本大震災と原発事故からの10年を振り返りながら、何を思いましたか。

武藤 とにかく、「どういう時間だったか」と振り返る時間もなく生きてきた10年だったな、と思いました。長かったのか短かったのかもよく分からない、そのくらい激変した人生を夢中で生きてきたという感じですね。
 改めて感じたのは、原発事故がなかったら私は今、まったく違う時間を生きていただろうということです。私だけではなく、あの原発事故は本当に多くの人の人生を変えてしまった。特に、自宅に住めなくなるなど大きな被害を受けた方たちは、根底から人生が覆ってしまったわけで。本来ならその人たちにとってもこの10年、まったく違った時間があったはずだった。原発事故は、その時間を奪ってしまったんだということを強く感じました。

──原発事故がなかったら、武藤さんは今も、福島県三春町のご自宅で開いていた里山カフェを続けていらしたでしょうか。

武藤 そうかもしれません。実際には、原発事故直後からカフェは休業、3年目に正式に廃業ということになりました。家の周りで採れた木の実なども料理に使うお店だったので、放射能の影響がある中での継続は難しいと考えたのです。
 その後は、東京電力幹部の刑事責任を問う「福島原発告訴団」の団長として活動しながら、地元で放射能の市民測定所をつくるための働きかけをしたり、被曝に関する専門家をお呼びして講演会を企画したり、いろんなことをやってきました。子どもたちを放射能から守るために何ができるだろうと模索しながらも、必死で両手にすくった砂が指の間からこぼれ落ちていってしまうようなもどかしさが常にありましたね。

──それはどうしてですか。

武藤 あれだけの事故があったにもかかわらず、原発による被害はなくなるどころか、形を変えて分かりにくくなりながら、むしろ広がっていっていると感じたからです。
 そもそも、福島第一原発の事故そのものがまだ収束したわけではありません。今年2月にも東日本大震災の余震で大きな地震があり、1・3号機の格納容器の水位が下がったと伝えられました。直接的な意味でも原発事故は終わっていなくて、この先も何があるのか分からない状態なんですよね。
 しかも、そこでは今もたくさんの人たちが被曝しながらの労働に従事している。よく「廃炉」作業といわれるけれど、実際には廃炉なんてまだまだ先の話で、その道のりさえ見えていません
 また、政府は原発から出た汚染水を浄化処理してもなお、放射性物質が残留する汚染水を海洋放出する方針を繰り返し示していますよね。加えて、除染作業で出た土が双葉町・大熊町の中間貯蔵施設に運び込まれていて、その量が1400万立方メートルにもなっているんですが、これも再利用資材として全国に拡散しようとしている。2045年には全量を県外に出すとまで言っています

──2014年に、「中間貯蔵施設での保管を始めてから30年以内に福島県外で最終処分する」ことを明記した法律(改正日本環境安全事業株式会社法)が成立しているんですね。

武藤 でも、今年環境省が実施したアンケートによれば、福島県外の人では8割以上が、そのことを「知らない」と答えていました。ほとんど知られていないままに、汚染土の拡散が進められようとしているわけです
 あと、除染作業やそこから出た廃棄物を処理する焼却事業、また木質バイオマス発電事業など、さまざまな形で原発関連企業の名前を見るようになっているのも気になります。かつて原発で利権を得ていた人たちが、「復興」に名を借りて再び福島で利権を取り戻そうとしているのではないでしょうか。
 そんなことばかりが続く状況に、理不尽さと怒りを強く感じながら、なんとか自分にできることを探し続けてきた日々だったような気がします。


実情と乖離したまま、喧伝される「福島の復興」

──2020年には福島県双葉町で、「東日本大震災と津波に伴う原子力災害を後世に伝える」ことを目的に掲げる「東日本大震災・原子力災害伝承館」がオープンしましたが、その内容については批判も多いようです。

武藤 私も3回訪れましたが、内容以前にそもそも立地が問題だと思いました。まだ事故が収束していない福島第一原発からわずか4キロ、周囲はすべて帰還困難区域に指定されているような場所です。しかも、東側はすぐ海で、東日本大震災のときのような大津波が来たら、水没する恐れがある。そんなところにたくさんの人が集まるものをつくるのはどうなのか。しかも福島県は、高校生の修学旅行を誘致するとも言っているんです。

──展示についてはどうでしたか。

武藤 それも、私たちが本当に伝承してほしいことがまったく描かれていない、という印象でした。
 原発事故が起きたときのこと、直後にみんなが避難せざるを得なくなって大変だったことなどは、映像も交えながらそれなりに詳しく描かれているのですが、避難先で子どもがいじめに遭ったとか、大事にしていた家畜やペットを置いたまま避難せざるを得なかったとか、そういうことはすっぽり抜け落ちてしまっている。事故後に子どもの被曝を予防するためのヨウ素剤配布が適切に行われなかったこと、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステムSPEEDI)による、放射性物質の拡散状況予測データが公表されず隠されていたこと、東電が津波についての試算をしていたのに対策しなかったことなどへの反省も見当たりませんでした。嘘は展示していないけれど、本当に伝えるべき大事なことがスルーされているという感じでしょうか。
 「伝承」の役割とは、起きたことを正確に検証し、反省して教訓を導き出すことだと思うのですが、それがまったくできていないと感じました。この伝承館だけでなく、原発の再稼働を進めようとする動きがあることなどを見ても、「同じような悲劇を二度と起こさないという視点が、今の政策からは抜け落ちている気がします。

──「復興五輪」の言葉などに象徴されるように、政府は事あるごとに東日本大震災被災地の、そして福島の「復興」を強調しようとしているように見えます。ずっとそこで暮らしている立場として、福島の状況をどう見ていますか。

武藤 事故から10年経って、なんとか生活が落ち着いてきたという人も多いとは思います。ただ全体としては、やはり「復興」ばかりが叫ばれることで、不安や苦しみをますます口にしづらくなっているところがあるのではないでしょうか。
 多くの人が、怒りや悲しみを心の中に押し込めて暮らしている。避難生活を続ける中で、鬱になってしまったといった話もよく聞きます。その結果が、2300人以上と他の被災県よりも圧倒的に多い「災害関連死」なのではないでしょうか。ある意味では「復興」という言葉が、人が抱えていて当然の痛みを外に出すのを邪魔してしまっているといえるかもしれません。

──避難生活を送っている人も、いまだ数万人にのぼるといわれます。

武藤 福島県の発表では、今年の初め時点で約3万6000人。ただ、これも正確に把握されているわけではなく、自治体や集計する機関によって「避難者」の定義が違うため、数はかなり違ってきます。県内の各自治自体が把握している避難者の数の合計は6万7000人以上と、3万人以上の開きがあるんです。

──2017年ごろからは、やはり「復興」を強調するためでしょうか、避難者への住宅支援を打ち切るなど、あからさまな「帰還政策」が取られてきました。

武藤 それでも、健康不安や生活基盤の問題から、帰らないという選択をする人は少なくありません。だから、補助金を出して新しい住民を呼び込み、それによって人口を増やして、見せかけの帰還率を上げている自治体もあります。「復興している」と宣伝されている福島の姿と、実際の状況とが、すごく乖離してしまっているんですね
 避難者の人たちだって、多分ほとんどの人は「叶うなら帰りたい」と思っているでしょう。でも、それはただ同じ場所に戻りたいということではなく、慣れ親しんだ、かつてのふるさとに帰りたいということ。「帰りなさい」と言いながら、復興予算がじゃぶじゃぶ投入されて知らない建物が次々に建ち、新しい住民ばかりが増えて、以前とはまったく違うふるさとになってしまっているというのは、大きな矛盾だと思います。


福島原発刑事訴訟が明らかにしたこと

──さて、武藤さんが告訴団長を務められていた、福島原発刑事訴訟についてもお聞きしたいと思います。福島第一原発事故に対する東電幹部などへの刑事責任追及を求める裁判ですが、武藤さんたち告訴人が検察に告訴状を提出したものの、当初の結論は「不起訴」。最終的には二度にわたる検察審査会の「起訴相当」という判断を受けて、2015年7月に東電幹部3人の強制起訴が決定しました。

武藤 不起訴になったときは「この国は、これだけ大きな事件であっても責任をきちんと問わないのか」という絶望感があったので、強制起訴になったときは、ようやく裁判が開かれるんだ、とほっとしましたね。
 2017年6月に初公判があり、そこから全部で38回の公判が開かれたので、私は全部傍聴しました。朝早くから並んで傍聴券を確保しないといけないのですが、告訴人や支援者などたくさんの人たちが協力してくれて。みんな毎回、始発電車に乗って集まってくれたんです。

──裁判の中では、それまで知られていなかった事実がいくつも明らかになったそうですね。

武藤 21人の方が証人として証言された他、メールや議事録などの証拠書類からもさまざまなことが見えてきました。すでに政府事故調査委員会の報告書なども出ていましたから、ある程度は推測がついていたこともあったのですが、中には驚くような新事実も出てきたんですね。
 たとえば、被告の一人であった事故当時の東電会長、勝俣恒久氏も出席していた会議──「御前会議」と呼ばれていたそうなんですが──で、事故前から福島第一原発での津波対策の必要性が議題に挙がっていたこと。東北電力や日本原電など、太平洋沿いに原発を所有している他の電力会社とも、東電がリーダーシップを取って津波対策についての協議をしていたこと。その後、東電は経営判断によって津波対策をやめてしまうのですが、対照的に日本原電は独自で東海原発の津波対策をして、その結果東日本大震災による津波の際にも、ぎりぎりのところで事故に至らなかったということも明らかになりました。

──津波対策の必要性がしっかりと東電社内でも認識されていて、それなのにやらなかった、ということですね。

武藤 なぜやらなかったのかについても、元社員の方が証言しています。2004年の新潟県中越地震のとき、東電が新潟県に所有する柏崎刈羽原発では、火災が起きて放射性物質が漏れ出るなど大きな被害が出ました。その修理のために一時運転が停止されるのですが、その結果として東電は28年ぶりの大赤字を出してしまった。福島第一原発でも津波対策をするとしたら莫大な費用がかかるし、対策をするにはいったん原発を止める必要があるから、そうしたらまた大損失になる。それを恐れて、対策は見送るという判断になったというのです。
 これは、明らかな東電の不作為です。危険性を認識していて、しかも対策をしようと思えばできたのに、やらなかった。裁判を傍聴しながら、これはどう考えても有罪だろうと確信していました。

──しかし、2019年9月に東京地裁が出した判決は「全員無罪」でした

武藤 最初に裁判長が「被告人はいずれも無罪」と読み上げ、その後判決要旨を述べたのですが、この内容もひどかったです。
 たとえば、東電が津波対策の必要性を認識する根拠の一つだった、文部科学省の地震調査研究推進本部が公表した「長期評価」を、「信頼に値しない」と切り捨て、だから東電が津波対策をしなかったことには妥当性がある、としている。でも、この長期評価は、国や東電の責任を問う他の民事訴訟でも、「東電が危険性を予測できた」ことの根拠として何度も認められているものです。また、裁判の中で出てきたさまざまな証言の取り扱いも、「この裁判長はいったい何を聞いていたんだろう」という感じで、まったく整合性がありませんでした。

──本当に、驚きとしかいいようのない判決でした。

武藤 裁判で検察官役を担当してくださった指定弁護士チームの方たちが、判決後の記者会見で「原子力行政に忖度した判決だ」と指摘されていて、「ああ、そういうことか」と思いました。
 もちろん納得できるはずはなく、昨年9月に控訴趣意書を裁判所に提出しました。まだ予定は決まっていませんが、おそらく今年中には被告人側の答弁書が出て、裁判が始まるだろうといわれています。司法は本当の意味で独立した、正義が行われる場であってほしいと思うので、その期待は捨てずにいたい。控訴審では正しい判決を出してください、裁判所は正義の砦であってくださいと、訴え続けようと思っています。

     (東電刑事裁判で明らかになった事実や、判決の問題点について
      分かりやすく解説した短編映画『東電刑事裁判 不当判決
      (監督:河合弘之、企画・監修:海渡雄一)が、
      福島原発刑事訴訟支援団のホームページで無料公開されています。)


福島で起きていることは「自分の身に起きていること」

──改めて、原発事故から10年です。武藤さんが、福島から今の日本を見ていて感じることはありますか。

武藤 強く感じるのは、一番大事にすべきもの──人の健康、人の命といったものが、まったく大事にされていなくて、二の次にされているということです。
 コロナ対応を見ていてもそれを強く感じます。去年、仲間たちと東京オリンピック開催に反対する「福島はオリンピックどごでねぇ!!」というアクションを立ち上げたのですが、今の状況は日本全体、世界全体がどう考えても「オリンピックどころじゃない」ですよね。それなのに、政府やオリンピックの組織委員会は、いまだに開催を強行しようとしている。まさに、人の命が二の次にされているんです。
 あるいは、今経済産業省が進めているエネルギー基本計画の見直し。原発の復権を盛り込もうとする動きがあるのを見ていると、この社会は命を大事にしないばかりか、「反省をすることができない社会」でもあるんだと感じます。何が起きたのかをしっかりと目をこらして見て、どこが悪かったのか反省をして、二度と同じことを起こさないための教訓を導き出す。そういう態度が抜け落ちているといえるのではないでしょうか。

──先ほどお話しいただいた伝承館にも、まさにそのことが表れているといえそうです。

武藤 そういう中で、福島で起きていることについても、多くの人たちに「遠くのどこかで起きていること」ではなくて、まさに今、自分たちの身に起きていることなんだという現実感を持って受け止めてほしい。そうでないと、気づかないうちにどこかに流されて、今度は自分自身が命を奪われるようなことになっていくんじゃないかと思います。

 人権や尊厳が無視され、奪われて踏みにじられる。そういう状況は、これから災害などが起こるごとにいろんなところで起きてくるんじゃないか。福島では、それが先行して起こっているだけなんじゃないか。そんな気がしています。

 

──『10年目の福島からあなたへ』のまえがきの最後には、絶望の中に「光を見出せると信じて」とあります。私たちが「光」を見出せるとしたら、それはどこにあると思われますか。

武藤 実は、この部分は最初は「希望を見出せると信じて」と書いていたんです。でも、あまりにもこの10年、「希望」という言葉が空々しく、本当の意味とは違う意味で使われ続けてきたような気がして、自分の中でもしっくり来なかった。それで「光」と書き換えたんですが、本当はやっぱり本来の意味の「希望」を見出すことができればいいなと思いますよね。
 そして、見出せるとすればそれは、若い人たちの存在にかな、と思います。これからの世代は、本当に大変な時代を生きていかなくてはなりません。福島だけではなく、世界中で核実験や原発から出てきた膨大な廃棄物を押しつけられ、気候変動やコロナのような感染症の問題と向き合い……私たちは原発事故の被害者ではあるけれど、同時に若い人や未来の世代に対する加害者でもあるという意識が、常にあります。
 それでも、その厳しい状況を生きていく若い人たちの賢さに、私は期待したい。どうか私たちの間違いを繰り返さずに新しい道を切り開いていってほしいし、そうなるように手助けができたらと思っています。

(取材・構成/仲藤里美)




むとう・るいこ ●1953年生まれ。福島県三春町在住。養護学校教員などを経て、2003年に開業した里山喫茶「燦(きらら)」を営みながら反原発運動に取り組む。3・11原発事故発生後、「さようなら原発5万人集会」でのスピーチが反響をよび『福島からあなたへ』(大月書店)として書籍化。2012年に結成した福島原発告訴団の団長として全国に告訴運動をよびかけ、以後も東京電力の責任を問う活動を継続している。原発事故被害者団体連絡会(ひだんれん)共同代表、3・11甲状腺がん子ども基金副代表理事。他の著書に『どんぐりの森から』(緑風出版)など。
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●「ビキニ事件は遠い過去に終わったことではなく、未来の命にかかわる」――― マグロ漁船「第五福竜丸」の船員・大石又七さんが亡くなる

2021年04月03日 00時00分11秒 | Weblog

[『放射線を浴びたX年後』(http://x311.info/part1.html)↑]


/ (2021年03月28日[日])
アサヒコムの【(社説)ビキニ核実験 船員が憂えた未来の命】(https://www.asahi.com/articles/DA3S14843050.html?iref=comtop_Opinion_03)。

 《67年前の3月1日、米国が太平洋ビキニ環礁で水爆実験を行い、日本漁船の乗員や近くの島々の住民らが巻き込まれた。静岡県のマグロ漁船「第五福竜丸」は、操業中に「死の灰」を浴びた。その船員の一人として、核廃絶を訴え続けた大石又七(またしち)さんが亡くなった。享年87。体験を語る証言活動を国内外で700回以上重ねた。「まだまだ言いたいこと、伝えたいことがある」。最近もそう語っていたという。核兵器の罪をじかに知る語り部は年々、少なくなっていく。だが人類が再び過ちを犯す恐れは今も消えず、むしろ核軍拡と拡散の流れが強まっている。…「ビキニ事件は遠い過去に終わったことではなく、未来の命にかかわる」。大石さんの警句が、重く響く》。

 大石又七さんが亡くなられました。ご冥福をお祈りいたします。
 《『ビキニ事件』は終わっていないんです》(「太平洋核被災支援センター」事務局長山下正寿さん)。
 《ビキニ事件は遠い過去に終わったことではなく、未来の命にかかわる》。さらに、「五五年…以降、一切の追加調査や補償を放置してきた国の不作為」…『ビキニ事件』は終わっていない。「国はこれまで福竜丸以外の船員の追跡調査をしてこなかった」、《国会や政府は対応を放置したままだ》…なんというデタラメな国なのか…。無責任国家、無慈悲な国。東京電力核発電所人災も似たようなものだ。『放射線を浴びたX年後』に慄く…。

   『●映画『放射線を浴びた『X年後』』: 
     「こんな巨大な事件が、…日本人としての資質が問われる」
   『●米軍の「差別性の極み」:NNNドキュメント’14
       『続・放射線を浴びたX年後 日本に降り注いだ雨は今』
   『●東電原発人災の『X年後』: 厚生省「1.68ミリシーベルト」
                      vs 研究者「1400ミリシーベルト」
   『●『放射能を浴びたX年後』: 「国はこれまで
       福竜丸以外の船員の追跡調査をしてこなかった」
   『●「私たちは被ばく船員を見捨ててきたと痛感」…
                 2011年から「X年後」を怖れる
    「東京新聞のコラム【【私説・論説室から】「放射線を浴びたX年後」】
     …《登場人物はみな、静かな語り口だが、私たちは被ばく船員を
     見捨ててきたと痛感する。ビキニ事件で政府が積極的に調べたのは、
     船体と魚の放射能汚染。船員はおざなり。米国から賠償金二百万ドルを
     受け取ると調査もやめた。漁港では風評被害を恐れ、
     誰も被ばくは口にできない。そんな時代だ》」
    「同じ構図を…3.11東京電力原発人災でもやってしまっているのではないか…、
     ということをとても怖れる。過小に見積り、情報が隠され、
     「ただちには影響はない」とした「X年後」に、取り返しのつかない何かが
     起こってしまいはしないか? …「事故直後の1巡目の検査では「異常なし」
     とされた子ども4人が、4月から始まった2巡目の検査で甲状腺がんの疑い
     と診断…1986年のチェルノブイリ原発事故では4~5年後に子どもの
     甲状腺がんが急増した」。取り返しのつかない「X年後」が経過してしまった
     のではないでしょうか」

   『●東京電力原発人災から『X年後』…… 
       取り返しのつかないことが現実化してはいまいか?
   『●人類は核と共存できるのか? 
        『放射線を浴びたX年後』とパグウォッシュ会議
   『●『放射線を浴びた『X年後』』: ビキニの海に居た
       元船員「行動しないと永遠に知る機会を失ってしまう」
   『●第五福竜丸元乗組員大石又七さん「ビキニと
     福島はつながっている」「被曝者がたどった道を、福島で…」
   『●「太平洋核被災支援センター」事務局長山下正寿さん
                「『ビキニ事件』は終わっていないんです」
   『●《基準値超えのマグロ…午後からは検査がなくなり、すべての
          マグロが出荷された…。こうして汚染魚は“ゼロ”に》
   『●「五五年…以降、一切の追加調査や補償を放置してきた国の不作為」
                    …『ビキニ事件』は終わっていない
    「長年こつこつと、この問題に取り組んでこられた
     「太平洋核被災支援センター」事務局長山下正寿さん、
     「『ビキニ事件』は終わっていないんです」。」
    「《子どもたちの間では甲状腺がんが増えているが、県の調査班は放射能の
     影響を否定するばかり。原発のちりは広い範囲に降った。原因の究明は
     進むのか、将来への不安を声にも出せず苦しんでいる子どもは各地にいる
     …慄く。怒りが湧く」
    《ビキニ被ばく 国賠提訴 「情報不開示」元船員ら初
     2016年5月9日 夕刊
      一九五四年の米国による太平洋・ビキニ環礁での水爆実験の際に
     周辺海域にいた元漁船員やその遺族ら四十五人が九日午後、被ばくに
     関する調査結果を日本政府が長年開示せず、米国への賠償請求の機会を
     奪われたなどとして、元船員一人当たり二百万円の慰謝料を
     求める国家賠償請求訴訟高知地裁に起こした。 
      原告側によると、ビキニ実験を巡る国賠訴訟は初めて。被ばくした
     第五福竜丸(静岡県焼津市)の元船員らには五五年に米側から見舞金が
     支払われており、提訴で国の責任を追及するとともに、救済実現を目指す

   『●【放射線を浴びたX年後】…《半世紀以上前の列強国による…核実験に
       関わったイギリス軍の元兵士や遺族…その海で何があったのか》?
   『●『放射線を浴びたX年後』…『ビキニ事件』は終わっていない。
     「国はこれまで福竜丸以外の船員の追跡調査をしてこなかった」
    《六十六年前の核実験を忘れるわけにはいきません。裁判が今もある
     のです。先行したのは第五福竜丸「以外」の漁船の元船員や遺族が
     一六年、高知地裁に国家賠償を求めた訴訟です》。
    「「五五年…以降、一切の追加調査や補償を放置してきた国の不作為
     …『ビキニ事件』は終わっていない。「国はこれまで福竜丸以外の
     船員の追跡調査をしてこなかった」」。

   『●「原子力の平和利用」という核発電への幻想…「原発は『プルトニウム
         をつくる装置』」(内橋克人さん)にこだわる周回遅れのニッポン

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https://www.asahi.com/articles/DA3S14843050.html?iref=comtop_Opinion_03

(社説)ビキニ核実験 船員が憂えた未来の命
2021年3月23日 5時00分

     (亡くなった第五福竜丸の元船員、大石又七さん
             =2018年9月22日、東京都内で)

 67年前の3月1日、米国が太平洋ビキニ環礁で水爆実験を行い、日本漁船の乗員や近くの島々の住民らが巻き込まれた。

 静岡県のマグロ漁船「第五福竜丸」は、操業中に「死の灰」を浴びた。その船員の一人として、核廃絶を訴え続けた大石又七(またしち)さんが亡くなった。

 享年87。体験を語る証言活動を国内外で700回以上重ねた。「まだまだ言いたいこと、伝えたいことがある」。最近もそう語っていたという。

 核兵器の罪をじかに知る語り部は年々、少なくなっていく。だが人類が再び過ちを犯す恐れは今も消えず、むしろ核軍拡と拡散の流れが強まっている

 大石さんらが後世に残そうとした遺志を胸に刻むとともに、「核なき世界」をめざす道筋を真剣に考えねばなるまい。

 ビキニ事件が起きたのは、広島・長崎の原爆から9年後の1954年。米ソ冷戦下の核競争が激化した時代だ。

 福竜丸の乗員は23人。無線長が約半年後に亡くなり、さらに早世する仲間が相次いだ

 「訴え続けなければ、ビキニ事件はやがて消えてしまう」。大石さんは被曝(ひばく)の影響とみられる症状や差別に苦しみながらも沈黙を破り、訴え続けた

 ビキニ事件は原水爆禁止の国内世論を高めた一方で、日米両政府の政治決着により、翌年に米側の見舞金7億円余で「完全解決」とされた

 同じ海域で影響を受けた日本の漁船は約1千隻とされるが、公式の健康影響調査はされていない。80年代以降、船の約3割は高知県から出ていたことが地元の地道な調査で浮かんだ。

 高知の船員らは5年前に国に賠償を求めて提訴したが、棄却された。ただし判決は、立法府と行政府に対し「一層の検討に期待するほかない」と救済を促した。それでも国会や政府は対応を放置したままだ

 国際情勢に目を転じれば、今年1月に核兵器禁止条約が発効した。この枠組みは、核実験の被害者への国際的な支援を定めた点でも注目されている。

 普遍的な人道主義にもとづく救済の考え方は、日本だけでなく、太平洋諸国など各地の核被害に苦しむ人びとにとって貴重な手立てとなろう。

 ビキニ事件で「3度目の被ばく」を経験した日本は、核禁条約への参画を果たすべきだ

 米国による「核の傘」を理由に傍観を決め込む姿勢は許されない。核廃絶を願う国際世論と共に立つ日本の決意を示すためにも、条約への関与が必要だ。

 「ビキニ事件は遠い過去に終わったことではなく、未来の命にかかわる」。大石さんの警句が、重く響く。
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●《「知っている町はどこかに行ってしまいました。返してください!10年前を!」。故郷をめちゃくちゃにされたことへの怒りは深かった》

2021年03月25日 00時00分00秒 | Weblog

[※ ↑「原発さえなければと思います」(週刊金曜日、2021年03月12日、1320号)]


/ (2021年03月13日[土])
レイバーネットの二つの記事。堀切さとみ氏による記事【「石碑があるから希望がわく」〜双葉町民が避難した「旧騎西高校」で除幕式】(http://www.labornetjp.org/news/2021/0306futaba)と、
【町が奪われた!10年前を返してください」〜東電本店前で労働者抗議アピール】(http://www.labornetjp.org/news/2021/0305tobu)。

 《2011年3月の福島第一原発事故から逃れた双葉町の人たちが、避難所として身を寄せた旧騎西高校(埼玉県加須市)。事故から10年を前に、双葉町と加須市の友好を示す石碑が建てられ、3月6日、除幕式が行われました。着の身着のまま、県境を越えて避難してきた町民のために、廃校になった校舎に畳を敷き、支援を惜しまなかった加須市。避難所は2013年末に閉鎖となりましたが、今も加須市には384名の双葉町民が暮らしています。「避難した方がすべて帰還されるまで支援を続ける」という大橋加須市長の話につづき、大野埼玉県知事、双葉町副町長らが挨拶しました。「希望」という題字を揮毫したのは、双葉町の書家・渡部翠峰さん。双葉町がある北東の方角を向いた石碑を前に「すべての双葉町民に見てほしい。大変なのは皆同じだった」。双葉町民、支援者たちが久しぶりの再会を喜び合いました。「双葉のことは忘れられないでも、加須市は第二の故郷だな」(堀切さとみ)》。
 《福島原発事故からまもなく10年。3月5日午前10時すぎから、「福島原発事故10カ年糾弾! 東京電力前労働者抗議アピール行動」が行われた。東京東部労組の呼びかけで、全労働者組合、下町ユニオン、東京管理職ユニオンなど10以上の組合メンバー約80人が集まった。最初にアピールしたのは、全労働者組合の組合員の小笠原七重さん(写真)。彼女は、原発から10キロ以内の富岡町から両親とともに東京に避難している人だった。マイクを手にしたが「感極まって声が出ない」。でも、涙ながらに訥々と語り出した。「今年で10年経ちますが、私にとってはまだ10多分20年、30年経っても、私は東京電力のことを恨んでいます。私の育った町は日に日に変わっています。小学校もなくなりました。中学校もなくなりました。駅もなくなりました。知っている町はどこかに行ってしまいました返してください!10年前を!」。故郷をめちゃくちゃにされたことへの怒りは深かった》。

 国や東電は何時になったら「原状回復」してくれるのか?

 《富岡町から両親とともに東京に避難している人だった。…「今年で10年経ちますが、私にとってはまだ10多分20年、30年経っても、私は東京電力のことを恨んでいます。…知っている町はどこかに行ってしまいました返してください!10年前を!」。故郷をめちゃくちゃにされたことへの怒りは深かった》。
 東電・政府・原子力「寄生」委員会等は放射性物質で汚染された地域を早く「原状回復」してみせてよ! もう10年も経ってしまったではないですか。

 東京電力核発電人災から10年目の『週刊金曜日』の表紙。撮影は豊田直巳さん。「原発さえなければと思います」と書き残して自死…この重い言葉を東電・政府・原子力「寄生」委員会等はどう応えるのか?

   『●哀しい遺書: 「原子力さえなければ」
   『●ドキュメンタリー映画『わすれない ふくしま』:
       「震災さえ」ではなく 「原発さえなければ…」
   『●「「3.11」から2年② 原発という犯罪」
      『週刊金曜日』(2013年3月8日、934号)
   『●「原発さえなければ」「福島の百姓は終わりだ」:
           東京電力原発人災と自殺には因果関係あり
   『●終わらない原発人災の影響:「震災さえ」ではなく 「原発さえなければ…」
     「「震災さえ」ではなく、 「原発さえなければ…」である。
      原子力郷土の発展豊かな未来」「原子力明るい未来のエネルギー

      原子力正しい理解で豊かなくらし」を信じ込ませた自民党議員や
      電力会社幹部といった東京電力原発人災の責任者・「罪人・犯罪者」は、
      誰一人として罰せられることもなく、まだのうのうと生活している」

   『●ドキュメンタリー映画『わすれない ふくしま』:
          「震災さえ」ではなく 「原発さえなければ…」

   『●自公議員や原子力「推進」「寄生」委員会委員らは
                     「闘うみんな」ではないようだ
    「3・11から3年が経ち、何の解決も見ていない。「福島県飯舘村
     村民を追ったドキュメンタリー映画「遺言 原発さえなければ」が、
     八日から東京都内で上映される」そうだ。「震災さえなければ」
     ではなく「原発さえなければ」」

   『●大沼「少年」の《事故を思い出して原発を議論する
       きっかけになるもの》を撤去し…いま、政治的と言われ…
   『●《草木のすべてにセシウムが染みついている。田畑を耕すが自分で
         食べるだけ。孫には食べさせないし、売ることもできない》
   『●西日本新聞【フクオカ☆シネマペディア/『遺言 原発さえなければ』
           野田雅也、福島を追い10年「飯舘の酪農 復活までは」】



[↑「原発さえなければと思います」(週刊金曜日、2021年03月12日、1320号)]



[↑「今週の表紙」豊田直巳さん(週刊金曜日、2021年03月12日、1320号)]

   『●東京電力核発電人災後に《福島県から千葉県などに避難した住民ら
     43人が国と東電に損害賠償を求めた集団訴訟の控訴審》で逆転判決
   『●東電核発電人災から10年: あの人災から何の教訓を得ることもなく、
      何も変わらないニッポン…核発電〝麻薬中毒〟から抜け出せないまま
   『●希望の牧場・吉沢正巳さん「この牛たちを見て、命の扱い方とか、
     原発があるというのはどういうことかを考えるきっかけになってほしい」
   『●《「国に法的責任はある」−原発事故で千葉県に避難した人々が
     起こした訴訟での東京高裁の判断だ。規制権限の不行使を厳しく指弾した》

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http://www.labornetjp.org/news/2021/0306futaba

「石碑があるから希望がわく」/双葉町民が避難した「旧騎西高校」で除幕式

「石碑があるから希望がわく」〜双葉町民が避難した「旧騎西高校」で除幕式
堀切さとみ

 2011年3月の福島第一原発事故から逃れた双葉町の人たちが、避難所として身を寄せた旧騎西高校(埼玉県加須市)。事故から10年を前に、双葉町と加須市の友好を示す石碑が建てられ、3月6日、除幕式が行われました。

 着の身着のまま、県境を越えて避難してきた町民のために、廃校になった校舎に畳を敷き、支援を惜しまなかった加須市。避難所は2013年末に閉鎖となりましたが、今も加須市には384名の双葉町民が暮らしています。「避難した方がすべて帰還されるまで支援を続ける」という大橋加須市長の話につづき、大野埼玉県知事、双葉町副町長らが挨拶しました。

 「希望」という題字を揮毫したのは、双葉町の書家・渡部翠峰さん(写真上)。双葉町がある北東の方角を向いた石碑を前に「すべての双葉町民に見てほしい。大変なのは皆同じだった」。双葉町民、支援者たちが久しぶりの再会を喜び合いました。

 「双葉のことは忘れられないでも、加須市は第二の故郷だな」「この碑ができて、加須にいても気持ち的に堂々としていられる。感謝しかない」。津波で親戚を亡くし、毎月11日には欠かさず騎西高校を訪れ、黙とうを捧げてきた関根茂子さんは「これからは石碑があるから希望がわく」と力強く語りました。

Last modified on 2021-03-07 21:29:36
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http://www.labornetjp.org/news/2021/0305tobu

「町が奪われた!10年前を返してください」/東電本店前で労働者抗議アピール

「町が奪われた!10年前を返してください」〜 東電本店前で労働者抗議アピール

動画(5分20秒)

 福島原発事故からまもなく10年。3月5日午前10時すぎから、「福島原発事故10カ年糾弾! 東京電力前労働者抗議アピール行動」が行われた。東京東部労組の呼びかけで、全労働者組合、下町ユニオン、東京管理職ユニオンなど10以上の組合メンバー約80人が集まった。

 最初にアピールしたのは、「全労働者組合」組合員の小笠原七重さん(写真上)。彼女は、原発から10キロ以内の富岡町から両親とともに東京に避難している人だった。マイクを手にしたが「感極まって声が出ない」。でも、涙ながらに訥々と語り出した。「今年で10年経ちますが、私にとってはまだ10年多分20年、30年経っても、私は東京電力のことを恨んでいます。私の育った町は日に日に変わっています。小学校もなくなりました。中学校もなくなりました。駅もなくなりました。知っている町はどこかに行ってしまいました返してください!10年前を!」。故郷をめちゃくちゃにされたことへの怒りは深かった

 彼女がもっとも悔しかったのは、テレビ報道などで煽られた心ない周りの声だったという。「私たちはしぶしぶ生活していたのに、原発があるから原発マネーで潤っている。原発ができたから道路もできた。お金ももらえた。だから仕方ない。それを聞くと心が痛くてしょうがなかったです」。

 その後、参加組合の代表が次々にスピーチに立ち「東電は責任をとれ」「再稼働するな」の声を上げた。郵政ユニオンの内田正さんの発言は印象的だった。「みなさんあの事故を思い出してください。たまたま風向きが海に向かっていたから大量の放射能は太平洋に流れました。もし風向きが逆だったら、首都圏は汚染され住めなくなっていたでしょう。運が良かっただけなのです。だからこれは私たちの問題です。そしていま東京にもっとも近い東海第二原発再稼働が画策されています。脱原発を自分たちの問題として取り組んでいきましょう」と。

 また本店で働く労働者に向けて「東京電力労組も自分たちの問題として一緒に取り組んでほしい」とのアピールもあった。3.11から10年のいま、脱原発運動に市民団体だけでなく労働組合もしっかり声を上げた意義は大きい。(M)

Last modified on 2021-03-05 16:46:30
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